
そこで本記事では、家で発生する白い小さい虫の正体と、その種類に応じた効果的な駆除方法・予防策を詳しく解説します。
発生場所ごとの虫の見分け方から、再び発生させないコツまで紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
- まずは虫の正体を特定しよう!発生場所別に見る白い小さい虫
- 【種類別】白い小さい虫の効果的な駆除方法と予防策
- 白い小さい虫を再発生させない!家全体の環境を改善する対策
- 駆除が難しいと感じたら?専門業者に依頼するタイミングと費用相場
- 白い小さい虫に関するよくある質問
- 白い小さい虫の正体を把握して適切な対策をしよう
まずは虫の正体を特定しよう!発生場所別に見る白い小さい虫

家の中で白い小さい虫を見つけたら、まずその正体を特定することが対策の第一歩です。
見た目が似ていても、発生する場所や特徴によって種類は異なり、対処法も変わってきます。
ここでは、発生場所ごとに見られる代表的な白い小さい虫を4種類紹介します。
1.チャタテムシ|押入れやクローゼットの奥
2.トビムシ|観葉植物の土
3.コナジラミ|植物の葉
4.コナダニ|食品・畳
それぞれの見た目や発生環境、人体への影響などを正しく理解しましょう。
1.チャタテムシ|押入れやクローゼットの奥

チャタテムシは体長1〜2mmほどの非常に小さな虫で、体色は白から薄茶色。
湿気がこもりやすい場所に発生するのが特徴で、押入れやクローゼットをはじめ、以下のような場所に現れます。
・押入れやクローゼットの奥
・畳の下やカーペットの裏
・本棚に並べられた古い本の間
・キッチンの乾麺や小麦粉などの食品
・放置された段ボール
特に梅雨の時期のように、湿度が75%以上になる環境で活発に繁殖する傾向があります。
2024年の東京都における湿度の月平均値データによると、6月から10月まで75%を超えています。

このデータからわかるように、東京では6月から10月はチャタテムシが繁殖しやすい季節です。この時期は特に、押入れや本棚、キッチンなどで湿気対策をしておきましょう。
参照:フマキラー|チャタテムシが発生する原因とは?チャタテムシの退治方法と予防対策
▶人体への影響
チャタテムシは、人を刺したり咬んだりすることはありません。しかし、その死骸やフンがアレルゲンとなり、吸い込むことで喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こすおそれがあります。
また、チャタテムシが大量発生すると、それをエサとするツメダニという別の虫が繁殖することも。ツメダニは人を刺してかゆみを引き起こすため、二次被害にも注意が必要です。
参考:千葉市|チャタテムシ
2.トビムシ|観葉植物の土

トビムシは体長1〜2mmほどの、白や灰色の細長い虫です。その名のとおり、危険を察知すると腹部の跳躍器を使ってピョンと跳ねる動きが特徴。
以下のような湿った有機物が多い場所で発生します。
・観葉植物の植木鉢の土の表面
・鉢の受け皿に溜まった水の中
・腐葉土や有機肥料の周辺
植物に水やりをしたときに、土の表面で多数の虫が一斉に跳ねるようであれば、トビムシだと考えられます。
▶人体・植物への影響
トビムシは腐った植物やカビを食べる「分解者」です。土の中の栄養の循環を助けてくれる役割があり、植物にとっても基本的には土壌の有機物を分解してくれる「益虫」といえます。
また、これまでにトビムシによる人体への健康被害やアレルギーの報告はありません。
ごく一部の種類や極端に大量発生した場合には、種子や若い根を食害する可能性もありますが、基本的にはほとんど問題になりません。
参考:農研機構農業環境変動研究センター|土壌生態系サービスを支える土壌動物の役割
3.コナジラミ|植物の葉

コナジラミは体長1〜2mmほどで、白いハエのような見た目をしています。翅(はね)を持っており、植物に触れると白い粉が舞うように一斉に飛び立つのが特徴。
主に家庭菜園の葉の裏に発生しやすく、観葉植物や花卉類にも発生することがあります。
主な生息場所は以下のとおりです。
・トマトやインゲン、キュウリなどの野菜の葉
・ポインセチアやハイビスカスなどの観葉植物
・温室やビニールハウスなど、暖かく湿った環境
特に温暖な環境を好み、春から秋にかけて活発に繁殖しますが、種類によっては夏期の高温で発生が減る場合もあります。
▶植物への影響
コナジラミは植物の葉や茎から養分を吸い取って生活するため、植物は栄養失調に陥り、葉が黄色く変色したり、生育不良になったりします。
さらに、コナジラミの排泄物は「すす病」と呼ばれる黒いカビを発生させる原因にもなります。
すす病は葉の表面を覆い、光合成を妨げるため、最終的には植物を枯らしてしまうこともある深刻な病気です。
4.コナダニ|食品・畳

コナダニは体長0.3〜0.4mmと肉眼での確認が難しいほど小さいダニで、体は乳白色です。高温多湿を好み、以下のような場所に発生しやすい傾向があります。
・小麦粉や砂糖、パン粉などの粉製品
・味噌やチーズなどの発酵食品
・畳の内部やわら床
食品に混入している場合、黒い紙の上に食品を薄く広げると、粉がもぞもぞと動いて見えることで存在に気づくことがあります。
▶人体・食品への影響
コナダニもチャタテムシと同様に人を刺すことはありませんが、死骸やフンがアレルギーの原因となります。
とくに、コナダニが混入した小麦粉やお好み焼き粉などを気づかずに調理して食べると、「パンケーキ症候群」と呼ばれるアナフィラキシーショック(重篤なアレルギー症状)を引き起こす危険性も。
また、コナダニを捕食するツメダニを呼び寄せる原因にもなるため、早期の対策が不可欠です。
【種類別】白い小さい虫の効果的な駆除方法と予防策

虫の正体が特定できたら、次はその種類に合わせた効果的な駆除と予防をしましょう。薬剤を使う方法から、日々の管理で見直せるポイントまで、具体的な対策を解説します。
駆除方法と予防策は以下のとおりです。
1.チャタテムシ|殺虫剤を使って駆除
2.トビムシ・コナジラミ|植物に使える薬剤と環境改善
3.コナダニ|食品管理の徹底と加熱処理
それぞれの虫の生態に合わせた正しいアプローチで、確実な駆除と発生防止を目指しましょう。
1.チャタテムシ|殺虫剤を使って駆除
チャタテムシを発見した場合、即効性のある殺虫剤が有効です。虫が潜んでいそうな畳の下や家具の隙間、押入れの隅などにエアゾールタイプの殺虫剤を噴射しましょう。
部屋全体の虫を一度に駆除したい場合は、煙や霧が部屋の隅々まで行き渡る「くん煙剤」や「くん蒸剤」を使用するのがおすすめです。
使用する際は、用法用量を守り、ペットや食品を別の場所へ移動させるなどの注意を払ってください。
▶湿度コントロールと換気で発生源を断つ
チャタテムシの根本的な対策は、エサとなるカビを発生させないこと。そのためには、湿度管理が最も重要になります。
具体的には、以下の対策が有効です。
・除湿機やエアコンのドライ機能を活用し、室内の湿度を管理する
・押入れやクローゼットは定期的に扉を開け、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる
・窓の結露をこまめに拭き取る
・エサとなる段ボールや古い紙類は長期間放置せず、早めに処分する
これらの対策でカビの発生を抑え、チャタテムシが住みにくい環境をつくれるでしょう。
参考:アース製薬|チャタテムシ
2.トビムシ・コナジラミ|植物に使える薬剤と環境改善
植物に発生したトビムシやコナジラミには、植物に使用できる専用の殺虫剤を使いましょう。
スプレータイプのものを葉の裏までしっかり散布したり、土に混ぜ込む粒剤タイプを使用したりします。
薬剤での駆除と並行して、以下のように卵や幼虫を物理的に除去するなど、環境改善をすることも有効な対策です。
害虫の種類 | 対策内容 |
---|---|
トビムシ |
・水はけのよい土に入れ替える ・有機肥料の使用を控え、化学肥料に切り替える ・鉢の受け皿に水を溜めっぱなしにしない |
コナジラミ |
・葉の裏に付着した卵や成虫を、粘着テープで物理的に取り除く ・防虫ネットを設置して虫の侵入を防ぐ ・周囲に虫の発生源となる雑草がある場合は除草する |
参考:JA全農ながさき
これらの対策で、トビムシとコナジラミが繁殖しにくい環境を作れますよ。
3.コナダニ|食品管理の徹底と加熱処理
コナダニが繁殖した食品は、アレルギーのリスクがあるため、廃棄するのが最も安全です。
発生を防ぐためには、以下のように食品の管理方法を見直すことが効果的です。
・小麦粉やお好み焼き粉などの粉製品は、開封後は密閉容器に移し、冷蔵庫で保存する
・長期間保存せず、早めに使い切ることを心がける
・食品庫や棚は定期的に清掃し、こぼれた粉を放置しない
加熱処理でダニを死滅させられても、アレルゲンである死骸やフンは残るため、摂取は避けましょう。
参考:東京都保健医療局|開封後の粉製品に繁殖したダニによる即時型アレルギーがあると聞きました。本当ですか?【食品安全FAQ】
▶カーペットや畳にコナダニが発生した時の対処法
ダニは乾燥と高温の熱に弱く、50℃以上の環境にさらされ続けることで死滅します。
カーペットの場合はこまめに掃除機をかけ、天気のよい日に天日干しをして湿気を取り除きましょう。50℃以上の高熱を発する乾燥機を活用するのもおすすめです。
畳でコナダニが発生した場合は、加熱乾燥が有効です。シートタイプの布団乾燥機を畳の上に置き、内部温度を50℃以上に20~30分程度保つことで、コナダニの大部分を死滅させられますよ。加熱後は掃除機でダニの死骸を掃除しましょう。
専門業者に依頼して、畳を加熱乾燥車で処理してもらう方法もあります。
参考:Panasonic|カーペットやラグのダニ退治!ダニ対策に効果的な掃除機のかけ方と対策
白い小さい虫を再発生させない!家全体の環境を改善する対策

虫の駆除が完了しても、発生原因となった環境が変わらなければ再発生のリスクは残ります。根本的な解決には、家全体の環境を見直し、虫が住みにくい状態を維持することが不可欠。
ここでは、すべての白い小さい虫に共通する、効果的な再発生防止策を3つ紹介します。
1.湿度を50%以下に保つ工夫をする
2.こまめな清掃と整理整頓をする
3.食品や植物を適切に管理する
これらの習慣を日々の暮らしに取り入れることで、快適で衛生的な住環境を長く保てるでしょう。
1.湿度を50%以下に保つ工夫をする
ダニやカビを主食とする害虫は湿度が高い環境を好むため、除湿機やエアコンのドライ機能を活用し、室内の湿度を50%程度に保つことで発生を抑制できます。
とくに、押入れやクローゼット、キッチンの収納、洗面所の下など、空気が滞留しやすい場所は湿気がたまりがち。
定期的に扉を開けて換気したり、小型の除湿剤を置いたりするとよいでしょう。
2.こまめな清掃と整理整頓をする
虫のエサとなるホコリや髪の毛、食べカス、カビなどを取り除くために、こまめな清掃が欠かせません。家具の隙間や部屋の隅、カーペットの下などは汚れが溜まりやすいポイントです。
掃除機をかけるだけでなく、定期的にアルコールなどで拭き掃除をして、虫の卵やフンも除去しましょう。
また、不要な段ボールや紙類は溜め込まずに処分することも大切です。
特に段ボールは、保温性と保湿性に優れ、狭い隙間も多いため、チャタテムシなど多くの虫にとって格好の隠れ家や産卵場所になってしまいます。
3.食品や植物を適切に管理する
虫の侵入を防ぐため、食品の開封後は必ず密閉容器に入れて保存しましょう。特に粉製品や乾物は、常温保存ではなく冷蔵庫で保管すると、ダニ類の繁殖を防げます。
観葉植物は水のやりすぎに注意し、土が常にジメジメとした状態になるのを避けましょう。また、風通しのよい場所に置くことで、害虫の発生を予防できます。
参考:東京都保健医療局|開封後の粉製品に繁殖したダニによる即時型アレルギーがあると聞きました。本当ですか?【食品安全FAQ】
駆除が難しいと感じたら?専門業者に依頼するタイミングと費用相場

対策を続けても虫の発生が収まらない場合や、自力での駆除に限界を感じたときは、専門の駆除業者に相談するのも有効な選択肢です。
業者に依頼することで、発生源の特定から徹底した駆除、再発生防止の対策までを一貫して任せられます。
専門業者に依頼を検討するタイミングと、費用相場について見ていきましょう。
専門業者への依頼を検討すべきタイミング
自力での駆除が難しいケースとして、以下のような状況が挙げられます。
・対策を徹底しても、2週間〜1か月以内に虫が再度発生する
・発生源が畳の内部や壁の中、天井裏など、手の届かない場所にあると思われる
・家全体に虫が発生しており、被害の範囲が広い
・ダニによるアレルギー症状など、健康被害が出ている
このような場合は、被害がさらに拡大する前に専門家の力を借りることをおすすめします。
駆除にかかる費用相場
専門業者に依頼する場合の費用は、被害状況や家の広さ、虫の種類などによって変動します。
以下は費用相場の一例です。
状況の例 | 費用相場の目安 |
---|---|
ノミやダニなどの害虫駆除および予防 | 10坪あたり20,000円 |
個人住宅におけるノミやダニなどの害虫駆除 | 38,500円〜 |
洋室1部屋のシラミ駆除および駆除後の定期的な点検 | 20m²あたり93,500円 |
多くの業者では無料で見積もりを出してくれるため、複数の業者から見積もりを取り、対応内容と料金、再発生した場合の保証の有無などを比較・検討するとよいでしょう。
白い小さい虫に関するよくある質問

最後に、白い小さい虫に関してよく寄せられる3つの質問にお答えします。
虫かどうかわからない小さな白い粉の正体はなんですか?
虫かどうかわからない場合、その正体はコナダニかもしれません。コナダニは非常に小さく、集団でいると白い粉のように見えます。
見分けるには、黒い紙の上にその粉を少量取り、拡大鏡を使用してしばらく観察してみてください。もし粉がゆっくりと動いているように見えたら、コナダニの集団と見てよいでしょう。
人体に直接的な害はありますか?
今回紹介したチャタテムシとトビムシ、コナダニは、人を直接刺したり咬んだりすることはないとされています。
しかし、チャタテムシやコナダニの死骸やフンはアレルギー症状を引き起こすアレルゲンになることがあります。
コナジラミは植物の害虫であり、人体に直接的な害はありません。
赤ちゃんやペットがいても安全な駆除方法はありますか?
赤ちゃんやペットがいて薬剤の使用に不安がある場合は、くん煙剤などの使用を避け、物理的な対策や天然成分由来の忌避剤を活用しましょう。
こまめな掃除機がけでホコリや虫の死骸・フンを除去する、布団乾燥機による加熱処理で畳やカーペット、布団に潜むダニ類を駆除するなどが効果的です。
白い小さい虫の正体を把握して適切な対策をしよう

本記事では、家で発生する白い小さい虫の正体と、その駆除・予防方法について解説しました。白い小さい虫は、放置するとアレルギーを引き起こすおそれがあります。
そのため、虫の種類を正しく見極め、発生する原因に合わせた対策を講じることが重要です。
一時的な駆除だけでなく、湿度管理や清掃といった環境改善を継続することで再発生を防ぎ、安心して暮らせる住まいを維持できますよ。
ぜひ本記事を参考に、適切な対策を実践してください。
また、虫が発生しにくい快適な住環境を整えるために、住まいそのものを見直すのも1つの方法です。理想の物件を探すなら、「ニフティ不動産」の活用がおすすめ。
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