外壁塗装の基礎知識!費用の相場、補助金・助成金、塗料の種類を初心者向けに解説の画像01

外壁塗装は家を長持ちさせるための大事なメンテナンスです。外壁塗装を行うのは10~20年に1度。失敗したくないとは、誰しもが考えることでしょう。
この記事では、外壁塗装を考えている初心者の方向けに費用の相場から使える自治体の補助金・助成金、塗料の種類などについて詳しく解説します。


外壁塗装の費用の相場はどのくらい?

まずは、外壁塗装の大まかな費用の相場から見ていきましょう。

坪数ごとの外壁塗装の費用相場

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外壁塗装の価格を決める主な要素は塗装面積です。全体の外壁面積から窓など塗装しない部分の面積を引いたものが塗装面積です。
自宅の塗装面積と言われてもわからないと言う人が大半でしょう。そこでここでは、坪数別の大まかな目安金額でどのくらいかかるか見てみます。

▶ 坪数(延坪)別の外壁塗装相場

坪数(延坪) 外壁塗装相場
30坪 60〜100万円
40坪 80〜130万円
50坪 100〜160万円
60坪 120〜200万円

ここでの「坪数」は延坪(建物の各階の床面積をすべて合計したもの)を指し、「建坪(建物を真上から見たときの面積)」とは異なるため注意が必要です。

屋根も塗装する場合の外壁塗装の費用相場

外壁塗装と屋根塗装を同時に行う場合の費用相場は、外壁塗装費用にプラス20~40万円程度が必要です。例えば、30坪の建物では、費用はおおよそ80〜140万円となります。
外壁と屋根の工事を一緒に行うと足場設置代が1回分で済み、お得です。そのため、外壁と屋根の塗装工事を一緒に依頼するケースが多いです。

外壁塗装の費用内訳

外壁塗装の費用には、塗料などの材料費だけでなく、人件費(工事代)や足場代など、さまざまな費用が含まれます。以下は、主な費用項目とその内容です。

▶主な費用項目

費用項目 内容
材料費 塗料やシーリング材などの材料費
人件費 職人の工賃
足場代 足場の設置と解体にかかる費用
高圧洗浄 外壁を洗浄するための費用
養生費 塗装しない部分を保護するための養生費
飛散防止ネット 塗料の飛散を防ぐためのネット設置費用
その他諸経費 廃棄物処理費用など

材料費は塗料やその他の資材にかかる費用で、品質により変動します。人件費は作業の規模や難易度によって異なります。
外壁塗装の費用の割合は、大まかには以下のような主要な要素で構成されています。

▶ 費用の割合(目安)

費用 割合
材料費 20%
人件費 30%
足場代 20%
諸経費・運営費 30%

費用項目が全体の何割を占めるかの目安を理解することで、見積もりの適正さを判断しやすくなります。

外壁塗装に使える助成金・補助金

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外壁塗装の工事内容や目的によっては、自治体の助成金や補助金が利用できる場合があります。ここでは、外壁塗装に活用できる助成金や補助金について見ていきます。

外壁塗装に使える助成金・補助金制度

外壁や屋根の塗装工事に利用できる助成金・補助金制度として、国で設けられた「長期優良住宅化リフォーム推進事業」があります。
塗装工事単体では利用できませんが、耐震性や省エネ性などを良くするリフォームと一緒に外壁や屋根の塗り替えをした時だけ、補助の対象になります。
省エネ住宅に改修するための補助金制度では、遮熱塗料での外壁や屋根塗装が対象となる場合があります。
また一般的な住宅リフォーム資金への助成制度もあり、条件を満たせば、外壁や屋根塗装などの外装工事も申請可能となっています。
助成する条件としては、自治体により変わりますが、工事完了後〇年以上居住することなどが規定されることがあります。

助成金・補助金は全国で利用できるわけではない

外壁塗装の助成金制度は日本全国全ての自治体で実施されているわけではありません。助成金がない自治体や、受け取り条件が細かく規定されている自治体もあります。
助成金や補助金の支給を受けるには、申請後に審査があります。例えば、特定の年数以上居住することや、省エネ効果が証明される塗料を使用することなどが条件となる場合があります。
対象となる工事内容や対象者の条件など、細かい規定については各自治体のホームページや窓口で確認すると良いでしょう。

助成金・補助金の違い

助成金と補助金は、どちらも国や地方自治体が提供する返済不要の資金です。受け取る側から見ると大きな違いはありませんが、それぞれにいくつかの特徴があります。
補助金の特徴は、支給額の総額の予算があり、その予算内で期間内の支給額を賄う点です。申請が多く、予算の枠がいっぱいになると締め切られる場合があります。そのため、補助金を受け取るためには、早めの申請が必要です。
一方、助成金の特徴は、特定の条件を満たせば支給されるケースが多いことです。助成金は予算の枠にとらわれず、条件さえ満たせば支給されることが多いため、比較的受け取りやすいといえます。

外壁塗装の各工程とかかる期間

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外壁塗装工事が具体的にはどのように進められていくのか、初めて依頼する場合はわからないものです。ここでは、具体的にはどのような工程が必要か、また工事にかかる期間について見ていきます。

外壁塗装工事前に行うこと

外壁塗装工事を始める前に、いくつかの準備が必要です。
書面での契約後、塗料の色などの具体的な打ち合わせがあります。業者が提供するカラーシミュレーションなどを活用して仕上がりイメージを確認しましょう。
工事が開始する1週間前くらいには近隣へご挨拶があります。工事中の騒音や臭いで迷惑をかけることがあるため、事前に工事の予定を知らせてトラブルを防ぎます。
これらの準備をしっかり行うことで、スムーズな工事が実現します。

工事開始後の工程

外壁塗装工事は、基本的に以下のステップで進行します。

工程名 工事内容
①足場の設置 安全に作業するための足場の組み立て(建物全体に養生が必要な場合はこのタイミングで行うことも)
②高圧洗浄 外壁の汚れや旧塗膜を高圧洗浄機で洗い落とす
③下地処理と養生 ひび割れや欠損部を補修し、塗料が不要な部分を養生する
④下塗り 外壁全体に下塗りし、塗料の密着性を高める
⑤中塗り 下塗りが乾いた後に中塗り(仕上げ塗料の1回目塗り)
⑥上塗り 最終的な仕上げとして上塗り(仕上げ塗料の2回目塗り)
⑦付帯部の塗装 雨樋、破風板などの付帯部分を塗装
⑧完了検査 施行業者が自社点検を行い、ユーザーと共に仕上がりを確認
⑨足場の解体・撤去 足場を解体・撤去

外壁塗装工事にかかる期間

外壁塗装工事にかかる期間は、建物の規模によって異なります。戸建ての場合、工事開始後の各工程に1〜2日程度かかり、全体で約10〜14日が目安です。アパート(6戸程度)の場合は、2〜3週間程度が目安となります。
工事の進行状況や天候により、期間は多少前後することがありますが、一般的な目安として覚えておくと良いでしょう。

外壁塗装の塗料の種類と選び方

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外壁塗装として使われている塗料は主に「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」「ウレア」の6種類があります。基本的には性能や耐用年数が高いものほどグレードが高く、費用も高価なものになっていきます。ここでは、それぞれの塗料の特長とどういった用途に向いているかを解説します。

アクリル塗料

アクリル塗料は、耐用年数が4〜7年と比較的短いため、頻繁な塗り替えが必要です。しかし、その分費用が最も安いというメリットがあります。発色が良く、鮮やかな仕上がりになるため、見た目の美しさを重視する方に向いている一方で、熱や紫外線に弱く、耐久性が低い点がデメリットです。
そのため、長期間の耐久性を求める場合には不向きですが、手軽に塗り替えができることから、DIYなどでの塗装や、家の外壁のイメージを頻繁に変えたいという方におすすめです。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、耐用年数が8〜10年と比較的短めですが、価格と機能のバランスが良い塗料です。その柔らかい質感と高い密着性が特徴で、さまざまな箇所に使用することができます。しかし、耐久性がそれほど高くないため、頻繁なメンテナンスが必要となる場合があります。
ウレタン塗料は、その高い密着力を活かして、特に雨どいや手すりなどの塗装に適しています。これらの箇所は塗装面積が狭く、耐久性よりも密着性が重視されるため、ウレタン塗料の特性が非常に有効に働きます。

シリコン塗料

シリコン塗料は、耐用年数が8〜15年と比較的長く、汚れにくく落ちやすい低汚染性が特徴です。熱や紫外線にも強いため、厳しい環境条件下でも優れた耐久性を発揮します。また、商品のバリエーションが豊富で、さまざまな用途やデザインに対応できる点も魅力です。
しかし、シリコン塗料には塗膜の伸び縮みが少なく、ひび割れの可能性があるというデメリットもあります。また、重ね塗りすると塗料を弾く性質があるため、重ね塗りが難しく、施工の際には注意が必要です。それでも、価格と耐久性のバランスが良いため、コストを抑えてリフォームを行いたい方には非常におすすめです。

フッ素塗料

フッ素塗料は、耐用年数が15〜20年と長く、非常に高い対候性・耐久性を持っています。このため、美観性も高く、長期間にわたって建物の外観を美しく保つことができます。さらに、紫外線に強いため、日差しが強い場所でも劣化しにくいという特長があります。
ただし、フッ素塗料は他の塗料と比べて価格が高めです。しかし、その分、頻繁に修繕を行う必要がないため、アパートやマンションなどの大規模な物件や、メンテナンスが難しい場所におすすめです。

無機塗料

無機塗料は、耐用年数が20年以上と非常に長く、耐久性も高いのが特徴です。カビや藻類の発生がしづらく、長期間にわたり美しい外観を維持できます。
ただし、価格は非常に高く、他の塗料と比べてもハイグレードと言えます。また、無機塗料は硬くてひび割れしやすいというデメリットもあります。
それでも、無機塗料は菌が繁殖しづらい特性があり、特に立地がじめじめした湿気の多い環境にある場合におすすめです。湿気が多い場所では、カビや藻類の発生が外壁の美観を損なう原因となりますが、無機塗料を使用することでそのリスクを大幅に減らすことができます。

ウレア塗料

ウレア塗料は無機塗料を超える最上位グレードに位置付けられている塗料で、紫外線に強く、防水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性も高いとされています。耐用年数は無機塗料を超えた30年以上! 最新のハイグレードな塗料で外壁の美しさを長く保ちたいという方にはウレア塗料がおすすめです。

外壁塗装についてよくあるQ&A

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外壁塗装を依頼するのが初めての方がよくする質問とその回答を紹介します。

Q1.塗装工事中に洗濯物は干せるの?

A.基本的に塗装工事中に洗濯物を外に干すことはできません。工事中は、埃や汚れが舞うほか、洗浄作業中には水しぶきが飛ぶため、洗濯物に汚れや塗料が付着する恐れがあります。
このため、工事期間中は部屋干しやコインランドリーの乾燥機などを利用することを検討する必要があります。工事が始まる前に、これらの対策を準備しておくとスムーズに対応できます。

Q2.塗装工事中は窓を開けちゃだめ?

A.窓が開けられるように養生をしておけば、外壁塗装中でも窓を開けることは可能です。ただし、「足場の設置」「高圧洗浄」「養生」「塗装」の工程時には窓を開けることはできません。特に高圧洗浄作業中は水圧で窓が開いてしまうこともあるので、必ず鍵をかけるようにしましょう。
無理に窓を開けると作業に支障が出たり、部屋の中が汚れたりすることがあります。また、塗装中に窓を開けてしまうと薬品臭が室内に入るため、お子さんやペットがいる家庭は特に注意が必要です。どうしても窓を開けたい場合は、塗装業者に確認してから開けるようにしましょう。

Q3.相見積りはしたほうがいい?

A.外壁塗装工事を依頼する際には、2〜3社以上の業者に現地調査に来てもらって見積りを取ることをおすすめします。会社によって、「塗る場所」「使用する塗料」「費用」が異なるため、複数の見積りを比較することで、適正な相場を把握することができます。
また、あらかじめ相見積もりであることを伝えておくと、業者側から割引やサービスを提案してもらえる可能性が高くなります。価格だけでなく、自分の要望に合った提案をしてくれるかどうかも重要な比較ポイントです。業者の対応や提案内容を見極めることで、より満足のいく業者を選ぶようにしましょう。

Q4.外壁塗装に火災保険が使えるの?

A.戸建住宅向けの火災保険は、火災やガス爆発などの事故だけでなく、自然災害による損害にも適用される場合があります。例えば、「災害で外壁に損害を受けた」場合には、外壁塗装に保険が適用されるケースがあります。保険が適用されるかどうかは、加入している保険会社に確認してみましょう。
また、経年や老朽による劣化には、どの保険でも適用されません。適用対象かどうかの判断は、損害鑑定人という専門家が行います。保険適用を検討する際は、まず保険会社に連絡し、具体的な条件や必要な手続きを確認すると良いでしょう。

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