
外壁塗装の耐用年数は、塗料や外壁材の種類、そして住んでいる環境によって変わります。「そろそろ塗り替えた方がいいのかな?」と悩むタイミングだったら、劣化のサインが出ていないかチェックしましょう。
傷みが進む前に劣化を見つけて適切なメンテナンスをすることが大切です。また、減価償却など税務に関するポイントを押さえておけば、確定申告などでの手続きもスムーズに進められます。
本記事では、そんな外壁塗装の修繕計画を立てる際に役立つ知識として、耐用年数の目安や注意する劣化サインについてわかりやすくご紹介します。
- 外壁塗装の耐用年数は10~20年が目安
- 外壁塗装の塗料の種類別の耐用年数
- 外壁材の種類別の耐用年数
- 外壁塗装の劣化具合がわかる外壁のサイン
- 外壁のメンテナンスを長持ちさせる方法
- 税務上の外壁塗装の法定耐用年数
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外壁塗装の耐用年数は10~20年が目安

外壁塗装の耐用年数は、塗料が雨風や紫外線から建物を保護できる期間を指します。
一般的には10~20年が目安とされていますが、あくまで目安。塗料の種類や施工方法、そして住環境によって実際の寿命は大きく異なります。
湿度が高い地域や紫外線が強い地域では、塗装の劣化が早まることもあるため注意が必要です。
耐用年数を伸ばすことはできる?
耐用年数を延ばしたいなら、高品質な塗料を使う、下地処理を丁寧に行う業者に依頼する、などが有効な方法です。
耐用年数を過ぎた塗装を放置するとどうなる?
耐用年数を過ぎた塗装を放置すると、防水機能が失われ、建物自体が劣化しやすくなります。
定期的に外壁の状態をチェックし、劣化のサインが見られたら早めに対応することが、建物を長持ちさせるポイントです。
外壁塗装の塗料の種類別の耐用年数
外壁塗装に使われる塗料は、種類によって耐用年数や特徴が異なります。それぞれの塗料の特性を知ることで、家の環境や予算に合った選択ができるようになります。塗装工事の前に専門家や工事業者とよく相談して決めるようにしましょう。
よく使用される塗料の耐用年数と特徴塗料名 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 4~7年 | 価格が安く、色の種類が豊富だが、耐久性は低い。 |
ウレタン塗料 | 8~10年 | 柔軟性があり、密着性が高いが、紫外線に弱い。 |
シリコン塗料 | 8~15年 | 耐久性が高く、紫外線や湿気に強い。コストパフォーマンスが良い。 |
ラジカル制御塗料 | 10~15年 | 紫外線による劣化を抑える効果があり、比較的新しい塗料。 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 高耐久性で、色あせしにくい。価格は高めだが、長期的なコスト削減が可能。 |
無機塗料 | 20~25年 | 耐候性が非常に高く、長寿命。価格も高いが、メンテナンス頻度が少なくて済む。 |
それぞれの塗料にはメリットとデメリットがあります。初期費用を抑えるか、長期的なメンテナンス頻度を減らすか、ご自宅に合った塗料を選びましょう。
外壁材の種類別の耐用年数
外壁の耐用年数は、使用する外壁材の種類によっても大きく異なります。素材ごとの特徴を理解し、予算や目的にあった外壁材を選ぶことが、建物を長持ちさせるポイントです。
よく使用される外壁材の耐用年数と特徴外壁材 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
モルタル | 30年 | セメントと砂を混ぜたもので、耐火性が高く、デザインの自由度が高い。 |
窯業系サイディング | 40年 | セメントと繊維を混ぜたもので、耐久性があり、色や柄のバリエーションが豊富。 |
金属サイディング | 40年 | ガルバリウム鋼板などの金属を使用し、耐震性が高く、軽量で耐久性がある。 |
木質系サイディング | 30~40年 | 天然木など木材を利用した外壁材。自然素材で温かみがあり、デザイン性が高いが、メンテナンスが必要。 |
ALCボード | 60年 | 軽量気泡コンクリートで、断熱性や耐火性に優れている。 |
コンクリート壁 | 60~100年 | コンクリートをそのまま壁にしたもの。 |
これらの外壁材を選ぶ際には、耐用年数だけでなく、家の立地環境や外観デザインの好み、メンテナンスの手間なども考慮するとよいでしょう。最適な外壁材を選ぶことで、快適な住環境が長く保てます。
外壁塗装の劣化具合がわかる外壁のサイン

外壁塗装は、時間の経過とともに劣化が進みます。劣化を放置すると、防水機能が失われ、建物全体の耐久性にも影響を与える可能性があります。そこで重要なのが、劣化のサインを早めに見つけることです。次にご紹介するのは、外壁の劣化を判断するための建物に現れる劣化のサインです。これらが見つかったら、専門家や工事業者に相談してみることをおすすめします。
チョーキング
外壁を手で触ると白い粉が付着する現象を「チョーキング」と呼びます。これは、外壁塗装に含まれる顔料が劣化して粉状になり、表面に現れることで起こります。
劣化していない塗装では、顔料が他の成分と結びついて粉は出ません。しかし、紫外線や雨風などの影響で塗料の結合力が低下すると、顔料が分離してチョーキングが発生します。
チョーキングが起きている場合、防水機能が大きく低下している可能性があります。これを放置すると、外壁材に水分が侵入し、さらなる劣化や構造へのダメージにつながる恐れがあります。
塗装の剥がれや膨れ・ひび割れ(クラック)
外壁の塗装に小さな亀裂が入るひび割れは、クラックと呼ばれます。クラックを放置すると雨水が内部に侵入し、建物全体の劣化を引き起こす可能性があります。
特に深いひび割れは、早急な対応が必要です。
一方、塗装の剥がれや膨れは、防水機能が低下している状態を示しています。剥がれた塗装部分から外壁材が直接雨風にさらされると、腐食や損傷が進みやすくなります。
これらのサインを見逃さず、早めに専門業者へ相談しましょう。
カビやコケの発生
塗膜が劣化すると、防水性が失われて外壁に水分が溜まりやすくなり、カビやコケが発生しやすくなります。
特にこれらの症状が現れやすいのは、日当たりが悪く風通しの悪い場所です。カビはコケや藻の繁殖によって引き起こされることが多く、外壁の見た目を損なうだけでなく、放置すると外壁材自体の劣化にもつながります。
金属部分のサビ
塗装直後は塗料の防水効果によってサビが防がれています。しかし、時間の経過とともに防水効果が低下し、雨水が金属部分に付着することでサビが発生しやすくなります。
特に、取り付け金具やベランダの手すり、窓枠、シャッターなどの金属部品は、サビが目立ちやすい箇所です。
放置されたサビが広がると、外壁そのものにまで影響を与え、穴が開く原因となることもあります。このような状態を防ぐためには、定期的に金属部分を点検し、サビが発生した場合は早めに対応するようにしましょう。
外壁のメンテナンスを長持ちさせる方法

外壁の寿命を延ばし、メンテナンスの頻度を減らすためには、定期的な掃除や耐久性の高い塗料の選択、そして信頼できる業者による施工が、建物を長期間良好な状態に保つ鍵となります。
ここでは、具体的に実践すべきポイントをご紹介します。
定期的な外壁の掃除
外壁に付着した汚れやほこりは、見た目を悪くするだけでなく、劣化の原因にもなります。特にカビや藻が発生すると、塗装の防水性が低下し、さらに外壁材へのダメージが進む可能性があります。
掃除を行うことで、こうした汚れを取り除くだけでなく、劣化箇所を早期に発見することができます。ひび割れや塗装の剥がれといった劣化サインを見逃さずに対処することで、修繕コストを抑えながら外壁の寿命を延ばすことができます。
簡単な掃除であれば、ブラシや高圧洗浄機を使って自分で行うことも可能ですが、手の届かない部分や頑固な汚れがある場合は、専門業者に依頼するのも一つの方法です。外壁の美観と機能を長く保つため、日常的なケアを心がけましょう。
耐用年数が長い塗料を選ぶ
塗料の種類によって寿命や性能は大きく異なり、適切な塗料を選ぶことでメンテナンスの頻度を減らし、長期的なコストを抑えることができます。例えば、フッ素塗料や無機塗料は、耐久性に優れ、15~25年もの耐用年数があります。これらの塗料は初期費用が高めですが、再塗装の回数が減るため、長い目で見ればコストパフォーマンスに優れています。
技術力の高い業者に施工を依頼する
外壁塗装の耐久性を左右する大きな要因の一つが、施工を行う業者の技術力です。どれだけ高品質な塗料を使用しても、施工が適切に行われなければ、その性能を十分に引き出すことはできません。技術力の高い業者に依頼することで、外壁塗装の仕上がりや耐用年数が大きく変わります。
業者を選ぶ際には、複数の見積もりを取り、工事内容や費用の相場を比較するようにしましょう。極端に高額な業者や、逆に安すぎる業者は注意が必要で、適正価格で信頼できる業者を選ぶことがポイントとなります。また、過去の施工実績や口コミを確認し、その業者の経験や対応の良さを判断しましょう。
コーキングの劣化に注意する
外壁の隙間を埋める役割を果たすコーキングは、建物の防水性を保つ上で非常に重要な部分です。しかし、コーキングは紫外線や雨風などの影響を受けやすく、時間の経過とともに劣化が進行します。劣化が進むと、ひび割れや剥がれが発生し、そこから雨水が侵入して外壁材や建物内部にダメージを与える可能性があります。建物の寿命を延ばすには、外壁だけでなく、コーキング部分のメンテナンスにも注意を払うようにしましょう。
税務上の外壁塗装の法定耐用年数

外壁塗装工事は「修繕費」と「資本的支出」に分かれる
外壁塗装工事の費用は、税務上「修繕費」と「資本的支出」のどちらかとして計上されます。この分類は、工事内容や目的によって異なります。
「修繕費」として扱われるのは、建物の原状回復を目的とした工事です。例えば、外壁の一部を補修したり、経年劣化した塗装を塗り替える場合が該当します。修繕費は工事が行われた年に全額を経費として計上することができます。
「資本的支出」とされるのは、建物の資産価値を高める目的で行われる工事です。例えば、外壁の全面塗装やデザインの変更を伴う工事、または支出額が20万円を超える場合などが該当します。この場合、法定耐用年数に基づいて減価償却を行い、数年にわたって経費を分散して計上します。
確定申告時の注意点
外壁塗装工事の費用を修繕費として扱う場合、塗装工事の費用をその年の経費として全額計上できますが、事業用建物の塗装などの資本的支出に該当する場合は一括計上できません。
「修繕費」か「資本的支出」かの分類で、確定申告時の経費処理方法に誤りがあると、その年に収める所得税額などに影響するため注意が必要です。確定申告での処理をスムーズに進めるためには、事前に税理士や専門家に相談するようにしましょう。
国税庁が示す耐用年数
外壁塗装そのものには税務上の法定耐用年数は定められていませんが、減価償却を行う場合は、建物の構造や用途に応じた法定耐用年数が基準となります。
以下に示す表は、国税庁が示す主な減価償却資産の耐用年数表の抜粋です。減価償却の際には下記の年数で耐用年数を基に計算する必要があります。
国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表 ※抜粋構造・用途 | 細目 | 耐用年数 |
---|---|---|
木造・合成樹脂造 | 事務所用 | 24年 |
店舗・住宅用 | 22年 | |
工場・倉庫用 | 15年 | |
木骨モルタル造 | 事務所用 | 22年 |
店舗・住宅用 | 20年 | |
工場・倉庫用 | 14年 | |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 事務所用 | 50年 |
住宅用 | 47年 | |
工場・倉庫用 | 38年 |
例えば、木造や合成樹脂造の住宅は22年、鉄筋コンクリート造の住宅は47年といったように、構造や建物の種類によって法定耐用年数が異なります。これらの年数を基に、外壁塗装の工事費用を減価償却し、数年にわたって経費を計上する仕組みです。
ただし、この法定耐用年数はあくまで税務処理の基準であり、実際の外壁の耐用年数や劣化状況とは異なります。そのため、建物のメンテナンス計画を立てる際には、税務上の耐用年数だけでなく、外壁材や塗料の特性も考慮するようにしましょう。
外壁塗装の業者を探すなら「外壁塗装の窓口」で検索!
外壁塗装の耐用年数や劣化のサイン、さらに長持ちさせるためのポイントを押さえることで、大切な住まいを守るメンテナンス計画が立てやすくなります。また、税務上の耐用年数や経費処理についても理解を深め、いざ必要になったときに賢く対応できるようになっておきましょう。
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