
今回の記事では屋根修理が必要なケースや相場、業者選びのポイントなどを紹介します。
屋根修理が必要な場合は放置せずに対応して、快適な生活を送りましょう!
- 屋根修理はどのようなときに必要?
- 屋根修理費用の相場は?
- 屋根修理に火災保険は利用できる?
- 屋根修理で補助金や助成金を受けられる?
- リフォーム業者選びのコツは?
- 屋根の修理をして安全かつ快適に暮らそう!
屋根修理はどのようなときに必要?

まず、屋根修理は雨漏りや苔の発生、災害により瓦が動くなど目に見える変化があったときに必要です。とくに雨漏りを放置してしまうと住宅の劣化を早める原因となります。湿気を好むシロアリやダニが増殖し、木材を食べることにより強度が失われるためです。さらに、屋根裏に配線された電気コードが漏電して火災につながったりカビが発生して健康被害を引き起こしたりする可能性もあります。
また、目に見える変化がなくても、屋根修理やメンテナンスは築10年ほど経ったころに1度目、築20年ほど経ったころに2度目を行うことが基本です。
屋根は目に見えない部分も多いため雨漏りなどが起こらない限り修理を検討することは少ないかもしれませんが、気付かないだけで屋根が劣化している場合もあります。>住宅全体のリフォームも築10年ほどで検討することが多く、同じタイミングで屋根も点検してもらうと良いでしょう。屋根と外壁の修理を同時に行えば、足場を組む回数を減らせるため、修理費用を抑えられます。
屋根修理費用の相場は?

屋根修理費用の相場は修理内容や屋根の素材などにより異なります。以下で解説するので参考にしてください。
なお、まず知っておきたいポイントとして、屋根修理の際は高い場所での作業となるため足場を組む必要があり、修理費用とは別に足場代がかかるという点があります。足場にも種類がありますが、相場は1平方メートルあたり600〜1,000円です。一般的に足場代で5〜20万円ほどかかります。
修理内容別の相場
屋根修理には全体的な修理と部分的な修理があります。それぞれの相場を表にまとめ、その後、内容別に解説していきます。
全体的修理
修理内容 | 相場 |
---|---|
塗装 | 35〜60万円 |
葺き替え(ふきかえ) | 140〜200万円 |
カバー工法(重ね葺き) | 80〜120万円 |
部分的修理
修理内容 | 相場 |
---|---|
瓦部分補修 | 4,000〜30,000円/1平方メートル |
漆喰補修 | 2,000〜5,000円/m |
板金交換 | 8,000〜10,000円/m |
雨樋交換 | 3,000〜5,000円/m |
雨漏り修理 | 5〜200万円 |
コーキング修理 | 2,000〜6,000円/箇所 |
雪止め設置 | 3〜15万円 |
塗装
塗装とは屋根の塗料を塗り直すことです。見栄えが良くなることはもちろん、防水や防塵効果を期待できるため、屋根の劣化を防げます。塗装の相場は35〜60万ほどで、全体的な修理のなかでは比較的安価で施工可能です。
葺き替え
葺き替え(ふきかえ)は既存の屋根を新しいものに交換する方法であり、野地板という下地や防水材なども傷んでいれば同時に張り替えます。相場は140〜200万ほどで、既存の屋根材の撤去費用がかかるため、コストが高くなる傾向です。
カバー工法
カバー工法(重ね葺き)とは既存の屋根材の上に防水材を敷き、新しいものを重ねる方法です。相場は80〜120万程度で、既存の屋根材の撤去費用がかからないため、葺き替えと比較するとコストを抑えられます。
瓦部分補修
瓦部分補修は一部分の瓦を新しい瓦に交換する補修方法です。壊れた瓦だけではなく、周辺の瓦を1度外さなければいけないこともあります。瓦部分補修の相場は1平方メートルあたり4,000〜30,000円程度で、瓦材により費用が変動します。
漆喰補修
漆喰(しっくい)とは石灰が主成分の建材のことで、屋根の頂上の山折りになっている部分である棟(むね)と瓦のすき間を埋めて接着させる役割を果たしています。漆喰が剥がれると瓦が落下したり雨漏りしたりすることもあるため、必要に応じて補修することが大切です。費用相場は1mあたり2,000〜5,000円ほどです。
板金交換
板金とは屋根の周辺を覆う金属の板のことで、屋根から風や雨水、虫などの侵入を防ぐ役割があります。板金交換の相場は1mあたり8,000〜10,000円ほどです。
雨樋交換
雨樋(あまどい)とは屋根から落ちる雨水を受け止めて、排水させる筒状の建材のことです。雨樋が破損すると屋根から直接落ちた雨水により地面の泥や土がはねて、外壁を汚したり劣化させたりする可能性があります。また、大量の雨水が一気に屋根から落ちることで騒音につながる恐れもあります。相場は1mあたり約3,000〜5,000円です。
雨漏り修理
雨漏りは放置すると被害が大きくなる可能性があるため、しっかりと原因を調査して適切な補修方法を行うことが大切です。雨漏り調査は、目視・散水・発光液・赤外線サーモグラフィ調査などがあります。1回の調査費用は20万ほどです。修理自体の相場は、補修方法により異なるため、5〜200万円程度と幅広くなっています。
コーキング修理
コーキング修理とは、屋根材のひびや穴、すき間を埋めるためにコーキング剤を充填する方法です。ひびなどから雨水が侵入することを防ぎます。費用相場は1箇所あたり約2,000〜6,000円であり、ほかの修理内容と比較して安価です。
雪止め設置
雪止め設置は屋根からの落雪を防ぐために金具を設置する方法です。落雪により人がケガしたり物が壊れたりすることを防ぎます。雪止め設置の相場は3〜15万円程度です。
屋根の素材別の相場
屋根に使用される素材はスレートや瓦、トタンなどさまざまです。屋根材により修理費用の相場も異なります。それぞれの費用相場や耐用年数、メンテナンス時期を表にしたので参考にしてください。
ちなみに、耐用年数とは屋根としての役割を果たさなくなる年数、つまり、寿命のことをいいます。できるだけ耐用年数を長くするためには定期的なメンテナンスが必要です。
屋根材 | 費用相場 | 耐用年数 | メンテナンス周期 |
---|---|---|---|
化粧スレート | 4,000〜8,000円/1平方メートル | 10〜15年 | 5年 |
天然スレート | 10,000〜30,000円/1平方メートル | 20〜30年 | 5年 |
陶器瓦 | 8,000〜12,000円/1平方メートル | 50〜60年 | 10年 |
セメント瓦 | 5,000〜10,000円/1平方メートル | 30〜40年 | 10年 |
コンクリート瓦 | 5,000〜10,000円/1平方メートル | 30〜40年 | 10年 |
ガルバリウム鋼板 | 6,000〜9,000円/1平方メートル | 20〜30年 | 10年 |
トタン | 5,000〜6,000円/1平方メートル | 10〜20年 | 5年 |
アスファルトシングル | 6,000〜8,000円/1平方メートル | 20〜30年 | 10年 |
化粧スレート
化粧スレートはセメントが主成分です。薄くて軽量であるため、耐震性に優れています。しかし、寒冷地域ではセメントに含まれる水分が凍結と融解を繰り返すことにより劣化が早まる可能性がある点がデメリットです。
相場は1平方メートルあたり4,000〜8,000円ほどとなっています。耐用年数は10〜15年程度、メンテナンス周期は約5年です。
天然スレート
天然スレートは粘板岩を加工して作られています。防水性や防火性に優れているため、防水塗装などに関するメンテナンスの必要はありません。しかし、割れやすい点がデメリットであり、ひび割れなどの点検は必要です。定期的にメンテナンスを行いましょう。
費用相場は1平方メートルあたり10,000〜30,000円ほどです。高度な技術を用いて加工するため、ほかの屋根材と比較して高額になっています。耐用年数は化粧スレートより長く20〜30年程度であり、メンテナンス周期は約5年です。
陶器瓦
陶器瓦とは粘土を使用して瓦の形に成形したあと、釉薬(うわぐすり)をかけて、高温の窯で焼き上げて作られたものです。水が浸透しにくいことが特徴であり、美しい状態が長く続くため塗装などのメンテナンスは不要である点が魅力となっています。漆喰などは定期的にメンテナンスしましょう。デメリットとしては重量があるため耐震性が劣る点が挙げられます。
陶器瓦の相場は1平方メートルあたり8,000〜12,000円ほどです。耐用年数は50〜60年程度で、メンテナンス周期は約10年となっています。
セメント瓦
セメント瓦はセメントでできており、耐火性に優れていることが特徴です。火災が起こった場合、ほかの屋根材と比較して燃え広がるスピードが遅い傾向にあります。デメリットは表面に施している塗装が色褪せやすい点です。定期的なメンテナンスで塗装する必要があります。
セメント瓦の相場は5,000〜10,000円ほどです。耐用年数は30〜40年程度であり、メンテナンス周期は約10年となっています。
コンクリート瓦
コンクリート瓦はコンクリートを主成分としており、耐火性や耐久性、防音性などにおいて優れていることが特徴です。しかし、重量があるため、耐震性では劣ります。また、セメント瓦と同様に色褪せが起こりやすい点もデメリットです。コンクリート瓦も定期的に塗装のメンテナンスが必要となるでしょう。
相場は5,000〜10,000円程度です。耐用年数は30〜40年ほどであり、メンテナンス周期は約10年となっています。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は亜鉛やアルミニウム、シリコンによってメッキ加工されたものであり、軽量で耐震性が高い点が魅力です。デメリットとしては金属素材の割にはサビにくいとはいわれてますが、サビが発生しないわけではない点が挙げられます。潮風にあたりやすい地域などは注意が必要です。
費用相場は1平方メートルあたり6,000〜9,000円程度です。耐用年数は20〜30年ほどで、メンテナンス周期は約10年となります。
トタン
トタンは亜鉛でメッキ加工したものであり、軽量で安価であることが魅力です。取り扱いやすいため、DIYなどでもよく使用されます。デメリットは熱伝導率が高い点です。とくに夏場はトタンの温度が上昇することにより、家のなかに熱がこもりやすくなります。また、さびやすい点や防音性が低い点も難点です。
トタンの相場は5,000〜6,000円ほどです。耐用年数は10〜20年程度であり、メンテナンス周期は約5年となっています。
アスファルトシングル
アスファルトシングルとはガラス基材にアスファルトを塗装して、表面に石粒を接着させたものであり、耐震性や耐久性に優れている点が魅力です。しかし、表面がざらざらしているため水がたまりやすく苔が生えやすい点がデメリットとなります。屋根の美観のためには、洗浄や塗装などの定期的なメンテナンスが必要です。
アスファルトシングルの相場は6,000〜8,000円程度です。耐用年数は20〜30年ほどで、メンテナンス周期は5年となっています。
屋根修理に火災保険は利用できる?

屋根修理では、条件を満たしていれば火災保険を利用可能です。ここでは、火災保険を利用できる条件や申請方法を解説します。
火災保険を利用するための3つの条件
火災保険を利用できる条件は3つあり、すべて当てはまる必要があります。
1つ目は、風災や雹災(ひょうさい)、雪災であると認められることです。つまり、屋根修理の原因が台風や雹、大雪などの災害によるものである場合が対象ということです。経年劣化や地震による修理では火災保険は利用できません。
2つ目は、被災から3年以内であることです。被災による損害を発見した日ではなく、災害の発生日が起点となるため注意してください。すでに自費で修理費用を支払っている場合でも、3年以内であれば申請できます。
3つ目は屋根修理費用が免責金額を超えていることです。免責金額とは自己負担する必要がある金額のことで、火災保険では20万であることが多い傾向にありますが、プランにより異なるため事前に確認しておきましょう。
火災保険の申請方法
火災保険の申請方法は流れをつかめば簡単です。まずは、保険会社に連絡して保険金請求書と事故状況説明書を送付してもらいます。
次に、業者から工事の見積書と被災箇所の写真をもらいましょう。事前に業者に火災保険を利用したい旨を伝えておくことをおすすめします。火災保険を利用した屋根修理の実績がある業者を選ぶと円滑に進みますね。
最後に保険金請求書と事故状況説明書を記入して、工事の見積書と被災箇所の写真とともに保険会社に送付します。調査により申請が受理されれば、基本的には手続き完了後30日以内に保険金が支払われます。
屋根修理で補助金や助成金を受けられる?

屋根修理で補助金や助成金を受けられる可能性があります。火災保険と同様、条件を満たす必要があるので確認しましょう。
補助金や助成金を受けられる条件
屋根修理で補助金や助成金を受けられるケースは耐震性向上や省エネを目的としたものです。例として冷暖房の効率を良くするために断熱材を敷く、断熱性や遮熱性に優れた塗料を塗る、耐震性を向上させるために軽量な屋根材に変更する、省エネにつながる太陽光パネルを設置するなどが挙げられます。美観目的などは対象外です。
また、反社会的組織と関係がないことや税金の未納や滞納がないことも条件です。補助金や助成金は税金により支払われるため、申請者がきちんと税金を納めている必要があります。
さらに、リフォーム前に申請しなければなりません。火災保険のように工事後に申請できないので注意してください。自治体によっては指定された業者でリフォームしなければならないこともあるので事前に確認しておきましょう。
補助金や助成金の申請方法
補助金や助成金を申請する前にまずは利用可能な補助金や助成金制度があるか確認しましょう。自治体によって募集時期や条件、支給額が異なります。
利用可能な制度があれば、申請書とともに修理の見積書や建物の登記事項証明書を提出して、工事前に写真を撮り、工事に進みます。その後、自治体が調査して支給が決定すれば補助金や助成金が支払われるという流れです。
リフォーム業者選びのコツは?

リフォーム業者を選ぶ際には金額のみ重視することはおすすめしません。対応や実績、アフターフォロー制度などにも注目しましょう。ここでは、業者を選ぶ際のコツを紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
応対が信頼できる業者に依頼する
見積もり依頼や問い合わせ時の対応が信頼できると感じた業者を選ぶようにしてください。電話やメール、来訪時など、担当者の言動に違和感を感じた場合は契約しないようにしましょう。
なかには、突然家に訪問して契約を迫る悪徳業者も存在します。災害のあとは悪徳業者による被害が増える傾向にあるので注意してください。
近所での施工実績があるなど地域密着型の業者などであれば安心できますね。
実績があるか確認する
施工を予定している修理内容の実績があるか確認しましょう。屋根修理の内容はさまざまであり、業者によって得意分野や不得意分野がでてくることも。ホームページなどを見ると、写真付きなどで実績を載せている業者もあるので、参考にしてみてください。実際に業者を利用した人の口コミや評判も確認することをおすすめします。
詳細な見積もりを提示してくれる業者に依頼する
見積もり書が詳細に記載されている業者を選ぶと良いでしょう。使用する材料や単価、工程などを具体的に提示しているか確認してください。
また、見積もりは複数の業者から出してもらいましょう。1社だけではなく、数社を比較して選ぶことが大切です。3社以上に見積もりを出してもらうことをおすすめします。
アフターフォローが充実しているか確認する
アフターフォローが充実しているか確認することが大切です。工事後に不具合が起こる恐れもあり、再度工事費用がかかってしまうこともあります。アフターフォロー制度が充実していれば、不具合内容によっては無料で行ってくれる場合もあります。期間や内容などしっかりと確認しておきましょう。
屋根の修理をして安全かつ快適に暮らそう!

今回の記事では屋根修理が必要なケースや相場、業者の選び方などを紹介しました。屋根修理は足場を組む必要もあり、修理内容によっては大きな出費となりますね。
しかし、修理が必要であるにもかかわらず放置してしまうと被害が大きくなる可能性もあります。そのため、優良業者に修理をしてもらい、安全で快適な生活を送りましょう。
アプリなら新着物件を見逃さない!ニフティ不動産アプリ
部屋を借りる!賃貸版はこちら
住宅を買う!購入版はこちら