県庁所在地とは？ 47都道府県一覧と覚え方・選ばれた理由をわかりやすく解説

県庁所在地とは、名前のとおり、都道府県の行政の中心である「県庁」がある都市です。法律に基づき、各都道府県が場所を指定しているため、県名と県庁所在地が異なるケースもあります。

この記事では、47都道府県と県庁所在地の一覧や役割、覚えにくい県庁所在地を攻略する効率的な方法や選ばれた理由を詳しく解説します。

「とにかく覚えるのが苦手」「選ばれた理由を知ってスッキリしたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

• 県庁所在地とは？意味と役割を解説
  県庁所在地とは「県の行政の中心地のこと」
  県庁所在地には何がある？県庁所在地に集まる機能とは
• 【一覧表】47都道府県の県庁所在地
  県名と県庁所在地名が同じ29都道県
  県名と県庁所在地名が違う18道県
  東京都の県庁所在地はどこ？
• 県庁所在地が選ばれた歴史的背景
  県庁所在地はいつ決まった？
  県庁所在地が選ばれた基準
• 県庁所在地の効率的な3つの覚え方
  県名と県庁所在地名が「同じ」ところから覚える
  県名と県庁所在地名が「異なる」18県を集中して覚える
  語呂合わせやクイズで楽しく覚える
• 県庁所在地に関するよくある質問
  県庁所在地と県内の最大都市が異なる県はありますか？
  県庁所在地が変更されることはありますか？
  埼玉県の県庁所在地はなぜひらがな（さいたま市）なのですか？
• 県庁所在地を知って理想の暮らしを探そう

県庁所在地とは？意味と役割を解説

「県庁所在地」と一口に言っても、具体的にどのような役割を持ち、法律でどう定められているのか、ご存じない方も多いかもしれません。県庁所在地には、行政の中心であることはもちろん、そこには人々の暮らしを支える様々な機能が集まっています。

この章では、県庁所在地の基本的な意味や定義、そして各都市に集まる機能について解説します。

県庁所在地とは「県の行政の中心地のこと」

県庁所在地とは、文字通り「県庁（都道府県の役所）が置かれている都市」のことです。県庁は、その都道府県の行政全般を司る場所であり、県庁所在地はその拠点を指します。

県庁所在地は、地方自治法第4条1項に基づき、各都道府県の条例によって明確に定められています。つまり県庁所在地は、国が一方的に決めるのではなく、都道府県が自分たちのルールで「どこに県庁を置くか」を決定しているのです。

また、県庁所在地はあくまで条例で定められているため、議会での手続きを経れば、将来的に別の場所へ変更することも可能です。つまり、県庁所在地は永久不変のものではなく、時代の変化に応じて変わる可能性があります。

県庁所在地には何がある？県庁所在地に集まる機能とは

県庁所在地には、名前のとおり「都道府県庁」が置かれており、行政の中枢となっています。

行政の中心地である県庁所在地は、手続きや公務のために多くの人が集まるため、結果として交通網が整備され、経済や文化の中心地としても発展していく傾向があります。

分類	施設や機能
県庁所在地に必ず存在するもの	都道府県庁
県庁所在地に集まりやすい機能（結果として集まる機能）	【行政機関】 ・県議会議事堂 ・県警本部 ・地方裁判所、家庭裁判所 ・国の出先機関（法務局・税務署など） 【交通】 ・ターミナル駅、新幹線停車駅 ・バスターミナル、IC 【教育・経済・文化】 ・地方銀行の本店 ・国立大学の本部 ・マスメディア（テレビ局・新聞社）、文化施設 など

このように、「県庁がある」という役割が磁石のように働き、その他の便利な機能を引き寄せているのが、県庁所在地の大きな特徴です。

【一覧表】47都道府県の県庁所在地

47都道府県の県庁所在地は、学校のテストやクイズでもテーマになりやすい内容です。特に「県名」と「県庁所在地名」が異なるものは、なかなか覚えられず苦労した経験がある方もいるかもしれません。

以下は、47都道府県の県名と県庁所在地の一覧です。
（「※」は都道府県名と県庁所在地名が異なるもの）

都道府県名	県庁所在地名
北海道	札幌市 ※
青森県	青森市
岩手県	盛岡市 ※
宮城県	仙台市 ※
秋田県	秋田市
山形県	山形市
福島県	福島市
茨城県	水戸市 ※
栃木県	宇都宮市 ※
群馬県	前橋市 ※
埼玉県	さいたま市 ※
千葉県	千葉市
東京都	東京（新宿区）
神奈川県	横浜市 ※
新潟県	新潟市
富山県	富山市
石川県	金沢市 ※
福井県	福井市
山梨県	甲府市 ※
長野県	長野市
岐阜県	岐阜市
静岡県	静岡市
愛知県	名古屋市 ※
三重県	津市 ※
滋賀県	大津市 ※
京都府	京都市
大阪府	大阪市
兵庫県	神戸市 ※
奈良県	奈良市
和歌山県	和歌山市
鳥取県	鳥取市
島根県	松江市 ※
岡山県	岡山市
広島県	広島市
山口県	山口市
徳島県	徳島市
香川県	高松市 ※
愛媛県	松山市 ※
高知県	高知市
福岡県	福岡市
佐賀県	佐賀市
長崎県	長崎市
熊本県	熊本市
大分県	大分市
宮崎県	宮崎市
鹿児島県	鹿児島市
沖縄県	那覇市 ※

この章では、47都道府県の県庁所在地を一覧で紹介するとともに、県名と所在地名が同じパターンと違うパターンについて解説します。

県名と県庁所在地名が同じ29都道県

日本の47都道府県のうち、都道府県名と県庁所在地名が一致するのは「29個」です（東京都を含む）。

これは全体の過半数を占める多数派であり、県庁所在地を覚える上での基本となるグループといえます。「京都府＝京都市」「大阪府＝大阪市」のように、「府」の場合も名称が一致しています。

これらは、古くからの城下町や港町など、歴史的にその地域の中心であった都市の名前が、そのまま県名として採用されたケースが多いためです。

県名と県庁所在地名が違う18道県

一方、日本の47都道府県のうち、県名と県庁所在地が異なるものは「18個」あります。
これには「埼玉県＝さいたま市」のように、読み方は同じでも漢字とひらがなで表記が異なるものも含まれます。

なお、県名と同じ名前の市があっても、そこが県庁所在地ではない場合もあるため注意が必要です。

たとえば、栃木県には栃木市がありますが、県庁所在地は「宇都宮市」、沖縄県には沖縄市がありますが県庁所在地は「那覇市」となっています。

東京都の県庁所在地はどこ？

東京都の場合、県庁所在地ならぬ都庁所在地は、東京都の条例により「新宿区西新宿二丁目」と定められています。しかし、地図帳などでは「東京」と表記されることもあり、その関係は少し複雑です。

この原因は、1943年（昭和18年）以前の歴史にあります。当時は「東京都」ではなく「東京府」であり、その中に県庁所在地である「東京市」が存在しました。

その後、戦時中の行政統合で府と市が合併して「東京都」が誕生し、「東京市」という自治体は消滅しました。現在、地図などで使われる「東京」という表記は、かつての「東京市（現在の23区エリア）」を指す慣習的なものです。

つまり、法的な所在地は新宿区ですが、慣習として「東京」という呼び名が残っている、というわけです。

県庁所在地が選ばれた歴史的背景

県名と所在地名が異なる県があるのは、なぜなのでしょうか。その答えは、明治時代にまでさかのぼります。

現在の県庁所在地がいつ、どのような基準で選ばれたのかを知ることは、日本の近代化の歴史を知ることにもつながります。

この章では、廃藩置県をきっかけとした県庁所在地の成立と、その選定基準について歴史的背景を見ていきましょう。

県庁所在地はいつ決まった？

現在の47都道府県と県庁所在地の枠組みが決まったのは、明治4年（1871年）の「廃藩置県」が大きなきっかけです。

当初は「3府302県」もありましたが、その後約20年にわたる統廃合を経て、現在の形に落ち着きました。この選定には、明治政府の政治的な判断も深く関わっていたとされています。

政府側の藩（薩長土肥など）では旧城下町がそのまま採用されやすかった一方、旧幕府側の地域では、旧勢力の影響を弱めるためにあえて拠点を移したり、なじみのない県名をつけたりするケースがありました。

県名と県庁所在地名の不一致には、こうした明治維新の背景も関係しているのです。

県庁所在地が選ばれた基準

明治時代の廃藩置県では、小さな藩を合併させて大きな県を作りました。県庁所在地の選定にあたっては、単純な地理的条件だけでなく、以下のような現実的かつ政治的な基準が重視されています。

選定基準	選ばれた理由と背景
交通・物流の利便性 （東京へのアクセス）	当時は県内の中心であることよりも、政府がある東京へのアクセスが最優先だった。 港や主要街道があり、税収や物資をスムーズに送れる場所であれば、県の端にあっても選ばれることがあった。
既存の都市機能 （コストと規模）	ゼロから都市を作る予算はないため、合併する藩の中で「最も栄えている城下町」が選ばれるのが基本だった。 すでに建物や商売の基盤がある都市をそのまま活用する方が、効率的だったため。
政治的な判断 （新政府 vs 旧幕府）	新政府側の藩だった地域はそのまま城下町が選ばれやすかった一方、旧幕府側の地域では、力を削ぐためにあえて小さな町を県庁にしたり、城下町を外したりする冷遇措置が取られることもあった。

このように、県庁所在地は当時の都市の規模や明治政府への貢献度によって決められたのです。

その後の産業発展によって急成長した都市と、政治的な理由で選ばれた県庁所在地の間に逆転現象が起き、現在のように「県庁所在地よりも栄えている都市」が存在する一因となっています。

県庁所在地の効率的な3つの覚え方

47都道府県の県庁所在地を、北海道から沖縄までやみくもに暗記するのは大変です。

数が多くて途方に暮れてしまうかもしれませんが、実は覚え方にはコツがあります。地名をひたすら詰め込むのではなく、覚える順番やアプローチを少し変えるだけで、学習の効率は劇的に上がるでしょう。

ここでは、暗記が苦手な方でも取り組みやすい、県庁所在地を覚える3つのコツをご紹介します。

県名と県庁所在地名が「同じ」ところから覚える

県庁所在地を暗記するには、覚える対象を減らし、自信をつけることが大切です。47都道府県のうち、過半数の29都府県は、県名と県庁所在地名が一致しています。

まずは、この一致している29都府県を先に覚えましょう。「青森県なら青森市」「鹿児島県なら鹿児島市」と、そのまま答えるだけで正解できるため、特別な暗記は不要です。

おすすめの勉強法は、白地図を用意し、名前が同じ都道府県を先に塗りつぶしてしまうことです。「これだけでもう半分以上クリアした！」と視覚的に実感することで、学習へのハードルが一気に下がります。まずは「残りの18県だけ覚えればいい」という状態を作ることが、暗記の近道です。

県名と県庁所在地名が「異なる」18県を集中して覚える

県名と県庁所在地名が異なる「18道県」こそが、テストで引っかかりやすいポイントです。しかし、この18県もすべてを丸暗記する必要はありません。

県庁所在地を覚えるには、18道県をさらに、「知っている都市」と「知らない都市」に分けていきましょう。たとえば、以下の県庁所在地は政令指定都市としても有名です。

・札幌市（北海道）
・仙台市（宮城県）
・さいたま市（埼玉県）
・横浜市（神奈川県）
・名古屋市（愛知県）
・神戸市（兵庫県）

18県の中でも自分の知らない都市だけをピックアップしてリスト化し、そこだけを重点的に攻めるのがおすすめです。

語呂合わせやクイズで楽しく覚える

最後に、絞り込んだどうしても覚えにくい都市を頭に定着させるためのテクニックです。ここでは、人間の脳が覚えやすい語呂合わせを活用しましょう。

地名の音や意味を利用した短いフレーズを作ることで、単なる文字の羅列ではなく、イメージとして記憶に残りやすくなります。

たとえば、以下のような覚え方があります。

単なる丸暗記は苦痛になりがちですが、ゲーム感覚で語呂合わせや連想を考えることで、楽しく学習できる上に忘れにくくなります。

また、Webサイトや学習アプリのクイズ機能を活用したり、家族や友人と問題を出し合ったりするのも効果的です。

県庁所在地に関するよくある質問

ここからは、県庁所在地に関するよくある質問にお答えしていきます。

県庁所在地と県内の最大都市が異なる県はありますか？

県庁所在地は必ずしも県内で最も人口が多い都市とは限りません。明治時代に県庁が置かれた後に、産業や交通の変化によって別の都市が急成長し、人口や経済規模で逆転したケースがいくつか存在します。

主な例としては、以下の県が挙げられます。

都道府県	県庁所在地（政治の中心）	最大都市（経済・人口の中心）
福島県	福島市	いわき市
群馬県	前橋市	高崎市
静岡県	静岡市	浜松市
三重県	津市	四日市市
山口県	山口市	下関市

とくに福島県の場合、人口規模では「1位：いわき市」「2位：郡山市」に次いで、県庁所在地の福島市は第3位となっています。

これは、明治期に県庁所在地が選ばれた際の基準（政治的・地理的な中心）と、その後の産業発展などによる現代の都市発展（経済的な中心）に差が生まれたことが原因です。また、近年の市町村合併により、人口規模が逆転したケースもあります。

県庁所在地が変更されることはありますか？

県庁の位置は各都道府県の条例で定められているため、条例を改正すれば、県庁所在地の移転や変更は可能です。

ただし、県庁所在地にはすでに行政機能や経済拠点が高度に集中しているため、移転には莫大なコストと政治的な調整が必要となります。一度確立した県庁所在地を動かすことは、現実的ではありません。

なお、県庁の建物そのものは移動しなくても、市町村合併によって自治体名が変わり、結果として県庁所在地名が変わるケースはあります。

たとえば、埼玉県では、2001年（平成13年）に当時の県庁所在地だった浦和市が大宮市・与野市と合併して「さいたま市」となりました。これにより、県庁の場所はそのままに名称だけが変更されています。

埼玉県の県庁所在地はなぜひらがな（さいたま市）なのですか？

「さいたま市」という名称は、2001年の浦和市・大宮市・与野市の3市合併時、公募で決定されたものです。

漢字の「埼玉」ではなくひらがなが採用された理由は、以下の2つがあげられます。

・同じ埼玉県の行田市に「埼玉（さきたま）古墳群」という地名があり、混同を避けるため
・「親しみやすさ」や「未来への広がり」といったイメージが重視されたため

実際、公募の得票数では「埼玉市」（漢字表記）が1位でしたが、合併による「新しさ」や他の自治体とのバランスを考慮し、委員会の最終判断でひらがなが採用されました。

県庁所在地を知って理想の暮らしを探そう

県庁所在地は、行政・教育・文化の中心として地域を支える都市であり、その地名には地域の歴史やアイデンティティが刻まれています。県庁所在地の成り立ちや周辺の地理を理解すると、旅行やニュースがより深く楽しめるようになるでしょう。

また、新しい暮らしを考える上でも、県庁所在地は重要な選択肢です。多くの県庁所在地の場合、教育・医療・交通のインフラが整っており、暮らしの拠点として非常に人気があります。

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