
アスファルトシングルは軽量で加工しやすく、デザイン性や耐震性に優れているというメリットがあります。
今回は、アスファルトシングルの特徴やメリット、デメリットを解説します。
アスファルトシングルの耐用年数も説明するので、ぜひ最後までご覧ください。
アスファルトシングルのメーカー・代表製品も紹介します!
後悔のない屋根選びをしたい人は、要チェックですよ!
- アスファルトシングルとは
- アスファルトシングルのメリット
- アスファルトシングルのデメリット
- アスファルトシングルの施工方法
- アスファルトシングルの施工にかかる費用
- アスファルトシングルの耐用年数
- アスファルトシングルで起きる劣化症状
- アスファルトシングルのメンテナンス方法
- アスファルトシングルのメーカー・代表製品
- 後悔しないために!アスファルトシングルの特徴を理解しておきましょう
アスファルトシングルとは

アスファルトシングルとは、ガラス繊維の基材にアスファルトを染み込ませ、表面に石粒を吹き付けた屋根材です。
薄くて柔らかいため加工しやすく、他の屋根材に比べて軽量なのが特徴です。
そのため、建物への負担が少なく、耐震性の向上も期待できます。
日本では金属屋根やスレート屋根が主流で、アスファルトシングルの普及率はそこまで高くありません。
しかし、海外では一般的に使われている屋根材です。
アスファルトシングルのメリット・デメリットを知ることで、自宅にぴったりの屋根材を選べるでしょう。
アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングルのメリットは、主に4つあります。
・防水性が高い
・加工・施工しやすい
・軽量で耐震性を高められる
・コストパフォーマンスに優れている
ひとつずつ見ていきます。
防水性が高い
アスファルトシングルは、防水性に優れた屋根材です。
主原料である「アスファルト」と「ガラス繊維」は、どちらも水が染み込みにくい性質を持っているためです。
また、多くのアスファルトシングルの施工では、防水シートと屋根材を重ねて使用します。
この二重構造によって水の侵入をしっかりと防ぎ、高い防水性を実現しているのです。
加工・施工しやすい
アスファルトシングルはカッターやハサミでも切れるほど、薄く柔らかい素材です。
そのため、複雑な形状の屋根や、円形・曲線の屋根にも対応できる点がメリットといえます。
硬い屋根材では直線か斜めの形状にしか対応できないため、アスファルトシングルを用いることでデザインの幅が広がります。
さらに、アスファルトシングルは柔軟性が高いため、硬い屋根材と比較してひび割れが起きにくいです。
軽量で耐震性を高められる
以下の表から分かるように、アスファルトシングルは他の屋根材よりも軽量です。
| 屋根材の種類 | 重さ(1平方メートル当たり) |
|---|---|
| アスファルトシングル | 約10キログラム |
| スレート屋根 | 約20キログラム |
| 瓦屋根 | 約50~60キログラム |
屋根が軽いと、地震の揺れによる建物の負担を軽減できます。
地震が多い日本では、耐震性の高さからアスファルトシングルを選択する人もいます。
コストパフォーマンスに優れている
アスファルトシングルは、初期費用・メンテナンス費用が比較的安価な屋根材です。
加工しやすく施工にかかる期間が短いため、人件費を抑えられます。
結果として、全体の施工費用が安く済むケースが多く、コストパフォーマンスに優れる点が魅力です。
施工費用に関しては「アスファルトシングルの施工にかかる費用」も参考にしてみてください。
アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルのデメリットを4つ紹介します。
・強風ではがれる可能性がある
・カビやコケが繁殖しやすい
・傾斜が緩やかな屋根への施工は不向き
・施工業者を見つけにくい
メリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。
強風ではがれる可能性がある
アスファルトシングルは薄い素材であり、固定には接着剤を用います。
施工が不十分だったり経年劣化したりすると、強風ではがれる可能性があります。
表面に付いている石粒が強風で落ちるケースもあるので、定期的な点検が欠かせません。
特に台風の前後は、屋根材にはがれ・めくれ・浮きがないかを、チェックすることが重要です。
カビやコケが繁殖しやすい
アスファルトシングルのデメリットとして、環境によってはカビやコケが繁殖しやすい点が挙げられます。
日当たりの悪い場所や湿気の多い環境では、屋根材表面の石粒にカビやコケの胞子が付着しやすいです。
カビやコケは、屋根の美観を損ねるだけでなく、屋根材の劣化を早める原因にもなります。そのため「防カビ剤入りの塗料で塗装する」「定期的に清掃する」といった対策が求められます。
傾斜が緩やかな屋根への施工は不向き
基本的に、アスファルトシングルは傾斜が緩やかな屋根には不向きです。
アスファルトシングルを施工するには、3.5寸(約10.6センチメートル)以上の勾配が必要とされています。
ただし、製品によっては傾斜が緩やかな屋根にも施工できる可能性があるため、不安なときは業者に相談してみてください。
施工業者を見つけにくい
アスファルトシングルの施工業者を見つけにくい、という点もデメリットのひとつ。
日本ではスレート屋根や金属屋根、瓦屋根に比べて、アスファルトシングルの施工件数が少ないからです。
また、アスファルトシングルの施工には、従来の屋根材とは異なる技術が求められます。
安心して作業を任せるためにも、アスファルトシングルの施工実績が豊富な業者を選ぶとよいでしょう。
アスファルトシングルの施工方法

アスファルトシングルの施工方法は、次のとおりです。
①下地となるルーフィング(防水シート)を貼る
②軒先板金を取り付ける
③アスファルトシングル(屋根材)を取り付ける
④板金などで棟部分を仕上げる
アスファルトシングルの取り付け時には、接着剤で位置を定めた後、釘でしっかりと固定していきます。
風ではがれないために、重ねる幅や釘を打つ位置には注意が必要です。
アスファルトシングルの施工にかかる費用

アスファルトシングルの施工にかかる費用は、1平方メートル当たり5,000〜9,000円が相場です。
参考として、屋根材ごとの費用を表にまとめました。
| 屋根材 | 価格(1平方メートル当たり) |
|---|---|
| トタン屋根 | 4,000~6,000円 |
| アスファルトシングル | 5,000~9,000円 |
| ガルバリウム鋼板 | 6,000~9,000円 |
| 粘土瓦 | 8,000~15,000円 |
| 銅板屋根 | 18,000~20.000円 |
ただし、屋根の状態や業者によって費用は変動します。
屋根の面積が広かったり傾斜が急だったりすると、費用が高くなる傾向にあります。
アスファルトシングルの耐用年数

アスファルトシングルの耐用年数は、およそ20〜30年です。
この年数はあくまで目安であり、気候条件や施工業者の技術力によって変動します。
耐用年数自体は20〜30年程度ですが、10年に1度の頻度で業者に点検してもらうのが望ましいです。
劣化がひどくなる前に問題を発見できれば、大規模な修繕を避けられるだけでなく、建物の寿命を延ばすことにもつながります。
アスファルトシングルで起きる劣化症状

アスファルトシングルで起きる劣化症状を、以下にまとめました。
| 劣化症状 | 特徴 |
|---|---|
| 色あせ・変色 | 長期間にわたって紫外線にさらされることで色が薄くなり、屋根全体が色あせたように見えます。 |
| はがれ・浮き | 強風や経年劣化によって、屋根材が下地からはがれたり浮いたりします。 |
| カビ・コケの繁殖 | 日当たりが悪く湿気が多い場所では、屋根材表面の石粒にカビやコケが付着し、繁殖しやすいです。 |
| ひび割れ | 強い衝撃や屋根材の収縮・膨張によって、ひび割れが生じます。 |
| 雨漏り | 劣化が進行し、屋根材の隙間や剥がれた部分から雨水が侵入することで、雨漏りが生じます。 |
| 石粒の脱落・飛散 | 経年劣化や風雨の影響で表面の石粒がはがれ落ち、下地の色が見えてしまいます。 |
これらの症状を早期に発見して、適切なメンテナンスを行いましょう。
アスファルトシングルのメンテナンス方法

アスファルトシングルのメンテナンス方法を3つ紹介します。
・かぶせ工法
・葺き替え工事
・塗装工事
以下で詳しく説明していきます。
かぶせ工法
「かぶせ工法」は、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい屋根材を重ねて施工する方法です。
「重ね葺き」または「カバー工法」とも呼ばれています。
既存の屋根材を剥がす作業がないため、工事期間が短く、費用を抑えやすい方法です。
ただし、かぶせ工法を行えるのは、屋根の下地が劣化していない場合に限られます。
下地が腐食していたり、著しく傷んでいたりすると、かぶせ工法だけでは根本的な解決にはなりません。
施工から20年以上経っている場合や、過去に雨漏りの経験がある場合は、下地までしっかりと点検してもらいましょう。
葺き替え工事
既存のアスファルトシングルをすべて撤去し、新しい屋根材に交換する方法を「葺き替え工事」といいます。
屋根の下地から補修・交換を行うため、屋根材による問題を根本から解決できます。
屋根全体が新しくなると、防水性や耐久性が回復するでしょう。
一方で、既存の屋根材の撤去費用などが発生することから、費用が高くなる傾向にあります。
また、作業工程が多い分、工事期間も長くなりやすいです。
塗装工事
塗装工事が有効な症状は、屋根材表面の色あせやカビ・コケの繁殖、表面の石粒のはがれなどです。
塗装は屋根の美観を取り戻し、防水性や耐久性を高める役割を果たします。
塗装工事では、まず屋根を高圧洗浄で洗浄し、カビ・コケ・汚れを洗い流します。
その後、下地を塗布してから塗料を重ねていき、屋根を保護するのです。
なお、ひび割れや浮き上がりなどの劣化がひどい場合は、塗装では対応できない可能性があります。
塗装工事は、あくまで軽微な劣化に対する、予防的なメンテナンスとして考えましょう。
アスファルトシングルのメーカー・代表製品

アスファルトシングルのメーカー・代表製品を、5つピックアップしました。
・田島ルーフィング「シングル」
・田島ルーフィング「ロアーニⅡ」
・ニチハ「アルマ」
・旭ファイバーグラス「リッジウェイ」
・オーウェンスコーニング「オークリッジスーパー」
それぞれ説明していきます。
田島ルーフィング「シングル」
田島ルーフィングが製造するアスファルトシングル「シングル」は、国内で人気のある製品のひとつ。
アスファルトシングルは強風に弱いイメージがありますが、雨風を防ぐ仕組みにより高い風圧性を実現しています。
天然石を使った「ロフティー」という製品もあり、多様なデザインの住宅に合わせやすいのが特徴です。
参考URL:アスファルトシングル | 田島ルーフィング株式会社
田島ルーフィング「ロアーニⅡ」
田島ルーフィングの「ロアーニⅡ」は、「シングル」を改良した屋根材です。
「グラデーションカラー」や「天然砕石仕上げ」により、屋根に深みと高級感を演出できます。
耐久性・耐震性・防水性が高く、デザイン性と耐久性を両立させたい人におすすめです。
参考URL:よくわかる屋根材ロアーニ II
ニチハ「アルマ」
ニチハの「アルマ」は、米国生まれのアスファルトシングルです。
名前の「アルマ」はラテン語で「鎧」を意味しており、名前のとおり優れた耐久性と、洗練されたデザイン性を誇ります。
原材料取得から廃棄までの過程における二酸化炭素排出量が少ないことから、環境にも優しい屋根材といえます。
参考URL:アスファルトシングル アルマ|商品情報
旭ファイバーグラス「リッジウェイ」
旭ファイバーグラスの「リッジウェイ」の特徴は、独自の二層構造と粒状彩色石のグラデーションカラーです。
二層構造にすることで立体的なデザインとなり、高級感のある仕上がりになります。
さらに、耐風性能が高く、風速46m/sの強風にも耐えると実証されています。
参考URL:ファイバーグラスシングル リッジウェイ
オーウェンスコーニング「オークリッジスーパー」
オーウェンスコーニングの「オークリッジスーパー」は、アメリカで製造されているアスファルトシングル。
海外製品として、はじめて日本の防火試験(屋根飛び火認定試験)に合格しました。
「ライフタイムワランティー」という長期製品保証(期限付き)が受けられるので、安心して使用できるでしょう。
参考URL:オークリッジスーパー
後悔しないために!アスファルトシングルの特徴を理解しておきましょう

今回は、アスファルトシングルの特徴やメリット、デメリットを解説しました。
アスファルトシングルは軽量で耐震性が高く、コストパフォーマンスに優れている点がメリットです。
一方で、強風によるはがれや、カビ・コケが繁殖しやすいといったデメリットもあります。
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