
アルカリ電解水は、油汚れや手垢の掃除にとても頼れる存在です。とくにキッチン周りやフローリングなどで活躍してくれるでしょう。
この記事では、水からできたアルカリ電解水で汚れが落ちる仕組みや使える場所・使えない場所をくわしく解説しています。
アルカリ電解水を「これから試してみたい」「もっと上手に活用したい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
- アルカリ電解水とは?成分や汚れが落ちる仕組み
- 【比較】アルカリ電解水と他の掃除アイテムとの違い
- アルカリ電解水が得意な汚れ・苦手な汚れ
- アルカリ電解水が活躍する掃除シーン
- アルカリ電解水を使うときの注意点
- アルカリ電解水のお掃除でよくある失敗と対処法
- アルカリ電解水に関するよくある質問
- アルカリ電解水を正しく使って掃除をラクにしよう
アルカリ電解水とは?成分や汚れが落ちる仕組み

アルカリ電解水は、水を電気で分解してつくられるシンプルな掃除アイテムです。100均やドラッグストアで気軽に手に入り、暮らしの中で活躍の場がどんどん広がっています。ここでは、アルカリ電解水の仕組みを解説します。
アルカリ電解水でなぜ汚れが落ちる?
アルカリ電解水は、水に電気を流す「電気分解」という方法でつくられます。電気分解で水の性質が変わり、pH12前後の強アルカリ性になるのです。
この強アルカリの環境では、酸性の性質をもつ油汚れや皮脂、食べこぼしなどが化学的に反応して分解されやすくなります。
その結果、普通の水拭きでは落としにくいベタつきも、アルカリ電解水なら浮き上がらせて取り除けます。
「水なのに汚れが落ちる」と言われる不思議な性質は、実はこの化学反応に秘密があるのです。
アルカリ電解水が油汚れや手垢に強い理由
アルカリ電解水は、強アルカリ性のはたらきで油を乳化させ、汚れを浮かせて落としやすくします。
換気扇やコンロの頑固な油汚れ、ドアノブやリモコンに付いた手垢、タバコのヤニ汚れにも効果的です。
また、洗剤の多くに含まれる界面活性剤は頑固な汚れにも効果があるものの、肌荒れやベタつきの原因になることもあります。
その点、アルカリ電解水には界面活性剤を含まないため、サラッと仕上がり、二度拭きの手間も不要。強い刺激を避けたい人にも取り入れやすいお掃除アイテムです。
アルカリ電解水はカビ予防や消臭にも効果がある
アルカリ電解水の強いアルカリ性は、菌が育ちにくい環境をつくるため、カビの発生を抑えるのに役立ちます。
浴室や窓まわりなど、湿気がこもりやすい場所をこまめに拭き掃除しておくと、黒カビやピンクぬめりの予防につながるのです。
また、油脂やたんぱく質といった汚れを取り除くことで、カビのエサを減らせるのもポイントです。栄養源が少なくなることで、カビの繁殖そのものを防ぐ効果が期待できるでしょう。
さらに、アルカリ電解水はイヤなにおいの元となる雑菌や皮脂汚れを分解するため、消臭にも効果的です。
キッチンの排水口まわりや冷蔵庫内の拭き掃除、タバコやペットのにおい対策など、幅広いシーンで役立ちます。
【比較】アルカリ電解水と他の掃除アイテムとの違い

アルカリ電解水は、重曹やセスキ、クエン酸などのお掃除アイテムと得意が異なります。ここではアルカリ電解水の強みや、ほかの洗剤との上手な使い分けについて見ていきましょう。
重曹やセスキとの違い
重曹やセスキも人気のお掃除アイテムのひとつです。どちらも弱アルカリ性の成分を含み、アルカリ電解水と同じく油汚れや手垢などの酸性汚れを得意としています。
重曹もセスキも粉末を水に溶かして使うタイプなので、どうしても溶け残りや白い跡が出てしまいがちです。
また、仕上げに二度拭きをしないとサラッとした状態になりにくいのもデメリットです。
一方、アルカリ電解水はもともと液体のため、サッと拭くだけで跡が残りにくく、仕上がりもスッキリするのがポイントです。
「思い立ったらすぐ使える」「二度拭きいらずで時短になる」という手軽さや即効性を求めるなら、アルカリ電解水をおすすめします。
クエン酸との使い分け
クエン酸とアルカリ電解水は、得意とする汚れの種類が違います。
アルカリ電解水は油汚れなどの酸性汚れを得意とする一方、クエン酸は水垢やトイレの尿石などのアルカリ性の汚れに効果を発揮します。アルカリ電解水で落ちない汚れは、クエン酸で対処すると良いでしょう。
ただし、アルカリ電解水とクエン酸を混ぜてしまうと中和されてしまい、せっかくの効果が弱まってしまいます。お掃除アイテムを切り替える際は、水拭きをするなどして成分が残らないようにすることをおすすめします。
シーンに合わせてお掃除アイテムを使い分けると、家中の掃除を効率よく進められるでしょう。
アルカリ電解水が得意な汚れ・苦手な汚れ

アルカリ電解水は、酸性の汚れ(油・皮脂・ヤニなど)に強い一方で、水垢やカビといったアルカリ性の汚れには効果が出にくい特徴があります。どんな汚れに効くのかを把握しておけば、掃除の効率がグンと上がります。
得意な汚れ|油汚れ・皮脂・ヤニなどの酸性の汚れ
アルカリ電解水が特に得意なのは、酸性の汚れ、なかでも油・皮脂・ヤニのような粘り気のある汚れです。
たとえば、コンロ・換気扇まわりのベタベタ油はアルカリ作用で乳化して浮き上がるので、布で拭けばスッと取れます。
また、食後の手垢やリモコンの汚れも、指先の皮脂が酸性を帯びているため、アルカリ電解水との相性が良いといえるでしょう。
ヤニの黄ばみも同様の理由でアルカリ電解水が活躍しやすく、室内の清潔感アップが期待できます。
苦手な汚れ|水垢・尿石・黒カビなどのアルカリ性の汚れ
アルカリ電解水が苦手なのは、水道まわりにできるカルキ跡や白い水垢です。これらはアルカリ性の汚れであるため、同じアルカリ電解水ではあまり効果が期待できません。
同じように、トイレの尿石や黄ばみ、浴室でよく見かける黒カビやピンクぬめりも苦手な汚れです。こうした汚れには、酸性の性質を持つクエン酸を使うのが効果的です。
アルカリ電解水とクエン酸をうまく使い分けることで、家全体を効率よく掃除できます。
アルカリ電解水が活躍する掃除シーン

先ほど説明した通り、アルカリ電解水は特に油・皮脂・ヤニが集まりやすい場所で効果を発揮します。代表的な使い方を見てみましょう。
・キッチン周り(換気扇・コンロ・電子レンジ)
・フローリングや窓
・エアコンや車の中
・赤ちゃんやペットが触れる場所
キッチン周り(換気扇・コンロ・電子レンジ)
キッチン掃除で大活躍するのがアルカリ電解水です。
まず、コンロに飛び散った油汚れは、スプレーして布で拭くだけで落ちやすくなります。強い洗剤を使わなくてもベタつきがスッキリします。
また、換気扇フィルターのしつこい汚れには、アルカリ電解水を使ったつけ置きがおすすめ。油が浮き上がってくるので、軽く拭くだけでもきれいになります。
さらに、電子レンジの庫内は食品が触れる場所。ニオイ戻りやベタつきが残りにくいのもアルカリ電解水のうれしいポイントです。
フローリングや窓
アルカリ電解水は、フローリングや窓の掃除にも便利です。
フローリングにありがちなベタつき汚れは、アルカリ電解水を軽く吹きかけて拭くだけでサラッとした仕上がりになります。
フローリングにころがりがちな小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心して使えるでしょう。
また、窓ガラスや鏡についた手垢やヤニ汚れもスッキリ。水拭き感覚で使えるので、特別な洗剤をいくつも用意しなくてもアルカリ電解水ひとつで対応できるのがメリットです。
気になったときにサッと拭けるアルカリ電解水の手軽さが、日常掃除の強い味方になります。
エアコンや車の中
アルカリ電解水は、エアコンや車内のお掃除にも活躍します。エアコンの外装やルーバー部分はホコリや皮脂で汚れやすい場所です。
布にアルカリ電解水を含ませてサッと拭くだけで、きれいになります。
車内では、手が触れやすいダッシュボードや内窓の皮脂汚れにも効果的で、強い洗剤を使わなくても、清潔感のある仕上がりになります。
ただし、アルミフィンや塗装面などデリケートな部分には不向きです。掃除前に「どこに使えるか」を確認してから活用することをおすすめします。
赤ちゃんやペットが触れる場所
アルカリ電解水は、赤ちゃんやペットがいるご家庭でも安心して使えるお掃除アイテムです。おもちゃや食卓まわりなど、口に触れることの多い場所の拭き掃除にも便利に使えます。
仕上げに乾拭きしておけば、触れても安心な状態を保ちやすくなります。強い洗剤を避けたい場面でも使いやすいのがアルカリ電解水の魅力です。
アルカリ電解水を使うときの注意点

アルカリ電解水は便利ですが、「水だから安心」と思い込まず、肌や素材に注意して使用することが大切です。
ここからは、アルカリ電解水を使う際に気を付けておくべきことを見ていきましょう。
肌が弱い場合はゴム手袋をつけて使用する
アルカリ電解水は水からできているとはいえ、pH12前後の強アルカリ性を持っているため、皮膚や目に刺激を与えることがあります。
長時間触れると手荒れや赤みが出る場合もあるので、掃除するときはゴム手袋で手を保護し、室内をしっかり換気して使いましょう。
特に小さなお子さんやペットがいる家庭では、誤って触れたり口に入れたりしてしまう可能性もあるため、取り扱いには十分注意することが大切です。
万が一、目に入った場合はすぐに流水で洗い流し、口に入った場合は水や牛乳で薄めてから早めに医療機関に相談してください。
使えない素材を事前に調べておく
アルカリ電解水は便利ですが、すべての素材に使えるわけではありません。特に注意したいのは、コーティングや光沢を保つ素材、金属、そしてデリケートな表面です。
たとえば、ワックスをかけた床や無垢材に使うとツヤが失われたり白っぽい跡が残ることがあり、アルミや銅などの金属では腐食の原因にもなります。
さらに、革製品や液晶画面は劣化や曇りが出やすく、掃除どころか素材を傷めてしまうおそれがあるのです。
初めての素材にアルカリ電解水を使うときは、まずは目立たない場所で試すようにすると安心です。
保存方法と使用期限を守る
アルカリ電解水は、時間の経過とともに性質が変わってしまう点にも注意が必要です。
ボトルを開封したあとは光や空気、極端な温度で徐々にpHが下がり、汚れを落とす力が弱まってしまいます。
効果をしっかり発揮させるには、直射日光を避けて冷暗所に保管することが大切です。
開封後はキャップをしっかり閉めるだけでも、空気中の二酸化炭素の取り込みを抑えられ、pH低下のスピードをゆるめられます。
使用期限の目安は半年〜1年ほど。大量に買い置きするよりも、使い切れる量をこまめに購入することをおすすめします。
アルカリ電解水のお掃除でよくある失敗と対処法

アルカリ電解水を実際に使ってみると「床が白くなった」「あまり汚れが落ちない」といったトラブルが起きることもあります。
本章では、アルカリ電解水のお掃除でよくある失敗例や、すぐにできる対処法を紹介します。
床が白くなった・ベタベタしたとき
アルカリ電解水を床に使ったあとに、「なんだか白っぽくなった」「少しベタつく…」と感じることがあります。これは、床のワックスやコーティングが溶けてしまったのが原因です。
そんなときは、まず使用後のアルカリ電解水を乾いた布でサッと拭いてみましょう。ベタつきが気になるときは、床専用のクリーナーを試してみるのもひとつの方法です。
もしも汚れている部分が広範囲だったり、自分ではどうにもならない場合は、無理せずクリーニング業者への相談をおすすめします。強くこすり続けると表面をさらに傷めることがあるため、改善しない場合は早めに専門業者へ相談しましょう。
掃除の効果を感じにくいとき
アルカリ電解水を使ってみても「あまり落ちないな…」と感じることがあるかもしれません。
その場合、まず考えられるのは、液体が劣化してpHが下がっているケースです。アルカリ電解水はボトルを開封してから時間がたつと、どうしても洗浄力が弱まってしまいます。
もうひとつの原因は、汚れの種類です。アルカリ電解水は酸性の汚れに強いので、水垢やカビといったアルカリ性の汚れには効果が出にくいのです。
そんなときは、新しいアルカリ電解水に取り替えるか、クエン酸や漂白剤など他の洗剤と使い分けるのがおすすめです。
アルカリ電解水に関するよくある質問

ここからは、アルカリ電解水に関するよくある質問にお答えしていきます。
アルカリ電解水は飲んでも大丈夫ですか?
水からできているとはいっても、アルカリ電解水はあくまで掃除用のアイテムなので、飲むことはできません。
強アルカリ性のため、飲んでしまうと胃や食道を傷めてしまうおそれがあります。
もし誤って少量を口に入れてしまった場合は、すぐに多めの水や牛乳を飲んでアルカリ電解水を薄め、医療機関に相談しましょう。
アルカリ電解水のつけ置き時間はどのくらいですか?
アルカリ電解水は、基本的にサッと使えるのが魅力です。
軽い汚れなら、スプレーしてすぐに拭き取れば、二度拭きいらずで手軽にきれいになります。
さらに、換気扇フィルターや頑固な油汚れには、2〜3分ほど置いて浸透させると効果がアップします。
ただし、長時間そのまま漬けておくのはNG。素材を傷めたり、変色の原因につながるため避けましょう。
アルカリ電解水はすすぎが必要ですか?
アルカリ電解水は、基本的にすすぎや二度拭きは不要です。拭いたあとは軽く乾拭きするだけで十分きれいに仕上がります。
ただし、食卓やおもちゃなど口に触れるものに使ったときは、軽く水拭きや乾拭きをしておくとより安心です。また、拭き残しやベタつきが気になる場合も、水拭きをすればサッとリセットできます。
アルカリ電解水を正しく使って掃除をラクにしよう

アルカリ電解水は、油汚れや手垢に強い、暮らしの心強い味方です。水から作られているため、洗剤残りなどを気にせず、いろいろな場所に活用できます。
しかも、ドラッグストアや通販はもちろん、100均でも手軽に買えるので「まず試してみたい」という人にもぴったりです。
ナチュラルなお掃除アイテムを生活に取り入れることで、日々の家事はぐっとラクになるでしょう。
さらに日々の手間を減らすには、掃除しやすい動線や素材といった「住まいのつくり」も大切です。ラクに片づけや掃除ができる家に住めば、もっと快適に過ごせるはずです。
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