坊主めくりってどんなカードゲーム?基本ルールや地方ルール、「蝉丸は殿か僧侶か」を解説の画像01

坊主めくりとは、百人一首の読み札を使って行う簡単なゲームのこと。
勝つか負けるかは運次第で百人一首の知識は必要ないので、まだ平仮名が読めないお子さんでも楽しめますよ。
そこで本記事では、坊主めくりの魅力ややり方について詳しく解説。
全国共通の基本ルールはもちろん、地方特有の応用ルールも取り上げます。

この記事を読めば、坊主めくりをさまざまな方法で楽しめるようになりますよ!
ぜひ最後まで読み進めてみてください。



簡単&面白い!百人一首を使った坊主めくりとはどんなゲーム?

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坊主めくりとは、百人一首を使用して行う簡単なゲームです。
百人一首を使いますが、読み手は不要。
山札(百人一首を積み上げたもの)から1枚ずつ札を引いていき、山札がなくなったときに、最も多くの札を持っていた人が勝ち、というゲームです。
100%運任せの遊びなので、難しく考えずに楽しめます。
また、百人一首の句を覚えたり、意味を理解したりする必要もありません。

百人一首を使用した坊主めくりのやり方・基本ルール

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坊主めくりの基本的な遊び方・ルールを解説します。
遊び方とルールはとても単純です。それでは見ていきましょう。

坊主めくりのやり方

坊主めくりの基本的なやり方は、以下の通りです。

1.百人一首の絵が描かれた方の札(読み札)を使用する
2.絵札をシャッフルして、裏向きにして積む(山札)
3.ゲームの参加者は、山札の周りに円を描くようにして座る
4.順番を決めて、山札から1枚ずつ絵札を取っていく
5.山札がすべてなくなったときに、1番絵札を多く持っている人が勝ち

上記のやり方だけを見ると、「皆が等しく絵札を取っていくだけなのに、勝負がつくのか?」という疑問が浮かびますよね。
しかし坊主めくりには、ゲームを面白くするために、いくつかのルールが設けられています。

坊主めくりの基本ルール

最後に持っている枚数を左右するのは坊主めくりの基本ルール。
下記の内容がルールです。

・男性(殿)の札を引いた場合は、そのまま自分の手札に加える
・僧侶(坊主)の札を引いた場合は、持っている手札を全部捨てて、山札の横に積む
・女性(姫)の札を引いた場合は、山札の横に置かれた札(坊主の札を引いた人が捨てた札)が全部自分のものになる

上記のルールを見るとわかるように、坊主めくりは、引いた札の内容によって展開が大きく変わるゲームです。
たとえば、今まで不利だった人が女性の札を引けば、逆転勝利できるかもしれません。
一方で、有利だった人が坊主の札を引けば、逆転負けする可能性も充分にあります。
展開が読めないので、最後までドキドキ感を楽しめるでしょう。

蝉丸は殿か僧侶かどっち?

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「坊主めくりにおいて蝉丸をどう扱うか」はよく議論に上がる問題です。
蝉丸は、平安時代の歌人です。「今昔物語」には、敦実親王の雑務を担当していた下役人だったと記録されています。
したがって、蝉丸は「僧侶」ではなく「殿」のはず。
しかし坊主めくりでは、頭巾や服装などの見た目から、「僧侶」として扱われる場合が多いです。
百人一首や歴史に詳しい人でなければ、蝉丸がどういう人物なのかまではわかりませんよね。
したがって、見た目で「僧侶」と判断した方が、ゲームをスムーズに進めやすいかもしれません。
ゲームを始める前に、蝉丸の扱いを皆で確認しておくと良いでしょう。
なお地方特有のルールでは、蝉丸を「殿」でもなく「僧侶」でもなく、特別扱いする場合もあります。

坊主めくりの面白い地方ルール7つ

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坊主めくりの面白い地方ルールを、7つ紹介します。

1.姫の絵札を引いたらもう1枚カードを引ける
2.蝉丸を特別扱いする
3.武官の絵札を特別扱いする
4.天皇の絵札を特別扱いする
5.段乗り姫の絵札を特別扱いする
6.山札を複数つくる
7.「手札が少ない人が勝ち」という逆のルールを適用する

基本のルールで遊ぶのに飽きてしまったときは、ぜひ取り入れてアレンジしてみてください。
以下で詳しく解説していきます。

1.姫の絵札を引いたらもう1枚カードを引ける

姫の絵札を引いたときは、「山札の横に置かれた札が全て自分のものになる」というのが基本ルールです。
しかし、「姫の絵札を引いたらもう1枚カードを引ける」というルールが基本の地方もあるようです。
また、「山札の横に置かれた札が全て自分のものになる」と「もう1枚カードを引ける」の両方が適用される場合もあります。
他のプレイヤーと相談して、好みのルールを取り入れてみてください。

2.蝉丸を特別扱いする

蝉丸を「殿」にも「僧侶」にも当てはめず、特別扱いするルールも存在します。
特別扱いの内容は、地方によってさまざまです。
以下に代表的なものを記載しました。

・蝉丸を引いた人は、無条件でビリが確定する
・蝉丸を引いた人は、1回休みになる
・全員の手札が、蝉丸を引いた人のものになる
・蝉丸を引いた人以外の全員が手札を捨て、山札の横に置く

上記を見るとわかるように、蝉丸を引いた人が不利になるルールもあれば、有利になるルールもあります。
毎回違う「蝉丸特別ルール」を適用すれば、飽きずに何度でも楽しめますね。

3.武官の絵札を特別扱いする

武官の絵札を特別扱いする地域もあるようです。
なお、基本ルールでは、武官は殿として扱われています。
武官に該当するのは、以下の8人です。

・参議篁
・在原業平朝臣
・藤原敏行朝臣
・壬生忠岑
・参議等
・壬生忠見
・藤原道信朝臣
・藤原基俊

上記の8人すべてを暗記するのは難しいと思うので、「弓矢を持っている男性が武官だ」と判断するとわかりやすいでしょう。
武官を特別扱いするルールには、以下のようなものがあります。

・武官の札を引いた人は、左隣の人の手札を全て貰える
・山札を引く順番が逆回りになる
・武官の絵札を引いた人が他の人の手札を素早くタッチすると、タッチされた人の手札を全て貰える

特に3つ目のルールを適用すれば、ゲームにスピード感が出てさらに面白くなるでしょう。ぜひ試してみてください。

4.天皇の絵札を特別扱いする

天皇の絵札を特別扱いするルールも存在します。
天皇に該当するのは、以下の8人です。

・天智天皇
・持統天皇
・陽成院
・光孝天皇
・三条院
・崇徳院
・後鳥羽院
・順徳院

上記の8人は、名前に「天皇」や「院」がつく人たちです。もし「天皇=畳の上に座っている人」と絵柄で判断するなら、さらに人数は多くなります。
天皇を特別扱いするルールには、以下のようなものがありますよ。

・天皇の絵札を引いた人は、全員の手札が貰える
・天皇の絵札を引いた人は、追加でもう数枚、山札が引ける(具体的な枚数は地方によって異なる)

天皇は高貴な存在として認識されているので、やはり引いた人が有利になるルールが多いのでしょう。
ぜひ取り入れてみてください。

5.段乗りの姫札を特別扱いする

段乗り姫は他の女性よりも高貴な存在だと捉え、特別ルールを設けている地方もあるようです。
段乗りの姫札とは、持統天皇のような女性天皇が描かれた絵札のことを指します。女性天皇は他の姫とは違って畳の上に乗っているので、絵柄を見れば判断しやすいでしょう。
特別ルールの内容は、地域によってさまざま。通常の姫札を引いたときよりも、引いた人が有利になるルールを設けることが大切です。
段乗りの姫札は珍しいので、ゲームの流れが劇的に変わるようなルールを設けると面白いでしょう。

6.山札を複数つくる

山札を一つだけではなく、複数つくるという応用ルールもあります。
百人一首の読み札は全部で100枚。その100枚を一つに積むのが基本のルールです。
しかし、山札を2つ〜3つにしたり、プレイヤー専用の山札をつくったり(3人でゲームをするなら山札は3つ)、という方法もあります。
山札が増えると運試し要素が強くなるので、よりドキドキ感を楽しめるでしょう。

7.「手札が少ない人が勝ち」という逆のルールを適用する

基本ルールとは逆の「手札が少ない人が勝ち」というルールを適用することも可能です。
その場合、それぞれの絵札を引いたときの動作が以下のように変わります。

・男性(殿)の札を引いた場合は、その手札を山札の横に捨てる
・僧侶(坊主)の札を引いた場合は、山札の横に捨てられた札をすべて回収しなければならない
・女性(姫)の札を引いた場合は、自分の手札すべてを山札の横に捨てられる

基本ルールに慣れている方は、最初は戸惑ってしまうかもしれませんね。
また新鮮な気持ちで坊主めくりを楽しめるので、ぜひ取り入れてみましょう。

坊主めくりの魅力5つ

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坊主めくりがカードゲームとして根強い人気を誇っているのは、魅力があるからです。
坊主めくりの魅力を、5つ紹介します。

1.年齢を問わず楽しめる
2.頭を使わず運試しできる
3.最後まで何が起こるかわからない
4.アレンジ次第で違う楽しみ方ができる
5.2人以上であれば何人でもプレイできる

1.年齢を問わず楽しめる

坊主めくりは、年齢を問わず楽しめるゲーム。
百人一首の札を使用しますが、絵で判断するので、句や字が読めなくても問題ありません。
つまり、まだ平仮名を学習していない小さなお子さんもゲームに参加できるということです。
また、細かい字を読むのが難しくなったお年寄りの方でも、無理せずにゲームに取り組めます。
年齢を問わず参加できるという点が、坊主めくりの1番の魅力だといえるでしょう。

2.頭を使わず運試しできる

坊主めくりは、頭を使わなくても楽しめるのが魅力。
「どの札を引くか」によって勝ち負けが決まるので、いわば運試しのゲームです。
たとえばトランプを使って行う「神経衰弱」なら、カードがどこにあるのかを覚えておかなければならないので、記憶力が必要ですよね。
また「スピード」なら、カードを瞬時に見つけて素早く出さなければならないので、頭の回転の早さが求められます。
しかし坊主めくりは、上記のような特定の能力が求められるわけではありません。
リラックスした状態で楽しめるので、休みの日にはぴったりのゲームだといえるでしょう。

3.最後まで何が起こるかわからない

「最後まで何が起こるかわからない」という点も、坊主めくりの魅力です。
たとえば、それまでは不利な状況でも、最後の最後で姫札を引けば、一気に逆転して勝利するかもしれません。
オセロのように、終盤になると何となく勝ち負けの予想がつくゲームとは違って、ドキドキ感がありますよね。
詳しいルールについては後の章で解説するので、そちらを参考にしてください。

4.アレンジ次第で違う楽しみ方ができる

坊主めくりは、アレンジ次第でさまざまな楽しみ方ができます。
基本ルールとは別に、地方特有のルールがたくさんあることは既に紹介のとおりです。
普通の遊び方に飽きてしまったときは、特別ルールを追加すれば、何回でも楽しめるでしょう。

5.2人以上であれば何人でもプレイできる

坊主めくりは、2人以上であれば何人でも楽しめるゲームです。
人数制限があるゲームだと、できるタイミングとできないタイミングがあるので不便ですよね。
坊主めくりなら、人数を気にせず遊びたいときに遊べます。
大人数でわいわい楽しむのも良し、数人でじっくり運試しするのも良しです。

坊主めくりの歴史

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「坊主めくりって、いつから遊ばれているゲームなの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
百人一首が生み出されたのは鎌倉時代です。しかし、「坊主めくり」という遊びは鎌倉時代からあるわけではありません。
「坊主めくり」が生まれたのは、明治時代頃だと考えられています。
明治18年〜19年に書かれた坪内逍遥の小説『妹と背かがみ』の中に、「僧骨牌起(ぼうずおこし)」という遊びが登場しているからです。
「僧骨牌起(ぼうずおこし)」で遊んでいたのは大人の女性です。場には読み札が散らされており、字が読めない女性が参加している描写もあったことから、これが「坊主めくり」の始まりだったと考えられます。
「坊主めくり」は百人一首自体よりは歴史が浅いですが、明治時代から親しまれている伝統のあるゲームなのですね。

坊主めくりに関するよくある質問

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最後に、坊主めくりに関するよくある質問4つに回答します。

1.トランプや花札でも坊主めくりはできる?

トランプや花札でも坊主めくりはできます。ただ、特定のマークや絵柄を、殿・坊主・姫に見立てる必要があるので、プレイヤー全員で相談して決めましょう。
百人一首を使用するよりも札の数が少なくなってしまうので、ゲームの決着が早くついてしまうかもしれません。

2.坊主めくりで出てくると嬉しい最強札は?

坊主めくりで出てくると嬉しい最強札は、ルールによって変わります。
基本的には、引くと有利になるのが姫札です。特に段乗りの姫だと、特別ルールを設けている場合は、逆転勝利を収められるかもしれません。

3.坊主めくりができるオンラインゲームやアプリはある?

坊主めくりが楽しめるオンラインゲームやアプリは存在します。iPhone向けのものやAndroid向けのもの、PC向けのものなどがあるので、「坊主めくり オンラインゲーム」などと検索して自分に合うものを見つけましょう。

4.坊主めくりは英語でどう表現する?

「坊主めくり」という意味の英単語は存在しないので、いくつかの言葉を組み合わせて説明する必要があります。
たとえば、「card game played with Hyakunin isshu」などと表現すると良いでしょう。

家族や友達と坊主めくりを楽しんでみよう!

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難しいことは考えず、リラックスした気持ちで楽しめる「坊主めくり」。
年齢を問わずに参加できる運試しゲームなので、クリスマスやお正月など、大人数で集まったときには最適です。
基本ルールで遊ぶだけでも充分に楽しめますが、アレンジを加えれば、何度でも飽きずに遊べるでしょう。
本記事の内容を参考にしつつ、家族や友達と坊主めくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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