
今回の記事では、神棚とは何かをはじめとし、神棚にお供えする方法について紹介します。神棚へのお供え方法を正しく理解して、神様に感謝の気持ちを伝えましょう。
- 神棚とは?
- 神棚を設置する場所のポイントは?
- 神棚へのお供え物は?
- 神棚へのお供え物の配置は?
- 神棚へお参りする作法は?
- 忌中での神棚の祀り方は?
- 神棚の手入れ方法は?
- 神棚に正しくお供えして、神様に感謝の気持ちを表そう
神棚とは?

神棚とは、神様をお祀りするための棚のことです。設置するタイミングや理由はさまざまです。例えば、新築時に家内安全や一家繁栄を願ったり、事務所開きや開店時に商売繁盛祈願をしたりなどがあります。
一般的に、神棚にはお神札(しんさつ)を祀ります。お神札とは、神様の力が宿ったものです。伊勢神宮のお札である神宮大麻や居住している地域の氏神様をお祀りした氏神神社のお札、個人的に信仰している崇敬神社のお札を祀ることが基本です。
神棚を設置する場所のポイントは?

神棚を設置する場所のポイントとして、人々が集う場所や目線よりも高い場所などが挙げられます。それぞれ詳しく解説するので、神棚の設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
神棚を設置する場所のポイント①人々が集う場所に設置する
神棚を設置する場所として、人々が集うことが多い場所が適しています。例として、家庭であればリビングルーム、会社であればメインオフィスが挙げられます。寝室などのプライベート空間は人が集まりにくく、参拝も気軽にできないため、おすすめできません。
また、人々が多く集まる場所であっても、ドアの真上や玄関付近への設置は避けましょう。人の出入りが多く、神様が落ち着くことができないためです。
神棚を設置する場所のポイント②目線よりも高い場所に設置する
神棚は、目線よりも高い場所に設置しましょう。目線よりも低い場所に設置した場合、神様を見下ろしてしまうため、失礼になります。
また、下をくぐることができない場所が良いとされているため、壁に設置すると良いでしょう。賃貸などで、壁に穴を開けることに抵抗がある場合は、タンスの上など目線よりも高く平らな場所に設置することをおすすめします。
神棚を設置する場所のポイント③東もしくは南向きが理想
神棚の正面が東もしくは南を向くように設置することが理想的です。太陽が昇る東は勢い、日射しが最も強く当たる南は明るさを象徴しているためです。
しかし、東もしくは南向きとなる適した設置場所がない場合は、方角を気にする必要はありません。方角よりも、清浄な場所へ丁寧に祀ることの方が大切です。
神棚を設置する場所のポイント④神棚が汚れる可能性がある場所は避ける
神棚が汚れる可能性がある場所は避けましょう。例えば、トイレや洗面所などの水回りは汚れやすい場所であるため、おすすめできません。天然木でできている神棚は、湿気が原因で傷んだり変形したりする可能性もあります。
また、キッチンも水だけではなく、油で汚れる可能性があるため、避けてください。油や熱気によりお供え物である榊が枯れることも考えられます。
ただし、火の神様である荒神様を祀る場合は、キッチンは最適な設置場所です。
神棚を設置する場所のポイント⑤仏壇と向かい合わせにしない
神棚と仏壇を向かい合わせにしてはいけません。双方を向かい合わせにすることを対立祀りといいますが、家相的に凶とされています。また、どちらか一方にお参りする際に、もう一方にお尻を向けることにもなり、失礼にあたります。
神棚と仏壇を上下に設置することも避けてください。上下で優劣を付けることになるため、不適切です。同じ部屋だけではなく、上下の部屋への設置も厳禁なので、注意しましょう。
向かい合わせや上下にならなければ、同じ部屋に設置することは問題ありません。
神棚を設置する場所のポイント⑥上に部屋がある場合は「雲」と書いた紙を貼る

設置した場所の上に部屋がある場合は、「雲」と書いた紙を神棚の真上に貼りましょう。本来、神様の上に人が立つことは失礼にあたります。「雲」と書いた紙を貼ることにより、神様の上は空であり、人が立っていないということを示し、敬意を表しています。
神棚へのお供え物は?

神棚へのお供え物のことを神饌(しんせん)といい、神様のお食事を意味しています。毎日のお供え物として挙げられるものは、米・水・塩です。この3品を日供(にちぐ)と呼びます。
日本の民族信仰である神道(しんとう)では、月次祭(つきなみさい)を毎月行います。神社により異なりますが、毎月1日と15日に行うことが多く、この日は日供に加えて、お酒も供えることが一般的です。榊の交換も月次祭に合わせて行います。
神棚へのお供え物について詳しく解説します。
神棚へ毎日お供えするもの①米
お米は日供のうちの1つです。古来より稲は神から授けられた神聖な植物として扱われてきました。稲に実るお米も神聖なものとされており、お供え物のなかでも最も重要なものです。毎日お供えしましょう。
お米のお供え方法は、生米や洗米のほか、炊いたものでも問題ありません。ただし、炊いたお米をお供えする場合は、誰も手を付けていないものにしましょう。赤飯や炊き込みご飯などでも構いませんが、お肉が入っているものは厳禁です。
お米をお供えする際に使用する神具は皿です。
神棚へ毎日お供えするもの②水
水は、初水をお供えすることが理想的です。初水とは、1日のうちはじめて使用する水のことをいいます。準備することが難しい場合は、初水でなくても問題ありません。神様に召し上がっていただきたいと思う気持ちが大切です。
また、水道水のほか、天然水やミネラルウォーターをお供えすることもできます。気持ちを込めて毎日お供えしましょう。
水は、水玉と呼ばれる神具を使用してお供えします。ふたは、お供え時に開け、お下げする時に閉めます。
神棚へ毎日お供えするもの③塩
お米や水のほかに、毎日お供えするものとして、塩があります。塩は、食塩よりも粗塩が良いといわれています。粗塩が良い理由は、粗塩には体に良いミネラルが豊富に含まれており、神様により良いものをお供えできるためです。
また、粗塩の生成には海水・太陽・火などの自然の力が関与しており、お供え物として適切であるとも考えられています。
お米と同様、皿にお供えしましょう。
神棚へ祭事時にお供えするもの④酒
お酒は、月次祭が行われる日にお供えします。先述したとおり、月次祭が行われる日は、毎月1日と15日が多い傾向です。また、月次祭が行われる日以外にも、お正月やお祝い事の際にもお供えします。
お供えするお酒の種類は、日本酒が一般的です。日本酒の原料は神聖な稲に実るお米であるため、古来より神様へのお供え物として選ばれてきました。
お酒をお供えする際は、瓶子(へいじ)と呼ばれる神具を使用します。瓶子にもふたが付いており、お供え時に開けて、お下げする時に閉めてください。
神棚へのお供え(枯れたら交換する)⑤榊
榊もお供え物のうちの1つであり、神様の力が宿るものとされています。榊は毎日新しいものと交換する必要はありません。月次祭が行なわれる日に交換しましょう。枯れそうであれば、月次祭が行なわれる日より前であっても交換してください。
また、水の交換頻度は毎日が適切です。水を放置してしまうと、蒸発や榊による吸収で水量が減ります。水を毎日交換することで、榊が新鮮な水を十分に吸収できるため、長持ちさせられます。
榊は榊立てと呼ばれる神具にお供えします。
神棚へのお供え物の配置は?

神棚へのお供え物は、重要度が高くなればなるほど神様の近くに配置します。重要度は高いものから順にお米、お酒、塩、水です。神様に近い中央にお米、その両隣にお酒、右端に塩、左端に水となるように配置しましょう。
また、神棚のデザインやサイズによっては、横1列ではなく、横2列になる場合もあります。横2列になる場合は、神様に近い奥の列の中央にお米、その両隣にお酒、手前の列の右に塩、左に水を配置します。
お供えは、重要度の高いものから順にしてください。榊は、神棚の左右に配置しますが、お供えの順番は決まっていないため、最初もしくは最後にすることをおすすめします。
神棚へお参りする作法は?

神棚へお参りするときの作法は、神社と同様に「二拝二拍手一拝」が基本です。まずは、神棚へ向かう前に手や口を清めて、衣服や姿勢を正します。準備が整ったら、神棚へ向かい、深いお辞儀を2回します。お辞儀は腰を90度に曲げることを心掛けましょう。
次に拍手を2回行います。拍手は、両手を合わせるのではなく、右手を少し下にずらす必要があります。理由は、人は神様と一体ではなく、一歩下がっているということを意味しており、神様へ敬意を示すためです。拍手を2回行ったあとは、ずらした右手を左手にそろえ、お願い事を心のなかで唱えます。
最後にもう1度深いお辞儀をしてください。このときも腰を90度に曲げることを心掛ける必要があります。
神棚へお参りする時間に決まりはありませんが、朝と夜の1日2回行うことをおすすめします。朝は1日の無事を願うために、夜は1日無事に過ごせたことに対する感謝を伝えるためにお参りしましょう。
忌中での神棚の祀り方は?

忌中(きちゅう)は、お供えやお参りをやめて神棚封じをすることが必要です。神道において、死は穢れと考えられています。忌中は、故人に追悼の祈りを捧げるほか、近親者の死により穢れに触れた遺族が周囲に穢れを広めないように身を慎む期間でもあります。忌中では、神様に穢れを近付けないように神棚の扉を閉じて白い半紙を貼ることにより神棚を封じましょう。
神棚封じは、葬儀後に帰宅してすぐ行います。故人のご遺体を自宅に安置する場合は、枕飾りを終えてからになります。神棚封じは、神様に穢れを近付けないために、第3者が行いましょう。
手順は以下のとおりです。まずは、神様に家族が亡くなったことと神棚を封じることを伝えるための挨拶である帰幽報告をします。神道において、故人の魂は神様に迎えられ、守護神として家族を見守る存在となると考えられています。神様が故人の魂を迎えるためには帰幽報告することが大切です。故人の名前を具体的に伝えましょう。
次に、お供え物をすべて下げます。神棚封じの間は、神棚に触れることができないため、榊の水など下げ忘れがないようにしてください。
最後に、神棚の扉を閉ざし、中心を隠すように白い半紙を貼ります。画鋲を使用して神棚に穴を開けてしまうことは神様に対して失礼な行動であるため、テープで貼りましょう。
神棚封じは忌中が過ぎたら解きます。神道においては、亡くなった日から50日目に行う五十日祭をもって忌中明けとします。神棚封じを解く際も第3者が行うことが理想的ですが、厳密な決まりはないため、家族でも問題ありません。
神棚封じを解く手順は、まず、半紙を剥がして扉を開け、お供えをします。次に、神様に無事に忌中が明けたことを報告して挨拶をしましょう。
神棚の手入れ方法は?

神棚のお手入れ方法は、以下のとおりです。
まず、お手入れを行う前に、水で口をすすぎ、手を洗います。清めたあとは、神棚に向かって二拝二拍手一拝を行い、お手入れする旨を伝えましょう。
お手入れをする際は、マスクを着用してください。息は穢れとされており、神棚に息を吹きかけないようにするためです。
マスクを着用したら、神棚から神具を下ろします。
下ろした神具は、直接床や机に置くのではなく、きれいな白い布の上に置きましょう。
元に戻す際に飾り方が分からなくなると困るため、メモしたり、写真を撮ったりしておくことをおすすめします。
次に神棚のなかからお札を取り出します。
取り出したお札もきれいな白い布の上に置き、丁寧に扱ってください。
神具やお札を下ろしたあとは、神棚を掃除します。ハタキでホコリを落とし、新品で清潔な布で乾拭きします。
神棚は、天然木で作られているため、洗剤や水を使用すると傷む可能性があるため注意が必要です。
神棚の次は、神具の掃除も行います。神具は水洗いしましょう。
掃除が終わったあとは、神具やお札を神棚に戻し、改めてお供えをします。最後に二拝二拍手一拝を行い、掃除が完了した旨を伝えてください。
神棚に正しくお供えして、神様に感謝の気持ちを表そう

今回の記事では、神棚とは何かをはじめとし、設置する場所やお供え方法などについて紹介しました。神棚には、神様を祀っており、丁寧に扱う必要があります。神様に対して失礼にならないように正しい設置場所やお供え物の配置、お参りする際の作法などを守ってください。神棚の正しいお供え方法を理解して、神様に敬意や感謝の気持ちを表しましょう。
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