
別居婚という言葉を聞くと、離婚の前段階と誤解されることも少なくありません。
しかし、別居婚は決してネガティブなものではなく、夫婦の関係を良好に保つためのポジティブな選択肢のひとつです。
今回は、別居婚のメリット・デメリットから必要となる手続きまで、詳しく解説します。
さらに、実際に別居婚を経験した人の意見も紹介しています。
リアルな意見を参考にして、別居婚への理解を深めてみてください。
別居婚でパートナーと良好な関係を築くためのコツも紹介します!
自分たちに合った結婚スタイルを探している人は、要チェックですよ!
- 別居婚とは
- 別居婚カップルに聞く!当事者の本音アンケート
- 別居婚を選ぶ理由
- 別居婚のメリット
- 別居婚のデメリット
- 別居婚でパートナーと良好な関係を築くためのコツ
- 別居婚で必要となる手続き3つ
- 別居婚に関して、よくある質問
- 別居婚は「2人の幸せ」を見つけるチャンス
別居婚とは

別居婚とは、入籍をして法律上の夫婦関係でありながらも、一緒に住まずにそれぞれ別の家で生活する結婚スタイルです。
離婚を前提とした別居とは異なり、別居婚はお互いが納得した上で、あえて別々に暮らすことを選んでいる状態です。
また、別居婚は法律上の夫婦であるため、婚姻届を出さない事実婚とも異なります。
別居婚は、夫婦としての法的・社会的な責任は果たしつつ、個人の生活空間や価値観、時間を大切にする選択といえるでしょう。
「夫婦=同居」という固定概念にとらわれない、新しい夫婦のカタチです。
別居婚をしている有名人としては
・壇蜜(タレント)と清野とおる(漫画家)
・神田うの(タレント)と一般男性
などの夫婦が挙げられます。
別居婚のスタイル
別居婚の主なスタイルは、次のとおりです。
・同じマンションの別の部屋に住み、頻繁に共に過ごす
・週末のみ会い、平日は別々に過ごす
・会う日を固定せず、記念日などの特別な日だけ一緒に過ごす
たとえば、同じマンションの別の部屋に住むスタイルならば、いつでも会える安心感を持ちながら、一人の時間や空間を確保できます。
仕事の都合で物理的に離れて暮らす必要がある夫婦は、週末のみ会う方法を選ぶこともあります。
夫婦のライフスタイルや価値観、経済状況に合わせて、適したスタイルを選びましょう。
別居婚カップルに聞く!当事者の本音アンケート

ここからは、別居婚カップルの本音アンケートを紹介します。
別居婚を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
【別居婚の期間:2年】
結婚前に私が他県に急遽転勤になり、妻も働いていたため、別居婚となりました。
別居婚を始める前には「毎日連絡をとりあうこと」と「将来は妻が転勤先に引っ越してくること」を約束しました。
それぞれの両親には仕事の都合であることを説明し、将来的に同居する予定だと伝えたところ、安心してもらえました。
物理的な距離が離れてしまい寂しいですが、関係性は変化していません。
同居する予定なので、2人暮らし用の2LDKの賃貸マンションを契約しました。
しかし、別居婚は家賃が二重にかかるため、費用がかさみます。
最初は1Kなどの安価な部屋を借りて、同居するタイミングで2人用の物件に引っ越したほうが、経済的だったと少し後悔しています。 jb・福岡県・男性
【別居婚の期間:2年】
自分の時間や空間を大切にしたかったので、別居婚を選択しました。
「毎週連絡を取ること」「月に一度は会うこと」「お互いの生活リズムを尊重すること」をルールにしています。
別居婚について、最初は周囲に驚かれましたが、理由を話すと理解してくれました。
友人や家族からは「お互いのためによい選択だね」と言われることが多かったです。
別居婚のメリットは、自分の時間を持ててリフレッシュできる点です。
仕事や趣味に集中できて、その分だけ日々の生活の中で「会いたい」という気持ちが増すので、パートナーに会ったときの時間がより大切に感じます。
現時点では、同居する予定は決まっていません。
もう少しお互いの生活が安定してから、自然に決まるのかなと思っています。
別居婚で信頼関係を築くには、コミュニケーションが鍵です。
それぞれの意見や希望をしっかり話し合い、お互いを尊重するように心がけましょう。 みーちゃん・東京都・男性
【別居婚の期間:5年】
それぞれの仕事や親の介護を優先するため、別居婚を決めました。
話題がなくても、週に何回かはLINEで無事を確認しています。
たまに会うくらいが心地よい距離感で、会ったときも話題に困らず楽しく過ごせています。
しかし、別居婚は生活費や交通費がかさむのがデメリットです。
また、久しぶりに旅行で同じ部屋に泊まると、お互いにストレスを感じてしまい、落ち着かないこともあります。
約2年後には、再び同居生活に戻そうかと話し合っています。 はな・神奈川県・女性
【別居婚の期間:1年半】
お互いに子持ちで再婚しており、仕事のスタイルなどを尊重して別居婚をしています。
仕事に集中できるメリットがある一方で、本人確認が必要な契約などで手間取ることもあります。
私には小学生と中学生の子どもがいますが、もし子どもがもっと小さかったら、別居婚は大変だったかもしれません。
お子さんがいる場合は、子育てを周りにサポートしてもらえる環境なのか、などを考慮するとよいでしょう。
「相手に合わせて生活しなければいけない」という型にはまらず、自分たちに合った自由なスタイルを探してみてください。 AA・三重県・女性
【別居婚の期間:4年】
夫が単身赴任をするタイミングで別居婚となりました。
物理的に離れることで、相手に対する思いやりや感謝を改めて感じましたね。
ただ、離れている間に浮気をしないか、少し不安を感じました。
4年間の別居を経て、現在は一緒に暮らしています。
別居婚は自分のリズムで自由に暮らせるメリットがありますが、デメリットも考えた上で決めたほうがよいと思います。 抹茶・沖縄県・女性
別居婚を選ぶ理由

別居婚を選ぶ理由を5つピックアップしました。
・キャリアや仕事のため
・個人の時間や空間を大切にするため
・親の介護や看病のため
・子育てのため
・夫婦関係を良好に保つため
夫婦のどちらかが転勤になるなど、物理的に同居が難しい場合に、別居婚を選ぶケースがあります。
親の介護・看病の都合で、どちらかが親の近くに住む必要があるケースも、別居婚が選択肢となるでしょう。
別居婚という形で夫婦間で程よい距離を保てば、お互いを新鮮に感じられて、より良い関係を築ける可能性があります。
別居婚のメリット

別居婚のメリットを5つ紹介します。
・キャリアを維持できる
・プライベートな時間を確保できる
・家事や育児のストレスを軽減できる
・経済的な自立を保てる
・相手への感謝や愛情を再確認できる
別居婚は同居する結婚生活よりも、一人で過ごす時間を確保できます。
自分の趣味に没頭したり、友人と自由に会ったり、と自由に過ごせるためストレスがたまりにくいです。
家事の分担や生活習慣の違いからくるストレスを減らせるほか、それぞれが収入や支出を管理するため、経済的な自立を保てる点もメリットです。
離れて過ごす時間があるからこそ、お互いの存在の大きさに気づき、感謝や愛情の再確認にもつながります。
別居婚のデメリット

別居婚のデメリットは、以下のとおりです。
・経済的な負担が増える
・育児の負担が一方に偏る
・物理的な距離による寂しさを感じる
・すれ違いが起きやすい
・周囲の理解を得にくい
・契約で手間取ることがある
別居婚では家賃や光熱費、通信費などが二重にかかり、行き来するための交通費もかさみます。
コミュニケーションが不足すると、寂しさや孤独を感じたり、夫婦間ですれ違いが生じたりしやすいです。
また、本人確認が必要な手続きや契約で手間取ることもあるでしょう。
別居婚でパートナーと良好な関係を築くためのコツ

別居婚でパートナーと良好な関係を築くためのコツは、主に3つあります。
・別居婚の期限やルールについて話し合う
・コミュニケーションを取る手段や頻度を決める
・将来設計を立てる
それぞれ説明していきます。
別居婚の期限やルールについて話し合う
別居婚を始める前に、以下について具体的に話し合っておきましょう。
・別居の期限
・家事や育児の分担
・生活費(光熱費や家賃、通信費など)の支払い方法
・2人の生活費の管理方法
別居婚の期限を「次の転勤までの2年間」や「子どもの小学校入学まで」などと決めておくことで、お互いの認識のズレを防げます。
また、金銭的なトラブルを避けるためには、生活費の負担についても明確なルールを定めることが大切です。
コミュニケーションを取る手段や頻度を決める
別居婚は一緒に過ごす時間が少ない分、コミュニケーション不足に陥りがちです。
そのため、コミュニケーションを取るための手段や頻度を、決めておく必要があります。
「毎日電話やメッセージで連絡を取る」「週に一度は一緒に食事をする」など、お互いの状況を共有する時間を設けましょう。
ビデオ通話を利用して、お互いの顔を見ながら話す機会を作るのもよい方法です。
相手の表情や声のトーンから感情が伝わりやすく、物理的に離れていてもお互いの存在を身近に感じられるため、精神的なつながりを保てます。
将来設計を立てる
別居婚に対する不安を減らすには、「子どもを持つか」「家を建てるのか」「親の介護はどうするか」などの将来設計を立てることが大事です。
共通の将来設計があれば「子どもを持つために〇年後には同居しよう」といった目標も立てやすくなります。
将来の目標に向かって協力し合うことで、別居婚が二人の幸せな未来を築くための前向きなステップだと認識できるでしょう。
別居婚で必要となる手続き3つ

別居婚で必要となる手続きを3つ紹介します。
・婚姻届
・住民票
・健康保険
手続きが必要となるケースや手続きの注意点も解説するので、チェックしてみてください。
婚姻届
別居婚は法的に婚姻関係にあるため、婚姻届を提出します。
別居婚だからといって、特別な書類は必要ありません。
氏名や住所などを、同居を始める夫婦と同じように記入します。
ただし、別居婚の場合、婚姻届を書く際に迷いやすいポイントがいくつかあります。
・「住所」欄……婚姻届を提出する時点の住所を書くので、夫婦別々の住所で問題ない
・「新しい本籍」欄……別居する場合でも、夫婦で一箇所に定めて記載する
・「同居を始めたとき」欄……空欄のままにする
記入内容に不安があるならば、提出する前に役所の窓口で確認してもらうと安心です。
住民票
住民票は生活の拠点場所を証明する書類であり、戸籍とは異なります。
婚姻届の提出後も同じ家に住み続ける場合、住民票の手続きは不要です。
夫婦それぞれが異なる住所に住むため、原則として別々の住民票を持ちます。
婚姻届の提出後に引っ越しをする際は、夫婦それぞれが住民票の異動手続きを行います。
転出届・転入届の手続きは、同居と別居で違いはありません。
健康保険
別居婚の場合でも、要件を満たせば夫婦のどちらかを扶養に入れることは可能です。
ただし、個人事業主やフリーランスなどが加入する国民健康保険は、原則として世帯単位で保険料が請求されます。
つまり、別居婚で世帯が分かれているときは、夫婦それぞれが個別に国民健康保険の費用を支払います。
別居婚に関して、よくある質問

別居婚に関して、よくある質問は次のとおりです。
・別居婚は離婚率が高い?
・別居婚は子どもに影響を与える?
・別居婚は違法にならないの?
ひとつずつ見ていきます。
別居婚は離婚率が高い?
別居婚だからといって、離婚率が高いというデータはありません。
お互いのプライベートな時間を尊重し合えるため、円満な夫婦生活を送れるケースも多く見られます。
参考として、厚生労働省が発表したデータによると、2022年における日本全体の離婚率は男女ともに0.32%でした。
厚生労働省:人口動態統計特殊報告 令和4年度(2022) 「離婚に関する統計」を公表します
別居婚は子どもに影響を与える?
別居婚は、子どもに影響を与える可能性があります。
両親が一緒に住んでいない影響で、コミュニケーション不足になり寂しさを感じたり、「両親が離婚するのではないか」と精神的な負担が大きくなったりするかもしれません。
しかし、別居婚によって夫婦関係が良好になるならば、子どもも安心感を得られるでしょう。
別居婚は違法にならないの?
別居婚は違法にはなりません。
本来夫婦には同居義務が定められていますが、夫婦がお互いの合意のもとで別々に暮らす分には、違法とはみなされないのです。
また、DVやモラハラから逃れるための別居も、身の安全を守るための正当な理由があるため、法的に問題はありません。
対して、正当な理由がなく相手の同意を得ずに一方的に家を出ることは、同居義務違反となる可能性があります。
別居を検討する際は夫婦でよく話し合い、合意することが重要です。
別居婚は「2人の幸せ」を見つけるチャンス

今回は、別居婚のメリット・デメリット、必要となる手続きを解説しました。
別居婚は夫婦が納得した上で、離れて暮らす新しい結婚スタイルです。
プライベートな時間を確保でき、キャリアや個人の生き方を尊重し合える点がメリットといえます。
一方で、生活費や交通費が二重にかかるなど、経済的な負担が増える点には注意が必要です。
別居婚に向けて物件を探しているならば、ニフティ不動産を利用してみてください。
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