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引っ越しそばは、もともと江戸の習慣

地域によって、そば文化圏とうどん文化圏があるということは、耳にしたことがある人も多いでしょう。引っ越しのときにそばを配る「引っ越しそば」は全国的な風習ですが、発祥はそば文化圏として代表的な江戸であるといわれています。

では、なぜそばを配るのでしょうか。それは江戸時代に比較的安価で手に入りやすかったこと、そばのように「細く長く」お世話になりますという意味を持っていること、「そば」と「側」をかけて、など諸説あります。

香川の「初風呂うどん食え」

うどん文化圏の代表的な存在である香川県には、「初風呂うどん食え」という風習があります。新築のお風呂で、温かいうどんを食べるのです。この風習には、「中風にならないように」という願いがこめられているといわれています。

中風とは、脳の血管がつまったり、破れて出血することによって起こる手足のしびれなどの症状のことです。入浴直前の食事は、心臓に負担がかかりやすくなってしまいます。食事をすると消化吸収のために胃腸へ血液が集まり、脳や心臓をめぐる血液が減って血圧が低下しますが、入浴をすると反対に血圧が上昇し、体の反応が追いつかないことがあるからです。

昔の人は、中風防止には入浴直前の食事を控えたほうがよいという経験則から、入浴中に食べれば中風防止の願掛けになるという発想にたどり着いたのでしょうか。初風呂は冷えていることが多いため、ヒートショックを起こす可能性が高いからとも考えられます。

愛知県や岐阜県の一部ではトイレでうどんを食べる

お風呂のほかに、なんと新築のトイレでうどんを食べるという風習もあります。愛知県や岐阜県の一部にみられたもので、これも香川の「初風呂うどん食え」と同じ願いがこめられているのかもしれません。昔はトイレが家とは離れた場所に作られていたので、非常に寒かったことから生まれたものだと考えられます。

トイレで食事をとるなんて最大のタブーと考えがちですが、新築時なので不浄なイメージがまだないのかもしれませんね。

火入れ

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引っ越しをしたら、真っ先にかまどへ火を入れるという習慣があります。こうすることで火事にならないといわれています。こちらは全国に伝わる風習で、今はガスコンロに湯を沸かす程度が主流ですが、こだわりがある場合、荷物を入れる前に湯を沸かすという人もいます。

今では新築のときにIHヒーターを備えてオール電化にする家も多く、IHではそもそも火が出ないのであまり意味が感じられないかもしれませんが、風習として覚えておいて損はないでしょう。

万年青(おもと)

万年青は、一年中緑の葉をつけている観葉植物のことです。昔から長寿祝いなどの際に贈られてきましたが、引っ越しのとき、初めにこの万年青を運び入れると家族繁栄につながると考えられています。

とくに末永くよい家庭を築きたいという思いがこめられているので、家庭円満を願う人は引っ越し前に万年青を手に入れ、真っ先に玄関に置きましょう。

盛り塩

せっかくの新居ですから、なるべく悪い気が入らないようにしたいですよね。家を浄化する方法として、昔から盛り塩がおこなわれてきました。小皿の上に、三角などの錐になるようにして塩を盛り、玄関口や部屋の入り口付近に置くのです。塩が悪い気を吸収してくれると考えられています。

おわりに

スタンダードなものからビックリしてしまうようなものまで、引っ越しにまつわる風習はさまざまです。ここに紹介したもののほかにも、地域によって独特な風習があります。あなたが住む地域でも、意外と知らない風習が残っているかもしれませんね。

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