【2023年5月】マンション価格の推移|上昇する理由や今後の展開を予測!

マンション購入・売却のタイミングを計るには、これまでの価格の推移を把握しておくことが大切です。そこで、今回は地域別のマンション価格の推移と変動の要因・2023年以降の予測について分かりやすく解説します。



【全国】2008年以降のマンション価格の推移

【2023年5月】マンション価格の推移|上昇する理由や今後の展開を予測!

まずは、2008年以降のマンション価格の全国推移を確認していきましょう。

マンション価格の推移は国土交通省の発表する「不動産価格指数」が参考になります。不動産価格指数では、年間約30万件の取引価格をもとに、その動向を数値化しています。

さらに直近の価格の推移を詳しく年別で見ていきましょう。

2010年の平均を100とした際の2016年以降の価格動向は、次の通りです。

不動産価格指数
2016年4月 126.7
2017年4月 134.6
2018年4月 140.7
2019年4月 146.3
2020年4月 152.5
2021年4月 160.9

参考:国土交通省|不動産価格指数(令和4年2月・令和3年第4四半期分)

マンション価格は2013年以降毎年大幅な上昇を続けています。戸建住宅の動向指数が2021年4月で104.1に比較しても、マンションは他の住宅に比較し急激に上昇していることが分かります。

2020年・2021年と新型コロナウイルスの影響により下落が危惧されていましたが、その影響は単月のみでとどまり、大きな影響とならなかったのです。

【地方別】マンションの価格の推移

【2023年5月】マンション価格の推移|上昇する理由や今後の展開を予測!

マンションの価格は、地域によっては大きな差が生まれるものです。ここでは、地方別にマンション価格の推移を見ていきましょう。

関東地方の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 123.0
2017年4月 130.6
2018年4月 134.3
2019年4月 139.6
2020年4月 145.1
2021年4月 153.4
2022年4月 173.3

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

関東地方では2016年から継続的に上昇を見せています。

しかし、その上昇率は他の地域に比べると小幅となっていることも分かります。これは、特に東京都心などすでに十分高い価格であったことが理由として考えられるでしょう。

ただし、関東地方の価格上昇は小幅でも地価の高さから高値で売却されており、売却額でみると他の地域よりも高くなるという特徴もあります。

南関東圏の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 124.0
2017年4月 131.1
2018年4月 135.3
2019年4月 141.0
2020年4月 146.4
2021年4月 155.2
2022年4月 173.9

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

南関東圏でも継続して安定的に上昇していることが分かります。上昇幅は関東地方同様、小幅といえますが、地価の高さが売却額の高さにつながっていると推測できます。

九州・沖縄地方の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 154.5
2017年4月 163.9
2018年4月 179.4
2019年4月 184.5
2020年4月 193.1
2021年4月 206.2
2022年4月 219.9

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

九州・沖縄地方は2016年以降継続して上昇し、その上昇幅も広いことが分かります。特に福岡など地方都市が好調であったほか、沖縄などではインバウンド需要が好調だったことも原因として考えられるでしょう。

コロナ渦である2020年・2021年でも落ち込むことはなく大幅に上昇しています。ただし、今後も大幅な上昇が期待できるとは限らないので動向には注目しておくとよいでしょう。

北海道地方の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 151.4
2017年4月 168.3
2018年4月 172.5
2019年4月 192.2
2020年4月 194.1
2021年4月 224.4
2022年4月 236.7

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

全国の中でももっとも上昇しているのが、北海道地方です。2022年の数値は東京で177.5、関東地方で177.3であるのに対し、北海道が236.7と高い水準で上昇しているのが分かります。

北海道も九州と同様、インバウンド需要による影響が大きい と考えられます。2020年以降は新型コロナウイルスの影響もあり、インバウンド需要の冷え込みがありましたが、札幌中心部の再開発や新幹線続伸などがあり、落ち込むどころか更なる上昇を記録。今後は円安もありインバウンド需要の回復により、さらに大きく上昇していくことも期待できるでしょう。

東北地方の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 173.6
2017年4月 188.2
2018年4月 179.7
2019年4月 193.1
2020年4月 209.5
2021年4月 199.3
2022年4月 229.4

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

北海道について直近の上昇が大きいのが東北地方です。ただし、2020年から2021年にかけて下降も見せているので、今後安定して上昇するかは注視しておく必要があるでしょう。

なお、九州や北海道などと同じ傾向として、地方の中でも地方都市が上昇する一極集中の形になっているということが挙げられます。東北においても、仙台地域での上昇傾向が強くなっているのです。

中部地方の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 126.5
2017年4月 134.3
2018年4月 143.8
2019年4月 148.8
2020年4月 158.8
2021年4月 164.8
2022年4月 179.2

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

中部地方では継続して上昇傾向にあります。変動の幅は関東地方に比べると大きいので、売却を検討する場合は今後の推移を確認しておくとよいでしょう。

なお、中部地方の中でも特に名古屋は再開発が進んでおり 、今後はリニア中央新幹線の開業に向けて大きく上昇していくことも期待できるでしょう。

近畿地方の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 127.3
2017年4月 134.6
2018年4月 146.3
2019年4月 151.7
2020年4月 158.8
2021年4月 166.9
2022年4月 182.7

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

近畿地方においても右肩上がりの上昇が続いており、特にコロナ禍の影響のあった2020年以降も上昇が続いています。

近畿地方の上昇が九州や札幌などと比べて抑え目なのは、関東と同じくすでに価格が高いことが理由として考えられるでしょう。

なお、近畿地方においては2025年の大阪万博に向けて都市再開発が進められ、円安もあり大きなインバウンド需要が生まれることが期待されます。

四国地方の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 137.7
2017年4月 152.9
2018年4月 169.6
2019年4月 156.1
2020年4月 175.2
2021年4月 170.1
2022年4月 207.0

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

四国地方では2019年に一時期落ち込みがありましたが、回復し2022年には大幅な上昇を見せています。変動の幅が大きいので、今後安定するかさらに上昇するかは注目しておくことが大切です。

四国地方においても、他の地方都市と同様、県庁所在地などで大きな上昇が見られる傾向にあります。 関東や関西と比べて上昇率が大きいのは、元々の価格が低かったことが理由として挙げられるでしょう。

東京都の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 128.4
2017年4月 134.8
2018年4月 140.3
2019年4月 146.9
2020年4月 151.6
2021年4月 161.8
2022年4月 177.5

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

関東圏の中でも東京都に絞って推移を見てみると、右肩上がりで上昇していることが分かります。

東京都の不動産価格はすでに高い水準にあるのにも関わらず、さらなる上昇を見せている背景には、今後も都市一極集中が続き、大きな需要が続くことが期待されていると見ることができるでしょう。特に、2022年以降は円安の影響もあり、インバウンド需要や海外投資家による資金の流入も考えられます。

愛知県の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 126.7
2017年4月 134.2
2018年4月 143.2
2019年4月 151.3
2020年4月 160.4
2021年4月 167.1
2022年4月 182.9

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

中部地域の中でも愛知県に絞ってみると、やはり大きく上昇しています。先述の通り、特に名古屋においては都市再開発とリニア中央新幹線の開業に向けて期待できるといえるでしょう。

大阪府の価格推移

不動産価格指数(2010年=100)
2016年4月 125.3
2017年4月 133.8
2018年4月 145.6
2019年4月 150.3
2020年4月 159.8
2021年4月 167.6
2022年4月 179.5

参考:国土交通省|不動産価格指数(住宅)Excel

近畿地方の中で、特に大阪府に絞って見てみると、東京都や名古屋と同様、すでに高い価格帯にありながら右肩上がりに大きく上昇していることが分かります。

こちらも、すでにご紹介したとおり、2025年の大阪万博に向けて都市再開発やインバウンド需要によるさらなる上昇が期待できるエリアだといえます。

マンションの価格が上昇し続けている理由

【2023年5月】マンション価格の推移|上昇する理由や今後の展開を予測!

全国的に上昇傾向のあるマンションですが、なぜ上昇しているのでしょうか?ここでは、マンション価格が上昇し続けている理由を見ていきましょう。

理由としては次の3つが考えられます。

  • ・ローンの金利が低い
  • ・新築マンションの供給が足りていない
  • ・物価上昇
 

ローンの金利が低い

低金利といわれる日本の住宅ローン金利。他のローンと比較しても最も低い水準を維持しています。

マンションを購入する際、ほとんどの人が利用する住宅ローンは、20年や30年と長期に渡る返済となるので、金利は重要なポイントになります。わずか数%異なるだけでも返済総額が100万円以上変わってくることも珍しくないのです。

現在の住宅ローン金利は、全期間固定金利のフラット35の2023年5月時点の最頻金利では1.830%、変動金利ではそれよりもさらに低く1%を切る金融機関がほとんどでしょう。ネット銀行などでは0.3%台というケースも珍しくありません。

日銀では2022年12月に利上げを公表するまで2013年から金融緩和政策を継続していました。市場金利の低下に伴って、住宅ローン金利も下がったことも要因となり、住宅ローンの金利は低い水準を保っているのです。

住宅ローンの金利が低ければ、利息の負担を軽減でき借りやすくなります。住宅ローンが借りやすいことで住宅への需要が増え、マンションの価格上昇の後押しとなったといえるでしょう。

新築マンションの供給が足りていない

不動産経済研究所の「全国新築分譲マンション市場動向」の調査によると、全国のマンション発売戸数は2013年の105,282戸をピークに減少し、2019年には70,660戸となっています。さらに2020年は新型コロナウイルスの影響もあり59,907戸と大きく減少しているのです。

2021年には77,552戸と回復を見せていますが、それでも2013年には及びません。マンションへの需要は増加しているのに対し、供給が減少傾向にあることから新築マンションの希少性が増し価格の高騰につながっているといえるでしょう。

物価上昇

マンション価格の上昇の要因として、物価の上昇も挙げられます。

新型コロナウイルスやインフレ・原油高騰やロシアウクライナ情勢などを原因として、モノの値段は上昇しています。また、住宅業界では2021年から木材価格の高騰によるウッドショックも継続しています。このような要因で建築コストが高騰すると、高騰した分は価格に転嫁されるため、需要に関わらずマンション価格は高騰するのです。

新築マンションの価格が高騰することで、購入価格を押さえようと中古マンションの需要が高まります。結果として新築・中古共にマンション価格の上昇につながっているといえるでしょう。

2023年のマンション価格推移の予測

【2023年5月】マンション価格の推移|上昇する理由や今後の展開を予測!

現在、上昇を見せているマンション価格ですが、今後の価格推移は透明といえます。建築資材や物価の高騰、またマンション需要の高さも今後引き続き継続すると考えられています。これらはマンション価格高騰の要因となりますが、下降に転じる要因もないわけではありません。

  • ・住宅ローン金利の上昇
  • ・住宅ローン控除の変更
 

低金利の住宅ローンですが、その低い水準がいつまで続くかは分からないものです。2022年12月に日銀が利上げを発表し、住宅ローン金利にも影響する恐れがあります。実際、全期間固定金利のフラット35は上昇傾向があり、変動金利も今は低い水準ですが、今後影響が出ないとは言い切れません。

また、住宅ローン控除はその制度が変わり節税のメリットが大きく減少しています。住宅ローン金利の上昇や節税できないことから住宅ローンを借りにくくなり、需要が落ち込む可能性もゼロではないのです。

マンション価格の高騰は永遠に続くことはなく、いつかは下降に転じるものです。2023年で急激に下降する可能性は低く横ばいか緩やかな上昇は引き続くことが考えられますが、いつ下降に転じるかは分かりません。

先の価格の見通しが不透明である以上、売却を検討しているなら高い水準の今、行動に移すことをおすすめします。

まとめ

マンション価格の推移について地域別や今度の見通しについてお伝えしました。2013年以降急激な上昇を見せているマンション価格は、地域別に見ても上昇傾向にあります。

しかし、今後もその水準を維持できるかは不透明です。マンション価格はさまざまな要因で変動し、いつ下降に転じるかは予測がつかないものです。売却を検討しているならいつか上がるかもと待つのではなく、高い今のうちに売却してしまうことで売却成功につなげやすくなるでしょう。

売却を検討しているなら、まずは一括査定であなたのマンションがいくらで売れるかを把握することが大切です。ニフティ不動産の「SUUMOの無料一括査定」なら、地元密着型の不動産会社から大手不動産会社まで幅広い会社の査定額を簡単に比較できます。数多くの不動産会社を比較することで、マンションを少しでも高値で売れる不動産会社にであえるようになるでしょう。

アプリなら新着物件を見逃さない!ニフティ不動産アプリ

部屋を借りる!賃貸版はこちら

住宅を買う!購入版はこちら