
そこで、本記事では一人暮らしの電気代の平均や電気使用量を減らすコツを紹介します。電気代を節約できる一人暮らし物件の選び方も説明するため、引越しを検討している方やこれから一人暮らしを始める方も参考にしてください。
一人暮らしの電気代の平均は6,808円!

総務省の「家計調査」によると、2022年の一人暮らしの電気代は平均6,808円です。一方、二人以上の世帯の電気代は平均12,678円 であり、一人暮らしの電気代は二人以上の世帯に比べると約半分であることがわかります。電気代に影響を与える要因には、使用人数以外にも、地域や季節などが挙げられます。
地域別の平均的な電気代
2022年に総務省が実施した「家計調査」によると、地域別の一人暮らしの平均的な電気代は以下の通りです。
地域 | 月平均 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道・東北地方 | 6,900円 | ||||||||||
関東地方 | 6,731円 | ||||||||||
北陸・東海地方 | 7,109円 | ||||||||||
近畿地方 | 6,254円 | ||||||||||
中国・四国地方 | 7,449円 | ||||||||||
九州・沖縄地方 | 6,927円 |
参照:e-stat 政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 単身世帯 年次」
上記表からわかる通り、地域によって電気代は大きく変化します。たとえば、北陸・東海地方の家は大きく、部屋数の多い傾向にあります。家の照明が多くなったり、エアコンなどの家電が大型化したりしていることから、電気代が高くなりやすいのです。
月別の平均的な電気代
2022年に総務省が実施した「家計調査」によると、月別の一人暮らしの平均的な電気代は以下の通りです。
月 | 月平均 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1~3月 | 7,749円 | ||||||||||
4~6月 | 6,333円 | ||||||||||
7~9月 | 6,418円 | ||||||||||
10~12月 | 6,557円 |
参照:e-stat 政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 単身世帯 四半期」
上記の表からわかる通り、1年の中で最も電気代が高い時期は1〜3月です。冬は外気温と室内のエアコンの設定温度が最も離れており、設定温度まで室内の温度を上げるには多くのエネルギーを要することから、電気代が高くなっています。また、冬は日照時間が短く、室内の照明を使用している時間が長いことも電気代の高い理由でしょう。
一人暮らしで電気代が平均より高くなる原因

一人暮らしの電気代は、真冬でも7,000円台であり、そのほかの季節でも6,000円台となっています。もし自宅の電気代が平均を大幅に上回っている場合には、以下2つのいずれか、または両方の原因によるものと考えられます。
- ・基本料金が高い
- ・電気使用量が多い
基本料金が高い
電気代の基本料金とは、電力会社が設定している固定料金であり、電気の使用量に関わらず毎月発生します。そして、その基本料金に大きく関係しているのはアンペア数です。アンペア(A)とは電流量の単位であり、電力会社ごとに10Aを契約している場合は○○円、20Aを契約している場合は○○円といったように基本料金が定められています。
基本料金が高い場合は、契約している電力会社に連絡してアンペア数を変更してもらうことが可能です。アンペア数の変更手続きではブレーカーを取り替える必要があり、変更してから次に変更できるまでの期間に制限が設けられている場合があります。使用する電力量の少ない月に合わせてアンペア数を選ぶと、ほかの月で電力が足りなくなる可能性があるため、アンペア数を変更する際は電力の使用量の多い月に合わせてアンペア数を選びましょう。
電気使用量が多い
電気代が高い原因のひとつには、電気使用量の多さも挙げられます。電気使用量は家電の種類によって異なっており、経済産業省が公表しているデータでは電気使用量の内訳は以下のようになっています。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁「トップランナー基準の現状等について」
上記のグラフによると、最も電力を消費しているのは電気冷蔵庫で、消費電力は全体の14.2%です。次いで、照明器具とテレビ、エアコンの順に電力を消費しています。電気使用量が多いことによって電気代が高い場合は、電気冷蔵庫や照明器具、テレビ、エアコンの使用方法を見直すことによって電気代を削減できる可能性があります。
一人暮らしで電気使用量を減らすコツ

新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅時間が増えており、電気使用量は多くなっています。そのため、一人暮らしにおける電気代の削減では、電気使用量をいかに減らせるかが重要となります。
冷蔵庫の電気使用量を減らすコツ
冷蔵庫は数ある家電の中で特に多くの電気を使用する家電であり、以下で紹介する電気使用量を減らすコツを実践することで高い節約効果を実現できます。冷蔵庫の電気使用量を減らすコツには、以下のようなものがあります。
- ・温度設定で夏は強、冬は弱を選ぶ
- ・壁から5cmほど離して設置する
- ・熱いものは冷ましてから入れる
- ・冷蔵庫の上に物を置かない
- ・開閉回数を減らす
- ・開閉時間を減らす
- ・省エネ冷蔵庫に買い替える
- ・急速冷凍機能の使用頻度を減らす
- ・冷蔵庫の中にものを詰め込みすぎない
- ・冷凍庫の中は隙間なく詰め込む
冷蔵庫は、冷蔵庫内の温度を一定に保つ仕組みです。熱いものを入れたり、頻繁に開け閉めしたりして冷蔵庫の中の温度が上がると、多くの冷却作業が必要となり、電気使用量も多くなります。そのため、熱い物を冷ましてから入れたり、必要以上に開閉しないことを意識したりすることで電気代を削減することが可能です。
また、冷蔵庫では設置方法などによってうまく放熱できない場合も電気使用量が多くなります。上に物を置いたり、壁に引っ付けて設置したりすることは避けて、冷蔵庫に熱がこもらないようにしましょう。
冷蔵庫に物を詰め込みすぎると、冷蔵庫内の空気が循環せずに冷却効果が下がってしまいます。冷却効果を高めて電気使用量を減らすために、冷蔵庫の中に隙間を作ることがおすすめです。一方、冷凍庫では冷えた食品同士がお互いに冷却し合うため、隙間なく詰め込むと冷却効果が高くなります。
テレビの電気使用量を減らすコツ
テレビの電気使用量を減らすコツには、以下のようなものがあります。
- ・明るさを暗めに設定する
- ・視聴していないときは電源を落とす
- ・定期的に掃除する
- ・省エネ性能の高いテレビを使用する
画面を明るく設定していると、電気使用量が増えるため、必要以上に明るく設定しないようにしましょう。画面がホコリなどで汚れていると暗く感じるため、定期的に掃除することがおすすめです。また、つけっぱなしにするのではなく、視聴していないときはこまめに電源を落とす癖を身につけましょう。
エアコンの電気使用量を減らすコツ
エアコンの電気使用量を減らすコツには、以下のようなものがあります。
- ・夏は設定温度を少し高めに設定する
- ・冬は設定温度を少し低めに設定する
- ・短時間の外出ならつけっぱなしにする
- ・自動運転の機能を活用する
- ・扇風機やサーキュレーターを併せて使用する
- ・フィルターと室外機を定期的に掃除する
- ・窓用断熱フィルムを活用する
- ・室外機に直射日光が当たらないようにする
- ・省エネ効果の高いエアコンを使用する
エアコンの温度を1度変更するだけで、電気使用量を減らせて電気代を減らせます。設定温度を夏は少し高めに、冬は少し低めに設定することがおすすめです。扇風機やサーキュレーターを併用すると、空気を部屋中に循環させられるため、温度を少し高め、低めに設定しても快適に過ごせます。また、外気の温度に左右されにくくするために窓用断熱フィルムを活用することもひとつの手です。
フィルターや室外機にホコリが溜まっていると、冷暖房効果は弱まり、必要以上に電気使用量を高めてしまいます。掃除は手間であるものの、フィルターは2週間に1度は掃除するようにしましょう。室外機に直射日光が当たると、エアコンの効きが悪くなる場合があるため、直射日光が当たらないように設置場所にも注意が必要です。
電気代を節約できる一人暮らし物件の選び方

物件によって電気代の節約のしやすさは異なります。断熱性や気密性の高い物件や、間取り・専有面積が必要最小限の物件を選ぶと、電気代を節約することが可能です。これから一人暮らしの物件を探す場合は、どのような物件が電気代を節約できるのか理解したうえで、節約しやすい物件を選びましょう。
断熱性や気密性を確かめる
物件の断熱性とは、外壁や内壁に断熱材を導入したり、断熱性の高い窓ガラスを使用したりすることで、外気温の影響を遮断する性能です。気密性とは、防湿シートや気密シートなどを使用して、外気の侵入を防ぐ性能です。
断熱性の高い物件を選ぶと、外気温の影響を受けにくく、一年を通して快適な室温を維持できます。また、機密性の高い物件を選ぶと、室外に空気が逃げないことから、効率的に部屋中にエアコンの空気を行きわたらせることが可能です。しかし、気密性が高いと室内に湿気がこもりやすく、結露やカビが発生しやすいというデメリットがあります。夏だけではなく、冬にも換気をおこなうことでカビや結露を防止しましょう。
断熱性や機密性の高い物件では、反響音がしやすいという特徴があります。物件選びの際に部屋の真ん中で手を叩いて、反響音を確認しましょう。
間取り・専有面積は必要最小限に
部屋数が多かったり、専有面積が広かったりすると、室内を快適な温度に調整するために必要なエネルギーは多くなります。温度調整に時間もかかるため、間取り・専有面積は必要最小限に抑えることがおすすめです。しかし、収納の確保が難しいというデメリットもあり、収納スペースの隙間を有効に活用するなどの工夫が必要です。
同じ専有面積でも、部屋の形によって家電や家具の置きやすさは異なります。間取り・専有面積が必要最小限の物件を選ぶ際は、部屋の形が正方形や長方形に近いか、柱が出ていないかなど確認しましょう。
まとめ
一人暮らしの電気代の平均は6,808円です。真冬では7,000円台であり、そのほかの季節でも6,000円台であることから、それ以上の電気代が発生している場合には、基本料金の高さや電気使用量の多さが原因と考えられます。
基本料金の高さは、契約するアンペア数を変更することで解消できます。現在契約しているアンペア数を確認したうえで、契約している電力会社にアンペア数の変更手続きを申し込みましょう。また、電気使用量の多い家電の使用方法を見直すことも効果的です。本記事で紹介した電気使用量を減らすコツを参考にして、使用方法を見直してください。
引越しを検討している場合やこれから一人暮らしを検討している場合は、電気代を節約できる物件を選ぶことがおすすめです。断熱性や気密性の高い物件や、間取り・専有面積が必要最小限の物件を選び、電気代を削減しましょう。
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