スラブとは?意味や特徴、種類についても詳しく解説!の画像01

スラブという言葉は、建築用語で馴染みがないため、「スラブとは何?」「どのような役割や特徴があるの?」と疑問に感じますよね。

今回の記事では、スラブとは何かをはじめとし、種類やよくある質問などについて解説します。スラブについて理解して、理想のマイホームを手に入れましょう。



スラブとは?

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スラブとは、鉄筋コンクリートでつくられた構造床のことです。コンクリートのなかに、網目状の鉄筋を入れることにより、強度を高めています。スラブの役割として、人や家具などにより加わる荷重を支えることが挙げられます。

スラブの由来は、平板を意味する英語の「slab」です。スラブは、由来どおり平らな形状であり、表面に木材ベースであるフローリングや合成樹脂ベースであるフロアタイルなどを施すことにより、部屋の床が完成します。

スラブの特徴

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建物の構造床の素材は、スラブだけではなく、木や鉄骨などがあります。スラブは、ほかの素材と比較して、次のような特徴を持っています。

・遮音性に優れている
・歪みや振動に強く変形しにくい

スラブは、上記のような特徴があることから、多くのマンションや公共施設などで使用されています。

2つの特徴について、それぞれ詳しく解説します。スラブの特徴を知り、マイホーム探しやリフォーム計画などに役立てましょう。

遮音性に優れている

スラブの特徴として、遮音性に優れていることが挙げられます。音は振動により伝わりますが、スラブは振動にしにくい性質があるため、遮音性が高くなります。

住居選びにおいて、遮音性の高さは、住み心地を左右する要因の1つです。とくに、マンションでは、生活音がトラブルの原因になることも考えられます。

下の階へ伝わる生活音は、軽量衝撃音と重量衝撃音の2種類あります。

音の種類 音が発生するシーンの例
軽量衝撃音 ・食器やおもちゃなど軽いものを床に落とす
・スリッパで歩く
重量衝撃音 ・椅子や机などの家具を動かす
・人が飛び跳ねる

上記の表で示した生活音のうち、トラブルの原因とされている音の種類は重量衝撃音です。構造床の素材をスラブにすることにより、重量衝撃音を軽減できます。

重量衝撃音の伝わりやすさは、スラブの厚さが関係しています。一般的にスラブの厚みが厚いほど、遮音性が高くなる傾向です。

ちなみに、軽量衝撃音の伝わりやすさは、床材が影響しています。スラブの上に遮音性が高い床材を施すことにより、軽量衝撃音を軽減できます。
騒音トラブルの原因とされる重量衝撃音を軽減したい場合は、構造床にスラブが使用された住宅に注目してみましょう。

歪みや振動に強く変形しにくい

スラブは、振動が伝わりにくい性質があることに加え、歪みに強いため、変形しにくい点も特徴です。

スラブは、コンクリートのなかに、網目状の鉄筋を入れてつくられています。コンクリートの圧縮に強い性質と鉄筋の引張力に強い性質を持っているため、より一層強度が高まります。

スラブを使用することで、耐久性に優れた丈夫な建物をつくることが可能です。

スラブの厚さ

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スラブの厚さは、建築基準法により、8cm以上と定められていますが、遮音性や耐久性を考慮して、15cm以上であることが一般的です。

アパートやマンションなどの集合住宅では、生活音がトラブルの原因となることが考えられるので、遮音性をさらに高めるために、20cm以上であることが多い傾向です。

集合住宅の購入を検討している場合は、念のため、スラブの厚さが20cm以上か確認してみましょう。

スラブの種類

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スラブには、さまざまな種類があり、特徴が異なります。スラブの種類は、次のとおりです。

・構造スラブ
・二重スラブ
・片持ちスラブ
・フラットスラブ

また、スラブと似ているため、混同されやすいものとして、土間コンクリートがあります。スラブと似ている土間コンクリートも含めて、それぞれの特徴を詳しく解説します。

構造スラブ

構造スラブは、大梁・小梁・柱などに支えられているスラブです。スラブ自体に荷重が加わるため、強度を高める必要があり、コンクリートのなかには、より強固な鉄筋を埋め込みます。

強度が高いため、地盤沈下の影響が少ないといわれており、耐震性も期待されています。地盤が弱い場合でも採用できるスラブです。

二重スラブ

二重スラブは、2つのスラブで構成されたものを指します。スラブとスラブの間にスペースができるため、配管を通せます。配管を露出させずに済むため、見た目をすっきりさせられることがメリットです。

ほかには、スペースを消火水槽や蓄熱槽などとして利用することもでき、火災や地震などの災害に備えられます。

また、二重スラブは、上下階に空間をつくれるため、軽量衝撃音が伝わりにくくなります。

ただし、重量衝撃音に関しては、太鼓現象が起こる可能性もあるため、注意が必要です。太鼓現象とは、太鼓を叩いた時のように、空間のなかで振動が広がって音が増幅することにより、上下左右に響く現象のことをいいます。

太鼓現象は、密閉された空間により起こるため、隙間を設けることにより対策できます。

片持ちスラブ

片持ちスラブは、片側のみが壁に支持されている構造です。エントランスの雨除けや窓の外の庇(ひさし)などに採用されています。

壁に支持されていない側は、空中に浮いている状態のため、支持が弱い傾向にあります。片持ちスラブを採用する場合は、強度を保てるように計算して設計することが大切です。

フラットスラブ

フラットスラブは、梁がないスラブです。梁がないことにより、天井を高くしたり、大きな窓をつくったりすることが可能で、開放感のある空間をつくれます。

しかし、フラットスラブは、梁がない分、耐久性が劣る可能性がある点がデメリットです。一般的に、スラブは柱同士を梁でつなぐことにより、強度を維持していますが、フラットスラブは、柱のみで支持しているためです。

フラットスラブは、地震により衝撃が加わった際に、柱がスラブを貫通してしまうパンチング破壊が起こる恐れがあります。地震が多い日本でフラットスラブを採用する場合は、構造設計を慎重に行うことが大切です。

土間コンクリート

土間コンクリートは、見た目がスラブと変わらないため、スラブの一種と間違われることが多い傾向にありますが、別物です。スラブが弱い地盤の上に使用されることに対して、土間コンクリートは強い地盤の上に使用されます。

土間コンクリートに加わる荷重は、下にある地盤が支えると想定して設計されています。土間コンクリートは、スラブ自体に荷重が加わる構造スラブと比較して、コンクリートに埋め込む鉄筋は軽微なもので十分です。

ただし、土間コンクリート自体に強度がないため、地盤の影響を受けやすい傾向にあります。地盤沈下が起きた場合、土間コンクリートが荷重に耐えられず、ひび割れたり破損したりする恐れが考えられます。土間コンクリートを採用する場合は、地盤沈下によりひび割れや破損を防ぐために、地盤の締め固めが大切です。

スラブに関してよくある質問

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スラブは、建築用語であり馴染みがないため、疑問に感じることが多いのではないでしょうか。スラブに関してよくある質問は、以下のとおりです。

・天井スラブとは?床スラブとの違いは?
・スラブの耐荷重は?
・スラブを打設する際の注意点は?
・スラブの廃棄方法は?

よくある質問について、詳しく解説します。疑問に感じていることがあれば、参考にしてください。

天井スラブとは?床スラブとの違いは?

天井スラブとは、名前のとおり、天井のほうのスラブを指します。集合住宅や2階以上ある戸建てなどにおいて、スラブは、上層階にとっては床、下層階にとっては天井となります。

床スラブとの違いは、居住空間において床と屋根のどちらに当たるかです。建物を構成する構造体のなかでも、鉄筋コンクリートでつくられた天井の部分を指す場合は天井スラブと呼び、床の部分を指す場合は床スラブと呼びます。

ちなみに、屋根の部分を指す場合は、屋根スラブといいます。一般的に屋根は、人や物などにより加わる荷重が少ないため、床と比較してスラブ厚が薄く、120mm・150mm・180mmなどにすることが多い傾向です。

スラブの耐荷重は?

スラブの適切な耐荷重は、部屋の用途により異なります。耐荷重とは、部材やものが耐えられる重さのことです。

スラブの耐荷重は、積載荷重により知れます。積載荷重とは、建築物の床に加わる単位面積あたりの荷重のことです。下記に、部屋の用途別に必要な積載荷重をまとめました。

部屋の用途 必要な積載荷重
住宅の居室 180kg/平方メートル
事務所 290kg/平方メートル
百貨店・店舗の売場 290kg/平方メートル

表で示したように、部屋の用途により必要な積載荷重は異なります。詳しい積載荷重は、構造計算書で確認しましょう。

スラブを打設する際の注意点は?

スラブを打設する際の注意点は、以下のとおりです。

工程 注意点
打ち込み時 ・十分な受入調査を行う
・打ち込む時間を意識する
締固め時 ・型枠の隅々までコンクリートを充填する
養生時 ・十分な養生期間を設ける

上記に示したようにスラブを打設する際は、打ち込み・締固め・養生の工程において、数点注意しなければならないことがあります。

まず、打ち込み時には、生コンクリートに対して、スランプ試験・塩化物料測定・空気量測定などの受入調査を十分に行うことが大切です。受入調査にて、コンクリートの強度が保たれるかしっかりと確認する必要があります。

また、打ち込み時間を意識しなければなりません。生コンクリートは、練り混ぜから打ち込みの時間がかかりすぎるとスランプや空気量の低下などが生じて、欠陥や耐久性を損ねることにつながる恐れがあるためです。

生コンクリートは、練り混ぜから打ち込みまでの時間が決められています。一般的には、外気温が25度以下の場合は120分以内、25度以上の場合は90分以内です。

次に、締固め時には、型枠の隅々まで生コンクリートを充填させましょう。締固めとは、振動させたり突いたりすることにより、余分な空気や水分を抜くことです。十分に締固めを行い、コンクリートの強度や仕上がりを良くする必要があります。

最後に、養生時には、期間を十分に設けてください。スラブ打設において、養生とは、生コンクリートが硬化するまでに適切な環境を保つことをいいます。

コンクリートによって適切な養生期間は異なりますが、一般的に3〜5日間です。強度の高いコンクリートに仕上げるためには、急激な乾燥や温度低下を避ける必要があります。水を貯めたり撒いたりして湿潤を保ちながらしっかりと養生するために、工事期間には余裕を持たせましょう。

スラブの廃棄方法は?

スラブを廃棄する際は、産業廃棄物を処理する業者に依頼しなければなりません。スラブはコンクリートが含まれており、建築廃棄物扱いとなるためです。自治体のゴミ収集では回収できないため注意が必要です。

産業廃棄物処理業者に依頼する以外の廃棄方法として、ホームセンターに回収してもらうことも挙げられます。ホームセンターでコンクリートブロックを購入した際に、サービスとして回収してくれる場合もあります。ホームセンターによっては、回収サービスを行っていないこともあるため、事前に確認しておきましょう。

スラブについて理解して、物件探しをはじめよう!

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今回の記事では、スラブとは何かをはじめとし、種類やよくある質問などについて解説しました。スラブとは、鉄筋コンクリートでつくられた構造床のことで、人や家具などにより加わる荷重を支える役割があります。スラブは、遮音性に優れている点や歪みや振動に強いため変形しにくい点が特徴であり、マンションや公共施設などで使用されています。

スラブの種類はいくつかありますが、土間コンクリートはスラブの一種ではありません。見た目が似ているため、混同されやすいので注意しましょう。

マイホームの購入やリフォームを検討する際は、スラブという言葉を耳にする機会が多くあります。スラブについて理解して、物件探しやリフォーム計画をはじめましょう。

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