
今回は、パワーカップルの定義やメリット、課題について解説します。
パワーカップルのリアルな生活事情も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
パワーカップルをずるいと思う人・思わない人の割合も紹介します!
パワーカップルに対する印象を知りたい方は、要チェックです!
- パワーカップルの年収はいくらから?
- パワーカップルの割合
- パワーカップルが増えている背景
- パワーカップルのメリット
- パワーカップルの課題
- パワーカップルが注意すべきポイント
- パワーカップルに多い職業
- パワーカップルに聞いた!リアルな生活事情
- パワーカップルはずるい?ずるくない?アンケートまとめ
- パワーカップルは夫婦ともに高収入なこと
パワーカップルの年収はいくらから?

パワーカップルとは、ともに高収入を得ている共働き夫婦のことです。
夫もしくは妻の片方だけが高収入な夫婦は、パワーカップルに当てはまりません。
パワーカップルに関して明確な定義はありませんが、ニッセイ基礎研究所は「両方の年収700万円以上の夫婦」をパワーカップルと定めています。
参考URL:パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割
パワーカップルの割合

ニッセイ基礎研究所の調査によると、2023年時点でパワーカップルは40万世帯存在しています。
総世帯の約0.69%、共働き世帯の約2.42%がパワーカップルに該当します。
パワーカップルの割合について、以下のデータを見てみましょう。
・2013年:約21万世帯
・2023年:約40万世帯
近年パワーカップルの割合は増加しており、2013年から2023年で約2倍になっているんです。
参考URL:パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割
パワーカップルが増えている背景

パワーカップルが増えているのは、次のような理由が考えられます。
・価値観の多様化
・女性の社会進出
・共働き世帯の増加
昔の日本では「男性が働き、女性が家庭を守る」という価値観が主流でした。
しかし、価値観の多様化により、キャリア形成を重視する女性が増えています。
近年では「仕事も、結婚も、子育ても両立したい」と考える女性が珍しくありません。
女性の社会進出が加速すれば、今後さらにパワーカップルが増加するでしょう。
パワーカップルのメリット

パワーカップルのメリットは、主に3つあります。
・夫婦の片方のみが高収入な世帯よりも税負担が軽い
・それぞれ住宅ローンを受けられる
ひとつずつ見ていきます。
夫婦の片方のみが高収入な世帯よりも税負担が軽い
夫婦の片方のみが高収入な世帯よりも、税負担が軽い点がパワーカップルのメリットです。
所得税の税率は、年収に応じて高くなる「累進課税方式」が採用されています。
累進課税方式とは、所得が多い人ほど税率が高くなっていく仕組みを指します。
所得金額と税率、控除額について表にまとめました。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
引用URL:No.2260 所得税の税率
つまり、累進課税方式では夫婦ともに高収入な世帯よりも、どちらか片方だけが高収入な世帯のほうが税率が上がる仕組みになっているんです。
世帯所得が1,400万円の場合で考えてみましょう。
【パワーカップルでない場合】
1人で1,400万円稼いでいるなら、税率は33%で所得税額は3,084,000円となる
1,400万円×33%-控除額1,536,000円=3,084,000円
【パワーカップルの場合】
1人で1,400万円稼いでいるなら、税率は23%で所得税額は1,948,000円となる
(700万円×23%-控除額636,000円)×2人分=974,000円×2=1,948,000円
上記の例であれば、所得税額に約110万円の差が生じます。
それぞれ住宅ローンを受けられる
パワーカップルはそれぞれの収入が安定しているので、夫婦別々に住宅ローンを組む「ペアローン」を利用できます。
ペアローンのメリットは、以下のとおりです。
・単独のローンよりも高額を借り入れられる
・それぞれが住宅ローン控除の対象となる
・それぞれが団体信用生命保険に加入できる
住宅ローン返済中に、契約者が死亡または高度障害状態となった場合、ローン残高がゼロとなる保険を「団体信用生命保険」といいます。
ペアローンで両方が団体信用生命保険に加入すれば、万が一のときもローンの残債を軽減できるでしょう。
ただし、団体信用生命保険は契約者本人にのみ適用される制度です。
片方に万一のことがあっても、残された債務者は自分が契約した分のローンを返済しなければいけません。
パワーカップルの課題

パワーカップルの課題を3つ紹介します。
・家族で過ごす時間が短い
・仕事と家事、子育ての両立が難しい
・助成金や補助金の対象外となるケースがある
以下で詳しく解説していきましょう。
家族で過ごす時間が短い
ほとんどのパワーカップルは高い収入を得る分、責任の重い多忙な仕事に就いています。
長時間勤務になると、家族で過ごす時間が短くなる点がパワーカップルの課題です。
パワーカップルが円満な家庭を築くには、お互いに協力する気持ちが大切ですね。
家事や育児の分担や家計管理、コミュニケーション方法について、しっかりと話し合う必要があります。
仕事と家事、子育ての両立が難しい
夫婦どちらも正社員として勤務すると、家事・子育てにかける時間が少なくなります。
特に子育てでは、イレギュラーな用事が多々発生するものです。
次のような場合について、どのように対応するか事前に話し合っておきましょう。
・学校行事への参加
・子どもの送迎の担当
・子どもが病気になった際の対処
・片方の仕事が忙しい場合のフォロー
フレックスタイム制やテレワークを活用するなど、働き方を工夫するのも選択肢のひとつです。
助成金や補助金の対象外となるケースがある
世帯収入が多いのはメリットではありますが、それゆえパワーカップルは助成金や補助金の対象外となるケースも。
例として、高校の授業料を支援する「高等学校等就学支援金」は、世帯年収約910万円未満の世帯が対象です。
パワーカップルが助成金や補助金の受給を検討する際は、まず世帯年収の条件をクリアできるかをチェックしてみてください。
参考URL:高等学校等就学支援金制度
パワーカップルが注意すべきポイント

パワーカップルが注意すべきポイントは、次のとおりです。
・節税対策を施す
・計画的に貯金する
・周りのサービスやサポートを活用する
・家事の役割分担についてパートナーと話し合う
それぞれ解説していきます。
節税対策を施す
パワーカップルは両方が高収入だからこそ、対策次第で高い節税効果を見込めます。
節税対策の方法を、いくつかピックアップしました。
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・医療費控除
・住宅ローン控除
・iDeCo
・NISA
・ふるさと納税
収入額が多くなると税率が上がり、知らないうちに多額の納税義務が発生しかねません。
損をして資産が減らないように、節税対策を心がけましょう。
計画的に貯金する
仕事が多忙なあまり、家計管理が曖昧なパワーカップルも多いのでは。
収入が多くても
・つきあいにかかる出費が多い
・ストレス発散のために高額な買い物をする
・外食がメインとなる
このような状態では、計画的に貯金できません。
病気やケガで働けなくなる、子育てで急な出費が発生する……などの事態を想定し、きちんと家計を管理しておくことが大事です。
周りのサービスやサポートを活用する
仕事と家事、育児を両立させるには、周りのサービスやサポートが不可欠です。
具体的には、次のような方法が考えられます。
・時短家電を購入する
・両親に家事や育児をサポートしてもらう
・ベビーシッターや家事代行サービスを活用する
時短家電による調理・洗濯・掃除のサポートがあると、毎日の家事にかかる時間と手間を削減可能です。
毎日の掃除機がけに5~10分かかっていたところ、お掃除ロボットで自動化すれば
・1週間で35~70分
・1か月で150~300分
の時短につながりますよ。
家事の役割分担についてパートナーと話し合う
パワーカップルはお互いに多忙なケースが多いため、家事の役割分担についてパートナーと話し合う機会を意識的に設けましょう。
コミュニケーション不足は相手への不満を増長させ、気持ちのすれ違いを生みます。
一緒にいる時間が少なくても、家事の分担や日々の悩み事、育児方法について相手の考えを聞いてみてください。
パワーカップルに多い職業

パワーカップルに多い職業を、3つピックアップしました。
・公務員
・大企業の正社員
・医師やパイロットなどの士師業
パワーカップルが多いといわれる理由を説明していきます。
公務員
公務員はパワーカップルになりやすい職業のひとつです。
総務省の調べによると、令和5年度における地方公務員の平均給与は約41.4万円でした。
12か月分で496.8万円となり、そこに夏・冬のボーナスが加わると、年収700万円に届く可能性があります。
【計算式】
月給 41.4万円×12か月=496.8万円
ボーナス(夏冬合計4.5ヶ月分と仮定) 41.4万円×4.5ヶ月分=186.3万円
合計 683.1万円
また、休暇制度や出産給付金などの福利厚生が充実している点も、公務員がパワーカップルになりやすい要因といえるでしょう。
参考URL:令和5年地方公務員給与の実態
大企業の正社員
企業の規模が大きいほど給与も高くなる傾向にあります。
国税庁が発表した平均給与にまつわるデータを、以下にまとめました。
【企業規模別の平均給与】
企業の資本金 | 男性の平均給与 | 女性の平均給与 |
---|---|---|
2,000万円未満 | 517万円 | 258万円 |
2,000万円以上、5,000万円未満 | 525万円 | 253万円 |
5,000万円以上、1億円未満 | 552万円 | 267万円 |
1億円以上、10億円未満 | 616万円 | 289万円 |
10億円以上 | 732万円 | 336万円 |
参考URL:1.平均給与
医師やパイロットなどの士師業
士師業(ししぎょう)は「〇〇士」や「〇〇師」とつく職業をまとめた総称です。
以下の士師業は、高収入な職業として有名ですね。
・医師
・パイロット(操縦士)
・弁護士
・司法書士
・薬剤師
・会計士
・税理士
・社会保険労務士
士師業は資格の取得が難しく、業務内容が専門的なので、収入が高くなる傾向にあります。
パワーカップルに聞いた!リアルな生活事情

ここからはパワーカップルのリアルな生活事情を紹介します。
パワーカップルの意見は、こちらです。
【夫の年収:1000万円~2000万円、妻の年収:1000万円~2000万円】
パワーカップルでよかった出来事は、ペアローンを組んで余裕を持って1億円以上のローンを組めたことです。
ただ、普段の金遣いが荒く意外と貯金がないため、いざ子供の教育費を出そうという場面でやり繰りに苦労しました。
お互いに気持ちよく仕事できるよう、休日の外食や買い物はケチらないようにしていますね。 へろっぴ・東京都・50代・男性
【夫の年収:700万円~1000万円、妻の年収:700万円~1000万円】
税負担を軽くして、手取り金額を増やせる点がパワーカップルのメリットです。
一方で、国や自治体から補助金や助成金を受けられないことも。
パワーカップルとしての生活を維持するために、ふるさと納税や住宅ローン控除を活用しています。 みっちゃん・東京都・30代・女性
【夫の年収:2000万円以上、妻の年収:1000万円~2000万円】
パワーカップルに該当するので、お金を理由に何かできない、どこかに行けないということはありません。
しかし、パワーカップルの家庭としか話が合わず、周りの人に「毎年旅行に行けてすごいね」と言われたときは反応に困ります。
食洗機や洗濯機、掃除ロボットにはお金をかけ、家事を最低限にするよう工夫しています。
また、保育園のお迎えなどの育児は、夫婦で完全に半分ずつ分担していますよ。 ぽに・東京都・40代・女性
【夫の年収:1000万円~2000万円、妻の年収:700万円~1000万円】
パワーカップルだと、値段を気にせずやりたいことを実行できますが、夫婦で生活リズムが合いません。
仕事でストレスがたまるとギスギスしたり、忙しい時期がかぶると家事がおろそかになったりします。
家事は分担を明確にせず「できるほうがやる」スタンスです。
夜ご飯はできるだけ一緒に食べて、会話時間を確保するように意識しています。 のぐちん・埼玉県・20代・女性
【夫の年収:700万円~1000万円、妻の年収:700万円~1000万円】
あまり考えずに買いたいものを変えて、夫と対等でいられる点がパワーカップルのよい点です。
金銭的に余裕があっても、日々忙しく時間に追われているため、意外と贅沢はしていません。
ほかには、夫婦が対等な関係である分、夫と張り合ってしまうことがあります。 しまうま彷徨う・群馬県・40代・女性
パワーカップルはずるい?ずるくない?アンケートまとめ
最後に、パワーカップルの印象を100人にアンケートしてみました!
調査によると、ずるいと思う人・思わない人の割合は次のとおりです。

・パワーカップルはずるいと思う:12%
・パワーカップルはずるいと思わない:88%
それぞれの意見を見てみましょう。
「パワーカップルはずるい」と思う人の意見
「パワーカップルはずるい」と思う人の意見は、こちらです。
高収入なうえに所得税の負担が少ないのは、ずるいなと感じます。 Sakura・神奈川県・40代・女性
お互いが高収入だと老後の心配もなく、何不自由なく暮らしていけると思います。 どうしても羨ましいな……と感じてしまいますね。 シャープペン氏・東京都・40代・男性
パワーカップルとして生活するのは、自分にはない才能です。 なので羨ましいですし、ずるいとも思います。 gunchan1・兵庫県・50代・女性
「パワーカップルはずるい」と思わない人の意見
「パワーカップルはずるい」と思わない人の意見は、こちらです。
自分でキャリアを形成した人たちなので、ずるいとは思いません。 他人が「ずるい」と思う筋合いはありませんし、ほかの誰かがパワーカップルであることは、私自身に関係ないですね。 レネ・島根県・30代・女性
経済的な価値観の一致は、カップルがうまくいくために必要な要素です。 高収入を得る男女が結婚して、カップルになるのは自然なことではないでしょうか。 さくら・埼玉県・40代・女性
経済的に余裕はあっても、精神的に余裕がないイメージなので、特にずるいとは思いません。 まい・北海道・40代・女性
パワーカップルになれるように、お互いが努力した結果だと思います。 羨ましいですが、ずるいとは感じません。 かずっしー・京都府・40代・男性
パワーカップルは夫婦ともに高収入なこと

今回は、パワーカップルの定義やメリット、課題を解説しました。
パワーカップルは、夫婦それぞれが高い収入を得ています。
夫婦片方だけが高収入な世帯よりも、税負担が軽い点がパワーカップルのメリットといえるでしょう。
条件に合った物件を探したいときは、ニフティ不動産を活用してみてください。
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