
今回の記事では、大晦日の意味・由来・歴史に加え、伝統的な行事や過ごし方、やってはいけないことを紹介します。大晦日について詳しく理解して、日本の風習に倣って1年を締めくくりましょう。
- 大晦日(おおみそか)の意味・由来・歴史
- 大晦日(おおみそか)の伝統的な行事
- 大晦日(おおみそか)の自宅での過ごし方
- 大晦日(おおみそか)に外出するなら何をする?
- 大晦日(おおみそか)にやってはいけないこと
- 2024年大晦日の過ごし方おすすめ3選
- 1年を締めくくる最後の日を充実させて良い新年を迎えよう
大晦日(おおみそか)の意味・由来・歴史

大晦日(おおみそか)は、1年の最終日である12月31日のことです。
大晦日といわれるようになった由来には、月の満ち欠けによって月日を数える旧暦が関係しています。
旧暦では、毎月の最終日を「晦日(みそか)」と言うことから、1年の最終日である12月の晦日は「大晦日」と呼ばれるようになりました。
また、12月31日は、「大晦(おおつごもり)」と言われることもあります。
毎月の最終日は、月が隠れるという意味の月隠り(つきごもり)が訛り、「晦(つごもり)」と言うことがあり、大晦日と同様に、1年の最終日である12月の晦は大晦と呼ばれるようになりました。
大晦日の歴史は、平安時代からはじまったといわれています。
昔、大晦日は、歳神様(としがみさま)を迎える準備の日でした。歳神様とは、幸福や豊作をもたらすために高い山から降りて家を訪れる神様です。
歳神様を迎える準備として、掃除をしたり、目印となる飾りを施したりして、一晩中眠らずに年籠りを行っていたことが現代の慣習として残っていると言われています。
大晦日(おおみそか)の伝統的な行事

昔からの名残がある大晦日(おおみそか)の伝統的な行事として、除夜の鐘・晦日払い・二年参りが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。
除夜の鐘
大晦日の伝統的な行事のうちの1つとして、除夜の鐘が挙げられます。除夜の鐘とは、大晦日の夜から新年にかけて108回の鐘を鳴らす行事です。
仏教において、人間は心身を悩ませて苦しみの原因となる煩悩を108個持つとされています。108回の除夜の鐘を鳴らすことですべての煩悩を祓い、清らかな心で新年を迎えられると考えられています。
除夜の鐘は、お寺で僧侶が鳴らすことが一般的ですが、参拝者が鳴らせるところもあるため、気になる方はチェックしてみましょう。
晦日祓い(みそかばらい)
晦日祓いも大晦日の伝統的な行事です。「みそかっぱらい」とも呼ばれており、主に関東地方で行われています。1年間で家の中に溜まった悪い気を追い出して、災いや厄を祓うことにより、家族の健康や幸福、商売繁盛などをもたらすように願いを込めて行われます。晦日祓いを行う際は、神棚をしっかりと掃除することが大切です。
晦日祓いの方法は、神棚にお供えした祓串を使用して、家族の代表者が神棚・家のなかのすべての部屋・家族全員の順に「みそかっぱらい、みそかっぱらい」と唱えながら左・右・左と3回振ってお祓いします。祓串とは、細かく切った紙片を細い木につけたものです。
お祓いが終わったあとは、家の外の鬼門に祓串を立てて片付けずに放置します。鬼門とは、鬼が出入りする方角のことで南東のことです。鬼門に祓串を立てることで、鬼門除けの役割を果たしています。祓串が自然消滅するまで放置することが一般的ですが、難しい場合は、神社へ持って行ってお焚き上げしてもらう人もいます。
神社のなかには、晦日払い一式を購入できたり、郵送してくれたりするところがあります。晦日祓いを行い、良い新年を迎えましょう。
二年参り
大晦日の伝統的な行事として、二年参りがあります。二年参りとは、大晦日である12月31日と元日である1月1日をまたいでお参りすることです。年をまたいでお参りすることにより、ご利益が2倍になるともいわれています。
なお、二年参りは方言であり、北海道・新潟県・福島県・長野県・群馬県・島根県などで使われている言葉です。地域によっては、「年越し参り」や「年越し詣で」、「二年詣で」などと呼ぶこともあります。
さらに、深夜にお参りをして一旦家に帰り、元日の朝に再度お参りするスタイルも二年参りと言われることがあります。地域により異なるため、事前に確認しておきましょう。
大晦日(おおみそか)の自宅での過ごし方

大晦日は、新年に備えて自宅でゆっくり過ごすことも1つの手です。自宅での過ごし方として、年越しそば・年取り料理を食べることや簡単な掃除をすること、おせち料理の準備をすることなどが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。
年越しそばを食べる
代表的な大晦日の自宅での過ごし方は、年越しそばを食べることです。そばの見た目が細くて長いことから、家運長命や健康長寿などの願いが込められています。また、切れやすいため、1年の厄や苦労を断ち切るという意味もあります。
年越しそばは、江戸時代から食べられるようになったと言われており、地域によって呼び方がさまざまです。三十日(みそか)そば・つごもりそば・運気そば・寿命そば・縁切りそばなどと呼ばれることもあります。
さらに、そばの特色も異なり、北海道や京都ではにしんそば、岩手県ではわんこそば、福井県では越前そば、沖縄県では沖縄そばを食べる方が多くいます。香川県では、そばではなく、うどんを食べることもあるようです。
年越しそばを食べるタイミングとして明確な決まりはありませんが、年を越す前に食べることが一般的です。大晦日の夕食や23時頃に夜食として食べることが多い傾向です。地域や家庭によっては、年を越す瞬間や元日に食べることもあります。
年取り料理を食べる
大晦日には自宅で家族そろって年取り料理を食べる習慣を持つ地域があります。
年取り料理とは、新しい歳神様を迎えるためにお供えしたものと同じ料理のことです。歳神様に対して、1年間を無事に過ごせたことへの感謝の気持ちを込めて食べます。
また、数え年では生まれた時点を1歳として元日を迎えるたびに加齢することから、無事に歳を重ねられることを祝う気持ちも込められています。
年取り料理の内容は地域や家庭により異なりますが、白ご飯・汁・なます・黒豆・数の子などが一般的です。
なかでも年取り魚を食べる地域や家庭が多い傾向にあり、縁起が良いとされているブリやサケに加え、タイやタラ、イワシなどを食べるところもあります。
簡単な掃除する
簡単な掃除をすることも大晦日の過ごし方として広く知られています。大晦日だけではなく、年末になると大掃除をする習慣がありますが、これは宮中の行事である煤払い(すすばらい)が由来です。
煤払いは、1年の汚れを落として歳神様を迎えるために鬼宿日(きしゅくにち)に行われていました。鬼宿日は、旧暦では12月13日であり、鬼が宿にいるため、物事をはじめる際に邪魔をされない日とされています。そのため、大掃除は12月13日からはじめる地域や家庭が多い傾向にあります。
また、大晦日は簡単な掃き掃除程度にしておきましょう。大晦日は歳神様を迎える日ですが、大掃除で動き回っていると歳神様が入りにくいと考えられているためです。大晦日当日は軽い掃除で済ませられるように、計画的に大掃除することをおすすめします。
おせち料理の準備する
大晦日の自宅での過ごし方として、おせち料理の準備をすることも挙げられます。お正月におせち料理を食べる家庭は多いですが、品数が多く時間や手間がかかるため、前もって準備しておくことが大切です。
おせち料理を作るためには数日かかります。焦ることがないように計画的に作り、大晦日は盛り付けなどの仕上げの日にしましょう。
年の湯を楽しむ
年の湯を楽しむことも大晦日の自宅での過ごし方のうちの1つです。
年の湯とは、大晦日の夜に入浴することをいい、汚れとともに1年間でたまった厄を落として、新たな年を迎えるという意味が込められています。
昔は、毎日入浴する習慣がなかったため、年の湯は特別な行事でした。大晦日は、1年を振り返りながらゆっくりと入浴して、気持ち良く新年を迎えましょう。
年末特番をテレビで楽しむ
大晦日は、テレビ局が番組制作に最も力を入れる日のひとつ。
NHKの紅白歌合戦はもちろん、民放各局でもお笑いやクイズ、音楽などの盛り上がる番組が目白押し。
お家にテレビがないという方も、アプリで配信される番組も多数あるので、こたつに入ってゆっくりとテレビを鑑賞しながら年を越してみてはいかがでしょうか。
大晦日(おおみそか)に外出するなら何をする?

大晦日(おおみそか)に自宅でゆっくり過ごすことも良いですが、近年では外出する方も増えています。外出する場合の過ごし方として、カウントダウンイベントに参加することや旅行を楽しむことが挙げられます。大晦日に外出したいと考えている方は、参考にしてください。
カウントダウンイベントに参加する
大晦日は、各地でカウントダウンイベントが行われているため、参加してみてはいかがでしょうか。カウントダウンイベントは1年に1回しか行われないため、特別感があり、すてきな思い出が作れます。
テーマパークやホテル、観光地などさまざまな場所で行われていることに加え、アーティストによるカウントダウンライブも開催されています。家族や友達、恋人などと楽しく新年を迎えたい方におすすめです。
旅行を楽しむ
大晦日に外出したいなら、年末年始の長期休暇を利用して旅行を楽しむこともおすすめです。帰省や国内旅行のほか、海外旅行も人気です。国内旅行であれば、1年の疲れを癒やすために温泉宿でゆっくり過ごしてみてはいかがでしょうか。海外旅行であれば、王道のハワイに加え、あたたかい国のリゾート地なども注目を集めています。年末年始は旅行して、1年の最後を楽しく締めくくるとともに良い新年のスタートを切りましょう。
大晦日(おおみそか)にやってはいけないこと

大晦日(おおみそか)に行うと縁起が悪いといわれていることとして、長時間火を使用することや餅つきをすること、正月飾りを飾ることなどが挙げられます。縁起が悪いこととは知らずに行っている方も多いのではないでしょうか。それぞれ詳しく解説するので、大晦日を過ごす際の参考にしてください。
長時間、火を使用する
大晦日にやってはいけないことの1つとして、長時間火を使用することが挙げられます。理由は、長時間にわたり火を使って料理することは、火の神様に対して失礼であると考えられているためです。
また、火を使用して煮物料理をする際に出る灰汁(あく)は、悪を連想させることも理由です。歳神様を迎える前に悪、つまり、邪気を出すことは良くないと言われています。
おせち料理で煮物を作る場合は、事前に作っておくことをおすすめします。大晦日には、火を長い時間使わずに済む簡単なものを作るようにしましょう。
餅つきをする
餅つきも大晦日にはやってはいけないことのうちの1つです。大晦日についた餅は「一夜餅」と呼ばれ、一夜限りの準備である葬儀の「一夜飾り」を連想させるためです。また、歳神様を迎える当日に急いで準備することは、失礼であると考えられていることも理由です。
ほかには、29日に餅をつくことも縁起が悪いといわれています。29日についた餅は「苦餅」と呼ばれていることに加え、29は「二重苦」を連想させるためです。餅つきをする場合は、12月29日と31日は避けましょう。
正月飾りを飾る
大晦日に正月飾りを飾ることもタブーとされています。餅つきと同様、葬儀の一夜飾りを連想させることに加え、大晦日当日の準備は、歳神様に対して失礼にあたるためです。「二重苦」を連想させる12月29日も避けましょう。
正月飾りは、歳神様を迎えるための大切な準備です。それぞれの正月飾りには意味があります。例えば、しめ縄は玄関を清め、門松は歳神様が迷わないための目印になり、鏡餅は歳神様が宿る依り代としての役割があります。
慌てて正月飾りを飾ることがないように、12月29日と31日は避けて、事前に準備しておきましょう。
大掃除をする
先述したとおり、大晦日に大掃除をすることは避けましょう。慌ただしく動き回っていることにより、歳神様が家に入りにくいと考えられているためです。
餅つきや正月飾りと同様、「二重苦」を連想させるため12月29日に行うこともタブーとされています。さらに、元日に掃除をすることも避けてください。招いた歳神様を掃き出してしまうと考えられているためです。
計画的に大掃除を行い、大晦日に行う掃き納めは、軽い掃き掃除にしましょう。
2024年大晦日の過ごし方おすすめ3選

2024年の大晦日、予定は決まっていますか?
ここでは、2024年の大晦日の過ごし方を迷っている方に向けて、おすすめの過ごし方を紹介します。
大晦日を音楽で彩る
大晦日は音楽イベントがたくさん!
千葉県の幕張メッセでは音楽フェス「COUNTDOWN JAPAN」が開催予定。
他にも、音楽ホールではジルベスターコンサート(大晦日に行われるクラシックコンサート)や、ライブハウスでは年越しDJイベントなどが行われています。
都内では墨田トリフォニーホールでのジルベスターコンサートや、恵比寿LIQUIDROOMで行われるカウントダウンイベントがおすすめですよ。
ホテルのラウンジで大人の雰囲気な新年を迎える
都心部にあるホテルでは、宿泊者以外にも開放しているパーティが多数開催されます。
美味しいお酒と心地よい音楽で新年をお祝いしてみるのはいかがでしょうか?
東京駅直結のシャングリ・ラ東京、渋谷にあるセルリアンタワー東急ホテル、新宿のヒルトン東京などは、ホテルラウンジを使ってのカウントダウンパーティーを開催予定。
パーティーの後はそのまま初詣に向かってもよいかもしれませんね。
テーマパークで遊び納め
テーマパークで思いっきり遊び収めを楽しむのもおすすめです。
大阪のユニバーサルスタジオジャパンや、横浜の八景島シーパラダイス、三重県のナガシマスパーランドなど、カウントダウンが盛り上がるテーマパークは多数!
しっかり防寒をしてお出かけして、カウントダウンを楽しんでみるのかいかがでしょうか。
1年を締めくくる最後の日を充実させて良い新年を迎えよう

今回の記事では、大晦日の意味・由来・歴史に加え、伝統的な行事や過ごし方、やってはいけないことを紹介しました。1年の最後の日である12月31日が大晦日といわれることには、旧暦が関係しています。
また、大晦日の歴史は、平安時代よりはじまったとされており、現代において行われている伝統的な行事や習慣には、その名残があります。大晦日に行うと縁起が悪いといわれている餅つきや大掃除などは避けながら、充実した1日を過ごして、良い新年を迎えましょう。
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