
本記事では、建て替えにかかる費用の相場や費用内訳、費用を抑えるコツを詳しく解説します。本記事を参考にして、建て替えの費用に関する不安を解消し、自宅の建て替えを検討してみてはいかがでしょうか。
建て替えにかかる費用相場

自宅を建て替える場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
国土交通省が発表した「令和3年度住宅市場動向調査」によると、建て替え費用相場は平均3,299万円となっています。また、建て替え世帯のうち、住宅ローンを利用している割合は47.8%であり、約半数の方が住宅ローンを利用しており、自己資本比率は55.4%と全体費用の約半分を自己資金でまかなっていることが分かるでしょう。
一方、建て替えとリフォームを比較してみると、リフォーム費用相場の方が平均201万円と低く、リフォームの方が安く抑えられているのが実情といえます。
リフォームの場合、一部だけをリフォームする「部分リフォーム」と、すべてを変える「フルリフォーム」に分けられますが、いずれにしても基礎部分は残して工事を行うため、建て替えよりも安く済むケースが多いです。
しかし、リフォームは、工事費は抑えられるものの、工事内容に限界があり、老朽化が進んでいる建物の場合、建て替えた方が良いケースも少なくないため、注意しておくと良いでしょう。
ここでは、建て替えを行う場合の以下の費用相場についてご紹介します。
- ・原状回復費用
- ・ハウスクリーニング費用
それぞれ詳しく見ていきましょう。
坪数別の費用相場
建て替えを行う場合、坪数によっても費用相場が異なります。
業者によっても価格に幅があるため、一概にはいえませんが、費用相場としては以下の表が目安といえるでしょう。
費用相場 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20坪 | 1,500万円~2,500万円 | ||||||||||
30坪 | 2,500万円~3,500万円 | ||||||||||
40坪 | 3,500万円~4,500万円 | ||||||||||
50坪 | 4,500万円~ |
20坪や30坪程度であれば、比較的コンパクトな工事で済むため、建設費用も抑えられますが、40坪以上の建物になると、キッチンやリビングの面積を広くとれる一方で、建設費用も高額になります。坪数によって費用が異なる面は理解しておきましょう。
階数別の費用相場
坪数別での費用相場をご紹介しましたが、階数別でも費用相場は異なります。階数別の費用相場としては、以下の表を目安にしておくと良いでしょう。
費用相場 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1階建て | 2,400万円~2,600万円 | ||||||||||
2階建て | 2,000万円~2,200万円 | ||||||||||
3階建て | 2,100万円~2,700万円 |
上記表を見てみると、同じ広さの建物であっても、2階建ての方が費用を安く抑えられるのが分かるでしょう。
平屋の場合、同じ30坪であっても基礎と屋根の面積が大きくなるため、建築価格が高くなりやすく、目安としては2階建ての1.2倍程度かかるといいわれています。また、3階建ての場合、基礎や屋根部分の面積は小さいものの、構造計算費用や地盤改良費といった追加の費用が発生するケースが多く、2階建てよりも割高になりやすいです。
このように同じ面積であっても、階数の違いによって費用相場が異なる点は理解しておきましょう。
建て替え費用の内訳

建て替え費用の相場をご紹介しました。建て替えを行う場合、単純な住宅を新築する際には発生しないような建て替えならではの費用が発生します。
では、建て替えの場合、一体どのような費用が掛かってくるのでしょうか。ここでは、建て替えにかかる費用の内訳についてご紹介していきますので、それぞれ見ていきましょう。
解体費用
建て替えを行う場合、既存の住宅の解体工事が必要になります。解体費用は、解体を行う建物の構造によって金額に差が生じるケースが多いです。
建物の構造別の費用相場としては、以下の通りとなっています。
構造 | 1坪あたりの解体費用相場 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
木造 | 3~5万円 | ||||||||||
鉄骨造 | 4~6万円 | ||||||||||
鉄筋コンクリート造 | 6~8万円 |
木造建物の場合、解体にかかる費用も抑えられるケースが多いです。一方、鉄筋コンクリート造など頑丈な構造の建物になると費用も高額になりやすいでしょう。
また、建物の構造だけでなく、周囲の環境や業者によっても価格が異なります。建て替えを行う場合、建築会社に一括して依頼するケースが多いですが、建築会社とは別に解体業者へ依頼することも可能です。
登記費用
建て替えを行う場合、各種登記手続きが必要です。
登記手続きとしては、既存住宅の解体した際に必要な「建物滅失登記」、建物の内容を示す「建物表題登記」、所有権を確定する「所有権保存登記」、住宅ローンの担保設定に必要な「抵当権設定登記」といった種類があります。
各登記手続きの費用相場としては、以下の通りです。
費用相場 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
建物滅失登記 | 4~5万円 | ||||||||||
建物表題登記 | 8~9万円 | ||||||||||
所有権保存登記 | 2~3万円 | ||||||||||
抵当権設定登記 | 3~5万円 |
上記の登記手続きは、建て替え時に全て必要となる手続きであり、全体で約20万円程度必要となります。自分で手続きすることで費用を抑えられるケースもありますが、住宅ローン利用の場合、担保の設定が絡んでくるため、金融機関によっては自分での手続きを認めていないケースが多いですので注意しておきましょう。
測量費用
建て替え時には、設計を行うための測量費用が必要です。
建て替えの場合、敷地内高低差や方角といった土地の状況を測量する現況測量が必要であり、費用相場としては20万円~40万円程度が一般的となっています。
ただし、既存の建物を建築した際の現況測量図が残っている場合には、現況測量は不要です。
地盤調査費用
建て替えを行う際には、地盤調査に関する費用も必要となります。
一般的な住宅の場合、スウェーデン式サウンディングと呼ばれる簡易的な地盤調査で済むケースが多く、費用は5~10万円程度が一般的です。
地盤調査は、これまで家が建っていた場所であっても必要な調査であり、地盤に問題がなければ建築工事に入れますが、地盤が弱い場合には地盤改良工事が必要となります。
地盤改良工事の内容によって金額は大きく変わりますが、表層改良工法の場合、坪1~2万円程度、柱状改良工法で坪2~3万円程度、鋼管杭工法で坪4~6万円程度が目安といえるでしょう。
設計費用
建て替えにあたっては、設計に関する費用も必要となります。設計費用には、着工後の施工状況のチェックを行う監理料や、建築確認申請に関する費用も含まれるケースが一般的です。ハウスメーカーや工務店に依頼した場合には、その会社の設計部や提携する設計事務所に支払うケースが多く、建物の費用に含まれている場合が多いでしょう。
一方、設計事務所に設計を依頼した場合、設計費用は設計事務所に支払い、施工やその他費用を施工会社に支払うケースが考えられます。
建築費用
建築費用は、住宅の建築にかかる本体工事や設備工事、外構工事といった工事に関する費用です。
建て替えを行ううえで最も費用がかかる項目であり、建築費用は建物の構造や面積、使用する建材・設備によって価格が大きく変わってきます。二世帯住宅の場合、設備費用が二世帯分必要になるケースが多く、費用が高額になりやすいです。
また、設計費用などが見積もりに含まれているケースも多いですが、別途発生する可能性も考えられるため、建て替えを検討する際には事前に確認しておくと良いでしょう。
地鎮祭・上棟式の費用
住宅新築を行う場合、工事着工前に行う地鎮祭や、棟上げのタイミングで行う上棟式の費用も考慮しておく必要があります。
地鎮祭は工事の安全を祈願して行う儀式であり、費用相場としては、神主さんに支払う「初穂料」が2~3万円に加え、お供え物の費用を合わせて5万円前後が一般的です。
一方、上棟式は、家を建てた棟梁を中心に工事関係者を慰労する儀式であり、神主さんは呼ばずに職人さんが進行するケースが多いでしょう。
費用としては、上棟式に必要な塩・米・お酒・神饌物に1~2万円、棟梁へのご祝儀が2~3万円、職人をもてなす酒肴代が2~3万円、他の職人さんに渡すご祝儀が1人5千~1万円程度が目安といえます。
地鎮祭や上棟式は必ず行わなければならないものではないため、最近では行わないケースも増えています。するかしないかは施工会社の方と相談したうえで決めると良いでしょう。
住宅ローン関連費用
建て替え時に住宅ローンを利用する場合、住宅ローン関連費用も必要です。
地鎮祭は工事の安全を祈願して行う儀式であり、費用相場としては、神主さんに支払う「初穂料」が2~3万円に加え、お供え物の費用を合わせて5万円前後が一般的です。
住宅ローン関連費用としては、以下のような費用が想定されます。
- ・事務手数料
- ・保証料
- ・抵当権設定費用
- ・印紙代
事務手数料は金融機関によって異なりますが、3万円~10万円程度が一般的です。
また、保証会社へ支払う保証料は、住宅ローン金利に含まれるケースも多いですが、一括で支払うケースもあります。一括支払いの場合、住宅ローン金額に対して2.2%としているケースが多く、2,000万円のローンを組む場合、保証料として44万円程度必要になると考えておくと良いでしょう。
印紙税
印紙税とは、工事請負契約書や住宅ローンの金銭消費貸借契約証書などの課税文書に発生する費用です。
印紙税額については、契約書に記載する金額によって以下の表の通り課税されます。
契約書の記載金額 | 印紙税額 | 軽減税率適用 | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5千円 | |||||||||||||||
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 | |||||||||||||||
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 | |||||||||||||||
1億円超え5億円以下 | 10万円 | 6万円 | |||||||||||||||
5億円超え10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
参考:国税庁
尚、平成26年4月1日から令和6年3月31日まで、不動産の譲渡に関する契約書のうち、契約金額が10万円を超えるものは軽減税率が適用されています。
不動産取得税
建て替えを行う場合、新たに住宅を取得したことになるため、不動産取得税が発生します。
不動産取得税額は、「(建築価格-1,200万円)×3%」にて計算可能です。不動産取得税では、特例措置として建築価格から1,200万円は控除できるため、建て替え費用が1,200万円以下の場合には不動産取得税は掛かりません。
火災保険・地震保険料
住宅の火災保険・地震保険料も建て替え時の費用として必要です。火災保険料は、新たに建築した建物の面積や構造、保険会社、保険金額によって異なります。
近年は、災害が多く発生していることから、保険料率も上がってきています。建物金額2,000万円程度の場合、保険料は5年一括で70万円程度かかるのが一般的です。
また、住宅ローンを利用する場合、火災保険加入が条件になるケースが多いですので、注意しておきましょう。
引越し費用
建て替えを行う場合、仮住まいと建て替え後の引っ越しで2回分の引っ越し費用が必要です。
建て替えが終わるまでには、既存住宅の解体工事に1ヶ月~1.5ヶ月、住宅の新築に3ヶ月程度の期間が想定されます。そのため、仮住まいでの生活は余裕を見て6ヶ月程度を見込んでおくと良いでしょう。
建て替え費用を抑えるコツ

建て替え費用の内訳についてご紹介しました。では、建て替え費用を抑えるには、どういったコツがあるのでしょうか。
ここでは、建て替え費用を抑えるコツをご紹介していきますので、それぞれ見ていきましょう。
自分で解体業者を探す
建て替え費用を抑えるには、解体業者は自分で探す方が費用を抑えられる可能性が高いといえます。
建設費用の中には、解体費用が含まれていることが多いですが、一般的に自社で解体工事を行うのではなく、別の業者に解体を依頼するケースが多いです。その場合、手数料が上乗せされているケースが多く、自分で解体業者へ依頼した方が価格を抑えられる可能性が高いでしょう。
シンプルな形状・間取りにする
建て替えを行う場合、シンプルな形状・間取りにすると費用を抑えられるケースが多いです。
工法や建材にこだわりすぎたり、凝った造りの間取りにしたりすると建設価格は高くなってしまいます。せっかくの建て替えなのでこだわりたい気持ちも分かりますが、ポイントを絞っておくとコスト削減につなげられるでしょう。
閑散期に引越す
引っ越し業者が忙しくない閑散期に引っ越しを行うのも費用を抑えるコツの1つとしてあ挙げられます。
進学や就職などで引っ越しの多い3~4月、大型連休がある5月や8月は引っ越し業者も忙しくなるため、引っ越し費用も高額になりやすいです。そのため、11月~2月の閑散期に合わせて引っ越しすると費用を抑えられる可能性が高いでしょう。
また、土日祝日よりも平日の方が安く、業者の都合に合わせることで費用を抑えられる可能性が高いです。
相見積もりを取る
複数の業者から相見積もりを取るのも価格を抑えられるコツといえるでしょう。
最初から1つの業者に絞ってしまうと、提出された見積もりの価格が相場通りかどうかの判断がつきません。一方、複数業者から相見積もりを取り、比較検討することで価格が適正かどうか判断しやすくなります。また、希望の業者の価格が割高な場合、他の業者の見積もりを示すことでコストダウンの交渉ができる可能性も高いです。
とはいえ、1人で複数業者を巡るのは時間も手間もかかります。そのため、一括査定サービスを利用すると、一度で複数業者から見積もりが取れるので、非常に便利です。
建て替え費用を抑えるためにも、一括査定サービスを利用して複数業者から見積もりを取ると良いでしょう。
まとめ
本記事では、建て替え費用の相場や建て替え費用の内訳と合わせて、コストダウンのコツをご紹介してきました。
住宅の老朽化や世帯構成の変化など、建て替えを検討するケースも多いです。建て替えにあたって、どのくらい費用がかかるのか、どんな費用が必要かを理解しておくと、より具体的に検討しやすくなります。
さらに、コストダウンのコツを抑えておけば、価格を抑えつつ理想的な建て替えができる可能性が高いです。ぜひとも本記事でご紹介した内容を参考にして、住宅の建て替えを検討してみてはいかがでしょうか。
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