
今回は工務店で注文住宅を建てたいと考えている人に向けて、ハウスメーカーと比較して解説します。
また、後半では工務店のメリット・デメリットや選び方についても説明していきますよ。
- 工務店とハウスメーカーそれぞれの特徴とは~注文住宅の基礎知識~
- 工務店とハウスメーカーを比較~ローコスト・間取り・品質~
- 工務店に注文住宅の設計を依頼するデメリット
- 工務店の選び方~口コミ評価の良さ以外のポイント~
- 優良工務店を選んで理想の注文住宅を手に入れよう
工務店は昔ながらの職人さんがいる小さな会社のイメージだよね。
ハウスメーカーの方が現代的な感じだけど、比べてみるといくつか違いがあるみたい。
工務店への依頼は意外なデメリットもあるので要注意!
工務店とハウスメーカーそれぞれの特徴とは~注文住宅の基礎知識~

工務店とは地域密着型で建物の工事全体を請け負う業者のことで、注文住宅における設計の自由度が高いことが特徴です。
一般的に設計をした工務店で、引き続き施工までを行うことが多くなっています。
新築はもちろん、リフォームをしたいときも工務店に相談することができますよ。
ここでは注文住宅を建てるための基礎知識として、工務店とハウスメーカーの特徴を解説していきます。
工務店は形態や規模によって役割が異なります。まずはそれぞれの違いを理解して、自分の考えと合う業者を選べるようになりましょう!
■街の小さな工務店
いわゆる大工の親方(棟梁)が設計から施工までを管理しているタイプです。
一般的に「工務店」と聞いてイメージするのはこの形態でしょう。
設計に関しては、会社によって棟梁または社内の建築士が行います。
■フランチャイズ加盟の工務店
ハウスメーカーのフランチャイズに加盟しているタイプです。
本部から提供される工法や規格をベースに業務を行うことで、小さな工務店でも競争力を持てるのが強みとなっています。
また、複数のフランチャイズに加盟して、幅広い業務に精通している工務店もあります。
■大手の工務店
地域密着型で設計から施工までを担っていますが、特定の建材や設備を商品化・シリーズ化しているのが特徴です。
着工戸数が多く、モデルハウスや住宅展示場を公開している会社もあり、ハウスメーカーと似ています。
工務店に関しては、上記のようにタイプごとに特徴が異なるため、選び方を間違えてしまうと大変です。
会社名が「○○工務店」だったとしても、依頼する前に業務形態を確認してくださいね。
特にフランチャイズや大手の工務店は、小さな工務店と比べて自由度が低い部分もありますので、メリット・デメリットを理解した上で依頼しましょう。
ハウスメーカー(住宅メーカー)の特徴とは
ハウスメーカー(住宅メーカー)は、全国展開しており、施工エリアが広いのが特徴です。
ライフスタイルに合わせてパッケージングされたプランが用意されているため、品質や工期が安定しているというメリットがあります。
一方で、工務店と比べると自由度が低く、自分の好きなように注文住宅を建てたいと考えている人には不向きかもしれません。
ハウスメーカーは広告やテレビCMが多いので、注文住宅の依頼先として真っ先に思いつきますが、一旦落ち着いて自分に合っているかを確認してください。
工務店とハウスメーカーを比較~ローコスト・間取り・品質~

工務店とハウスメーカーを比較してみると、さまざまな面で違いが見られます。注文住宅を建てるときに何に重点を置くかで、どちらが適しているかが決まってきますよ。
たとえば、
・できるだけローコストが良い
・建築費は掛かっても間取りの自由度を優先したい
など、あなたの要望を満たせる依頼先を探してくださいね。
以下に比較ポイントを表でまとめてみました。
比較項目 | 工務店 | ハウスメーカー |
---|---|---|
対応エリア | 狭い | 広い |
間取りの自由度 | 高い | 低い |
コスト | 安い | 高い |
住宅品質 | バラツキあり | 一定 |
施工期間 | 長い | 短い |
保証やメンテナンス | バラツキあり | 一定 |
工務店は地域密着型ということもあり、対応エリアが狭くなっていますが、価格を抑えて好きな間取りを実現できるメリットがあります。
ただし、カスタマイズできる分だけ施工期間が長くなることや、業者によって品質やアフターケアにバラツキがあります。
ハウスメーカーは全国展開しているブランド力が強みですが、広告費などで価格が高くなる傾向があります。
販売している住宅は、仕様や規格が統一されているので品質が保証されており、施工期間が短いという特徴もあります。
工務店はローコストで間取りやデザインの自由度が高い
工務店に依頼することの最大のメリットは、ローコストで間取りやデザインの自由度が高いこと。せっかく注文住宅を建てるなら、みんなに自慢できるおしゃれな家にしたいですよね♪
ハウスメーカーと比べて工務店は地味な印象があるため、心配になる人もいるようですが、住んでいる地域の口コミや人気、施工件数の多い業者さんなら安心感があります。
じっくりとこだわって家づくりをしたい人には、工務店がオススメですよ!
工務店に注文住宅の設計を依頼するデメリット

しかし、工務店に注文住宅の設計を依頼するのにはデメリットもあります。
依頼してから思わぬ事態にならないように、リスクもしっかり確認しておきましょう。
ここでは工務店に依頼することで気をつけてほしい点を挙げていきます。
デメリットも受け入れた上で選んでくださいね。
工務店によって品質や保証にムラがある
工務店によって大工さんの腕が違いますので、少なからず住宅の品質にも差が出てきます。良い意味で期待を裏切ってくれるのは大歓迎ですが、念願の一戸建てを建てたのに施工不備があっては台無しですよね。
保証やアフターメンテナンスについても、ハウスメーカーと比べて工務店ごとにムラがあります。住宅を建てたあとのケアを重視したい人は、注意深くチェックする必要がありそうです。
工務店はハウスメーカーよりも施工期間が長い
工務店はハウスメーカーよりも施工期間が長いという点もデメリットとして挙げられます。これはハウスメーカーが加工済みの建築素材を持ち込むことに対して、工務店は現場で素材の加工から行うためです。
工務店では設計から施工までの工事全般を請け負うことで自由度が高いものの、建築素材の調達から施工までがシステム化されていないため、施工期間が長くなっているのです。
工務店はモデルハウスや住宅展示場がない
ハウスメーカーでは、モデルハウスや住宅展示場で事前に完成した家の様子を見ることができます。
一方、工務店ではオーダーメイドで設計・施工を行うことから、完成するまで実物がどうなるかがわかりません。
住宅購入は人生で一番大きな買い物となりますので、契約する時点で不安になる人もいるでしょう。
ただし、同じ工務店で施工した人の家やカタログを見ることで、ある程度のイメージはできます。不安な部分は積極的に情報収集すると◎。
工務店の経営状況によっては倒産するリスクがある
小さな工務店は中小企業と同じで、工事の途中で倒産してしまうリスクもゼロではありません。
依頼先の経営状態まで把握するのは難しいですが、今までの実績や口コミ・評判をできるだけ確認しておくことをオススメします。
また、住宅が完成したとしても将来的に倒産してしまったときは、契約時についていた保証が無くなってしまう可能性もあります。
このような工務店の倒産リスクについては以下の記事にまとめていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
<関連記事>「あれ、これマズくない?」一戸建てを建築中・建築後に工務店が潰れた場合の対処法
CHECK
家族の将来を託した工務店が倒産してしまうなんて考えるだけでも恐ろしいことですが、万一のこととして頭に入れておきましょう。
工務店の選び方を学んでおけばリスクも最小限にできますので、以降で解説していきます!
工務店の選び方~口コミ評価の良さ以外のポイント~

「工務店の選び方に、注文住宅の成功がかかっている」と言っても過言ではありません。
大切な家族が住む家だからこそ、信頼できる工務店にお願いしたいですよね。
とは言いつつ、家を建てるのは初めてという人がほとんどで、どうやって優良な工務店を選べば良いかも分からないと思います。
ここでは工務店の探し方について、口コミ評価や実績、公式サイトのチェック方法や注意点をまとめて解説していきます。
選ぶ基準がわかっていればスムーズに決めることができますので、一緒にポイントを押さえていきましょう!
工務店の口コミ評判をチェック
まずは、工務店の口コミ評判をチェックすること。実際に家を建てた人の評価はとても貴重です。
口コミで見てほしいのは、できあがった家の感想に加えて、家の設計から施工における工務店のコミュニケーション能力です。
注文住宅では設計段階から何回も工務店へ足を運んで相談をすることになりますので、
・顧客の要望を聞き取る能力があるか
・工務店側からプランの提案をしてくれるのか
などが重要になってきます。
口コミは依頼した人の感想ですので一概には言えませんが、親身になってコストを抑えつつ要望を実現してくれる工務店なのかを見極めるために、上手に活用しましょう。
工務店の公式サイトをチェック
工務店の公式サイトがどれくらい充実しているかをチェックすることも重要です。
大手ハウスメーカーのように広告費はかけられないのが工務店ですが、ホームページであればある程度の予算で作り込むことができます。
公式サイトで確認してほしいのは、
・自社の強みや経営理念
・他社との差別化ポイント
・創業年数や年間建築数
などです。
ただし、一般的に公式サイトにはネガティブな情報は掲載しません。一見、キレイなホームページだからといって安心は禁物ですよ。
自社設計・施工の新築住宅を多く取り扱っているか
工務店は新築で家を建てる以外に、リフォームも取り扱っている場合があります。調べたい工務店が新築専門なのか、リフォーム専門なのかもチェックしておきましょう。
新築とリフォームを両方やっている業者もありますが、新築がメインの業者へ依頼するのがベターです。
続いて、自社で設計と施工をしているかも重要なポイントです。
これは仕事を請けた工務店から下請け業者に流されていないかという意味で、住宅の品質に大きく影響します。
自社で設計から施工をしてもらうことで責任をもって作業してくれるので、この点はよく確認しておきましょう。
有資格者の在籍数をチェック
有資格者の在籍数をチェックするのも、工務店の信頼度を確認するときに有効です。
工務店の中に、建築士(一級、二級)や施工管理技師(一級)などの有資格者数が多ければ、仕事に対する意識の高さを見ることができ、相応の品質を担保してくれる証明となります。
もちろん資格がすべてではありませんが、客観的に技術力を判断するときには適していると言えます。
住宅完成保証制度に加入しているかチェック
工務店へ依頼するときのデメリットとして、家が完成する前に倒産してしまうリスクを挙げました。
このリスクへの対策として、工務店が「住宅完成保証制度」に加入していれば、万一のときに他の業者への引継ぎ費用や前払金が保証されます。
できればこの制度を使う事態は避けたいものですが、工務店側の信頼度を測る基準として加入有無を確認しておくとよいでしょう。
優良工務店を選んで理想の注文住宅を手に入れよう

工務店へ注文住宅を依頼したいと計画中の人に向けて、ハウスメーカーとの違いや選び方のポイントなどを解説してきました。
一生に一度のマイホーム購入ですから、いろいろと心配ごとも多くなりますよね。注文住宅であればなおさらこだわりを持って決めたいと思う気持ちもわかります。
今回ご紹介したような探し方を参考にして、自分に合った優良工務店を見つけてくださいね。
注文住宅は検討段階から住み始めるまでイベントが続きます。
あなたの大切なライフイベントを一緒に盛り上げてくれる工務店と出会えることをお祈りしています!
マイホームに関しては、ローコスト住宅や狭小住宅についてまとめた記事がありますのでぜひご覧ください。
住宅ローンを組んでマイホームを購入した先輩たちの体験談も参考になりますよ♪
<関連記事>
ローコスト住宅はなぜ安い?ブログや実例から学ぶメリットとデメリット
狭小住宅とは便利でおしゃれなデザイン注文住宅 価格は?間取りプランは?
マイホームの値段はいくら?年収別に購入金額とローンの返済額、31人の体験談
アプリなら新着物件を見逃さない!ニフティ不動産アプリ
部屋を借りる!賃貸版はこちら
住宅を買う!購入版はこちら