
今回は「家賃は手取りの3分の1が目安」といわれる理由を解説します。
家賃の目安表や、手取りごとの生活費シミュレーションも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
家賃を抑える3つのコツも紹介します!
家賃を抑えて計画的に貯金したい方は、要チェックですよ!
- 家賃は「手取りの3分の1以下」が目安
- 家賃の全国平均は約8.3万円
- 【手取り別】家賃の目安表
- 手取りごとに生活費をシミュレーションしてみよう
- 【手取り30万円】世帯ごとに生活費をシミュレーションしてみよう
- 手取りから家賃目安を考えるときの注意点
- 家賃を抑える3つのコツ
- 手取りとバランスのとれた家賃の物件を探そう!
家賃は「手取りの3分の1以下」が目安

家賃は「手取りの3分の1以下」が目安といわれています。
手取りが20万円ならば、家賃は6〜7万円程度に設定するとよいでしょう。
「手取りの3分の1以下」といわれる理由は、家賃がそれ以上高額になると生活費が圧迫されるからです。
生活するには家賃以外にも、次のような費用がかかります。
・食費
・水道光熱費
・通信費
・交際費、娯楽費
・日用品、衣服費
・交通費
・貯金、予備費
なお、手取り30%はあくまで目安であり、住む地域や生活スタイルによって適切な費用は異なります。
「できるだけ貯金したい」と考える人の場合、家賃を手取りの20〜25%に設定するのもおすすめです。
手取りと額面月収の違い
先ほど家賃は「手取りの30%程度」と紹介しましたが、手取りと額面月収を混同しないように注意しましょう。
額面月収とは、税金・保険料が控除される前の、月あたりの給与総額を指します。
一方、額面月収から税金や保険料が引かれた金額を、手取りといいます。
一般的に、手取り額は額面月収の約7〜8割です。
額面月収が32万円だと、手取りは約24万円になりますね。
【額面月収32万円の場合】
32万円(額面月収)×0.75=24万円(手取り)
月収32万円の控除額と手取り額をシミュレーションしてみました。
【控除額と手取り額の例】
額面月収:320,000円
健康保険料:16,000円
厚生年金保険料:29,280円
雇用保険料:1,920円
所得税(源泉徴収税額):6,600円
住民税:14,041円
手取り額:252,158円
家賃の全国平均は約8.3万円

国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、賃貸物件に住む人の月額平均家賃は以下のとおりです。
・令和元年度:79,897円
・令和2年度:80,634円
・令和3年度:80,621円
・令和4年度:82,905円
・令和5年度:83,351円
※共益費を含みます
月額平均家賃は徐々に高くなっており、令和5年時点の平均家賃は83,351円です。
参考URL:令和5年度住宅市場動向調査報告書
【手取り別】家賃の目安表

家賃は手取りの30%が目安ですが、25%にするとより貯金額を増やせます。
ここからは、手取りごとに家賃の目安をまとめていきます。
手取りの25%・30%に設定した場合の費用を、それぞれ見てみましょう。
家賃を手取りの25%に設定する場合
手取りの25%に設定する場合、家賃の目安は次のとおりです。
手取り額 | 家賃目安 |
---|---|
15万円 | 3.75万円 |
20万円 | 5.00万円 |
25万円 | 6.25万円 |
30万円 | 7.50万円 |
35万円 | 8.75万円 |
40万円 | 10.00万円 |
45万円 | 11.25万円 |
50万円 | 12.50万円 |
55万円 | 13.75万円 |
60万円 | 15.00万円 |
65万円 | 16.25万円 |
70万円 | 17.50万円 |
75万円 | 18.75万円 |
80万円 | 20.00万円 |
家賃を手取りの30%に設定する場合
手取りの30%に設定する場合、以下の家賃額が目安となります。
手取り額 | 家賃目安 |
---|---|
15万円 | 4.50万円 |
20万円 | 6.00万円 |
25万円 | 7.50万円 |
30万円 | 9.00万円 |
35万円 | 10.50万円 |
40万円 | 12.00万円 |
45万円 | 13.50万円 |
50万円 | 15.00万円 |
55万円 | 16.50万円 |
60万円 | 18.00万円 |
65万円 | 19.50万円 |
70万円 | 21.00万円 |
75万円 | 22.50万円 |
80万円 | 24.00万円 |
手取りごとに生活費をシミュレーションしてみよう

家賃の目安が理解できたところで、手取り額ごとに生活費をシミュレーションしてみます。
・手取り15万円の場合
・手取り20万円の場合
・手取り25万円の場合
・手取り30万円の場合
ひとつずつ見ていきましょう。
手取り15万円の場合
手取り15万円だと、家賃は4.5万円が目安です(手取りの30%程度)。
下記のシミュレーションでは、月あたり約8,000円しか貯金にまわせません。
将来に向けて貯金するなら「家賃を25%以下に抑える」または「自炊して食費を削る」などの工夫が求められます。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
家賃 | 4.5万円 |
食費 | 3.0万円 |
水道光熱費 | 1.0万円 |
通信費 | 1.2万円 |
交際費・娯楽費 | 2.0万円 |
日用品・衣服費 | 2.0万円 |
交通費 | 0.5万円 |
貯金・予備費 | 0.8万円 |
合計 | 15.0万円 |
手取り20万円の場合
手取り20万円で家賃を30%に設定する場合、月額家賃は6.0万円が目安となります。
手取り20万の生活費に興味がある方は、以下の記事も要チェックですよ!
関連記事:手取り20万の一人暮らしはきつい?アンケートでわかった生活費内訳の実例と節約術
項目 | 金額の目安 |
---|---|
家賃 | 6.0万円 |
食費 | 3.5万円 |
水道光熱費 | 1.0万円 |
通信費 | 1.2万円 |
交際費・娯楽費 | 2.8万円 |
日用品・衣服費 | 2.5万円 |
交通費 | 1.0万円 |
貯金・予備費 | 2.0万円 |
合計 | 20.0万円 |
手取り25万円の場合
手取り25万円の30%である7.5万円に家賃を設定すると、次のような費用がかかります。
全体的にゆとりがあるため、食費や交際費などがかさんでも、ある程度は貯金を増やせるでしょう。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
家賃 | 7.5万円 |
食費 | 4.0万円 |
水道光熱費 | 1.0万円 |
通信費 | 1.2万円 |
交際費・娯楽費 | 3.3万円 |
日用品・衣服費 | 3.0万円 |
交通費 | 1.5万円 |
貯金・予備費 | 3.5万円 |
合計 | 25.0万円 |
手取り30万円の場合
手取り30万円の家賃目安は、手取りの30%に設定すると9.0万円程度です。
一人暮らしで「部屋数は少なくてよい」「せまい部屋でも生活できる」という場合は、9.0万円以下でも好条件の物件が見つかるでしょう。
家賃を30%以下に抑えられれば、さらに生活に余裕が生まれますね。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
家賃 | 9.0万円 |
食費 | 4.0万円 |
水道光熱費 | 1.0万円 |
通信費 | 1.2万円 |
交際費・娯楽費 | 4.0万円 |
日用品・衣服費 | 4.0万円 |
交通費 | 2.0万円 |
貯金・予備費 | 4.8万円 |
合計 | 30.0万円 |
【手取り30万円】世帯ごとに生活費をシミュレーションしてみよう

手取り30万円と仮定して、世帯ごとに生活費をシミュレーションしてみます。
・単身の場合
・2人暮らしの場合
・子ども1人、3人暮らしファミリーの場合
以下で詳しく解説しましょう。
単身の場合
単身の場合は食費や光熱費などを抑えられるため、毎月一定の金額を貯金にまわせます。
資格取得にかかった教材費、趣味の習い事があると想定して、習い事・教育費は0.5万円と設定しました。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
家賃 | 9.0万円 |
食費 | 4.0万円 |
水道光熱費 | 1.0万円 |
通信費 | 1.2万円 |
交際費・娯楽費 | 3.5万円 |
日用品・衣服費 | 4.0万円 |
交通費 | 2.0万円 |
習い事・教育費 | 0.5万円 |
貯金・予備費 | 4.8万円 |
合計 | 30.0万円 |
2人暮らしの場合
2人暮らしになると、食べる量・水を使う量が2人分になるため、単身よりも生活費がかさみます。
「条件のよい物件に住みたい」や「外食を楽しみたい」など、人によって生活の優先順位は異なるもの。
ストレスなく節約するには、お金をかけたい部分をパートナーと話し合うことが大切ですよ。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
家賃 | 9.0万円 |
食費 | 6.0万円 |
水道光熱費 | 2.0万円 |
通信費 | 2.0万円 |
交際費・娯楽費 | 3.0万円 |
日用品・衣服費 | 4.5万円 |
交通費 | 1.5万円 |
習い事・教育費 | 0.5万円 |
貯金・予備費 | 1.5万円 |
合計 | 30.0万円 |
子ども1人、3人暮らしファミリーの場合
家賃を手取りの3分の1に設定した場合、毎月の貯金が困難になります。
加えて、下記シミュレーションより習い事・教育費が高くなる可能性も考慮しましょう。
項目 | 金額の目安 |
---|---|
家賃 | 9.0万円 |
食費 | 8.0万円 |
水道光熱費 | 2.5万円 |
通信費 | 2.2万円 |
交際費・娯楽費 | 1.0万円 |
日用品・衣服費 | 5.0万円 |
交通費 | 1.0万円 |
習い事・教育費 | 1.3万円 |
貯金・予備費 | 0万円 |
合計 | 30.0万円 |
手取りから家賃目安を考えるときの注意点

手取りから家賃目安を考えるときの注意点は、主に3つあります。
・家賃は手取りの3分の1以下にしてもよい
・管理費や共益費も考慮する
・家賃設定でボーナスを当てにしない
注意すべき理由を、それぞれ説明していきます。
家賃は手取りの3分の1以下にしてもよい
「家賃は手取りの3分の1が目安」と説明しましたが、必ずしも3分の1以下にする必要はありません。
「家賃よりも趣味にお金をかけたい」または「出費を最小限にして貯金を増やしたい」など、人によって事情はさまざまです。
生活スタイルにこだわりがある人は、必要な費用から逆算して家賃額の目安を決めるとよいですね。
管理費や共益費も考慮する
物件探しの際は、家賃はもちろんですが管理費や共益費も考慮しましょう。
毎月住居にかかる費用としては
・家賃
・管理費
・共益費
・駐車場代(車やバイクを所有する場合)
・駐輪場代(自転車を所有する場合)
上記が挙げられます。
たとえば、家賃が7万円でも
・管理費・共益費:7,000円
・駐車場代:8,000円
このような場合、毎月固定で8.5万円が必要です。
なお、地方よりも都市のほうが駐車場代が高くなる傾向にあります。
家賃設定でボーナスを当てにしない
家賃設定でボーナスを当てにするのは、おすすめできません。
ボーナスは景気によって左右される不確定な収入です。
会社の業績に応じて、ボーナスが減額・カットになる可能性があります。
ボーナスはあくまで臨時収入と捉えて、毎月の収入でやりくりできる物件を探しましょう。
家賃を抑える3つのコツ

最後に、家賃を抑えるコツを3つピックアップしました。
・家賃相場が安いエリアを選ぶ
・繁忙期を避けて物件を探す
・希望条件に優先順位を付ける
節約に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
家賃相場が安いエリアを選ぶ
相場が安いエリアから物件を選ぶと家賃を抑えられます。
駅へのアクセスが不便、周囲にスーパーマーケット・コンビニが少ない、といったエリアは家賃相場が安くなりやすいですね。
参考として、東京23区の2LDKにおける家賃を表にまとめました。
順位 | 区 | 賃料平均(万円) |
---|---|---|
1 | 千代田区 | 24.71 |
2 | 港区 | 23.64 |
3 | 中央区 | 23.30 |
4 | 渋谷区 | 22.24 |
5 | 目黒区 | 21.67 |
6 | 新宿区 | 21.40 |
7 | 文京区 | 19.93 |
8 | 品川区 | 19.66 |
9 | 台東区 | 19.12 |
10 | 江東区 | 18.68 |
11 | 世田谷区 | 18.30 |
12 | 豊島区 | 18.02 |
13 | 荒川区 | 17.38 |
14 | 墨田区 | 17.23 |
15 | 中野区 | 16.72 |
16 | 大田区 | 15.90 |
17 | 杉並区 | 15.80 |
18 | 北区 | 15.62 |
19 | 板橋区 | 13.67 |
20 | 練馬区 | 12.58 |
21 | 江戸川区 | 11.74 |
22 | 葛飾区 | 11.44 |
23 | 足立区 | 11.27 |
※データは「ニフティ不動産」に掲載されている物件を元に算出したものです(2022年12月時点)。
参考URL:1Rから5LDKまで!23区別賃料ランキングで家賃相場を知ろう
参考URL:「部屋探しのコツ、教えてください」賃貸物件検索が趣味の女子に訊く家の探し方
このように、1位の千代田区と23位の足立区では、およそ13万円もの差が生まれています。
繁忙期を避けて物件を探す
繁忙期を避けて物件を探すのも、家賃を抑えるポイントのひとつです。
一般的に、不動産の繁忙期は人の動きが多い、1〜3月と9〜10月といわれています。
物件のニーズが高まるほど競争率は高くなります。
家賃が高くなったり、内見の予約が取りづらかったりするので注意してください。
希望条件に優先順位を付ける
家賃を抑えつつ自分に合った物件を見つけるコツは、希望条件に優先順位を付けることです。
物件探しで考えるべきポイントを、いくつかピックアップしました。
・部屋の広さ
・間取り
・交通アクセス
・買い物しやすさ
・治安のよさ
・駐車場の有無
・景色のよさ
優先順位の低い条件を妥協すれば、安い家賃の物件が見つかりやすいです。
部屋探しのコツを知りたい方は、以下の記事もおすすめですよ!
関連記事:「部屋探しのコツ、教えてください」賃貸物件検索が趣味の女子に訊く家の探し方
手取りとバランスのとれた家賃の物件を探そう!

今回は「家賃は手取りの3分の1が目安」といわれる理由や、家賃の目安表を紹介しました。
食費や水道光熱費、通信費など……。
毎月かかる生活費を考慮すると、家賃は手取りの30%以下におさめるのが望ましいです。
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