
いずれも「おもい」と読みますが、実は意味が少し異なります。
そこで本記事では、「思い」と「想い」の違いを詳しく解説。文化庁の見解やシーン別の使い分け方も紹介するので、本記事を読めば、「思い」と「想い」を正しく使えるようになるでしょう。
ぜひ最後まで読み進めてみてください。
- 思いと想いの違いとは?それぞれの意味
- 文化庁が解釈する思いと想いの違い
- 思いと想いの英語表記の違い
- こんなときはどうする?思いと想いの違いと使用例8つ
- 他にもある!思いと想いの類語
- 思いと想いの違いを理解して効果的に使おう!
思いと想いの違いとは?それぞれの意味

それではまず、「思い」と「想い」の意味の違いを見ていきましょう。
広辞苑で「おもい」を調べると、「思い」と「想い」は一括りにされていて、意味が区別されていません。
しかし実際は、両者の間には微妙なニュアンスの違いがあり、区別して使っている方が多いです。
以下で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
思いの意味
漢和辞典で「思い」を調べると、以下のように記載されています。
| 漢字・読み | 意味 |
|---|---|
| 【思】シ・おもう・おもい | (1)あたまをはたらかせて、あれこれと考える。おもう。[例]思考。思慮。深思熟慮。 (2)そのことばかり考える。いとしくおもう。[例]思慕。相思。 (3)ものがなしいおもい。かなしみ。[例]秋思。旅思。 |
| 引用元:『例解新漢和辞典』三省堂 | |
つまり「思い」とは、頭を働かせて考えたり、愛しさや悲しさを感じながらある対象を思ったりする行為のことです。
想いの意味
漢和辞典で「想い」を調べると、以下のように記載されています。
| 漢字・読み | 意味 |
|---|---|
| 【想】ソ・ショウ・ソウ・おも-う・おも-い | (1)思いめぐらす。心の中にえがく。おもう。おもい。[例]想起。想像。予想。 (2)まとまった考え。アイデア。[例]感想 |
| 引用元:『例解新漢和辞典』三省堂 | |
つまり「想い」とは、思いを巡らせたり何かを空想したり、心の中でイメージしたりする行為のことです。
単に考えるだけではなく、そこに深い感情が同居しているときに使われる場合が多いです。
思いと想いの意味の違い
「思い」と「想い」の意味に大きな違いはありません。
「思い」は考えや感情などを幅広く表現するのに対して、「想い」は深い感情やクリエイティブな考えを表現すると解釈すると良いでしょう。
また、理性的に考えていることは「思い」、無意識のうちに浮かび上がってくることは「想い」だと考えても分かりやすいかもしれません。
なおビジネスシーンでは、「想い」よりも「思い」が使われるのが一般的です。
文化庁が解釈する思いと想いの違い

文化庁は、「おもう物の対象が心に浮かんでいるときは想い、それ以外の一般的なものには思いを使う」という見解を発表しています。
つまり、日常生活で広く使われるのは「思い」であり、対象に抱く感情が深い場合は「想い」を使用するということです。
より一般的なのは「思い」の方なので、どちらを使うべきか分からないときは「思い」を使うと良いでしょう。
思いと想いの英語表記の違い

「思い」を英語で表記するときは、考えや思考という意味がある「thought」や意見という意味がある「opinion」を使用します。
一方で「想い」は、感情という意味がある「feeling」や願望という意味がある「desire」、情熱という意味がある「passion」を使用します。
状況に合わせてぴったりな英語表記を選んでください。
こんなときはどうする?思いと想いの違いと使用例8つ

「思い」と「想い」の意味の違いが分かったら、次は実践的な使い方を見ていきましょう。
この章では、よくあるシチュエーションを9つ取り上げます。
●頭を使って考えるとき
●想像力を働かせるとき
●未来のことをイメージするとき
●ビジネスの場で意見を述べるとき
●会社やプロジェクトに対する気持ちを述べるとき
●何かの対象を心に思い浮かべるとき
●SNSやメールでフランクに気持ちを伝えたいとき
●丁寧に気持ちを伝えたいとき
以下で詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
1.頭を使って考えるとき
頭を使って論理的に考えるときは、「思い」を使いましょう。思考や思慮などの単語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
【例文】
彼は、今後どのような行動をとるべきか、思いを巡らせた。
2.想像力を働かせるとき
論理的に考えるのではなく、想像力を働かせてアイデアを生み出していくときは、「想い」を使います。想像や空想などの単語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
【例文】
明日までに、次に企画についての自分の想いをまとめてきてください。
3.未来のことをイメージするとき
まだ起きていない未来のことをイメージするときは、「想い」を使います。想像や空想、予想や想起などの単語を思い浮かべると分かりやすいでしょう。
【例文】
1年後の自分がどんな風になっているのか、今は想いもつかない
4.ビジネスの場で意見を述べるとき
ビジネスの場で意見を述べるときは、「思い」を使うのが適切です。
ビジネスの場では、より客観的で論理的な意見や考え方が求められます。そこで「想い」を使用してしまうと、主観的な考えや特別な思い入れがあるように受け取られる可能性があるからです。
特別な理由がない限りは「思い」を使うようにしましょう。
【例文】
A案よりもB案の方がメリットが大きいと感じるため、A案で進めたいという思いがあります。
5.会社やプロジェクトに対する気持ちを述べるとき
会社やプロジェクトに対する気持ちを述べるときは、「想い」を使うのが適切です。
たとえば、「会社の売り上げを向上させたい」や「プロジェクトを成功させたい」などと誰かに伝えるとき、そこにはあなたの強い気持ちや願望がありますよね。
そのような場面では、「思い」よりも「想い」を使う方が、あなたの気持ちが相手に届きやすくなります。
【例文】
このプロジェクトを必ず成功させたいという強い想いがあります。
6.何かの対象を心に思い浮かべるとき
何かの対象を心に思い浮かべるときは、「想い」を使いましょう。「思い」でも問題ありませんが、「想い」を使った方がその対象への強い気持ちを表現できます。
【例文】
何年経っても私の彼女への気持ちは変わらない。彼女は私の想い人です。
7.SNSやメールでフランクに気持ちを伝えたいとき
SNSやメールでフランクに気持ちを伝えたいときは、なるべく「思い」を使うようにしましょう。「想い」を使ってしまうと、意図せず相手に重い印象を与えてしまうかもしれません。
【例文】
⚪︎⚪︎さんにも参加していただけると嬉しいなという思いがあります。
8.丁寧に気持ちを伝えたいとき
手紙やメッセージなどで丁寧に気持ちを伝えたいときは、「想い」を使いましょう。
「思い」よりも「想い」を使用した方が、特別な感情や深い思い入れがあるように見えるので、相手に気持ちが伝わりやすくなります。
【例文】
どうしても、⚪︎⚪︎さんに私たちのプロジェクトに加わっていただきたいという想いがあります。
他にもある!思いと想いの類語

実は、「思い」と「想い」以外にも「おもい」と読む漢字があります。
●念い
●憶い
●懐い
それぞれの意味を解説していくので、併せて理解しておきましょう。
念い
「念い」の意味は、「念じる」という言葉を想像すると分かりやすいでしょう。強い意志や信念をともなう感情のことを「念い」と表現します。
つまり、「思い」や「想い」よりもさらに強く心に根付いた考えや願いが「念い」です。
日常会話やビジネスシーンで使われることはほとんどありません。したがって、相手にどうしても伝えたいメッセージがあるときに使うと効果的だといえるでしょう。
【例文】
「絶対に夢を叶えたい」という私の念いの強さは誰にも負けません。
憶い
過去の出来事や記憶に関する感情を「憶い」と表現します。懐かしさや寂しさなど、しんみりとした感情が同居している場合が多いです。
【例文】
母の命日に幼い頃の出来事を思い出し、しみじみとした憶いにふける
懐い
懐かしく感じる人や場所、記憶に対する感情を「懐い」と表現します。その対象に強い愛着があるときに使われるのが一般的です。
【例文】
今は亡き祖母の部屋に入るとさまざまな懐いが湧き上がり、感傷的な気分になった。
思いと想いの違いを理解して効果的に使おう!

「思い」と「想い」の意味の違いを詳しく解説し、使用例を紹介しました。
「思い」と「想い」の間には、大きな意味の違いはありません。しかし細かいニュアンスの違いはあり、その違いをうまく活用すれば、よりあなたの気持ちが相手に届きやすくなるかもしれません。
ぜひ本記事の内容を参考にして、「思い」と「想い」を正しく使い分けてみてくださいね。
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