
この記事では、物件検索前から引渡し前までの各段階で何を確認し、気になる点が見つかったときにどう対応すればよいかを整理します。
- 物件を探す前の注意点|購入価格ではなく「総予算」を決める
- 物件比較の注意点|築年数より「耐震・管理・権利」を確認する
- 内覧時の注意点|室内・共用部・周辺環境を分けて確認する
- リフォーム・リノベーション前提で購入する場合の注意点
- 申込・契約前の注意点|書類と契約条件を確認する
- 購入判断チェックリスト|「進める・追加確認・見送る」を決める
- 中古マンションの注意点を押さえ、候補を比較して選ぼう
物件を探す前の注意点|購入価格ではなく「総予算」を決める

物件探しを始める前に決めておきたいのは、物件価格やローン返済額そのものではなく、購入後まで含めた総予算です。物件価格だけを基準に候補を絞ると、購入後の費用を見落としやすくなります。
住宅ローン返済に管理費・修繕積立金・税金などを加えて考える
毎月の住居費は、住宅ローンの返済額だけでは完結しません。中古マンションでは、管理費・修繕積立金・駐車場使用料(利用する場合)・固定資産税や都市計画税・火災保険料や地震保険料などを合わせて、毎月・毎年の負担として考える必要があります。
特に管理費・修繕積立金は、住宅ローンを完済したあとも、マンションを所有し続ける限り発生する費用です。将来的に、修繕積立金が値上げされる可能性もあわせて考慮しましょう。専有部分にある給湯器やエアコンなど設備の更新費用も、いずれ発生する費用として想定しておきたいところです。
「年収の◯倍まで」といった一律の基準だけで購入上限を決めるのは避け、家計全体の収支の中で無理のない範囲を確認することが大切です。
参照:マンションの修繕積立金に関するガイドライン
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マンションの修繕積立金とは?築年数やエリアごとの相場や払えない時の対応方法を解説
諸費用・リフォーム費用・入居後の予備費を確保する
購入にかかる費用は、以下をそれぞれ分けて整理しておく必要があります。
・購入時にかかる諸費用(仲介手数料、登記関連費用、住宅ローン諸費用など)
・リフォームを行う場合の工事費
・入居後に想定外の出費に備える予備費
購入にかかる諸費用としては、印紙税・登録免許税・不動産取得税などが関係します。不動産取得税や固定資産税・都市計画税の税率や軽減措置は、物件所在地の都道府県・市区町村の 公式ページで確認できます。
リフォームを検討している場合、規約上の制約や工事範囲を確認したうえで、複数の見積りを比較するのがおすすめです。
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マンション購入の諸費用はいくら?新築・中古の目安と内訳、支払うタイミングを解説
将来の収入変化と住み替えを踏まえて上限額を決める
住宅ローンの審査に通る金額と、無理なく返済を続けられる金額は、必ずしも同じではありません。教育費がかかる時期、退職後の収入、働き方が変わる可能性なども踏まえて、返済期間を通じた負担を考えておきましょう。
将来的に売却や住み替えを考えている場合も、購入時点で値上がりを前提にした資金計画は避けるのが安全です。売却できなかった場合や、想定より低い価格になった場合も見据えておくことが望ましいです。
物件比較の注意点|築年数より「耐震・管理・権利」を確認する

築年数や価格だけで候補を絞り込む前に、建物全体に関わる耐震性・管理状態・権利関係を確認しておくと、購入した後に後悔するリスクを減らせます。
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中古マンションを買うなら築年数は何年がおすすめ?いつまで住めるかや注意点も紹介
耐震基準は築年月だけで判断せず、建築確認時期と診断・改修履歴を見る
新耐震基準は、原則として1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認(※設計の法適合審査)を受けた建物に適用されます。ただし、この基準はあくまで建築確認を受けた日(建築確認済証の交付年月日など)によるものであり、完成年月や竣工(登記)年月だけを見て新耐震・旧耐震を断定することはできません。特に大規模なマンションなど、建築確認から完成までに時間を要した建物では両者の時期がずれているケースがあるため、正確な基準は建築確認済証や不動産会社が取得する台帳記載事項証明書などで確認することが大切です。
また、耐震性は築年数だけでなく、耐震診断や耐震改修の実施状況もあわせてチェックしましょう。気になる場合は、耐震診断や耐震改修の実施履歴、確認済証などの有無を不動産会社に質問し、建築士など専門家に相談する選択肢も考えられます。
参照:住宅・建築物の耐震化について
長期修繕計画・修繕履歴・積立方式から将来負担を確認する
長期修繕計画は、将来の修繕工事とその費用を見積もり、修繕積立金の額を設定するために作成される資料です。計画の有無だけでなく、いつ作成・更新されたか、これまでの修繕が計画どおりに実施されてきたかも把握しておきたいポイントです。
修繕積立金の集め方には、当初から均等な金額を積み立てる方式のほか、段階的に金額を引き上げていく「段階増額積立方式」もあります。国土交通省のガイドラインでは、将来にわたり安定的に修繕積立金を確保する観点から、均等積立方式が望ましいとしています。一方、段階増額積立方式についても、将来の負担が急激に増えないよう、初期額や最終額の考え方が示されています。段階増額積立方式では、将来の値上げ計画がどの程度実現可能か、値上げの合意形成が進んでいるかを見ておくことが大切です。あわせて、一時金の予定や、管理組合による借入の有無も確認しておきましょう。
参照:長期修繕計画標準様式長期修繕計画作成ガイドライン
管理費・修繕積立金の滞納と管理組合の運営状況を確認する
国土交通省が公表している購入予定者向けのチェックシートでは、以下を確認項目として示しています。
・竣工年次
・通常総会の開催時期や議事内容
・管理業者への委託範囲
・管理規約や細則の内容
・管理費・修繕積立金の月額や会計の収支状況
・修繕積立金の残高と値上げ予定
・購入予定住戸の滞納の有無
・長期修繕計画や修繕履歴
自主管理であることや総戸数が少ないことだけを理由に、一律で管理状態が悪いと判断することはできません。反対に、現地の清掃状態が良いという理由だけで、管理組合の財務状況まで良好だと判断することも避けましょう。気になる点は、総会議事録や会計資料など、実際の資料で確認することが重要です。
参照:これだけは知っておきたい!マンションの管理状況チェックシート
所有権・借地権、用途制限、建替え・再生方針を確認する
マンションの敷地に関する権利には、所有権のほか、借地権が設定されている場合があります。借地権が設定されている場合、地代、契約期間、更新や終了の条件などを個別にチェックしましょう。所有権に比べて借地権が一律に不利とは言えず、地代の水準や残存期間、更新・終了の条件によって条件は異なります。所有権や抵当権などの権利関係は、登記事項証明書で確認できます。
ペット飼育、事務所利用、民泊、駐車場の利用などについては、マンションごとの管理規約・使用細則で条件が定められています。広告表示だけで可否を判断せず、対象マンションの現行規約を確認することが望ましいです。建替えや再生についても、検討段階なのか決議済みなのかを区別しておきましょう。
内覧時の注意点|室内・共用部・周辺環境を分けて確認する

内覧では、室内・共用部・周辺環境を分けて見ていくと、注目すべき点を整理しやすくなります。
室内は水回り・配管・結露跡・設備の状態を確認する
キッチンや浴室、洗面所などの水回りは、水漏れの跡、結露やカビの有無、換気の状態、臭いなどを確認します。給湯器や建具、収納の状態もあわせてチェックしましょう。売主が居住中の場合は、許可なく設備を操作したり撮影したりしないよう注意が必要です。
内覧時の目視だけで、壁や床の内部、配管内部の状態まで断定することはできません。気になる点は、物件状況報告書や付帯設備表を判断材料として役立てましょう。詳しくは「物件状況報告書・付帯設備表・建物状況調査の有無と範囲を確認する」にて解説します。
共用部は清掃・掲示板・ごみ置き場・外壁から管理状態を見る
エントランス、郵便受け、廊下、駐輪場、ごみ置き場、掲示物の状態などは、管理状態を知る手がかりの一つになります。共用部で気になった点は、長期修繕計画や総会議事録などの管理資料であらためて確認すると安心です。
日当たり・眺望・騒音・においは時間帯を変えて確かめる
日当たりや眺望、騒音、においは、窓を閉めた状態と開けた状態の両方で見ておくと違いが分かりやすいです。なお、平日と休日、朝と夜など、時間帯によって印象が変わることもあります。隣接地が空き地や駐車場になっている場合、将来的に建物が建つ可能性も考慮して、内覧時点の日当たりや眺望が将来も維持されるとは限らない点は理解しておきましょう。
防犯・通勤・買い物・災害リスクを現地と公的地図で確認する
駅からの道のりは、実際に歩いてみるのがおすすめです。夜間の明るさや歩道の状況、交通量、買い物・医療機関へのアクセスなど、生活する時間帯を意識しておくと、内覧時だけでは気づきにくい点が見えてきます。
災害リスクについては、国土交通省・国土地理院のハザードマップポータルサイトで、洪水・土砂災害・高潮・津波などの情報を、地図や写真に重ねて確認できます。あわせて、物件所在地の自治体が公開している最新版のハザードマップもチェックしておくと安心です。
参照:ハザードマップポータルサイト - 国土地理院
リフォーム・リノベーション前提で購入する場合の注意点

購入後にリフォームやリノベーションを予定している場合は、工事の可否と費用の両方を契約前に確認しておく必要があります。
専有部分と共用部分の境界を確認する
マンションの窓や玄関扉、バルコニー、給排水管の一部、建物の躯体などは、専有部分ではなく共用部分として扱われる場合があります。専有部分の修繕であっても、管理組合への申請や承認、施工基準などの条件が設けられているマンションも珍しくありません。「自分の部屋だから自由に交換・変更できる」と判断せず、対象マンションの管理規約・使用細則で境界と条件を理解することが大切です。
管理規約と構造上の制約から希望工事の可否を確認する
管理規約や使用細則によって、工事条件が定められている可能性があるのは、以下のとおりです。
・床材の変更
・間取り変更
・水回りの移動
・エアコンの新設
・工事可能な時間帯
販売広告に「リフォーム可」と書かれていても、それだけで希望する工事がすべて実現できるとは限りません。契約前に、管理規約や竣工図を工事会社・設計者に確認してもらうのも選択肢のひとつです。
工事費だけでなく申請・工期・仮住まいを資金計画に入れる
リフォーム費用を資金計画に入れる際は、工事費そのものだけでなく、以下についても考慮が必要です。
・管理組合への工事申請にかかる期間
・着工可能な時期
・仮住まいが必要な場合の費用
・荷物の一時保管費
・住宅ローンと工事費が重なる期間の支払い
また、工事費用に関しては複数の見積りを比較したうえで計画を立てることが、満足度の高い工事につながります。
申込・契約前の注意点|書類と契約条件を確認する

申込みから契約までの間には、購入後に見つけると対応が難しくなる情報を、事前に書類でチェックすることが重要です。
管理規約・長期修繕計画・総会議事録・管理関係資料を照合する
管理規約、長期修繕計画、総会議事録、管理組合の会計資料などは、それぞれ開示可能な資料を不動産会社へ早めに依頼します。長期修繕計画上の予定と実際の修繕履歴を照合し、変更・延期・未実施となった工事がないか、その理由も見ておきたいポイントです。資料が用意されていない、古いまま更新されていない、担当者の説明と食い違いがある場合は、契約を急がず追加確認するほうが安全です。
物件状況報告書・付帯設備表・建物状況調査の有無と範囲を確認する
物件状況報告書や付帯設備表は、売主から告知された建物・設備の状態を確認するための資料です。また、宅地建物取引業法上の「建物状況調査」(インスペクション)は、国の登録を受けた講習を修了した建築士が、既存住宅状況調査方法基準に基づき、目視等を中心に行う調査です。宅地建物取引業者(不動産会社)には、宅地建物取引業法に基づき、媒介契約締結時における建物状況調査を実施する者のあっせんの可否の示唆、買主へのあっせんの意向確認、重要事項説明時における実施結果の概要の説明などが義務付けられています。なお、書類の名称や様式は、不動産会社や取引によって異なる場合があります。
建物状況調査が実施されている場合も、調査の実施日、調査範囲、対象外となった部分を確認しましょう。「インスペクション済みだから将来も故障しない」と判断することはできません。調査で指摘された内容が、契約書上どのように扱われるかも、あわせて要チェックです。
重要事項説明書は可能な限り事前に読み、疑問を解消してから契約する
重要事項説明書には、契約条件や権利関係、管理に関する事項など、購入判断に関わる情報がまとめられています。事前に目を通せるタイミングを不動産会社に確認し、疑問点はメモしておいて、説明を受ける際に質問します。管理資料や広告、担当者からの説明とで内容に食い違いがないかもチェックしましょう。
契約不適合責任・ローン特約・手付解除・引渡条件を確認する
引き渡された物件が契約内容に適合しない場合(雨漏りや主要構造部の欠陥など)の売主の責任について、民法上に規定があります。
重要事項説明では、契約解除に関する基本事項や契約不適合責任の履行を確保する措置(保険の加入や保証金の供託の有無など)の概要を確認します。一方、売主が負う具体的な責任範囲、買主が不具合を通知すべき期間(個人間売買では2〜3ヶ月程度、不動産業者が売主の場合は2年以上)、免責条件などは主として売買契約書に定められるため、両方の書類を照合して確認しましょう。
住宅ローン特約についても、対象となる金融機関、期限、手続き条件などの事前確認が必須です。また、手付解除の条件や可能な時期は、契約条項の記載だけでなく、相手方の履行着手といった取引の進行状況(個別事情)によっても異なるため、判断に迷う場合は必ず宅地建物取引士へ確認してください。
引渡し前に室内と設備を最終確認する
引渡し直前には、契約時点から室内や設備の状態が変わっていないか、最終確認を行います。撤去予定だった物や残置物の有無、設備の動作、鍵の本数、関連書類がそろっているかなどもチェックしましょう。この段階で問題を見つけた場合は、その場で状況を記録し、仲介担当者に連絡します。
購入判断チェックリスト|「進める・追加確認・見送る」を決める

物件情報を調べる中で、「購入を進める」「追加確認・交渉が必要」「見送る」のいずれに当たるかを整理しましょう。ここからは、追加確認・交渉が求められるケースについて紹介します。
追加確認が必要な5つのサイン
以下のような点が見つかった場合は、追加確認が必要です。追加資料の確認、専門家への相談、条件交渉、あるいは見送りを検討するサインとして扱うとよいでしょう。
1. 長期修繕計画と、実際の修繕の実施状況が一致しない
2. 修繕積立金の将来の値上げや一時金について、説明が不明確である
3. 耐震診断や耐震改修に関する情報を確認できない
4. 希望する用途やリフォームが可能かどうかが分からない
5. 管理資料の記載内容と、担当者からの口頭説明に食い違いがある
宅建士・建築士・FPなどへ相談したいケース
中古マンションについて疑問が残った場合は、内容に応じて相談先を分けると対応がスムーズです。
| 相談内容 | 主な相談先 |
|---|---|
| 契約条件、権利関係、規約、重要事項説明 | 宅地建物取引士・不動産会社 |
| 建物の劣化、構造、工事の可否 | 建築士・既存住宅状況調査技術者 |
| 購入予算、住宅ローン、将来の家計 | ファイナンシャルプランナー・金融機関 |
| 個別の税務判断 | 税務署・税理士 |
| 法律上の紛争・請求 | 弁護士 |
同条件の物件を比較し、価格と代替案を確認する
気になる点を一つずつ確認したうえで、同じようなエリア・価格帯・築年数・駅距離といった条件で、ほかの候補物件とも比較してみると参考になります。一件の物件だけにこだわらず、「絶対に譲れない条件」と「調整できる条件」を分けて整理しながら、比較を進めていきましょう。
ニフティ不動産では、複数の不動産サイトに掲載されている中古マンションをまとめて検索できます。エリアや沿線、価格帯などから物件を絞り込み、条件の近い候補を比較する際に活用できます。
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中古マンションの注意点を押さえ、候補を比較して選ぼう

ここまで見てきた内容を整理すると、次のようになります。
1. 物件価格だけでなく、購入後まで含めた総住居費を確認する
2. 築年数だけでなく、管理状態・修繕計画・耐震性を確認する
3. 現地での確認と、書類での確認の両方を行う
4. 不明点を残したまま契約を急がない
5. 気になる点があれば、他の候補物件とも比較する
いずれか一つの懸念点で一律に見送る必要はありません。「進める」「追加確認・交渉が必要」「見送る」のいずれに当たるかを、確認した資料や専門家の回答をもとに整理していくことが大切です。
気になる物件の注意点を確認したら、同じエリア・価格帯にほかの候補がないか探してみましょう。ニフティ不動産なら、複数の不動産サイトの中古マンションをまとめて検索し、価格・築年数・駅からの距離などを見比べられます。希望条件に合う中古マンションを探してみてください。
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