ウォークインクローゼットとは?畳数や間取りのイメージを詳しく解説

この記事では、後悔しないウォークインクローゼットを設置するために、「設置場所」「間取り」「レイアウト」などをメリット・デメリットとあわせて具体的に解説していきます。



ウォークインクローゼットとは?

ウォークインクローゼットとは?畳数や間取りのイメージを詳しく解説

「Walk In Closet=ウォークインクローゼット」とは、人が中に入って歩けるほどのスペースのある収納のことで、「WIC」と表記されます。大きさは2〜3畳で、個室よりも小さいスペースのものが一般的です。また、ウォークインクローゼットの活用方法は収納場所としてだけではありません。例えば中に鏡やドレッサーを置いておけば、着替えをウォークインクローゼットの中で完結することができます。

主に以下の4つのレイアウトに分類されます。

【I型】
ウォークインクローゼット内の一辺だけに収納スペースが設置されているタイプです。固定された収納スペースがハンガーパイプだけなので、収納したい物に合わせて収納棚やタンスを設置することができます。

【二列型】
左右両側に収納スペースが設置されているタイプです。設置するためにはウォークインクローゼットの中でも広いスペースが必要です。ハンガーのかかっている下の部分がデッドスペースになりがちなので、収納ボックスなどを利用しましょう。

【L字型】
ウォークインクローゼットの奥と通路の片側に収納スペースが設置されているタイプです。L字型は角に収納場所が重なってデッドスペースになりやすいので、タンスや収納ボックスを入れるなら大きさをしっかり測ってからにしましょう。

【コの字型】
通路左右とウォークインクローゼットの奥に収納スペーが設置されているタイプです。もっとも収納力のあるタイプである反面、手持ちのタンスや収納ボックスを入れたい人には不向きだといえます。

クローゼットとの違い

クローゼットは衣類を収納するために洋室に設置されています。特に決まりはありませんが、洋服の幅に合わせて45〜60cmほどの奥行きがあります。比較的小さなスペースに設置でき、ハンガーパイプで収納するのが一般的です。大きなタンスを部屋に備え付けているような感覚なので、人が中に入って着替えるようなスペースはありません。

一方ウォークインクローゼットは「人が中に入って歩けるほどのスペースのある収納」です。ハンガーパイプや棚を設置したり手持ちのタンスや収納ボックスを入れて収納したりできるので、洋服だけでなく靴やアクセサリー、季節家電などさまざまな物を収納することに向いています。さらに、ウォークインクローゼットのなかでも、出入口が2つあって通り抜け可能な収納は「ウォークスルークローゼット」と呼ばれています。

ウォークインクローゼットのメリット・デメリット

ウォークインクローゼットとは?畳数や間取りのイメージを詳しく解説

ウォークインクローゼットとクローゼットにはそれぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。

 
メリット デメリット
ウォークインクローゼット 衣服以外の物を収納できる
着替えられるスペースがある
衣替えの手間が省ける
生活スペースが狭くなる
整理ができないと物を失くしやすい
定期的に掃除する必要がある
クローゼット 必要な衣服をすぐに取り出せる
生活スペースを広く使える
手持ちの衣服が多いと収納できない
大型の布団や荷物は収納できない

ウォークインクローゼットは衣服をまとめて収納できるため、衣替えの手間を省けることが最大のメリットです。着替えられる空間があるので、アクセサリーや帽子なども収納しておくと、ウォークインクローゼットの中で身支度を整えることができます。

さらに広さにもよりますが、スーツケースやゴルフバックのような大型の物や、扇風機やガスファンヒーターといった季節家電などを保管できるのもメリットといえるでしょう。

一方で収納スペースが広い分、整理をせずに放っておくと、物が溢れて使いにくくなります。また、長く使っていないものがどこにあるかわからなくなることも考えられるでしょう。そのうえ定期的に掃除を行わなければ、ホコリがたまったり湿気によってカビが生えたりというリスクもあります。

また、ウォークインクローゼットはクローゼットよりも専有面積が広いため、生活スペースが狭くなります。あまりに生活スペースを圧迫するならば、無理にウォークインクローゼットを設置するのではなくクローゼットを検討するべきでしょう。

おすすめの人

住む人の人数や生活スタイルによって、収納の必要な大きさや最適な形は変わってきます。ウォークインクローゼットの設置をおすすめする人の特徴は「荷物の多い人」「2人以上の人数で暮らす人」の2点が挙げられます。

【荷物の多い人】
ウォークインクローゼットは収納スペースが広く、畳んで小さくしなくてもたくさんの衣服をハンガーでつるして保管することができます。また、ハンガー下のスペースを使って大型の物の収納も可能です。例えばテニスラケットやスノーボード用品、ゴルフクラブなど、スポーツの道具を保管しておくのにも最適です。たくさんの荷物を1つの場所にまとめて収納できるので、生活空間を広く使うことができるでしょう。

【2人以上の人数で暮らす人】
2人以上の人数で生活すると収納する物も多く、収納スペースをあちこちに分ける必要があります。しかし、ウォークインクローゼットなら収納スペースが広いので、荷物を1つの場所にまとめて保管できます。

そのうえウォークインクローゼットは中に入って荷物を見ることができるので、誰の物がどこにあるのか一目瞭然です。服、靴などカテゴリーごとに整理して収納すれば、荷物の確認がしやすくなります。例えば空間を区切り、個人ごとに収納する工夫をすれば、荷物が混ざらずに管理できるでしょう。

失敗・後悔するケース

収納スペースが広くて便利なウォークインクローゼットですが、設置したことを後悔しているという人も少なからずいるようです。 株式会社南勝が2021年11月に行った調査によると、56.6%の人が自宅の間取りに後悔しており、さらに「どこの間取りを後悔しているか」という質問に対して、14.9%の人が「ウォークインクローゼット」と回答しています。

【ウォークインクローゼットの通路が狭い】
ウォークインクローゼット内には、人が通る通路が必要です。しかしウォークインクローゼットの中に想定以上の荷物を詰め込んだ場合、十分な通路が確保できなくなってしまいます。さらに通路幅が狭いと引き出しがしっかり開けられないことも多いでしょう。

また、衣類がかかっている状態とかかっていない状態では、通路の圧迫感も違います。実際に衣類をかけたときをしっかり想定して、レイアウトを決定しましょう。

【ウォークインクローゼットにカビが発生した】
ウォークインクローゼットの中は湿気が溜まりやすく、カビが発生することもあります。荷物の汚れを落とさないまま保管すると、カビを増やす原因になります。カビの発生を防ぐには、まず窓や換気扇など換気設備を設置するようにしましょう。さらにサーキュレーターなどで定期的に空気を循環させることも大変効果的です。

また、浴室や洗面などの水回り付近は湿気の溜まる場所なので、近くにウォークインクローゼットを設置するときはより湿気対策に気を配る必要があります。

【荷物が入りきらない】
設置したウォークインクローゼットのスペースが十分でないと、家族全員分の荷物を収納できません。どのくらいの物を収納するのかよく考えて広さを決めるようにしましょう。

さらにウォークインクローゼットはクローゼットと違い通路が必要なので、その部分は収納スペースとして使えないという点も考慮する必要があります。

【ウォークインクローゼットの中が散らかる】
ウォークインクローゼットの収納スペースが広いのは良いことですが、物を詰め込み過ぎてしまいどこに何をしまったかわからなくなることがあります。アイテムごとに分類したり、家族それぞれのスペースを決めておいたり、整理整頓に工夫が必要です。

また、ハンガーには短い物と長い物を揃えてかけるようにすると見た目がきれいになり、短い物の下には収納ボックスを置くスペースができます。

【コンセントを設置し忘れた】
ウォークインクローゼットの中は荷物を収納するだけでなく、身支度を整えたり収納する物を手入れしたりする場所でもあります。つまりドライヤーやヘアアイロン、衣類スチーマーなどを使うことが考えられます。

せっかくドレッサーや鏡を設置して身支度できるようにレイアウトしても、コンセントがなければまた別の場所で身支度の続きをしなければいけません。また、毎日使うスーツや制服についたしわを脱いですぐに手入れできないのは面倒です。

ウォークインクローゼットの位置

ウォークインクローゼットとは?畳数や間取りのイメージを詳しく解説

ウォークインクローゼットは「ライフスタイル」や「生活習慣」などを考慮して設置場所を決めれば、より活用しやすくなります。

・寝室
・玄関横
・洗面所横

 
位置別のメリット・デメリット
メリット デメリット
寝室 起床後にすぐ着替えられる 生活スペースが狭くなる
玄関横 帰宅後にすぐ着替えられる 寝室を出ないと着替えられない
洗面所横 着替えてすぐ洗顔やメイクができる 水回りのため湿気が溜まりやすい

設置場所として一番多く選ばれているのは、寝室から出入りできるウォークインクローゼットでしょう。起床後移動しなくてもそのまま着替えができます。さらに寝室内にあるので来客があっても中を見られる心配がありません。「プライベートな物を見られたくない」ならば最適な設置場所だといえます。ただし寝室の間取りを削って設置しなくてはいけないので、「寝室にゆとりが欲しい」と考えている人にはおすすめしません。

玄関横のウォークインクローゼットは帰宅してすぐ着替えられるため、更衣室のように使うことができます。しかし、寝室にある場合と違い、朝起きて寝室から出ないと着替えることができません。さらに、玄関横だと来客時に中が見える可能性があるので、目隠しや扉など中を見せない工夫が必要です。

洗面所横のウォークインクローゼットは、着替えたりする場合に便利です。洗面所横ならば着替えてすぐに洗顔やメイクができるので、身支度をその場で完結することができます。ただし水回りは湿気が溜まりやすいので、防カビ対策が面倒な場合は避けたほうがよいでしょう。

ウォークインクローゼットの間取り

ウォークインクローゼットとは?畳数や間取りのイメージを詳しく解説

ウォークインクローゼットはクローゼットよりも専有面積が広いことから、ある程度の広さが必要です。単純に考えても「収納スペース+通路幅」を確保する必要があります。「収納スペース60cm」「通路幅を60cm」とすると、一辺あたり120cm以上ないと設置自体が難しいといえます。

またウォークインクローゼットの広さの目安は、一般的に「住む人の人数×畳」ともいわれています。まずは第一の用途である「衣服の収納量」を考えてみましょう。

平均的な衣服の保有枚数は男女関わらず約100着なので、例えば2人の場合は
2人×畳=2畳 
100着×2人=200着
2畳のウォークインクローゼットに衣服200着が収納可能ということになります。

         
畳数と収納量目安
畳数 収納量
2畳 200着
3畳 300着
4畳 400着
5畳 500着

畳数によって収まる衣服は上記が目安になります。ただし衣服以外の荷物が多い場合などは、目安より大きなサイズを検討すべきでしょう。目安を参考にしながらも用途にあわせて広さを決めることが大切です。

2畳

2畳の広さであれば、夫婦などの二人暮らしの場合に向いています。それぞれの荷物を左右に空間を区切って収納することで、荷物の管理をしやすくなります。

ただし、通路以上に広い空間を確保するには狭く、着替えスペースを取るのも難しいので、寝室に設置すると活用しやすくなるはずです。

3畳

子供の衣服の量は大人のだいたい半分くらいと考えられます。夫婦と子供1〜2人であれば3畳ほどが丁度よい広さです。子供が1人であれば収納スペースに余裕があるので、おもちゃや季節家電を保管することも可能です。また夫婦2人だけで利用した場合は、寝室に棚やタンスを置く必要がないほどゆとりをもって利用できるでしょう。

4畳

4人家族で余裕のある広さです。ただしウォークインクローゼットは壁面しか収納スペースにできないので、最初から縦長に設計するか、中のレイアウトを工夫しないとデッドスペースが多くなってしまいます。通路を広く取ってゆとりのある着替えスペースを作りたい人におすすめです。

また、広いスペースがあるので、なんでも詰め込み過ぎないように注意が必要です。荷物が多くなると管理がしづらくなり、物を失くしやすくなります。

5畳

ファミリークローゼットとして利用できます。収納スペースがとても広いので、子供が大きくなって物が増えても収納スペースに困ることはありません。また2人で使用するとほぼ全ての衣服をハンガーにかけて保管できるので、自身のワードローブを一目で確認することができます。

しかし、壁面しか収納スペースにできないので、同じ専有面積ならクローゼットのほうが収納力があるかもしれません。

ウォークインクローゼットのレイアウト

ウォークインクローゼットとは?畳数や間取りのイメージを詳しく解説

ウォークインクローゼットにはレイアウトによっていくつかのパターンがあります。主なパターンは「L字型」「コの字型」「I字型」「二列型」で、ハンガーパイプや棚を設置する位置を表しています。

ハンガーパイプや作り付けの棚などは、一度設置すると簡単に移動できません。また、設置位置が違うと物の収納方法も大きく変わってくるので、「何を」「どれくらい」「どのように」保管するかこだわって決めるようにしましょう。

L字型の収納ポイント

ウォークインクローゼットの奥と通路の片側に収納スペースが設置されているタイプで、縦長のウォークインクローゼットのレイアウトに向いています。ただし角の部分がデッドスペースになりやすいので、収納方法に工夫が必要です。例えば奥にハンガーパイプを設置して通路の片側を棚にすると、デッドスペースが少なくなってクローゼット内全体を活用しやすくなります。

また、収納スペースは少なめでも通路や空間にゆとりが持てるので、2畳で少しでも着替えスペースを確保したい人におすすめです。

コの字型の収納ポイント

通路左右とウォークインクローゼットの奥に収納スペースが設置されているタイプです。壁面全体を収納として利用できるので、ウォークインクローゼットで最も収納力のあるレイアウトだといえます。ウォークインクローゼットの広さが1〜2畳ほどしかない場合は通路が狭くて出入りしにくいかもしれませんが、限られたスペースに少しでも多く収納したいという人におすすめです。

I字型の収納ポイント

ウォークインクローゼット内の一辺だけに収納スペースが設置されているタイプです。収納方法は通常のクローゼットと変わらないので、細長い間取りの場合でも通路を広く確保できます。収納スペースがコンパクトにまとまっていて物の出し入れがしやすい反面、ほかのレイアウトと比べると収納力が低いです。

二列型の収納ポイント

部屋の両側にハンガーパイプなどの収納スペースが設置されているタイプです。収納スペースの重なる部分がなく、デッドスペースができないため、ウォークインクローゼットのスペースを無駄にしたくない人におすすめです。

ただし両側に収納を設置しても、通路のスペースが確保できなければ意味がありません。設置するにはウォークインクローゼットの中でも一番広さが必要といえるでしょう。

まとめ

収納力があるだけでなく、荷物の管理もしやすいのがウォークインクローゼットの特徴です。しかし、生活スタイルや収納したい物などを具体的にイメージして設置しないと、かえって不便なものになりかねません。設置を検討するならまずはどこに設置するかを考えましょう。普段の生活スタイルを考慮して設置場所を決めると、とても使いやすくなります。

次に間取りを何畳にするかも大切です。間取りを広くすれば多くの物を収納することは可能です。しかしウォークインクローゼットを広くすればするほど生活スペースは圧迫されますし、荷物をどんどん押し込みすぎると物を探しにくくなります。定期的な整理や掃除が苦手な場合は、ウォークインクローゼットではなく、クローゼットで収納場所を確保できないか検討してみましょう。

さらに、ウォークインクローゼットはレイアウトがとても重要です。「何を」「どれくらい」「どのように」保管するのかにこだわって決めることが大切となります。

広さやレイアウトなど、ご自身の納得いく理想のウォークインクローゼットを設置しましょう。

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