ケレン作業とは?種類や道具、単価や外壁塗装での重要性についても解説の画像01

そこで本記事では、ケレン作業の内容や役割、種類や費用相場などについて詳しく解説します。
また記事の後半では、ケレン作業を依頼する業者の選び方についても取り上げます。
マイホームの外壁塗装を検討している方や、ケレン作業について詳しく知りたいと考えている方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。



ケレン作業とは外壁塗装における重要な下処理!

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ケレン作業とは、外壁塗装や屋根塗装における重要な工程のうちの一つです。
塗装は基本的に、外壁や屋根の洗浄→下地処理→塗装の順に進めます。
この下地処理の工程で、外壁や屋根の汚れ・サビ・古い塗膜などを取り除く作業が「ケレン」です
ケレン作業を省いてしまうと、塗装がきれいに仕上がらず、塗膜の耐久性が低くなってしまいます。
次の章で、「ケレン作業が必要な理由」についてさらに詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

塗装の前にケレン作業が必要な理由3つ

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塗装の前にケレン作業が必要な理由は、主に以下の3つです。

1.塗料の密着性を高めてくれる
2.塗料の寿命が伸びる
3.美しい仕上がりになる

以下でそれぞれを詳しく解説していくので、目を通しておきましょう。

1.塗料の密着性を高めてくれる

ケレン作業を行うと、塗料の密着性が高くなります。汚れやサビ、古い塗膜などの異物が取り除かれて、表面がきれいな状態になるからです。
塗料は、塗膜がしっかりと表面に密着してこそ、本来の機能を発揮できます。したがって、ケレン作業は塗料の性能を活かす重要な工程だといえるでしょう。

2.塗料の寿命が延びる

ケレン作業をしっかりと行っていれば、塗料の寿命が延びます。
塗膜が外壁面にしっかりと密着していれば、塗膜の乖離を防げるからです。
逆に、ケレン作業を行わず汚れやサビが残っている状態だと、塗膜が剝れやすくなります。
また、残っているサビが広がってしまい、外壁面を浸食してしまう可能性もあるでしょう。
塗料が本来の寿命に満たないうちに、再塗装が必要になるかもしれません。
したがって、メンテナンスの頻度を減らしたいのであれば、念入りなケレン作業が必要です。

3.美しい仕上がりになる

ケレン作業により塗料がしっかりと外壁面に密着していれば、仕上がりが美しくなります。
築年数が10年以上経っている住宅でも、新築のような外観に生まれ変わるかもしれません。
機能面だけではなく外観にも影響を与えるのがケレン作業です。

ケレンの種類4つ

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ケレン作業には4つの種類があります。

・1種ケレン
・2種ケレン
・3種ケレン
・4種ケレン

目的や塗装する面の状態に応じて、上記の4つのケレンを使い分けます。
以下でそれぞれを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

1種ケレン

大型な建物に対して用いられる工法が「1種ケレン」です。一般住宅で用いられることはほとんどありません。
1種ケレンは、サビによる腐食が進んでいる場合や、塗膜の完全な除去が求められる場合などに最適。
高圧ホースを使って、空気や水とともに研磨剤を噴射し、表面にある不純物を取り除いていきます。
大型の設備を使用するので騒音が大きく、粉塵も飛散します。
トラブルを避けるためには、工事前に周辺対策を行っておくことが大切です。

2種ケレン

サビが発生している面積が表面の30%以上を占める場合には、「2種ケレン」を行います。
2種ケレンは1種ケレンほど徹底的な工法ではありませんが、ディスクサンダーなどの動力工具を使ってしっかりと下地を整えていきます。
職人の手作業になるので、手間や時間がかかるのが特徴。費用も高額になります。
一般住宅においてサビや劣化が激しい場合には、2種ケレンを行う場合が多いです。

3種ケレン

古い塗膜全てを除去するのではなく、劣化して剥がれやすくなっている部分(死膜)のみを除去するのが「3種ケレン」です。
既存の塗膜をなるべく活かしていきます。
動力工具は使用せず、スクレーパーやワイヤーブラシを使用して塗膜やサビを取り除いていくのが特徴。
3種ケレンは、一般住宅の再塗装時に行われる場合が多い工法です。
ケレンの面積によって、さらにA~Cのランク付けがされます。

4種ケレン

既存の塗膜を活かして最小限の処理を施す工法が「4種ケレン」です。
表面を清掃・洗浄し、サンドペーパーや専用のスポンジなどで擦って細かい傷をつけていきます。
「わざわざ傷を作るのはなぜ?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、必要な作業です。細かい傷をつけると表面が凸凹になるので、塗料が密着しやすくなります。
4種ケレンは、比較的新しい外壁や、サビ・汚れがほとんどない住宅に採用されます。

ケレン作業にかかる単価の相場

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ケレン作業にかかる単価の相場は、ケレンの種類によって大きく変動します。
1種ケレンから4種ケレンまでの費用の目安を以下にまとめたので、目を通しておきましょう。

ケレンの種類 費用相場
1種ケレン 3,000円~4,000円/1㎡
2種ケレン 1,500円~2,000円/1㎡
3種ケレン 600円~1,000円/1㎡
4種ケレン 200円~400円/1㎡

表を見るとわかるように、大がかりなケレン作業になればなるほど費用も高くなります。
一般住宅の塗装リフォームの場合は、3種ケレンが採用される場合が多いです。劣化が少ない新しい住宅の場合は、4種ケレンが採用されるかもしれません。
実際には、職人が現場の状況を見てケレンの種類を決めるので、上記は参考程度に覚えておきましょう。

ケレン作業で使用する代表的な道具

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ケレン作業に必要な代表的な道具を、5つ紹介します。

1.ディスクサンダー
2.ワイヤーブラシ
3.スクレーパー(皮すき)
4.専用のスポンジ・パッド・たわし
5.サンドペーパー(紙やすり)

以下で各道具について詳しく解説していきます。

1.ディスクサンダー

「ディスクサンダー」とは、回転する研磨ディスクがついた動力工具です。広い面積を効率的に処理できるので、主に2種ケレンで使用されます。
ディスクサンダーを使用すると、削った下地の粉塵が周辺に飛散します。したがって作業員は、ヘルメットや防じんマスク、作業着の着用が必須です。
また、近隣住宅や自転車などへの飛散にも注意しなければなりません。

2.ワイヤーブラシ

「ワイヤーブラシ」は、主に3種ケレンで使用される金属製の道具です。汚れやサビ、古い塗膜などを擦って除去します
ワイヤーブラシは特に、サビがひどい部分や凸凹している表面に使うと効果的です。
手で持って使用するワイヤーブラシの他に、電動工具に取りつける「電動工具用ワイヤーブラシ」があります。

3.スクレーパー(皮すき)

サビや古い塗膜を手作業で削り取るときに使用するのが「スクレーパー(皮すき)」です。削りやすいように先端がヘラ状になっています。
幅が小さいスクレーパーを使用すれば、細かい場所や入り組んだ部分の処理も効率的に行えます。

4.専用のスポンジ・パッド・たわし

サビや汚れが軽度な場合に使用されるのが、専用のスポンジ・パッド・たわしなどです。
ケレン作業専用のものであれば研磨剤が含まれているので、効率的に表面を整えられます。
また柔軟性も高いので、曲面や、モルタル外壁のような凸凹した面にも対応可能です。

5.サンドペーパー(紙やすり)

紙や布に研磨剤を付着させたものが「サンドペーパー(紙やすり)」です。
表面を滑らかにしたり、細かい部分を仕上げたりする際に使われます。
サンドペーパーと一口にいっても、砥粒の種類や粒度によってさまざまな種類に分かれるので、作業内容に合わせて最適なものを選択します。

外壁塗装におけるケレン作業の注意点

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外壁塗装のケレン作業における注意点を、2つ紹介します。

1.工事内容にケレン作業が含まれているか確認する
2.ケレン作業にかかる費用が適切かどうか確認する

マイホームの外壁塗装を検討している方は、しっかりとチェックしておきましょう。
以下で詳しく解説していきます。

1.工事内容にケレン作業が含まれているか確認する

外壁塗装を業者に依頼するときは、ケレン作業が工事内容に含まれているかどうかを確認してください。
ケレン作業は、外壁塗装をきれいに仕上げるために必要な工程です。
もしケレン作業を省いてしまうと、美しく仕上がらないだけではなく、耐久性も低くなってしまいます。
しかし中には、ケレン作業を省いて手抜き工事をする悪徳業者も存在するのが現実です。
外壁塗装詐欺の被害を避けるためにも、ケレン作業の有無を確認するようにしましょう。

2.ケレン作業にかかる費用が適切かどうか確認する

必ず見積書を確認して、ケレン作業にかかる費用が妥当かどうかをチェックしておきましょう。
中には、ケレン作業にかかる費用を水増しして請求する悪徳業者も存在します
正しく作成された見積書であれば、「何種ケレンを適用するのか」まで記載されているはずです。書かれていない場合は業者に尋ねましょう。
「ケレン作業にかかる単価の相場」の章にある表を参考にしつつ、費用が適切かどうかを判断してください。

ケレン作業を依頼する業者の選び方4つ

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ケレン作業を含む塗装工事を業者に依頼する際は、以下の4つのポイントを意識するようにしましょう。

1.塗装に関する資格を保有している業者を選ぶ
2.業者の口コミ・評判をチェックする
3.業者の施工事例を確認する
4.複数の業者に見積もりを依頼してから決める

上記の4つを意識して選べば、優良な業者が見つかるはずです。
以下で詳しく解説していくので、ぜひ意識してみてください。

1.塗装に関する資格を保有している業者を選ぶ

高い技術力を求めるなら、塗装に関する資格を保有している業者がおすすめです。
外壁塗装は、特別な資格がなくても開業できる業種。したがって、依頼する業者によって能力には大きな差があります。
専門の資格を保有しているということは、知識や経験が豊富な証拠です。安心して工事を任せられるでしょう。
塗装に関する資格には、以下のようなものがあります。

・塗装技能士
・外装劣化診断士

ホームページや貰った資料などを確認して、資格を保有している業者に工事を依頼するようにしましょう。

2.業者の口コミ・評判をチェックする

業者の口コミや評判をチェックしておくことも大切です。
実際に工事を依頼した人たちのリアルな意見は、何よりも参考になります。業者の良い面だけではなく、悪い面も記載されている場合が多いからです。
たとえ見積もり時に良い印象を受けたとしても、口コミや評判が悪ければ、信頼できる業者だとはいえません。
第三者の意見も参考にしつつ、慎重に業者を選びましょう。
口コミや評判は、Googleマップや口コミサイトなどで確認できます。

3.業者の施工事例を確認する

業者が公式サイトやSNSなどで施工事例を公開していれば、必ず確認しておくようにしましょう。
施工写真を見れば、外壁塗装をきれいに仕上げてくれる業者かどうかがわかります。
また、口頭で説明されるよりも写真を見た方が、完成のイメージもつきやすくなりますよ。
自分の目でしっかりと確認して、信頼できると思った業者に工事を依頼しましょう。

4.複数の業者に見積もりを依頼してから決める

初めから1社に絞るのではなく、複数の業者に見積もりを依頼してから決めるのがおすすめです。
複数社の見積もりを比較すれば、費用の相場がわかります。大幅に高い金額を請求されたり、安い金額で手抜き工事をされたりするリスクが低くなるでしょう。
また、相見積もりをしている旨を業者に伝えれば、価格競争を促せます。最初に提示された金額よりも安く工事を請け負ってもらえるかもしれません。
見積書の内容をしっかりと比較して、優良な業者を見極めましょう。

ケレン作業についてもっと知りたい方に!インスタグラムの投稿から実例を紹介!

インスタグラムの投稿から、ケレン作業の実例を紹介します。「ケレン作業についてもっと詳しく知りたい!」という方は、チェックしておきましょう。

屋根塗装のケレン作業の様子

takahashi_tosou2017さんは、屋根にケレン作業を施している様子をわかりやすく動画で投稿しています。
この細かい作業を屋根全体に行うと考えると、手間と時間がかかる工程ですね…!
しかし、ケレン作業を丁寧に行うことで、仕上がりも美しくなります。
屋根塗装や外壁塗装において欠かせない、大切な工程です。

外壁塗装の下地処理の様子

hassen.aomoriさんは、外壁塗装の下地処理の様子をわかりやすい写真とともに解説しています。
高圧洗浄・ケレン作業・クラック補修をしっかりと行ってはじめて、塗装の段階に入れるのですね。
下地処理は塗装の仕上がりに直結します。
知識がない方だと下地処理を適切に行えない可能性が高いので、外壁・屋根の塗装はプロの業者にお願いするのがおすすめです。

ケレン作業に関するよくある質問

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最後に、ケレン作業に関するよくある質問2つに回答します。

雨戸やウッドデッキなどの塗装にもケレン作業は必要?

雨戸やウッドデッキなどを自分で塗装する際にも、ケレン作業を行った方が良いでしょう。
汚れやサビが残った状態のまま再塗装してしまうと、塗膜が剝れやすくなるので長持ちしません。
特に、木部への塗装は耐用年数が短いです。汚れや古い塗膜をしっかりと除去したうえで塗装をしないと、塗膜の浮きや塗りムラが生じやすくなります。

ケレンの語源は?

建築用語における「ケレン」には、明確な語源があるわけではありません。
ただ、英語の「clean(クリーン)」から来ているという説が有力です。

信頼できる業者にケレン作業を依頼しよう!

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ケレン作業は、外壁塗装においてなくてはならない工程です。外壁塗装の仕上がりを左右するといっても過言ではありません。
したがって、外壁塗装を美しく仕上げたいなら、ケレン作業を丁寧に行ってくれる業者に依頼しなければなりません
本記事では、「ケレン作業を依頼する業者の選び方」についても解説しました。
マイホームの外壁塗装を検討している方は、本記事の内容を参考にしつつ、信頼できる業者を見つけていきましょう。

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