外壁塗装でローンを組むメリット・デメリットは？審査が通らないときの対処法や金利の相場を解説

外壁塗装を検討する際には、ローンを利用することも選択肢の１つとなります。しかし、外壁塗装のためにローンを組むとなると「金利が高くなるのでは？」「ローン審査が通らないのでは？」という不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、外壁塗装ローンのメリット・デメリットと金利の相場、ローン審査が通らない場合の対処法について、詳しく解説します。事前に不安な点をなくして正しい選択ができるようにしましょう。

• 外壁塗装でローンを組むメリット
• 外壁塗装でローンを組むデメリット
• 外壁塗装のローン利用が向いている人
• 外壁塗装ローンの金利相場
• 固定金利と変動金利の違い
• 外壁塗装のローン返済額と利息をシミュレーション
• 外壁塗装ローンの種類と特徴
• 外壁塗装のローン利用の流れ
• 外壁塗装でローンを利用する際の注意点
• 外壁塗装のローンが通らない時の対処法
• 外壁塗装でローン以外で使えるリフォーム支援制度
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外壁塗装でローンを組むメリット

まずは外壁塗装でローンを組むことの具体的なメリットについて見ていきましょう。

手元資金が不足していても工事ができる

ローンを利用することで、手元資金が不足していても、早急に外壁塗装を依頼することが可能です。資金を貯める時間を節約でき、急ぎの工事にも対応できます。

また、ローンを利用すれば現金の持ち出しを最小限にでき手元資金を残すことができるため、子どもの進学費用や他の住宅メンテナンスなど、将来の出費や予期せぬ事態に備えることができます。さらに、ローンを利用することで月々の支払いに分散でき、予算管理がしやすくなります。

特に金利が低いローンを選ぶことで、支払い総額を抑えることができるため、家計への負担を軽減することが可能です。

高グレードな塗料選択でき、長い目で見るとお得

ローンを利用することで、早めに外壁塗装を行い、将来的な修繕費用を抑えることができます。外壁の劣化を早期に対処することで、問題が悪化する前に必要な工事を済ませることができるため、大規模な修繕を避けられ、結果的に費用削減につながります。

また、ローンを利用することで、耐用年数が長い高性能な塗料を選ぶことが可能になります。このような塗料を使用することで、メンテナンスの頻度を減らすことができ、長期的には経済的に優れた選択となります。

参照：外壁塗装の塗料の種類と選び方

外壁塗装でローンを組むデメリット

外壁塗装の費用をローンで賄うことは、多くのメリットがありますが、その一方でいくつかのデメリットも存在します。ここでは外壁塗装のローンについてデメリットを解説していきます。デメリットを事前に把握し、賢い選択をできるようにしておきましょう。

金利がかかる

ローンを利用すると、借入額に対して金利が発生するため、現金一括払いよりも最終的な返済総額が増えることになります。一般的に、外壁塗装ローンの金利は1%〜15%の範囲で設定されており、これは金融機関やローンの種類によって異なります。

そのため、金利の負担を軽減するためには、なるべく低金利の金融機関を選ぶことが重要です。金利が高いと、長期的に見て支払う利息が大きくなり、家計に負担をかける可能性があるため、ローンを組む際は慎重な比較検討が必要です。

申請と審査の手間がかかる

ローンを利用する際には、まず審査を受ける必要があります。この審査では、職種や収入などが考慮され、条件によってはローンが利用できない場合もあります。ローンの申請には、申し込み、審査待ち、そして返済といった一連の手続きが伴い、これらには時間と手間がかかります。スムーズに進めるためには余裕を持って手続きする必要があります。さらに、完済時の年齢などの条件も確認しておく必要があります。

返済計画を考える必要がある

ローンを利用すると、毎月の出費が増えるため、将来的な家計の変動に対応する必要があります。現在の家計では問題がなくても、経済状況が変化した場合には返済が負担となるリスクがあります。そのため、返済計画を立てる際には、将来の収入や支出を見据え、自身の経済状況を慎重に考慮する必要があります。

外壁塗装のローン利用が向いている人

手元資金を温存したい人

貯金を崩したくない、あるいは大学や高校進学を控えた子供がいるなど、将来的なライフイベントに備えて資金を確保しておきたい人にとって、ローンの利用は有効です。手元資金を温存することで、進学費用や他の重要な支出に備えることができ、予期せぬ出費が発生した際にも安心です。

手持ちの現金に対して膨大な費用が見込まれる人

外壁塗装に充てるまとまった資金が手元にない場合や、外壁の劣化が進行しており、予想以上に工事費がかかると見込まれる場合には、ローンの利用が適しています。特に一括で支払えそうにない費用が発生する場合、ローンを利用することで無理なく工事を進めることができます。

参照：外壁塗装の見積書の注意するポイント

高品質な塗料を選びたい人

長期的に塗り替え費用を抑えたい、あるいは耐久性に優れた最高級の塗料を選びたいと考えている人にとって、ローンの利用はメリットがあります。グレードの高い塗料を使用することで、塗り替えの頻度を減らし、長期的には経済的なメリットが得られるため、高品質な選択が可能になります。

参照：外壁塗装の塗料の種類と選び方

外壁塗装ローンの金利相場

外壁塗装に利用できるローンには、大きく分けて有担保ローンと無担保ローンの2種類あり、金利相場にも大きな違いがあります。ここでは、それぞれの金利相場と特徴について見ていきます。

有担保ローンと無担保ローンの違い

項目	有担保ローン	無担保ローン
担保	返済不能時の代償として建物や土地	不要
申請手続き・審査	時間がかかる	簡単
金利	低め（1％以下の場合もある）	高め（3～18％）

有担保ローンは、土地や建物などを担保にして借り入れるローンで、金利が比較的低いのが特徴です。例えば、金利は0.6％からと非常に低く設定されることが多く、返済総額を抑えることができます。ただし、手続きに時間がかかり、審査も厳しいというデメリットがあります。
自宅の住宅ローンが完済している・返済が進んでいるなどの状況だと、自宅を担保にローンを組むことができる場合があります。

一方、無担保ローンは担保が不要で、手続きが比較的簡単で迅速に行えるというメリットがありますが、金利は３〜１８％程度と高めに設定されることが一般的です。そのため、金利負担が大きくなる可能性があります。

金利の低さを重視するのであれば、銀行が提供する有担保ローンが適していますが、手軽さや迅速な対応を求める場合は、無担保ローンが選択肢となります。どちらのローンが適しているかは、個々の状況やニーズに応じて判断しましょう。

固定金利と変動金利の違い

外壁塗装のローンの金利タイプには、「固定金利」と「変動金利」の2つのタイプがあり、それぞれに異なる特徴とメリットがあります。ここでは、それぞれの特徴について見ていきます。

固定金利

固定金利のローンは、申し込み時に決定した金利が完済まで変動しない点が特徴です。これにより、経済情勢に影響されることなく、毎月の返済額が一定であるため、家計管理がしやすくなります。また、変動金利のローンと比較して、将来的に金利が上がるリスクがないため、安心して返済を続けられます。

変動金利

変動金利のローンは、市場の金利動向に応じて定期的に金利が見直される仕組みです。申し込み時点での金利が、そのまま完済まで続くわけではなく、経済状況や政策金利の変更によって、金利が上がることもあれば下がることもあります。金利が下がれば返済負担が軽くなる一方、金利が上昇した場合には返済額が増加するリスクも伴います。

固定金利選択型

固定金利選択型のローンは、最初の数年間は金利が固定されるため、その間は毎月の返済額が安定しています。この固定期間が終了すると、再度金利を固定するか、変動金利に移行するかを選択することができます。ただし、固定期間が終わった後の金利の変動は予測が難しく、経済状況によっては金利が大きく上昇するリスクもあります。そのため、固定金利選択型を選ぶ際には、固定期間終了後の金利リスクを十分に考慮し、慎重に判断することが求められます。

外壁塗装のローン返済額と利息をシミュレーション

【シミュレーション条件】
・金利：実質年率2.5％
・返済方法：元利均等方式（毎月の返済額が常に一定となるように設定された返済方式）
・金利タイプ：固定金利
※金利については、各金融機関や商品によって異なりますので、あくまで目安としてください。

返済期間／借入額別の毎月の返済額シミュレーション結果

返済期間/ 借入額	1年 (12回払い)	3年 (36回払い)	5年 (60回払い)	10年 (120回払い)
80万円 (総返済額)	67,600円 (810,900円)	23,100円 (831,200円)	14,200円 (851,800円)	7,500円 (904,900円)
100万円 (総返済額)	84,500円 (1,013,600円)	28,900円 (1,039,000円)	17,700円 (1,064,800円)	9,400円 (1,131,200円)
120万円 (総返済額)	101,400円 (1,216,300円)	34,600円 (1,246,800円)	21,300円 (1,277,800円)	11,300円 (1,357,400円)
140万円 (総返済額)	118,300円 (1,419,000円)	40,400円 (1,454,600円)	24,800円 (1,490,700円)	13,200円 (1,583,700円)
160万円 (総返済額)	135,100円 (1,621,700円)	46,200円 (1,662,400円)	28,400円 (1,703,700円)	15,100円 (1,810,000円)
180万円 (総返済額)	152,000円 (1,824,500円)	52,000円 (1,870,200円)	31,900円 (1,916,700円)	17,000円 (2,036,200円)
200万円 (総返済額)	168,900円 (2,027,200円)	57,700円 (2,078,000円)	35,500円 (2,129,700円)	18,900円 (2,262,400円)

外壁塗装ローンの種類と特徴

外壁塗装で利用できるローンには、銀行系ローン、信販系ローン、クレジットカード会社のローンなど、さまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を理解して、ローンを組む際にどの種類にするか、よく検討するようにしましょう。

ローンの種類	メリット	デメリット
銀行系フリーローン	金利が安め（最低1％台から） 地方銀行ではさらに低金利の可能性がある	申し込み手続きが複雑 審査に時間がかかる（最悪1ヶ月以上） 利用する銀行の口座が必要
信販系フリーローン	審査結果が早く出る（遅くても2日以内、早ければ申込み日） 特典やキャンペーンが豊富 手続きは業者に委託できる 銀行で審査落ちした人でも借りられる可能性がある	金利が比較的高め（2％～10％以上） リボルビング払い方式が多い 金利が時期によって変動する（年度末は高くなる傾向）
クレジットカード会社のリフォームローン	手続きがスムーズ（塗装業者の提携先紹介） 申し込み書の記入や必要事項の調査をサポート	金利が銀行よりも高い クレジットカード会社と提携していない業者では利用できない

外壁塗装のローン利用の流れ

外壁塗装でローンを利用する際には、スムーズに進めるために、事前に流れを把握しておくことが重要です。ローンの申し込みから審査、返済計画の立案まで、それぞれのステップには注意すべきポイントを見ていきましょう。

ローンの申し込み

外壁塗装のローンを利用する際は、工事を開始する前にローンの申し込みを行います。申し込みの際には、金融機関へ直接足を運ぶか、施工業者が提携している金融機関を利用する方法があります。
自分で金融機関を選ぶ場合は、金利や返済期間などの条件を複数比較検討しましょう。施工業者提携のローンは手続きがスムーズですが、言われるがままに契約すると、不利な条件になる可能性もあります。利率や条件を他ローンと比較し確認することが大切です。

審査の通過

ローンの申し込み後、金融機関による審査が行われます。審査では、信用情報や収入状況、勤務先、他に抱えているローンの有無などが確認されます。審査結果は、通常数日から数週間で通知されますが、スムーズに審査を通過するためには、事前に信用情報を確認し、必要があれば訂正しておくことが重要です。万が一、審査に通らなかった場合には、申込条件の見直しや他の金融機関を検討することも考慮しましょう。

返済計画の立案

審査を通過した後は、月々の返済額や返済期間を慎重に検討し、自身の経済状況に合った計画を組み立てましょう。返済期間が長い場合、利息総額は増加しますが、月々の返済額は小さくなります。一方で、返済期間が短いと月々の返済額は大きくなりますが、利息総額を抑えることができます。

また、予期せぬ事態に備えて、計画には余裕を持たせることが大切です。必要に応じて金融機関と交渉し、返済計画の変更が可能な場合もありますので、柔軟に対応しましょう。

外壁塗装でローンを利用する際の注意点

総支払額が増える

ローンを組むと、金利が発生するため、現金払いよりも総支払額が増える点に注意が必要です。金利は借入先やプランによって異なるため、選択時には慎重に比較検討しましょう。自身の収入や家計の状況をしっかりと把握し、無理のない範囲での借り入れを心がけることが大切です。

年齢と返済期間

年齢によっては、返済期間が短く設定される場合があります。特に年齢が高いと、返済期間が短縮され、月々の返済額が高額になる可能性があり、生活費を圧迫するリスクが生じます。また、退職後も返済が続くことが考えられるため、返済期間と完済時の年齢を慎重に考慮しましょう。

申請と審査のタイミングと条件

外壁塗装でローンを利用する際は、塗装工事の前に申請を行う必要があります。工事が始まってからや終了後ではローンの利用ができないため、施工業者にローン申請の予定を伝え、必要書類の準備を依頼しましょう。

また、申請をしても審査が通らない可能性もあります。審査では、収入、借入金額、職業、年齢、居住地などがポイントとなりますが、ローン会社によって基準が異なるため、自分に合ったローン会社を選ぶことが重要です。複数の金融機関を比較検討し、最適なプランを選択することで、スムーズなローン利用が可能になります。

外壁塗装のローンが通らない時の対処法

外壁塗装のローンを申請しても、審査が通らない場合があります。ここでは、ローン審査に通らない理由と具体的な対処法について解説していきます。 一度審査に落ちてもここの内容を参考に再度のローン申請を検討してみてはどうでしょうか。

外壁塗装のローン審査が通らない理由

外壁塗装のローン審査が通らない場合、次のような理由が考えられます。

理由１：職業や年収が基準未満
無職や専業主婦の場合、ローンの審査が厳しくなります。勤続年数が重要で、給与取得者は1〜2年以上、自営業者は2年以上が求められます。最低年収は一般的に200万〜300万円が基準となり、年齢制限は借入時に70歳、完済時に80歳までが多いです。年金受給者も条件次第ではローンの利用が可能です。

理由２：返済の負担が大きすぎる
返済負担率が審査の基準となり、これは年収に対する年間ローン返済額の割合です。年収250万円未満の場合、返済負担率は25%以内が適正とされ、年収400万円以上では35%以内が適正です。

理由３：保険に加入できない
多くの金融機関では、生命保険への加入がローン審査の条件となります。病気や治療中の方は保険加入が難しく、これが原因でローンの審査が通らない場合があります。

外壁塗装のローンの審査に通りにくい人の特徴

外壁塗装のローンの審査に通りにくい人には次のような特徴があります。

・不安定な収入
・過去の金融履歴に問題（多額の借入れや延滞）
・特に過去5年間の延滞があると審査に影響
・勤続年数が短い（特に1年未満）
・自営業や個人事業主（収入の変動が大きい、書類が多く必要）
・複数のローンがある（住宅ローンや車のローンなど）
・支払いの遅延や滞納履歴（61日以上の遅延は信用情報に「異動」として記録）
・返済負担率が高い（年間返済額が年収の30〜35％以上）

自分が当てはまる項目がないかを確認し、次項の対処法を検討してみましょう。

外壁塗装のローンが通らない時の対処法

ローンの審査に落ちても、申請内容や自身の状況を改善すれば、審査に通ることもあります。ローンが通らない時は次の対処法を検討してみてください。

対処法１：自身の借入状況を確認、ローン申請金額を最低限にする
・他のローンを完済しておく：既存の借り入れを減らし、返済能力を高める。
・借入金額を最低限度にする：リフォーム内容を見直したり、DIYや親族からの借り入れで、借入金額を減らす。
・年収を夫婦で合算する：夫婦や親子の収入を合算し、返済負担率を下げる。

対処法２：複数の金融機関やローン商品を検討する
・他の金融機関を検討する：複数の金融機関を比較し、条件に合うところを選ぶ。
・メインバンクでの申し込み：給与振込先など、普段利用している金融機関で申し込む。メインバンクでの実績が審査に有利になる場合がある。
・ローンの金額や返済期間を見直す：金額や返済期間を調整し、審査通過の可能性を高める。
※借り入れを検討・実施する際は、専門の金融機関やファイナンシャルアドバイザーに相談することをおすすめします。ご自身の収支を十分考慮した上で借り入れを検討しましょう。

対処法３：その他の対策と長期的な計画
・健康状態や保険の条件を確認する：団体信用生命保険に加入できるか確認し、条件に合うローンを選ぶ。
・勤続年数や雇用形態の見直し：勤続年数や雇用形態が不安定な場合は、リフォームを先送りして貯金する。勤続年数が短く、それが会社の倒産やキャリアアップによる転職が理由の場合、借入先に事前に伝える。

外壁塗装でローン以外で使えるリフォーム支援制度

外壁塗装の工事内容や目的によっては、自治体の助成金や補助金が利用できる場合があります。ここでは、外壁塗装に活用できる助成金や補助金について見ていきます。

外壁塗装に使える助成金・補助金制度

外壁や屋根の塗装工事に利用できる助成金・補助金制度として、国で設けられた「長期優良住宅化リフォーム推進事業」があります。

塗装工事単体では利用できませんが、耐震性や省エネ性などを良くするリフォームと一緒に外壁や屋根の塗り替えをした時だけ、補助の対象になります。

省エネ住宅に改修するための補助金制度では、遮熱塗料での外壁や屋根塗装が対象となる場合があります。

また一般的な住宅リフォーム資金への助成制度もあり、条件を満たせば、外壁や屋根塗装などの外装工事も申請可能となっています。
助成する条件としては、自治体により変わりますが、工事完了後〇年以上居住することなどが規定されることがあります。

助成金・補助金は全国で利用できるわけではない

外壁塗装の助成金制度は日本全国全ての自治体で実施されているわけではありません。助成金がない自治体や、受け取り条件が細かく規定されている自治体もあります。

助成金や補助金の支給を受けるには、申請後に審査があります。例えば、特定の年数以上居住することや、省エネ効果が証明される塗料を使用することなどが条件となる場合があります。

対象となる工事内容や対象者の条件など、細かい規定については各自治体のホームページや窓口で確認すると良いでしょう。

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