
本記事では、外壁塗装の費用相場やその内訳を詳しく解説し、坪数ごとの見積もりシミュレーションや費用を安く抑えるコツなど、知っておくべきポイントをご紹介します。これから外壁塗装を検討している方が、安心してリフォームを進められるよう、ぜひお役立てください。
- 外壁塗装の費用相場
- 外壁塗装の費用内訳シミュレーション
- 外壁塗装の費用相場を左右する要素
- 外壁塗装塗料の種類とその費用
- 外壁塗装費用を安く抑えるコツと注意点
- 外壁塗装費用の支払い方法
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外壁塗装の費用相場

外壁塗装の費用は、塗装面積や塗料の種類、施工方法によって大きく変わります。まずは外壁塗装の費用相場を大まかに把握し、どのくらいの予算が必要なのか、どういう内訳となるのかポイントを紹介します。
坪数別の外壁塗装相場
外壁塗装の価格を決める主な要素は塗装面積です。全体の外壁面積から窓など塗装しない部分の面積を引いたものが塗装面積となります。
自宅の塗装面積を把握している方はかなり少ないと思いますので、坪数別の大まかな目安金額でどのくらいかかるか見てみましょう。
坪数(延坪)別の外壁塗装相場
坪数(延坪) | 外壁塗装相場 |
---|---|
30坪 | 60~100万円 |
40坪 | 80~130万円 |
50坪 | 100~160万円 |
60坪 | 120~200万円 |
※ここでの「坪数」は延坪(建物の各階の床面積をすべて合計したもの)を指し、「建坪(建物を真上から見たときの面積)」とは異なるため注意が必要です。
外壁塗装の費用内訳
外壁塗装の費用は、以下のような要素で構成されています。
費用 | 割合 |
---|---|
材料費 | 20% |
人件費 | 30% |
足場代 | 20% |
諸経費・運営費 | 30% |
材料費は塗料やその他の資材にかかる費用で、品質により変動します。
人件費は塗装作業を行う職人の賃金で、作業の規模や難易度によって異なり、足場代は高所作業の安全確保のための設置費用です。
諸経費・運営費には廃材処分費、事務手数料、現場管理費などが含まれています。これらの費用項目の割合を理解することで、見積もりの適正さを判断しやすくなります。
外壁塗装の費用内訳シミュレーション

外壁塗装の費用には、塗料代だけでなく、さまざまな項目が含まれています。
ここでは、具体的な事例をもとに、作業項目ごとの費用内訳をシミュレーションし、実際に何にどのくらいの費用がかかるのか紹介します。
【外壁塗装工事の条件】
・30坪(延坪)、外壁塗装面積118.8㎡、ラジカル系塗装・サイディングボード・2階建て
作業項目ごとの費用内訳(目安)
作業項目 | 費用 |
---|---|
足場 | ¥154,000 |
飛散防止ネット | ¥39,000 |
高圧洗浄 | ¥27,000 |
養生 | ¥48,000 |
シーリング & 打ち増し | ¥103,000 |
下地処理 | ¥23,000 |
下塗り(シーラー) | ¥96,000 |
ラジカル系塗装 | ¥239,000 |
ラジカル系塗装(2回目) | ¥239,000 |
廃棄物処理・ゴミ処理・雑費 | ¥23,000 |
合計 | ¥991,000 |
※上記の金額はおよその目安です。作業項目の呼び方、金額は業者により異なります。
参照:外壁塗装の見積もりはここをチェック!見積書の見方と注意点外壁塗装の費用相場を左右する要素

外壁塗装の費用は、坪数や塗料の種類だけで決まるものではなく、さまざまな要素が影響します。ここでは、外壁塗装の費用相場を左右する主な要素について見ていきます。
要素1.塗装面積
塗装面積が広ければ広いほど、必要な塗料の量が増え、作業時間も長くなるため、その分人件費もかさみます。同じ建物でも延坪数が異なれば、塗料の使用量と塗装にかかる時間が変わり、最終的な費用に大きな差が生まれます。
要素2.塗料の種類
塗料の種類にはアクリル塗料、シリコン塗料、無機塗料などのさまざまな種類・グレードがあり、耐久性や機能性が高いものほど1㎡あたりの単価も上がります。
要素3.コーキング(シーリング)工事の有無
コーキング工事は、外壁の目地部分に施すコーキング材(シーリング材)の充填作業のことを指します。この工事は、外壁の防水性を保ち、建物の劣化を防ぐために非常に重要です。特に、目地のある外壁材を使用している場合、コーキング工事はほぼ必須となります。外壁の種類やデザインによって目地の長さが異なるため、コーキングに必要な材料や作業量も変わり、結果として費用に影響を与えます。
要素4.屋根塗装の有無
外壁塗装と同時に屋根塗装を行うかどうかは、費用に大きく影響します。一般的に、屋根塗装を追加すると10〜20万円の費用がプラスされるケースが多いです。外壁と屋根は外壁塗装工事前に一緒に点検する場合が多く、屋根塗装が必要かどうかは、屋根の劣化状態で判断されます。
要素5:防水工事の有無
防水工事には、簡易的なトップコートを塗るメンテナンスと、本格的な防水工事の2種類があります。簡易的なトップコートの場合、費用は数万円程度のプラスにとどまりますが、ベランダ防水工事を行う場合は、10~20万円ほど追加費用がかかる場合があります。工法や使用する塗料によっても異なりますが、防水工事のタイミングは10~15年に一度くらい必要となります。
要素6:付帯物の数
外壁塗装の費用には、建物本体だけでなく、付帯物の塗装も含まれます。付帯物とは、雨樋や窓枠、シャッターなど、建物に付随する小さな部位を指します。これらの塗装面積はそれぞれ小さいものの、すべてを塗装するとトータルで5~10万円程度の費用がかかるケースが多いです。
要素7:補修工事の有無
ひび割れなどの劣化が進んでいる場合、その補修が必要になります。ひび割れ補修は、劣化の規模や範囲によって費用が異なりますが、一般的には5~10万円程度かかるケースが多いです。補修工事を怠ると、塗装の効果が十分に発揮されず、再びメンテナンスが必要になることもあります。
要素8:施工時期
外壁塗装の費用は、施工時期によっても変動します。一般的に、春と秋は天候が安定しているため施工に適した季節とされ、多くの業者が繁忙期を迎えます。このため、需要が高まる分、費用も高くなる傾向があります。一方、冬や梅雨時期は天候の影響で施工が難しいことから閑散期となり、費用が安くなることが多いです。
参照:外壁の塗り替えに適した時期外壁塗装塗料の種類とその費用

外壁塗装に使用する塗料は、アクリル、シリコン、フッ素、無機塗料などさまざまな種類があり、それぞれ費用や耐用年数に大きな違いがあり、価格にも差があります。単価の安い塗料は耐用年数も短く、何度も塗り替えが必要になり、長期的にはコストがかかってしまいます。
外壁塗装の塗料の種類毎の平米単価と、耐用年数は以下の通りです。
塗料名 | 1㎡あたりの価格 | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,400~1,600円 | 4~7年 |
ウレタン塗料 | 1,700~2,200円 | 8~10年 |
シリコン塗料 | 2,300~3,000円 | 10~15年 |
ラジカル塗料 | 2,500~3,000円 | 12~15年 |
フッ素塗料 | 3,800~4,800円 | 15~20年 |
光触媒塗料 | 4,200~5,000円 | 15~20年 |
無機塗料 | 4,500~5,500円 | 20~25年 |
ウレア塗料 | 5,000~6,000円 | 25~30年 |
参照:外壁塗装の塗料の種類と選び方
外壁塗装費用を安く抑えるコツと注意点

外壁塗装は大きな投資となるため、少しでも費用を抑えたいと考える方は多いでしょう。しかし、安さを追求すると、品質が低下し、結果的に追加費用がかかることもあります。そうならないために、ここでは、外壁塗装費用を賢く抑えるための具体的なコツと、注意すべきポイントを紹介します。
相見積もりを取ろう!
外壁塗装を行う際、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は、適正な費用相場を把握するために有効です。
相見積もりは、少なくとも3社程度から取ることをおすすめします。
それぞれの見積もりを比較することで、どの業者が適正価格で質の高いサービスを提供しているかが見えてきます。また、費用差の理由を業者に直接確認することで、隠れたコストや追加料金の有無を把握しやすくなります。
外壁塗装に使える助成金・補助金を活用しよう!
外壁や屋根の塗装工事に利用できる助成金・補助金制度として、国で設けられた「長期優良住宅化リフォーム推進事業」があります。
塗装工事単体では利用できませんが、耐震性や省エネ性などを良くするリフォームと一緒に外壁や屋根の塗り替えをした時だけ、補助の対象になります。
ただし、助成金制度は全国で利用できるわけではなく、自治体によって条件や規定が異なるため、詳細は各自治体で確認が必要です。
足場仮設費用が無料の場合は要注意!
一部の業者は「足場代無料で工事」を謳っていることがありますが、これには注意が必要です。足場仮設には通常10~20万円程度の費用がかかるため、その費用が本体工事や他の項目に上乗せされている可能性があります。足場代が含まれていない見積もりを受け取った場合は、総額で他社と比較検討し、透明性のある見積もりを提供している業者を選ぶようにしましょう。
外壁塗装費用の支払い方法

外壁塗装の費用の支払い方法には、現金払い、クレジットカード払い、リフォームローンなど、さまざまな選択肢があります。それぞれの支払い方法の特徴について見ていきましょう。
現金払い
現金払いは、支払うタイミングによって次のような支払い方法があります。
・全額後払い
施工が完了してから施工料金を全額支払う「全額後払い」は最も一般的な支払い方法です。工事内容を確認してから支払うため、万が一のトラブルにも対応しやすいというメリットがあります。
・施工前半分、施工後半分払い
施工前半分、施工後半分払いという支払い方法は、施工料金の半額を着工前に前払いし、残りを施工後に支払う2回払いの形式です。この方法も比較的安全で、業者にとっても安心感があります。
・全額先払い
「全額先払い」という支払い方法は、着工前に施工料金を全額支払う形式です。しかし、優良業者がこの方法を採用することはほとんどなく、悪質業者である可能性が高いため注意が必要です。
クレジットカード払い
外壁塗装の支払い方法として、クレジットカードを利用することも可能です。ただし、対応している業者は少なく、カードのポイントを貯めたい場合などは、あらかじめ業者に対応状況を確認しましょう。
リフォームローンで払う
外壁塗装などの大きなリフォームには、リフォームローンを活用することができます。リフォームローンには、住宅金融支援機構や財形住宅融資、自治体住宅融資などの公的機関が提供しているもの、都市銀行、地方銀行、信用金庫などの民間機関が提供しているものなどがあります。
リフォームローンは、担保の有無によって「無担保ローン」と「有担保ローン」に分かれ、ローンを組む際の担保の有無以外に、金利の高さや審査の厳しさなどに違いがあります。無担保ローンは、担保が不要で手続きが簡単ですが、その分金利が高めです。有担保ローンは、担保を提供する代わりに金利が低く、長期的な返済に向いています。しかし、手続きが多く、審査に時間がかかるという点には注意が必要です。
財形貯蓄(財形住宅)制度で積み立てた貯蓄を使う
財形貯蓄は、給料から自動的に天引きされる形で毎月積立を行う制度で、将来の大きな支出に備えるための手段として広く利用されています。財形貯蓄には、一般財形、財形年金、財形住宅の3種類がありますが、外壁塗装などのリフォームに活用できるのは「財形住宅」です。
この制度を利用できるのは、財形住宅制度を導入している企業に勤めている55歳未満の従業員に限られ、他にも施工料金がが75万円以上であることや、施工後の床面積が50㎡以上であること、などの条件があり、事前によく確認する必要があります。
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