
後悔しないためにも、工法の特徴をしっかりと把握したうえで屋根のリフォームを行いたいですよね。
そこで本記事では、屋根のカバー工法の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。費用相場や耐用年数、注意点についても取り上げるので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
- 屋根のカバー工法とは?
- カバー工法に向いている屋根材
- カバー工法の実施が難しい屋根材
- カバー工法の費用相場
- カバー工法の耐用年数
- 屋根のカバー工法のメリット
- 屋根のカバー工法のデメリット
- 葺き替え工事とカバー工法はどちらがおすすめ?
- 屋根をカバー工法でリフォームする場合の工事の流れ
- 屋根のカバー工法に使う屋根材のおすすめ5選
- 後悔しないために!カバー工法を検討する際の注意点
- 屋根のカバー工法を依頼する業者を選ぶときのポイント
- 屋根のカバー工法のリフォーム事例をインスタグラムから紹介
- カバー工法で安く・美しく屋根をリフォームしよう!
屋根のカバー工法とは?
屋根の「カバー工法」とは、古い屋根材の上に新しい屋根材を重ねる施工方法のことです。
「重ね葺き」や「カバールーフ工法」という別名で呼ばれる場合もあります。
屋根の「葺き替え」工事とは違って古い屋根材を撤去する作業がないので、低コスト・短期間で作業が完了するのが特徴です。
以下で、カバー工法の仕組みをさらに詳しく解説していきます。
カバー工法の仕組み
先述したように、「カバー工法」は、古い屋根材の上に新しい屋根材を被せる工事です。
正確にいうと、新しい防水シートと新しい屋根材の2つを被せます。
つまり、下から順に「野地板(下地)・防水シート・古い屋根材・防水シート・新しい屋根材」の5層になるということです。
屋根材だけではなく新しい防水シートも重ねるので、防水機能を高められるのがメリット。また、複数の層が重なっているので断熱効果も高まります。
差し込み葺きはカバー工法ではない
最近では、「差し込み葺き」という工法も登場しています。「差し込み葺き」とは、古い屋根材の上に、コの字型の鉄板を接着剤で張る施工方法のことです。
「差し込み葺き」のことを「カバー工法」と呼んで販促している業者も存在しますが、「差し込み葺き」と「カバー工法」は実は全く異なる工法なので、注意してください。
「差し込み葺き」の場合は防水シートを新しく重ねるわけではないので、防水機能の回復は見込めません。
見た目が良くなったとしても屋根の機能は劣化したままなので、一時的な処置に過ぎないといえるでしょう。
カバー工法に向いている屋根材

実はカバー工法は、どんな屋根にでも適用できるというわけではありません。基本的には、凹凸がない平板状の屋根材にのみ施工可能です。
具体的には、以下の3つの屋根材がカバー工法に向いています。
1.スレート屋根
2.アスファルトシングル
3.金属屋根
以下で詳しく解説していくので、参考にしてください。
カバー工法に向いている屋根材1.スレート屋根
カバー工法の施工事例が最も多いのが「スレート屋根」です。
スレート屋根とは、セメントを主成分とする薄い板のような屋根材のこと。表面が平らなので、カバー工法に最適です。
スレート屋根は、2000年頃までは日本で最も人気のある屋根材でした。現在は金属屋根にトップを譲っていますが、多くの建物に使用されています。
カバー工法に向いている屋根材2.アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、アスファルトを主成分にした屋根材のことです。アメリカで人気の屋根材ですが、日本でも取り入れる人が増えています。
低価格なうえに、軽量で耐震性が高いのが魅力的です。
アスファルトシングルのうえに金属屋根を重ねるカバー工法はもちろんですが、アスファルトシングルの上にアスファルトシングルを重ねることも可能ですよ。
カバー工法に向いている屋根材3.金属屋根
金属屋根とは、金属板を使用した屋根材のことです。ガルバリウム鋼板やトタン、ステンレスやアルミなど、さまざまな種類があります。
金属屋根の上に金属屋根を重ねるカバー工法も、基本的には可能です。ただ、波型トタン屋根などのように表面に凹凸があると、カバー工法の実施は難しくなります。
カバー工法の実施が難しい屋根材

次に、カバー工法の実施が難しい屋根材を2つ紹介します。
1.瓦屋根
2.劣化が進んだスレート屋根や金属屋根
自宅の屋根材に当てはまる部分はないか、しっかりと確認しておきましょう。
カバー工法の実施が難しい屋根材1.瓦屋根
瓦屋根にはカバー工法は適用できません。
瓦屋根とは、瓦を使用した日本の伝統的な屋根材です。表面が波のような形になっているので、上から新しい屋根材を重ねるのが難しくなります。
また、瓦屋根は重いので、カバー工法でさらに重さが追加されると、耐震性が低くなる危険性もあります。
上記のような理由から、瓦屋根にはカバー工法ではなく葺き替え工事が最適です。
カバー工法の実施が難しい屋根材2.劣化が進んだスレート屋根や金属屋根
スレート屋根や金属屋根でも、劣化が進んでいるとカバー工法は難しくなります。
カバー工法はあくまで新しい屋根材を重ねる工事なので、内部の補修まではできないからです。
劣化が進んで野地板(下地)の部分まで傷んでしまっている場合は、古い屋根材を撤去して、まずは野地板を補修しなければなりません。
内部の傷みを放置したままカバー工法を行ってしまうと、後々さらに大きな被害に繋がる恐れもありますよ。
屋根材の劣化が進んでいる場合は、まずは業者に事前調査をお願いして、カバー工法ができるかどうかを判断してもらいましょう。
カバー工法の費用相場

屋根のカバー工法にかかる費用は、平均すると120万円程度です。
しかし実際には、屋根の形状や大きさ、劣化状況などによって費用は大きく変わります。50万円~300万円程度まで変動すると考えておきましょう。
かかる費用の内訳を以下にまとめるので参考にしてください。
・足場代…600~1,500円/㎡
・下地(野地板・コンパネなど)…1,500~2,500円/㎡
・防水シート…500〜1,500円/㎡
・棟板金・ケラバ・軒の取り付けなど…3,000〜11,000円/㎡
・新しい屋根材の施工費用…5,000〜11,000円/㎡
・工事管理費・諸経費…「5,000円/日」や「工事費の5〜10%」など
さらに詳しく知りたい方は、まずは業者に無料点検をお願いする方法がおすすめです。
カバー工法の耐用年数

カバー工法の耐用年数は、上から重ねる屋根材に何を使用するかによって変動します。
一般的には金属屋根を使用するので、耐用年数は20年〜30年程度だと考えておきましょう。
ただし、上記は点検やメンテナンスをしっかりと行った場合の耐用年数です。「何もせず放置していても30年もつ」というわけではないので注意してください。
10年に1度はメンテナンスを行うのがおすすめ
カバー工法の耐用年数は20年〜30年程度ですが、10年に1度はメンテナンスをお願いするようにしましょう。
10年ほど経過すると、塗膜の劣化が始まるからです。屋根材の表面を保護している塗膜が劣化すると、紫外線や熱の影響をもろに受けるようになります。
その結果、内部の劣化が進みやすくなるので、放置していると耐用年数が短くなってしまうでしょう。
10年に1度はメンテナンスを依頼し点検・補修を行ってもらうことが、カバー工法を長持ちさせる秘訣です。
屋根のカバー工法のメリット

カバー工法で屋根のリフォームを行うメリットを5つ紹介します。
1.工事費用を抑えられる
2.工事期間を短くできる
3.断熱性・防音性・防水性が向上する
4.近所トラブルを避けられる
5.アスベストを処分する必要がない
カバー工法を検討している方は、しっかりと確認しておきましょう。以下で詳しく解説していきます。
カバー工法のメリット1.工事費用を抑えられる
葺き替え工事を行うよりも費用を抑えられるのが、カバー工法の魅力です。
カバー工法は新しい屋根材を上に重ねる工事なので、古い屋根材を撤去する必要がありません。
屋根材を撤去するのにかかる人件費や廃材処分費が発生しないので、結果的に費用が安くなります。
屋根のリフォームを安く済ませたい方は、カバー工法を選択するとよいでしょう。
カバー工法のメリット2.工事期間を短くできる
カバー工法で屋根のリフォームを行う場合は、葺き替え工事よりも工期が短くなります。
古い屋根を撤去する作業がない分、工程が少ないからです。
カバー工法の工期の目安は1週間〜2週間程度。葺き替え工事の場合は長ければ1ヶ月程度かかるので、大きな差が生まれます。
工事期間が短ければ、近隣の家に気を遣うストレスも少なくなるでしょう。
カバー工法のメリット3.断熱性・防音性・防水性が向上する
屋根のカバー工法を行えば、断熱性・防音性・防水性が向上します。
既存の屋根材に新しい屋根材を重ねるだけではなく、防水シートも新たに加えるので、層が厚くなるからです。
「快適な室温を保ちやすくしたい」「雨音がうるさくて気になる」「雨漏り対策をしておきたい」という方は、ぜひカバー工法を検討してみてください。
カバー工法のメリット4.近所トラブルを避けられる
屋根のカバー工法は葺き替え工事に比べると、近所トラブルが起こりづらいといえるでしょう。
古い屋根材を撤去する作業工程がないので、騒音や埃・塵が発生するリスクが少ないからです。
「リフォーム工事をします」と近隣に挨拶回りをしていたとしても、やはり大きな物音や埃・塵は気になってしまうもの。カバー工法なら工期も短いので、周囲の方にあまり迷惑をかけずに済むでしょう。
カバー工法のメリット5.アスベストを処分する必要がない
カバー工法は古い屋根材をそのままにしておけるので、アスベストが含まれていたとしても処分する必要がありません。
2004年以前に作られたスレート屋根には、アスベストが含まれている可能性があります。
アスベストは人体に悪影響を与える物質なので、専門の業者に処分を依頼しなければなりません。
つまり、屋根の葺き替え工事を行うとなると、葺き替え工事の費用に加えて、アスベストの処理費用がかかるということです。
一方でカバー工法なら、既存の屋根材を撤去する必要がないので、アスベストの処理費用もかかりません。
ちなみに、スレート屋根に含まれるアスベストは粉砕しない限り空中には飛散しないので、安心してください。
屋根のカバー工法のデメリット

カバー工法で屋根のリフォームを行うデメリットを3つ紹介します。
1.耐震性が低くなる可能性がある
2.内部のダメージまで修復できるわけではない
3.火災保険の申請が通らない場合が多い
後悔しないために、デメリットもしっかりと把握したうえでリフォーム方法を選択するようにしましょう。
以下で詳しく解説していきます。
カバー工法のデメリット1.耐震性が低くなる可能性がある
カバー工法で屋根のリフォームを行うと、耐震性が低くなる可能性があります。既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根材を重ねるので、重量が増えるからです。
ただ、カバー工法に多く用いられる金属屋根は、軽量な屋根材です。たとえば古いスレート屋根に金属屋根を重ねたとしても、重量は約23kg〜26kg/㎡程度。
瓦屋根の重量が約60kg/㎡なので、それに比べれば軽いことがわかります。
葺き替え工事を行うよりは耐震性が低くなりますが、過度に気にする必要はないでしょう。
カバー工法のデメリット2.内部のダメージまで修復できるわけではない
カバー工法はあくまで外側に新しい屋根材を重ねる施工方法なので、内部のダメージまで修復できるわけではありません。
屋根材の内部まで劣化が進んでいると、カバー工法で一時的に機能が回復したとしても、時間が経てばさらに大きなトラブルが出てくる可能性もありますよ。
まずは業者に細部まで点検を行ってもらい、「カバー工法でも大丈夫かどうか」を判断してもらいましょう。
カバー工法を希望していても、葺き替え工事が必要になる場合もあるので、心得ておいてください。
カバー工法のデメリット3.火災保険の申請が通らない場合が多い
カバー工法でのリフォームを選択すると、火災保険の申請が通らない場合が多いです。
強風や雪の影響で屋根が破損してしまった場合、「火災保険を利用したい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
しかし、火災保険の対象となるのは「被害に遭う前の状態に戻す工事」です。カバー工法は上に屋根材を重ねる施工方法なので、以前の状態に戻すわけではありません。
したがって、火災保険の申請を通したい場合は、カバー工法ではなく葺き替え工事を検討するのがおすすめです。
葺き替え工事とカバー工法はどちらがおすすめ?

葺き替え工事にもカバー工法にもメリット・デメリットがあるので、優劣はつけられません。屋根の状況や予算によって、どちらを選ぶべきかも変わってくるでしょう。
葺き替え工事とカバー工法のメリット・デメリットをわかりやすく表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
葺き替え工事 | ・屋根の下地の寿命が伸びる ・耐震性が高くなる ・火災保険の申請が通りやすい |
・費用が高い ・工期が長い ・騒音や塵が発生する |
カバー工法 | ・費用が安い ・工期が短い ・断熱性や防音性が向上する |
・劣化が進んでいる屋根には施工できない ・内部の傷みは改善されない ・耐震性が低くなる |
両者のメリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、最適なリフォーム方法を選択しましょう。
屋根をカバー工法でリフォームする場合の工事の流れ

カバー工法で屋根をリフォームする場合の工事の流れを簡単に説明します。
1.棟板金の撤去・清掃
2.ルーフィング工事
3.新しい屋根材の設置
4.貫板の設置
5.棟板金の設置
6.コーキング処理
工事の流れをざっくりと把握していれば、何かあった時も適切な対処ができるようになるでしょう。
以下で各工程について解説していくので、ぜひ参考にしてください。
1.棟板金や貫板の撤去・清掃
まずは、棟板金・貫板・雪止めなどを撤去します。棟板金・貫板・雪止めは、カバー工法でも交換が必要な部分です。
撤去が完了したら、屋根の清掃を行います。
2.ルーフィング工事
次に、ルーフィング工事に入ります。ルーフィングとは、防水シートを敷いていく作業のことです。
軒先から棟に向かって敷いていきます。
防水シートの設置が終わったら、棟板金や貫板を取り付ける下地の設置も行います。
3.新しい屋根材の設置
次に、新しい屋根材を設置していきます。防水シートと同様に、軒先側から作業を進めていきます。
4.貫板の設置
屋根材の設置が終わったら、貫板を設置します。貫板は木製のものが多いですが、腐食しにくいプラスチック樹脂製のものが選ばれる場合もあります。
5.棟板金の設置
貫板の設置が終わったら、棟板金を被せていきます。棟板金は風邪の影響を受けやすい部分なので、飛散しないようにしっかりと固定していきます。
6.コーキング処理
次に、棟板金同士が隣り合う部分の隙間にコーキング処理を行います。コーキングがしっかりと行えていないと雨水が侵入してしまうので、大切な工程です。
周辺をテープで養生した後にコーキングを充填し、ヘラで表面を整えていきます。
コーキングが乾いたら工事は完成です。
屋根のカバー工法に使う屋根材のおすすめ5選

屋根のカバー工法におすすめのメーカー商品を5つ紹介します。
1.ニチハ「超高耐久 横暖ルーフ」
2.アイジー工業「アイジールーフ」
3.旭ファイバーグラス「リッジウェイ」
4.ケイミュー「ROOGA(ルーガ)」
5.ディートレーディング「ディーズルーフィング」
メーカーや商品についての知識があれば、リフォーム会社との打ち合わせもスムーズに進みます。
屋根のカバー工法を検討している方は、目を通しておきましょう。
【金属製屋根材1】ニチハ「超高耐久 横暖ルーフ」
ニチハの「超高耐久 横暖ルーフ」は、新築はもちろん、カバー工法のリフォームにも最適な屋根材です。
耐久性・防火性・断熱性に優れており、住まいの美しさを長く保ってくれるのが魅力。「塗膜15年保証」をはじめとする保証も充実しているので、施工後も安心です。
和風にも洋風にもマッチするデザインなので、理想のマイホームに仕上げられるでしょう。
【金属製屋根材2】アイジー工業「アイジールーフ」
アイジー工業の「アイジールーフ」は、屋根材と断熱材が1つになった人気の金属屋根材です。令和2年度に文部科学大臣表彰の「科学技術賞」を受賞しています。
軽量でありながらも抜群の断熱性・遮熱性を誇っているので、寒い地域や沿岸部にある住宅にも安心して使用できるのが特徴。
また、穴あきや赤さびに対する保証も充実しています。
【アスファルトシングル】旭ファイバーグラス「リッジウェイ」
旭ファイバーグラスの「リッジウェイ」は、アスファルトシングルの屋根材です。
非常に軽量なので、カバー工法を行っても耐震性への影響が少ないのが魅力的。浮きや剝れが起きにくい素材なので、風が強い地域にもおすすめです。
ランダムな粒状彩色石のグラデーションカラーも「リッジウェイ」の特徴。デザイン性が高いおしゃれな屋根に仕上がります。
【セメント瓦】ケイミュー「ROOGA(ルーガ)」
ケイミューの「ROOGA(ルーガ)」は、カバー工法におすすめのセメント瓦です。
セメント瓦と聞くと重いイメージがありますが、「ROOGA(ルーガ)」は従来のセメント瓦の2分の1の重量を実現しています。
また、軽さだけではなく耐久性も兼ね備えており、衝撃にも強いです。
重厚感のある屋根に仕上げたい方は、ぜひ検討してみてください。
【ジンカリウム鋼板】ディートレーディング「ディーズルーフィング」
ディートレーディングの「ディーズルーフィング」は、ジンカリウム鋼板の屋根材です。
ガルバリウム鋼板よりもさらに耐久性が高いといわれており、長期に渡って美観を保持できます。
表面に天然の石粒が施されているので、雨音を吸収してくれるのが最大の魅力。防水性・防火性も高く、軽量なので耐震性への影響も心配ありません。
後悔しないために!カバー工法を検討する際の注意点

屋根のカバー工法を検討する際の注意点を、4つ紹介します。
1.建物によっては確認申請が必要である
2.再度屋根のリフォーム工事を行うときに費用がかさむ
3.カバー工法を行っている業者は少ない傾向にある
4.アスベスト問題を先送りすることになる
「葺き替え工事にすれば良かった」と後悔しないように、しっかりと確認しておきましょう。以下で詳しく解説していきます。
注意点1.建物によっては確認申請が必要である
「葺き替え工事ではなくカバー工法なら確認申請は必要ないだろう」と考えている方は多いかもしれませんが、建物の形によっては確認申請が必要です。
具体的には、木造3階建て以上、もしくは鉄筋2階建て以上の住宅であれば、確認申請が必要になるでしょう。
ただ、行政(自治体)によって確認申請の基準は異なります。不安な場合はお住まいの市町村に問い合わせてみてください。
確認申請は専門的な知識が必要になる作業なので、業者に依頼するのがおすすめです。
注意点2.再度屋根のリフォーム工事を行うときに費用がかさむ
カバー工法で屋根のリフォームを行うと、再度リフォーム工事を行うときに費用がかさみます。
古い屋根材と新しい屋根材の2つを撤去しなければならないため、その分かかる人件費や廃材処分費が多くなるからです。
したがって、カバー工法は一時的な費用の節約に過ぎないといえるでしょう。
現在の住宅に長く住み続ける予定があるなら、カバー工法ではなく葺き替え工事を選択するのも一つの方法です。
注意点3.カバー工法を行っている業者は少ない傾向にある
カバー工法を行っている業者は、塗装業者などに比べると少ない傾向にあります。
選択肢の幅が狭まる分、「信頼できる業者かどうか」をしっかりと見極める必要があるでしょう。
ただ最近では、リフォームでカバー工法を選択する方が増えているので、施工可能な業者も増えつつあります。
注意点4.アスベスト問題を先送りすることになる
古いスレート屋根にアスベストが含まれている場合、カバー工法を選択すると、アスベスト問題を先送りすることになります。
カバー工法では既存の屋根を撤去しないので、アスベストが屋根に残り続けるからです。
20年〜30年が経ち、カバー工法で新しく重ねた屋根材が劣化しはじめたときには、葺き替え工事が必要になります。
そうなると、内部にあるアスベストを含んだスレート屋根も撤去しなければならないので、アスベストの処分費用がかかります。
つまり、カバー工法を選択しても、いずれはアスベストの処分が必要になるということです。
問題を残しておくのが不安な方は、今葺き替え工事を行い、アスベストを処分してしまった方が良いかもしれません。
屋根のカバー工法を依頼する業者を選ぶときのポイント

カバー工法を依頼する業者を選ぶときのポイントを、3つ紹介します。
1.複数の業者に見積りを依頼する
2.施工事例を確認する
3.利用者の口コミをチェックする
リフォーム工事の完成度は業者次第だといっても過言ではありません。満足のいくリフォームを行うためには、信頼できる業者に工事を任せることが大切です。
以下で各ポイントを詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
業者選びのポイント1.複数の業者に見積りを依頼する
初めから1つの業者に絞るのではなく、複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
業者の中には、相場よりも大幅に高い金額を提示する悪徳業者も存在します。
また逆に、必要な工程を省き、安い金額で工事を請け負う業者も存在しますよ。正しい方法で工事が行われていないと、施行不良が起きるリスクも高くなります。
工事費用が正しく計算されているかどうかを確かめるためにも、複数の業者の見積もりを比較してから決めるようにしましょう。
業者選びのポイント2.施工事例を確認する
業者が担当したリフォーム工事の施行事例を確認する方法もおすすめです。
言葉や文字だけで説明を受けても、「どんな風に仕上がるのか」を想像するのは難しいですよね。
施行事例の写真を確認すれば、イメージも湧きやすくなるでしょう。
公式サイトで施行事例を公開している業者もいれば、InstagramなどのSNSで写真を投稿している業者も存在します。
写真を確認してから工事を依頼すれば、「出来上がった状態がイメージしていたものと違う」といったトラブルも起こりづらくなりますよ。
業者選びのポイント3.利用者の口コミをチェックする
リフォーム工事を依頼する前に、利用者の口コミ・評判を確認しておきましょう。
実際に利用した人たちのリアルな意見は、何よりも参考になる情報です。施工技術が高い業者には、自然と良い口コミが多く寄せられていきます。
逆に、口コミが悪い・口コミがない場合は、いくら公式サイトなどに良い文言が書かれていたとしても、信頼できる業者だとはいえません。
口コミはGoogleマップや口コミサイトなどで確認できるので、忘れずにチェックしておきましょう。
屋根のカバー工法のリフォーム事例をインスタグラムから紹介
最後に、屋根のカバー工法のリフォーム事例をインスタグラムの投稿から紹介します。カバー工法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
スーパーガルテクトを使用したカバー工法
こちらは、スーパーガルテクトを使用したカバー工法の事例です。
少し古びたような印象だった屋根が、綺麗に生まれ変わりましたね。
スーパーガルテクトは、耐久性や耐候性が高いと注目を集めている屋根材です。
見た目だけではなく機能面も充実しているので、カバー工法に興味がある方は、ぜひ検討してみてください。
スレート屋根×ガルバリウム鋼板のカバー工法
こちらは、スレート屋根の上にガルバリウム鋼板を重ねたカバー工法の事例です。
「一般的な住宅」のイメージから、モダンでスタイリッシュな印象に変わりましたね。
カバー工法は、この事例のように、住宅のイメージをチェンジをしたい方にもおすすめです。
断熱効果が期待できるカバー工法
こちらも、スーパーガルテクトを使用したカバー工法の事例です。
スーパーガルテクトには、断熱性が高いというメリットもあります。
カバー工法は葺き替え工事よりも屋根の層が厚くなるので、断熱効果もより発揮されるでしょう。
寒い地域や暑い地域にある建物でも、室内の温度を保ちやすくなりますよ。
カバー工法で安く・美しく屋根をリフォームしよう!

屋根のリフォームにかかる費用を抑えたいなら、葺き替え工事よりもカバー工法がおすすめです。
見た目は美しくなるだけではなく、断熱性や防音性が高まるというメリットもあります。
また、工期が短く埃・塵が舞うリスクも少ないので、近隣にあまり迷惑をかけずにリフォーム工事を行えます。
マイホームの屋根の劣化が気になっている方は、本記事の内容を参考にしつつ、カバー工法を検討してみてはいかがでしょうか。
外壁塗装の窓口では、全国4000社以上の優良店の中からユーザーの要望に沿った施工店をご紹介します。見積もりを依頼後でも料金や施工店の対応に納得がいかなければ断ることも可能なので、気軽に利用してみてくださいね。
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