
賃貸物件の『仲介手数料』とは?無料=お得じゃない?!入居の初期費用を抑えるには?
この仲介手数料、物件によっては半額になったり、無料になっていたりするものもあり、金額に大きな幅があるのが特徴です。仲介手数料が無料になれば、初期費用は大きく抑えることができますが、果たしてそれは「お得な物件」といえるのでしょうか。
今回は仲介手数料ゼロの賃貸物件が、本当に安く、お得なのか。
そのデメリットと相場、そして仲介手数料そのものの値引き交渉術についてまとめました!
どうして仲介手数料が無料になるの?背景にあるカラクリとデメリットを理解して、後悔しない物件選びをしよう!
- 仲介手数料とは?賃貸物件の契約で見かけるけど相場は?家賃の半額?
- 仲介手数料無料(不要)の賃貸物件があるのはなぜ?不動産会社の儲けなしということ?
- 仲介手数料無料の賃貸物件のデメリットや注意点 礼金や賃料が高い!?解決法は?
- 仲介手数料なし(ゼロ)への値引き交渉はできる?安い初期費用に抑えるには?
- ニフティ不動産なら、有名不動産サイトをまとめて検索&比較できる
仲介手数料とは?賃貸物件の契約で見かけるけど相場は?家賃の半額?

賃貸を探していると必ず出てくる「仲介手数料」。
「敷金・礼金」と合わせて、初期費用として必要となるお金ですよね。
ではそもそも、誰に、何のために支払うお金なのでしょうか。
国土交通省が定めている「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」では、下記のように書かれています。
第四:貸借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・一〇倍に相当する金額以内とする。(以下略)
第五:貸借の代理に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は、当該宅地又は建物の借賃の一月分の一・一〇倍に相当する金額以内とする。(以下略)
国土交通省 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(建設省告示第千五百五十二号)
最終改正:平成二十九年十二月八日国土交通省告示第千百五十五号
通省告示第千百五十五号
つまり、「仲介手数料」とは「物件を紹介してくれた不動産会社に、紹介の対価として支払うお金」のことを言います。
実は不動産会社が担っているのは、単なる紹介だけではありません。
入居者と大家が安全に契約を結ぶための様々な手続きを一貫して担っています。それらの費用も仲介手数料の中に含まれているわけです。
意味がわかったところで、次に気になるのは金額の相場ですね。
一般的には、家賃0.5か月分~1か月分が仲介手数料の相場とされています。
上記の引用文でも、仲介手数料の上限は家賃1か月分+消費税と定められていますね。
とはいえ、賃貸物件を探していると、「仲介手数料無料」「半額」と書かれた物件や、「仲介手数料をキャッシュバックします」と宣伝されている物件が出てくることも。
同じ手数料を支払うのに、どうして金額に幅が出てくるんだろう?
仲介手数料無料(不要)の賃貸物件があるのはなぜ?不動産会社の儲けなしということ?

仲介手数料無料の物件のメリットは、初期費用が抑えられること!
急な引っ越しなどでまとまったお金がない場合でも賃貸契約を結ぶことが出来ます。
仲介手数料を「無料」「不要」としている物件以外にも、割引いたり、半額にしている物件が数多く存在します。
当然、借り手が手数料を支払わなければ不動産会社にとっては損失になるわけですから、「仲介手数料ゼロ」の物件は、一見、不動産会社にメリットがないようにみえます。
それでも不動産会社が「仲介手数料無料」の物件を紹介する理由とは何でしょうか。
仲介手数料無料のからくりの理由は、貸主が全額負担している
借り手が払わない分の仲介手数料が、そのまま不動産会社の損失になっているかというと、そんなことはありません。
実は、「無料」「半額」となった分の金額は、大家側が負担をしているのです。
一般的な仲介手数料の相場は「家賃1ヵ月分の半額(0.5ヵ月分)」とされていますが、その場合も残りの半額は大家側が負担していた、ということですね。
部屋を貸し出す大家としては、空室のままよりも入居してもらった方が毎月の収入になります。そのため、仲介手数料を全額負担してでも、すぐに入居してもらったほうがメリットが大きいのです。
借り手よりも貸し手が強かった時代では、考えられなかったことではありますが、少子化が進むにつれ、力関係が逆転し、大家側も入居者を集めることに積極的になっています。
賃貸物件を探している中で、「ものすごく気に入った物件の初期費用が予算オーバー……」なんてことになった場合は、あきらめる前に一度交渉してみるのも1つの手かもしれませんね。
仲介手数料無料なのは、不動産会社が所有している自社物件だから
さて、先ほど「仲介手数料無料」の背景には、大家側の事情があるというお話をしました。しかし、無料となる背景にはもう1パターンあります。
それが「不動産会社が所有している賃貸物件(自社物件)の場合」です。
不動産会社自体が大家の立場にある場合ということですね。
手数料を無料にする理由としては、先ほど説明した大家側のメリットと同じです。たとえ物件の所有者が個人から会社に変わったとしても、空室のまま何か月も放置されるより、毎月の家賃として売り上げがあがったほうがメリットとなります。
仲介手数料無料よりも毎月の賃料(家賃)を値引きしてもらえないの?
「手数料無料は嬉しいけれど、それよりも毎月の家賃を安くしてくれるほうがいい」
そんな意見を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、家賃の場合は毎月支払うもの。
長期的に見れば初期費用が抑えられるよりもメリットがあるかもしれません。
しかし、アパートやマンションなどの集合住宅の場合、同じマンション・同じ間取りなのにもかかわらず、隣室と家賃が違うということになればいかがでしょうか。
クレームが発生するなどして、結局は住み心地のよい住環境とは言えなくなるかもしれません。
そのため、毎月の家賃に関しては安易な値引きを行うことは難しく、初期費用の面で融通を効かせる場合が多いのです。
家賃の値引きができないからこそ、仲介手数料で入居しやすくなるよう対応しているんだね!
仲介手数料無料の賃貸物件のデメリットや注意点 礼金や賃料が高い!?解決法は?

仲介手数料が無料だと初期費用が抑えることができます。
一方で、「賃貸物件の仲介手数料が無料=安くてお得な物件」というわけではないことも、きちんと理解しておきましょう。
「仲介手数料無料」物件を借りる際に、気を付けたいことをまとめました。
早速チェックしてみましょう!
注意①家賃や共益費が相場よりも高いかも?!
仲介手数料が無料になったとしても、抑えられる費用は初期費用のみです。
目前とメリットだけを見て、家賃や共益費を確認しないまま契約した場合、相場よりも高すぎる金額を払わなければならないことも…!
「やってしまった!」と後悔しないために、自分が住みたい地域の家賃相場はいくらなのか、確認しておくことがおすすめです。
1部屋 | 2部屋 | 3部屋 | |
---|---|---|---|
東京都 | 69,011円 | 85,210円 | 91,947円 |
大阪府 | 56,463円 | 67,311円 | 72,318円 |
愛知県 | 50,197円 | 56,514円 | 61,677円 |
福岡県 | 46,573円 | 60,357円 | 68,956円 |
神奈川県 | 59,631円 | 74,845円 | 86,064円 |
埼玉県 | 53,535円 | 62,697円 | 71,309円 |
千葉県 | 53,965円 | 58,168円 | 71,738円 |
京都府 | 53,214円 | 71,737円 | 77,070円 |
兵庫県 | 52,010円 | 57,952円 | 72,366円 |
岡山県 | 43,891円 | 54,992円 | 62,548円 |
【出典:全国賃貸管理ビジネス協会 「全国平均家賃による間取り別資料の推移」】
上の表は都道府県別の家賃相場をまとめたものです。
どの部屋数でも最も賃料が高いのが東京都、1~2部屋の賃料が一番安いのは岡山県、3部屋については意外にも愛知県が最も安い、という結果になっています。
このように、同じ間取りだとしても都道府県ごとに家賃相場は大きく変動し、同じ県内だったとしても、市区町村ごとにまた変動いたします。
だからこそ、自分が住みたい地域の相場をきちんと把握し、共益費や管理費も含めて妥当な値段か判断する必要があります。
<参考記事>共益費・管理費って何?相場から値下げ交渉まで解説
解決法!
表を見れば家賃目安は分かると思います。 ただ、市区町村でも多少変わってくるから、同じ条件の近隣の物件の賃料のチェックもお忘れなく。初期費用+2年分の賃料と共益費の総額を計算し、仲介手数料なしとありの場合を比較しよう。 初期費用の目安が分からない人は、この記事を読んで目安を知ろう。
<参考記事>
一人暮らしの初期費用を計算してみよう
同棲の初期費用を計算してみよう
注意②敷金や礼金が相場よりも高いかも?!
敷金・礼金を確認するのは、単純に毎月の支払額の合計を把握するため、だけではありません。
仲介手数料が無料になっている物件は、貸主側が全額負担している場合がほとんどです。
そのため、そこで出たマイナス分を補填するため、敷金や礼金などが高く設定されていることがあります。
つまり、仲介手数料無料物件の最大のメリットである「安価な初期費用」という点が、全く反映されていないということになります。
初期費用を抑えることを第一として物件を選ぶ場合は、敷金・礼金の金額もきちんと確認した上で選んでいく必要がありますね。
解決法!
・敷金や礼金の相場を知ればいい
・敷金や礼金については、こちらの記事で詳しく紹介している。
・一般よりも高くないか、必ずチェックしておこう。
<参考記事>敷金礼金とは?関東と関西では相場も違ってくる?!
仲介手数料なし(ゼロ)への値引き交渉はできる?安い初期費用に抑えるには?

初期費用をぐっと抑えることができる「仲介手数料無料」は、ぜひ押さえておきたい条件ですよね。
引っ越しはただでさえ出費がかさむイベントですが、家具や家電を買いそろえなければならない初めての一人暮らしや、これから同棲を始めようとするカップルにとっては、特にオススメの条件といえるでしょう。
すでにもう「仲介手数料無料」と銘打っている物件から探すのも1つの手ですが、もしできるなら、自分が気に入った物件を「仲介手数料無料にしたい」とは思いませんか?
次からは、仲介手数料を無料にする交渉のコツや、値切りのタイミングについてまとめます。
仲介手数料が一律or安い不動産サイトがあるけど…どうなの?
仲介手数料を抑えたい場合は、仲介手数料が一律orない不動産サイトで検索してみるのがオススメです。
普通の物件サイトで探すよりもより多くの物件を見つけることができます。
その反面、載せられている物件の築年数が古かったり、内覧する度に別途お金が必要になったりするケースがあります。
まずはインターネットで調べつつ、自分にとって一番大事な条件が何なのか、考えてみるのが良いかもしれません。
仲介手数料無料ではなく、フリーレントの賃貸物件を探すという手もある
単に初期費用を抑えたいのであれば、「フリーレント」という選択肢もあります。
「フリーレント」とは賃貸物件の家賃が一定期間無料になる、というもの。
一般的なのは最初の1か月が無料になるというパターンですが、長いものだと半年間無料になる物件もあります。
仲介手数料無料と同様、初期費用を安く抑えることができるので選択肢の一つとして覚えておくといいでしょう。
<参考記事>フリーレントの賃貸物件とは?1~2ヶ月家賃無料?!
仲介手数料無料ではなく、敷金礼金なしの賃貸物件を探すという手もある
初期費用を抑えるという点では、「敷金礼金なし」の物件を探してみるのもオススメです。
仲介手数料無料と同様、希望者が入居しやすいようゼロになっている場合が多いですが、その分家賃に上乗せされているケースもあり、地域の相場感を把握したうえで検索するのがおすすめです。
<参考記事>敷金礼金なしの不動産賃貸物件 初期費用はいくら?
ニフティ不動産なら、有名不動産サイトをまとめて検索&比較できる
ニフティ不動産では、同じ物件で複数の不動産会社がヒットします。
つまり、同じ物件を取り扱う不動産業者を一括で比較できるということ!
会社によって、仲介手数料に差があることがあるため、最も安い会社から契約を結ぶことが可能です。もしくは、仲介手数料の差額を材料に、交渉することができるかもしれませんね。
その他、ニフティ不動産では「敷金礼金なし物件」や「フリーレント物件」も条件設定でカンタンに調べることが可能です!「シューズボックス」や「敷地内ごみ置き場」など、引っ越してからの住みやすさに関わる細かな条件も設定することができるのも魅力の1つ。
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