マンションの資産価値は何で決まる?下がりにくい物件の見分け方と調べ方の画像01

この記事では、資産価値が下がりにくい物件を見分けるための考え方と 購入候補のマンションを自分で調べる具体的な手順を解説します。

監修者 矢野 翔一氏

■監修者プロフィール
矢野 翔一
関西学院大学法学部法律学科卒業。不動産賃貸業を運営する有限会社アローフィールド代表取締役社長。2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)、宅地建物取引士、管理業務主任者。
不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。



マンションの資産価値とは?

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マンションの資産価値は、築年数や駅からの距離だけでは決まりません。まず確認したいのは、次の3項目です。
1 将来も買いたい人がいるかという「需要」
2 周辺相場に対して高く買いすぎていないかという「価格」
3 建物を長期間維持できるかという「管理」
この3つを最初のふるいとして確認したうえで、広さ・間取り・階数・眺望・地域の将来性・災害リスクといった条件を加味していきます。
自宅として購入する場合は、将来の売却価格そのものに加えて、住宅ローン残高と売却にかかる費用を差し引いても住み替えができるかどうかも、あわせて確認しておきたいポイントです。
なお、「資産価値が落ちないマンション」を事前に断定することはできません。資産価値は、将来の選択肢を残すための判断材料のひとつとして扱いましょう。

自宅用マンションでは「将来いくらで売れるか」が中心

自宅として住むマンションを選ぶ場合、資産価値の中心になるのは「将来いくらで売れるか」「売りやすいかどうか」です。転勤や家族構成の変化、老後の住み替えなど、将来的に手放す可能性を考えるなら、購入時点から「売却しやすい条件がそろっているか」を意識しておく必要があります。

賃貸に出す可能性があるなら収益性も確認する

将来、賃貸に出す可能性がある人は、売却価格だけでなく、想定される賃料や空室リスクといった収益性の視点もあわせて確認しましょう。自宅としての利用を基本にしつつ、賃貸に出す選択肢も残しておきたい場合は、周辺の賃貸需要も調べておくことがポイントです。なお、住宅ローン返済中に賃貸へ出す場合は、借入先への確認が求められます。

固定資産税評価額や路線価は売却価格そのものではない

固定資産税評価額、路線価、公示地価などは、それぞれ課税や土地評価という異なる目的のために作成される指標です。つまり、個別マンションの市場価格(部屋全体の売却価格) そのものを示すわけではありません。これらの公的指標に単純な倍率を掛け合わせて 売却価格を算出することは避け、あくまで市場価格とは別の指標として理解することが大切です。なお、購入検討時に固定資産税評価額や税額を確認したい場合は、販売図面(マイソク)の記載を確認するか、不動産会社経由で売主側に確認してもらいましょう。

資産価値が下がりにくいかを決める3つのポイント

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ここからは、資産価値が下がりにくいかどうかを確認するための3つのポイントを需要・価格・管理の順に見ていきます。

需要|将来も買いたい人がいる立地か

需要を見るときは、以下が参考になります。

・駅からの距離
・バスや道路事情を含めた交通利便性
・スーパーや医療機関などの生活利便性
・地域にどのような購入者層が多いか
・周辺で同じような物件がどれだけ供給されているか
・代替になり得る物件がどれくらいあるか

駅から近くても、同条件の物件や代わりになるような物件が周囲に多い場合は、需要を慎重に見極める必要があります。

価格|周辺相場より高く買いすぎていないか

同じ駅、同程度の面積、同程度の築年数など条件をそろえたうえで、価格を見ていきましょう。掲載されている「売出価格」ではなく、実際に取引が成立した「成約価格」をできる限り確認します。掲載中の希望価格を成約相場としてそのまま扱わないよう注意してください。

監修者コメント

ポータルサイト等に記載されている売り出し価格はあくまでも売主様の希望価格であり、値引き交渉等を経て実際に取引される成約価格と1割ほど乖離することも珍しくありません。資産価値を正しく見極めるためには、レインズ(指定流通機構)の情報をもとにした不動産会社の査定データや不動産情報ライブラリなどを参考に、実際の制約相場を基準に判断することが重要です。

管理|修繕と資金計画を継続できるか

管理面においては、長期修繕計画、修繕積立金の水準、滞納の有無、一時金の予定、総会議事録、これまでの修繕履歴を確かめます。長期修繕計画は、将来予想される修繕工事を計画し、必要な費用を算出して修繕積立金を設定するために作成される書類です。ただし、ガイドラインに沿った計画があること自体が、将来の売却価格が維持される保証にはなりません。物件ごとの計画内容や資金状況、見直し時期を個別に把握しておきましょう。
また、管理・修繕について一定の基準を満たすマンションの管理計画を地方公共団体が認定する「管理計画認定制度」も存在します。この制度では、長期修繕計画の計画期間や大規模修繕工事の回数、修繕積立金の水準などが基準に含まれます。ただし、認定を受けていることが「資産価値が高い証明」や「値下がりしない証明」になるわけではなく、制度を実施していない自治体もあるため、所在地の自治体情報もあわせて調べてみてください。
「外観がきれい」「管理人が常駐している」といった見た目の印象だけで管理状態が良好と判断するのは避け、長期修繕計画や積立金の状況など、実際の資料で確認することが重要です。
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住戸条件と地域の将来性で資産価値を補正する

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需要・価格・管理の3つのポイントを確認したあとは、住戸そのものの条件と地域の将来性を考慮していきます。

広さ・間取り・階数・方角・眺望は需要との相性で見る

広さ、間取り、階数、方角、眺望は、必ずしも価値を上げる条件とは限りません。地域でどのような広さ・間取りの需要が多いか、希少性があるか、代替できる物件がどれだけあるかとの関係で評価が変わります。極端に広い、あるいは特殊な間取りの住戸は、購入者層が限定されやすい点にも注意が必要です。

再開発や人口動向は期待だけでなく根拠を確認する

再開発、新駅の設置、路線の延伸といった将来計画は
・構想段階なのか
・検討段階なのか
・都市計画決定を経ているのか
・認可を受けているのか
・すでに着工しているのか
などによって確度が異なります。
計画の変更や中止もあり得るため、対象となる自治体や鉄道事業者の公式発表で、事業の段階と最新状況を調査しましょう。
人口動向については、国立社会保障・人口問題研究所が都道府県・市区町村別の将来推計人口を公表しています。これは将来需要を考えるための資料のひとつであり、確定した将来人口ではありません。市区町村単位の推計を、特定の駅やマンションの需要にそのまま置き換えることはできない点にも注意してください。

災害リスクと売りやすさへの影響も確認する

ハザードマップポータルサイトでは、住所周辺で想定される洪水、土砂災害、高潮、津波などの災害リスク情報をチェックできます。自治体版のハザードマップや避難情報、建物の対策状況もあわせて確認しておきましょう。

築年数だけでマンションの資産価値は決まらない

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築年数は資産価値を左右する要素のひとつですが、それだけで価値が決まるわけではありません。新築、中古それぞれで、築年数以外に注目すべきポイントを紹介します。

新築は購入直後に売っても価格が下がりやすい

新築マンションは、販売価格に広告費や販売経費などが含まれる傾向があります。そのため、買ってすぐに売り出した場合、同じ条件の中古物件よりも売却額が下がる(いわゆる新築プレミアムが剥げ落ちる)傾向があります。

中古は管理状態と購入価格を比較しやすい

中古マンションは、実際の管理状態や過去の取引額を事前に調べられる点が強みです。築年数による値下がり幅を調べる際は、エリアごとの成約データが手がかりになります。ただし、実際の価格の下がり方は地域や物件の条件によってバラつきがある点に気をつけましょう。不動産市場全体の相場の動きを把握したいときは、国土交通省が公表する指数が役立ちます。

築古でも候補に残せるマンションの条件

築年数が古くても、需要のある立地、適切な管理、妥当な購入価格などの条件がそろっていれば、購入候補として残る可能性があります。「築古でも価値が落ちない」と言い切ることはできませんが、地域性、価格、耐震性、管理状態、権利関係などを個別に確認したうえで判断することが重要です。

監修者コメント

一般的にマンションは築20年~25年ほどで価格の下落幅が緩やかになる傾向があります。そのため、しっかりと修繕・管理がなされている築古物件であれば、購入後の資産価値が下がりにくく、狙い目となるケースも多いです。ただし、1981年5月以前の旧耐震基準の物件は、住宅ローン控除の適用条件や耐震補強の有無、将来の売却難易度を慎重に判断する必要があります。

マンションの資産価値を自分で調べる5ステップ

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ここからは、購入候補のマンション、または現在所有しているマンションの資産価値を 自分で調べるための手順を紹介します。
※個別物件の査定額を断定できるものではない点に注意してください。

1.近隣・類似物件の成約価格を調べる

国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産の取引価格、地価、防災、都市計画、周辺施設などの情報を調べられます。個別マンションの査定額を表示するサービスではないため、取引時期、面積、築年数、地域などの条件をそろえて参照しましょう。あわせて、指定流通機構が提供する不動産取引情報サイト(レインズ・マーケット・インフォメーションなど)でも、実際に成立した成約価格を確認できます。
参照: 不動産情報ライブラリ

2.現在の売出価格と賃料を比較する

不動産ポータルサイトで、現在売り出されている同条件の物件の価格や賃貸に出された場合の想定賃料を比較しましょう。売出価格はあくまで「売主が希望する価格」であり、成約価格とは区別する必要があります。

3.長期修繕計画・積立金・総会資料を確認する

仲介会社などを通じて、長期修繕計画、修繕積立金の状況、総会議事録、修繕履歴といった管理資料を確認します。

4.人口・再開発・ハザード情報を確認する

自治体や国の公式資料で、人口推計、再開発・鉄道計画の進捗、ハザードマップなどの地域情報を調査しましょう。人口推計は国立社会保障・人口問題研究所の資料、災害リスクはハザードマップポータルサイトで確認することが可能です。再開発や鉄道計画は、対象となる自治体・鉄道事業者の公式発表で、最新の事業段階をチェックしましょう。

5.売却想定額と住宅ローン残高を比較する

最後に、想定される売却額、住宅ローンの残高、売却にかかる費用を比較します。詳しい考え方は次の項目で説明します。

住宅ローン残高まで確認する理由

将来の住み替え可能性を考える場合、想定売却額だけでなく、住宅ローン残高と売却に必要な費用も要チェックです。この記事では、次の考え方を「売却後の手取り額(見込み) 」の概算として使用します。

売却後の手取り額(見込み)=想定売却額-住宅ローン残高-売却に必要な費用

この計算で手元に残った金額(プラスになった額)を次の住まいの購入諸費用や頭金、引っ越し費用などに充てていくことになります。
なお、実際の資産では、売却益に対する税金(譲渡所得税)が発生する可能性や将来的な物件価格の下落率なども考慮する必要があります。詳細なシミュレーションを行う際は、ファイナンシャルプランナーなど専門家に確認することが望ましいです。
また、住宅ローンでは、金利変動リスクを考慮し、金利が変化した場合の返済負担もあらかじめ確認しておきましょう。金利の見直し方法や返済額変更のルール(5年ルールや125%ルールなど)は、金融機関やローン商品によって異なる点に注意してください。

資産価値が高そうに見える物件でも、購入予算を上げすぎれば、日々の家計が苦しくなってしまいます。資産価値を優先しすぎることで、教育費や老後資金など他の資金計画に無理が生じないよう、バランスを意識することがポイントです。

資産価値を重視する人が慎重に判断したいマンション

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以下のような特徴があるマンションは、資産価値の判断がしにくいです。ただし、いずれか一つに該当するだけで「買ってはいけない」と断定するものではありません。実際の資料や状況を確認したうえで、総合的に判断してください。
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比較できる取引事例が少なく価格の妥当性が分かりにくい

周辺に比較可能な取引事例が少ない場合、購入価格が妥当かどうかを判断しにくくなります。

修繕計画が古い・積立金不足への対応が見えない

長期修繕計画が長期間見直されていない、修繕積立金の不足に対する対応方針が分からない、多額の一時金や積立金の値上げが予定されているといった場合は、将来的な資金計画に注意が必要です。国土交通省のガイドラインでは、長期修繕計画は5年程度ごとの見直しが推奨されています。
参照: 長期修繕計画標準様式長期修繕計画作成ガイドライン長期修繕計画作成ガイドラインコメント

周辺需要に対して間取りや広さが特殊

特殊な間取りや極端な広さの住戸は、購入者層が限定されやすく、将来売却する際に候補が絞られる可能性が高まります。

将来計画やブランドだけを根拠に価格が上乗せされている

再開発計画やブランドイメージだけを理由に、周辺相場より高い価格が設定されているケースもあります。また、定期借地権、耐震基準、既存不適格など、権利関係や利用制限について十分に理解できていない場合は、契約前に宅地建物取引士へ質問しておきましょう。

資産価値と暮らしやすさを両立してマンションを選ぼう

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ここまで見てきたように、資産価値は「この物件なら損をしない」ということを保証するものではありません。需要・価格・管理という3つのポイントを起点に、住戸条件や地域の将来性などを考慮しながら、将来の選択肢を残しやすい物件かどうかを判断するための材料のひとつと言えます。
複数の候補物件を比較するときは、駅からの距離、広さ、築年数など、条件をできるだけそろえたうえで比較することが大切です。条件がそろっていないと、価格や管理状態の違いが何によるものか判断しにくくなります。
ニフティ不動産では、複数の不動産サイトに掲載された新築・中古マンションをまとめて検索できます。価格や駅距離、築年数、間取りなどの条件で、候補物件を探してみましょう。
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ニフティ不動産で中古マンションの物件を探してみる

【参考】購入前チェックリスト

マンションの資産価値が気になる方に向けて、購入前のチェックリストを作りました。迷った時は、こちらもご活用ください。

マンション購入前 資産価値チェックリスト

・周辺の成約価格を確認し、購入価格が相場に対して妥当か
・交通利便性・生活利便性・周辺供給量から需要を確認したか
・長期修繕計画・修繕積立金・総会議事録を確認したか
・人口動向・再開発計画の事業段階を確認したか
・ハザードマップで災害リスクを確認したか
・築年数だけでなく、管理状態や購入価格を総合的に見たか
・想定売却額とローン残高、売却費用を複数ケースで試算したか
・資産価値を優先しすぎて予算を無理に上げていないか

最終的には、資産価値と暮らしやすさを対立するものとして考える必要はありません。自分や家族が無理なく暮らせることを前提にしながら、将来売りやすい条件をできるだけ残しておくという考え方でマンション選びを進めてみてください。

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