
自宅の新築やリフォームを検討する際、外壁材選びは家の印象や機能性、メンテナンスの手間に関わる重要なポイントといえます。
特に、人気のサイディングは種類が豊富で、どれを選べばよいのか迷うかもしれません。
自宅に最適な外壁を選ぶには、サイディングの種類について理解することが大切です。
今回は、サイディングの種類ごとの特徴やメンテナンス周期について解説します。
さらに、サイディングの種類別に価格や耐用年数も説明しています。
あなたの家にぴったりなサイディングを見つけるための、ヒントが得られれば幸いです。
サイディングのおしゃれな実例も紹介します!
外壁材選びで悩んでいる人は、要チェックですよ!
- サイディングとは
- サイディングの種類一覧
- サイディングのメリット
- サイディングのデメリット
- サイディングと他の外壁材との違い
- サイディングがおすすめな人
- サイディングの種類ごとの価格
- サイディングをメンテナンスする目安
- サイディングの耐用年数・メンテナンス周期
- サイディングのおしゃれな実例【画像つき】
- サイディングは種類ごとにメリット・デメリットがある
サイディングとは

サイディングとは、サイディングボードとも呼ばれ、建物の外壁に用いられる板材のことです。
約7~8割の日本住宅で使われており、まさに主流といえる外壁材です。
サイディングが登場する前は、セメント・砂・水を混ぜて作る「モルタル壁」が一般的でした。
しかし、モルタル壁は職人の手作業に頼るため品質を一定にすることが難しく、ひび割れが起きやすいというデメリットがありました。
一方で、サイディングは工場で生産されるので、品質が安定しています。
木目調や石目調、レンガ調などデザインが豊富な点も、サイディングが選ばれる理由のひとつです。
サイディングの種類一覧

サイディングは、使われる素材によって大きく4つの種類に分けられます。
・窯業系サイディング
・金属系サイディング
・樹脂系サイディング
・木質系サイディング
それぞれの種類ごとの特徴やメリット、デメリットを見ていきましょう。
窯業系サイディング
窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料として、板状に加工された外壁材。
高いシェアを誇るサイディング外壁の中で、もっとも使用されているのが窯業系サイディングです。
窯業系サイディングのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・デザインやカラーが充実している ・比較的安価でコストパフォーマンスが優れている ・耐火性、耐候性が高い |
・耐水性が低い ・定期的なメンテナンスが必要となる ・夏は室内の温度が上がりやすい |
窯業系サイディングはデザイン性と機能性に優れており、新築・リフォーム問わず広く選ばれています。
ただし、水を吸いやすい性質を持つため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
具体的には、約10年に一度のペースで再塗装と、シーリング材の打ち替えが推奨されています。
金属系サイディング
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミニウムなどの金属板に、断熱材を裏打ちした外壁材です。
金属系サイディングの中でも、ガルバリウム鋼板のものが普及しています。
金属系サイディングのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・軽量で建物に負担がかかりにくく、耐震性が高い ・汚れが付きにくく、メンテナンス周期が長い ・金属ならではのスタイリッシュな質感を味わえる |
・サビが発生しやすい ・衝撃によって変形したり傷が付くことがある |
金属サイディングは窯業系よりも軽量で、建物への負担が少ないのが特徴です。
そのため、地震の揺れによる負荷を軽減し、高い耐震性を実現しています。
しかし、金属素材ゆえに、傷や凹みを放置するとサビが発生する可能性がありますよ。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは「塩化ビニル樹脂」を主な素材としている外壁材です。
北米地域で広く使われており、日本でも近年注目を集めています。
樹脂系サイディングのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・凍害や塩害に強い ・メンテナンスの手間が少ない ・軽量かつ丈夫で、耐震性が高い |
・デザインの選択肢が少ない ・施工できる業者が限られる |
樹脂系サイディングは顔料が素材に練り込まれており、色あせがほとんど起こりません。
また、金属サイディングよりも、さらに軽量で優れた耐震性を持っています。
一方で、他の種類と比較してデザインのバリエーションが少ない点が、デメリットとして挙げられるでしょう。
木質系サイディング
木質系サイディングは木材を使用して、表面に塗装を施してある外壁材です。
木材特有の温かみがあり、自然のぬくもりを感じられますよ。
木質系サイディングのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・断熱性が高い ・時が経つにつれて、色合いの変化を楽しめる ・木ならではの温かみのある質感を味わえる |
・他のサイディング種類よりも、メンテナンス周期が短い ・水が染み込むと腐食、劣化しやすい |
木質系サイディングは断熱性が高く、省エネ効果が期待できます。
ただし、木材は湿気を吸いやすく、定期的な塗装や防腐処理などのメンテナンスが必要です。
そのため「こまめに手入れをしてでも自然素材の美しさを味わいたい」という人におすすめです。
サイディングのメリット

サイディングのメリットは、主に3つあります。
・メンテナンスの手間があまりかからない
・デザインの選択肢が豊富
・他の外壁材よりもコストを抑えやすい
それぞれ解説していきましょう。
メンテナンスの手間があまりかからない
メンテナンスの手間があまりかからない点が、サイディングのメリットとして挙げられます。
たとえば、モルタル壁のような職人の手作業で仕上げる外壁材は、乾燥収縮によるひび割れが発生しやすいです。
対して、サイディングは工場で均一に生産されるため、ひび割れのリスクが比較的低いです。
もちろん、定期的な塗り替えや、シーリング補修といったメンテナンスは必要ですが、他の外壁材よりは管理が楽な傾向にあります。
特に、耐用年数の長い金属系・樹脂系サイディングを選べば、さらにメンテナンスの手間とコストを抑えられるでしょう。
デザインの選択肢が豊富
デザインの選択肢が豊富である点も、サイディングが人気である理由のひとつ。
木目調や石目調、レンガ調、タイル調など、まるで本物の素材のような質感を再現したデザインが多数そろっています。
和風・洋風・ナチュラル・モダンのような、多様な住宅デザインにも合わせやすいでしょう。
サイディングは、新築時だけでなく「リフォームで家の雰囲気を大きく変えたい」と考えている場合にも向いています。
他の外壁材よりもコストを抑えやすい
サイディングは、施工費と材料費の両面でコストを抑えやすいのが特徴です。
工場で大量生産されるため、他の外壁材よりも材料費が低価格になります。
加えて、職人の手作業による部分が少ないことから、施工期間が短縮され、人件費も削減可能です。
結果として、全体的なコストパフォーマンスに優れています。
サイディングのデメリット

サイディングのデメリットを2つ紹介します。
・塗膜やシーリングが劣化する
・種類によっては暑さや水に弱い
外壁材選びで後悔しないためにメリットだけでなく、デメリットも理解しておきましょう。
塗膜やシーリングが劣化する
サイディング表面に施されている塗装は、水を弾く役割を担っていますが、紫外線や雨風に常にさらされて少しずつ劣化していくものです。
劣化を放置していると色あせやチョーキング、ひび割れが発生します。
サイディングボードの継ぎ目を埋める、シーリング(コーキング)材も同様に、時間が経つにつれてひび割れ・はがれが生じます。
使用する塗料や外壁材、環境によって変動しますが、メンテナンス周期の目安は以下のとおりです。
・外壁の塗り替え……約10~20年
・シーリングの補修……約5~10年
種類によっては暑さや水に弱い
サイディングの種類によっては、暑さや水に弱い可能性があります。
種類ごとの特徴を、次の表にまとめました。
窯業系 | 金属系 | 樹脂系 | 木質系 | |
---|---|---|---|---|
断熱性 | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
耐火性 | 〇 | △ | △ | △ |
防水性 | △ | 〇 | 〇 | △ |
耐候性 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
防汚性 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
メーカーごとに特徴は異なるため、上記はあくまで参考としてご活用ください。
自宅の立地条件や気候を考慮した上で、外壁材を選ぶことが大切です。
サイディングと他の外壁材との違い

サイディングの理解を深めたところで、サイディングと他の外壁材との違いを説明します。
・モルタルとの違い
・タイルとの違い
・ALCとの違い
以下で詳しく解説していきます。
サイディングとモルタルとの違い
サイディングとモルタルは、住宅の外壁で広く使われる素材ですが「製造方法」に違いがみられます。
サイディング | モルタル |
---|---|
・工場で板状に成形されたものを、現場で張り付ける ・作業時間が短くなり、費用を削減できる |
・セメント・砂・水を混ぜたものを、職人が現場で直接壁に塗る ・継ぎ目がない一体感のある仕上がりになる ・作業時間が長くなり、コストがかかる |
サイディングは工場で板状に成形されたものを、現場で張り付ける外壁材です。
一方で、モルタルはセメント・砂・水を混ぜたものを、職人が現場で直接壁に塗ります。
モルタルは継ぎ目がない一体感のある仕上がりになり、重厚感や独特の風合いを味わえるでしょう。
ただし、手作業が多い分だけ施工時間がかかり、費用も高くなりやすいですね。
サイディングとタイルとの違い
サイディングとタイルは「耐久性」と「施工費用」において異なる特徴を持っています。
サイディング | タイル |
---|---|
・耐用年数は20〜40年程度 ・手作業の工程が少なく、費用を抑えられる |
・耐用年数は40年以上 ・材料費が高く、人件費がかさむことで施工費用が高額になりやすい |
サイディングの耐用年数は種類によって異なりますが、一般的に20〜40年程度です。
これに対して、タイルは40年以上持つものも存在します。
タイルの耐久性が高いのは、無機物から作られることで紫外線の影響を受けにくいからです。
注意点として、タイルは他の外壁材よりも材料費が高額になりやすいです。
手作業で貼り付けるための人件費もかかるため、施工費用は高くなる傾向にあります。
サイディングとALCとの違い
ALCはコンクリートの一種で、軽量気泡コンクリートを板状にしたパネルを用いる外壁材です。
どちらもパネル状の外壁材ですが、両者は「特性」に違いがあります。
サイディング | ALC |
---|---|
・窯業系サイディングは、他の外壁材よりも断熱性が低い ・金属系、樹脂系サイディングは防水性に優れている |
・断熱性に優れている ・防水性が低い |
ALCは空気の層が断熱材となり、夏は涼しく・冬は温かい室内を作り出します。
しかし、ALCは防水性が低く、その分だけ塗装で防水保護を施さなければいけません。
どの機能を重視するのかを検討してから、使用する外壁材やサイディングの種類を選びましょう。
サイディングがおすすめな人

サイディングがおすすめな人の特徴は、次のとおりです。
・工期を短くしたい
・初期費用をできるだけ抑えたい
・豊富なデザインや色の中から気に入ったものを選びたい
・定期的にメンテナンスを行える
サイディングは他の外壁材と比較して、工期が短く初期費用を抑えられます。
デザインの自由度も高いため、家の個性や雰囲気を追求したい場合に満足できるでしょう。
どんな外壁材でもメンテナンスは欠かせませんが、サイディングは比較的メンテナンスの周期が短めです。
そのため、定期的な点検や補修に対応できる人が、サイディングに向いています。
サイディングの種類ごとの価格

サイディングの種類ごとに、目安となる価格をまとめました。
サイディング種類 | 1平方メートルあたりの価格 |
---|---|
窯業系サイディング | 3,000~6,000円 |
金属系サイディング | 4,000~8,000円 |
樹脂系サイディング | 5,000~9,000円 |
木質系サイディング | 6,000~10,000円 |
外壁塗装や張り替え工事全体の費用を考える際には、上記の材料費に加えて
・足場代
・既存の外壁材の撤去費用
・下地補修費用
・シーリング工事費用
・塗装費用
・諸経費
などがかかります。
単価だけでなく「総額でいくらになるのか」を把握してから工事を進めましょう。
サイディングをメンテナンスする目安

サイディングをメンテナンスする目安となる劣化症状を、いくつか紹介します。
・チョーキング(外壁を触ると白い粉が付着する現象)
・ひび割れ、穴、へこみ
・はがれ、色あせ
・カビ、藻、コケ
・シーリングのはがれ
・サイディングボードの反り、浮き
これらの劣化症状は、外壁が傷んでいるサインです。
放置すると劣化が進み、補修費用がさらに高くなる恐れがあります。
早めの対応が、結果的に家の寿命を延ばし、修繕費用を抑えることにつながりますよ。
サイディングの耐用年数・メンテナンス周期

サイディングの種類ごとに、耐用年数・メンテナンス周期を説明します。
サイディング種類 | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
---|---|---|
窯業系サイディング | 20~40年 | 7~10年 |
金属系サイディング | 30~40年 | 10~25年 |
樹脂系サイディング | 25~30年 | 10~20年 |
木質系サイディング | 20~40年 | 5~10年 |
耐用年数はあくまで目安であり日当たりや気候、日頃の手入れなど、さまざまな要因によって変動します。
メンテナンスのタイミングを判断できないときは、専門の業者に点検を依頼しましょう。
サイディングのおしゃれな実例【画像つき】
最後に、サイディングのおしゃれな実例を、画像つきで3つ紹介します。
サイディング実例①
こちらは、ニチハの窯業系サイディング「イルミオ」を使用した実例です。
まるで本物のタイルのような重厚感が感じられるのは、目地が目立たない「シーリングレス工法」を採用しているからなんだとか。
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サイディング実例②
m_home.5さんは自宅の外壁に、ニチハの窯業系サイディング「フラットウォール」を使っています。
目地が目立ちにくく、シンプルかつシャープなデザインです。
m_home.5さんは、知らないと損する家づくり情報を発信しています。
子育て中でもスッキリ見える、空間作りのアイデアも紹介しているので要チェックです!
サイディング実例③
こちらの実例は、ホワイト×ウッドで北欧かわいい玄関を実現しています。
外壁には、窯業系サイディングの「キャスティングウッド」と「リントロック調」を組み合わせているんだそう。
hi.my_homeさんは、北欧ナチュラルのかわいいおうち作りについて発信しています。
ナチュラルテイストな家を作りたい人は、ぜひ参考にしてみてください!
サイディングは種類ごとにメリット・デメリットがある

今回は、サイディングの種類ごとの特徴やメンテナンス周期について解説しました。
サイディングには、窯業系・金属系・樹脂系・木質系の種類があります。
「できるだけ初期費用を抑えたい」や「デザイン性を重視したい」などのニーズに合わせて、サイディングの種類を選ぶことがポイントです。
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