遮熱塗料のメリットとデメリット!遮熱される原理は?おすすめ塗料も紹介の画像01

「夏場の電気代をどうにかしたい」または「エアコンの設定温度を下げても部屋が暑い」と悩んでいるならば、遮熱塗料がその解決策になるかもしれません。

今回は遮熱塗料のメリットとデメリット、遮熱原理について解説します。
遮熱塗料の導入を検討している人はもちろん、夏の暑さ対策に関心のある人は、ぜひ参考にしてみてください。

遮熱塗料のおすすめ商品も紹介します!
建物の遮熱効果を高めたい人は、要チェックですよ!



遮熱塗料とは?どんな原理?

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遮熱塗料とは、太陽光の熱を反射させて、建物内部への熱の侵入を抑制する塗料です
塗るだけで手軽にできる暑さ対策として注目を集めています。

遮熱塗料は、一般的な塗料よりも高額な傾向にあります。
価格は高いですが、室内温度の上昇を抑えられるため、夏場の電気代削減が期待できるでしょう。
さらに、表面温度の上昇を抑えると、建物の劣化を遅らせることにつながります。

遮熱塗料のメリット

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遮熱塗料のメリットを3つ紹介します。

・屋根の表面温度・室内温度を下げられる
・電気代を節約できる
・省エネ効果が見込める

ひとつずつ見ていきましょう。

屋根の表面温度・室内温度を下げられる

遮熱塗料の大きなメリットは、屋根や外壁における表面温度の上昇を抑え、室内の温度を下げられる点です

夏の強い日差しが屋根や外壁に直接当たると、その表面温度は非常に高くなります。
この熱が建物内部に伝わると室温が上昇し、不快な暑さの原因となってしまうのです。

遮熱塗料を使えば、太陽光の熱エネルギーの多くが反射されるため、表面温度が上がりにくくなります。
暑い夏場であっても、屋根の表面温度を7~8度ほど、室内温度を3~5度ほど下げるといわれています。

電気代を節約できる

室温の上昇を抑えられれば、冷房の使用頻度を減らせるでしょう
エアコンの温度を高く設定したり、稼働時間を短縮したりできれば、電気代の節約につながります。

長期的に見ると、塗料の初期費用を上回る経済的な効果が得られることも。
「エアコンの温度を下げても涼しくならない」「エアコンをフル稼働させていて電気代がかさんでいる」と困っている人は、遮熱塗料の使用を検討してみてはいかがでしょうか。

省エネ効果が見込める

遮熱塗料の使用は電気代の節約に加えて、省エネ効果も期待できるんです
冷房の使用量を減らすことは、地球温暖化の原因となる「二酸化炭素」の排出量減少にも貢献します。

また、屋根の温度が上がりにくくなれば、都市の気温が周囲よりも高くなる「ヒートアイランド現象」の抑制になると考えられています。

遮熱塗料のデメリット

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遮熱塗料のデメリットは、以下のとおりです。

・一般的な塗料よりも費用が高くなりやすい
・表面が汚れると効果が落ちる

それぞれ説明していきます。

一般的な塗料よりも費用が高くなりやすい

遮熱塗料は、太陽光を反射するための特殊な顔料を使用しているため、一般的な塗料よりも費用が高くなりやすいです

1平方メートル当たりの費用相場は、次のとおりです。

・アクリル系塗料……1,000~1,800円
・ウレタン系塗料……1,800~2,000円
・遮熱塗料……2,500~5,000円

ただし、初期費用が高くても、遮熱による電気代の節約効果により、差額を回収できる可能性もあります。

表面が汚れると効果が落ちる

遮熱塗料の効果は、塗膜の表面で太陽光を反射することで得られます

塗膜の表面が排気ガスやカビなどで汚れると、太陽光の反射率が低下してしまうのです。
結果として、表面が汚れると遮熱効果が落ちる場合があります。

交通量の多い道路沿いや工場地帯は、排気ガスによる汚れがつきやすいので気を付けましょう。
定期的な清掃やメンテナンスを行うことで、遮熱効果を維持できます。

近年では、防汚機能を持つ遮熱塗料も開発されています。
定期的なメンテナンスが難しいならば、防汚性の高い塗料を選ぶのも選択肢のひとつですね。

「遮熱塗料は効果ない」と感じる原因

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「遮熱塗料は効果ない」と感じる原因を、4つピックアップしました。

・塗料の種類によって性能に差があるため
・遮熱塗料に断熱効果はないため
・メンテナンスが不十分なため
・遮熱塗料は他の暑さ対策と組み合わせて効果が高まるため

各原因について、詳しく解説していきます。

塗料の種類によって性能に差があるため

遮熱塗料と一口に言っても、さまざまな種類があり、製品によって遮熱性能に差があります
低価格帯の製品や、遮熱効果が低い塗料を選んだ場合、期待したほどの効果が得られないかもしれません。

遮熱塗料の性能は「日射反射率」が主な判断基準となるでしょう。
日射反射率が高いほど太陽光を反射して、建物の表面温度を下げられます。
また、濃い色(黒など)よりも、淡い色(白など)の塗料のほうが反射率は高まります。

塗料選びで悩んでいる人は「遮熱塗料のおすすめ商品4つ」をチェックしてみてください。

遮熱塗料に断熱効果はないため

遮熱塗料は太陽光を反射して熱の侵入を抑えますが、断熱効果はありません

断熱とは、建物において熱を伝わりにくくして、室内の温度を一定に保つこと。
断熱対策を行うことで「夏は涼しく・冬はあたたかい」状態が実現します。

夏の暑さ対策には遮熱塗料が有効ですが、冬の寒さに備えるには断熱対策も求められます。
断熱効果を高めたいときは、断熱材を導入したり、断熱塗料を併用したりするのが効果的ですよ。

遮熱塗料と断熱塗料との違いを理解し、住まいに合ったものを選ぶことが重要です。

メンテナンスが不十分なため

遮熱塗料の表面が汚れると、太陽光の反射率が低下し、遮熱効果が十分に発揮されなくなります。
そのため、定期的なメンテナンスを怠った場合は「効果がない」と感じることも

外壁に付着した汚れはスポンジやモップ、ブラシなどを使用して、優しくこすり洗いします。
カビやコケに関しては、専用の除去剤を活用して洗い流しましょう。
洗う際に力を入れすぎると、塗装を傷つける可能性があるので注意が必要です。

遮熱塗料は他の暑さ対策と組み合わせて効果が高まるため

遮熱塗料は単体で使用するよりも、他の暑さ対策と組み合わせることで、より高い効果が期待できます

たとえば
・断熱材を導入する
・窓に遮熱フィルムを貼る
・窓の外に日よけやすだれを設置する
・窓や外壁にツル性の植物をはわせる
上記のような対策と併用すれば、相乗効果が生まれやすいです。

遮熱塗料が向いているケース

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遮熱塗料が向いているケースを、いくつかピックアップしました。

・住宅が日当たりのよい立地に建っている
・建物の屋根が広い
・屋根が金属材でできている
・建物自体の断熱性能が低い
・寒さよりも暑さが気になる地域で過ごす
・電気代を節約したい

屋根が広かったり金属材を使っていたりすると、太陽の熱を吸収しやすく夏場は高温となります。
このような建物に遮熱塗料を使用することで、冷房効率が向上し、電気代の節約につながるでしょう。

また、建物自体の断熱性が低い場合に遮熱塗料を使えば、外部からの熱の侵入をある程度防げます。
断熱材の増強が根本的な解決策ではありますが、大規模な工事が必要となります。
遮熱塗料は比較的容易に施工できるため、手軽に暑さ対策をしたい場合におすすめです。

遮熱塗料の性能を高める方法

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遮熱塗料の性能を高める方法を5つ紹介します。

・遮熱効果の高い商品を選ぶ
・塗料選びでは日射反射率を参考にする
・技術力の高い業者に依頼する
・下地処理を丁寧に行う
・製品の特徴を理解し、推奨される塗布量や乾燥時間を守る

同じ塗料でも下地処理や塗り方によって、遮熱効果・耐久性・仕上がりの美しさなどが大きく変わります。
そのため、経験豊富でスキルの高い業者に、塗装を依頼することが大切です。

技術力のある業者ならば、塗料ごとの特性や建物の状態を理解し、各工程で適切な処理を施してくれるでしょう。

遮熱塗料のおすすめ商品4つ

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遮熱塗料のおすすめ商品を4つ紹介します。

・日本ペイント「サーモアイ」
・関西ペイント「アレスクール」
・日進産業「ガイナ」
・エスケー化研「クールタイト」

商品ごとに特徴やおすすめポイントを説明していきます。

日本ペイント「サーモアイ」

日本ペイントが提供する「サーモアイ」は、屋根用遮熱塗料の代表的なシリーズ。

・サーモアイ4F(フッ素系)
・サーモアイSi(シリコン系)
・サーモアイUV(耐UVウレタン樹脂系)
のような商品があり、予算やニーズに合わせて選択できます。

例として、サーモアイSiのクールホワイトは「全日射反射率が約91%」です。
他の色の日射反射率については、製品カタログの情報を参考にしてみてください。

THERMOEYE サーモアイ 遮熱塗料

関西ペイント「アレスクール」

関西ペイントの「アレスクール」シリーズは、外壁用と屋根用の遮熱塗料を展開しています。

「アレスクール」の主な商品は、次のとおりです。
・アレスクール2液F(フッ素樹脂系)
・アレスクール2液Si(アクリルシリコン樹脂系)
・アレスクール1液Si(アクリルシリコン樹脂系)
・アレスクール2液U(ポリウレタン樹脂系)
・アレスクール水性F(水性フッ素樹脂系)
・アレスクール水性Si(水性アクリルシリコン樹脂系)

また、アレスクール2液Fのホワイトに関して、日射反射率は80%以上とされています。

アレスクール|総合塗料メーカー【関西ペイント】

日進産業「ガイナ」

日進産業の「ガイナ」は遮熱性に加えて、断熱性や防音性、消臭性といった多機能を持つ塗料です。

遮熱効果をはかる実験では、以下のような結果が出ました。

・GAINA無塗装のプレハブと、外側をGAINAで塗装したプレハブを用意
・同じタイミングでエアコンを入れて、24度で固定
・測定期間は3週間
→GAINAで外壁を塗装されたプレハブは、気温の一番上昇している時間帯で約33%電力消費量を抑制した(3週間の累計)

このように、ガイナを塗装するとより効率的に冷房を使用できます。

GAINA|日進産業 | 快適空間でお客様を笑顔にする
GAINAの効果と検証結果

エスケー化研「クールタイト」

エスケー化研の「クールタイト」シリーズは遮熱性能が高く、さらに耐候性・耐久性にも優れています

ウレタン樹脂系のクールタイトのほか、以下のような商品もおすすめです。

・クールタイトSi(シリコン樹脂系)
・クールタイトF(フッ素樹脂系)

参考として、クールタイトのスノーホワイトは、日射反射率80%とされています。

クールタイト

遮熱塗料に関して、よくある質問

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遮熱塗料に関して、よくある質問は次の3つです。

・車にも住宅用の遮熱塗料を使える?
・遮熱塗料と断熱塗料との違いは?
・遮熱塗料は補助金の対象になる?

以下で詳しく解説していきます。

車にも住宅用の遮熱塗料を使える?

原則として、車には住宅用の遮熱塗料を使用できません

なぜなら、車と住宅では求められる性能が異なるためです。
車用の塗料は、振動や衝撃に耐えられるように設計されています。
住宅用の遮熱塗料を車に塗布した場合、はがれやひび割れといった不具合が生じる可能性がありますよ。

車用の遮熱塗料は、カー用品店や専門業者で販売されているので、そちらで購入しましょう。

遮熱塗料と断熱塗料との違いは?

遮熱塗料と断熱塗料は、どちらも建物の温度上昇を抑制しますが、その仕組みは違います
それぞれの違いを表にまとめました。

遮熱塗料 断熱塗料
主な機能 太陽光を反射し、熱の吸収を抑える 熱の移動(伝導)を抑制する
得意な季節 夏・冬

建物の構造や環境、求める効果を考慮した上で、どちらの塗料が適しているかを考えましょう。
自分で判断できない場合は、専門業者に相談すると安心ですね。

遮熱塗料は補助金の対象になる?

自治体や年度によって異なりますが、遮熱塗料は補助金の対象となるケースが多いです

申請可能な制度があるかどうかは「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」でチェックしてみましょう。
市区町村と条件で絞り込めば、活用できる制度を調べられますよ。

遮熱塗料を選んで夏を涼しく乗り切ろう!

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今回は遮熱塗料のメリットとデメリット、遮熱原理について解説しました。

遮熱塗料には、屋根の表面温度・室内温度を下げられるというメリットがあります。
加えて、電気代の節約や省エネ効果も見込めますよ。

外壁塗装の業者探しなら「外壁塗装の窓口」がおすすめです。
信頼性の高い施工店が多数登録されているので、住まいに最適な遮熱塗料が見つかるでしょう。
無料の相談サポートもあるので、ぜひご活用ください。

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