ディンプルキーはピッキング対策に有効！シリンダーキーとの違いは？合鍵複製や解錠の値段相場も解説

「ディンプルキーはピッキングされにくい？」
「合鍵複製の方法は？」
「シリンダー交換や解錠の値段・相場を知りたい」
「自分でディンプルキーに交換DIYするのは可能？」

このような疑問にお答えすべく、ニフティ不動産編集部がディンプルキーについて詳しく解説していきます！

• ディンプルキーの種類・価格・相場を解説？メリットはピッキング対策、防犯性アップ！
• ディンプルキーは合鍵複製の値段が高い＆スペア作成に時間がかかる
• ディンプルキーを無くした・壊れたらシリンダーごと交換 解錠の値段も高め
• ディンプルキーが回らない・抜けない・ささらない？！トラブル回避策は？
• 賃貸契約時ディンプルキーに交換するべき？それとも気にしなくてOK？

ディンプルキーの種類・価格・相場を解説？メリットはピッキング対策、防犯性アップ！

ディンプルキーとは、表面に小さなくぼみ（ディンプル）がある鍵のこと。
2000年前後にピッキングによる空き巣被害が社会問題となって、その認知や普及が進み、現在は鍵全体の3割がディンプルキーとなっています。
ディンプルキーは普通の鍵とくらべて、表面の形状に大きな違いがあります。

上の図がディンプルキーで、下が一般的な鍵です。
普通の鍵は先端が尖っていて、側面がギザギザしているのに対して、ディンプルキーは鍵の先端が丸く、表面に大小のくぼみが空いているのが特徴。
ディンプルキーと普通の鍵の違いは、鍵を差し込む部分（シリンダー）の構造の複雑さにもあります。
シリンダーは外筒・内筒の2つが組み合わせてあり、内筒が回転すると施錠・開錠できる仕組み。シリンダー内部には、内筒の回転を邪魔するピンがあります。
普通の鍵の場合はそのピンが上下や左右など一方向だけに設置されていますが、ディンプルキーの場合には上下・左右・斜めの方向にもピンが設置されているため、構造がより複雑になり防犯性が高くなるのがメリットです！

また、ディンプルキーにはいくつか種類（バリエーション）があり、ピッキング対策に優れた別タイプのキーやシリンダーを組み合わせることで、防犯性や利便性が増します。

ディンプルキーの価格っていくら？メーカー相場は？

ディンプルキーの価格はいくらぐらいなのでしょう？
気になる相場について、人気メーカーの商品価格を比較してみました。

メーカー（型番）	価格
MIWA（PR・JN）	約5,000～7,000円
GOAL（V18・GV）	約7,000～10,000円
WEST（ 916・ 917）	約9,000円
Kaba（ace・ star neo）	約5,000～15,000円

※こちらはシリンダーを購入して自分で交換した場合の価格目安で、購入から交換までを業者に依頼するとさらに工事費・出張費などがかかります。

国内の鍵のシェアが60%を超えるMIWA、米国UL防犯規格に日本メーカーで初めて登録されたGOAL、1933年創業の国内メーカーWEST、スイス発の国際的なセキュリティメーカーKabaの4社における、主要なディンプルキーの価格をまとめました。
自分で鍵の交換をする場合、鍵の購入費用はお手頃なタイプなら5,000円程、本格的なタイプなら15,000円程かかるようです。

ディンプルキーのメリットはピッキング対策 防犯性が高い

ディンプルキーの最大のメリットは防犯性の高さ！
先に説明したようにシリンダー内部の構造が複雑なため、従来のピッキングでは開けることが困難です。
またシリンダー本体も強化されている場合が多く、ドリルによる破壊解錠にも耐性があります。
このようにセキュリティ効果の高いディンプルキーですが、その裏には思わぬデメリットもあるんです。

 

ディンプルキーは合鍵複製の値段が高い＆スペア作成に時間がかかる

ディンプルキーはピッキング対策にはうってつけの鍵。
しかしその複雑な構造上、合鍵の複製が難しいのがデメリットと言えます。
以下で詳しく解説していきますね。

①ディンプルキーは合鍵複製の値段が高い

ディンプルキーの合鍵を複製するとき、ディンプルキー専用のマシンや技術が必要となるため、通常よりも値段が高くなります。
普通の鍵であれば1,000円前後でスペアを作れる場合でも、ディンプルキーだと3,000～5,000円もかかってしまうのです！

②ディンプルキーは合鍵を複製できない場合がある

ディンプルキーの合鍵は、ミスターミニットなど大手業者なら取り扱っていますが、街の鍵屋さんでは複製できない場合があります。
これもやはり専用のマシンを用意していなかったり、難しいタイプのディンプルキーに対応できる技術力がなかったりするためです。

ディンプルキーの合鍵を作りたい場合には、取扱えるかを事前に電話で確認するのが◎。
またメーカーのサービス代行店があれば、鍵の型番によっては店舗での複製が可能なケースも。メーカーのHPからサービス代行店が近くにあるか検索してみましょう。

③合鍵の作成時間がかかる

ディンプルキーの複製が難しい場合、メーカーに純正キーの合鍵作成を依頼すると、工場から取り寄せるまでに通常3～4週間程の時間がかかります。
またメーカーによっては、セキュリティカードや鍵登録システム（所有者登録）が設けられているため、それらの証明がないと合鍵を作れないケースもあるのでご注意を。

ディンプルキーの合鍵複製のための知恵袋

ディンプルキーの合鍵を鍵屋さんで作る際には、必ず純正のマスターキーをベースにすることをおすすめします。
なぜなら複製した鍵（スペアキー）からコピーを作ると、微妙なズレが生じるからです。複製した鍵を複製して…と繰り返していくと、ズレが拡大していき、鍵が刺さらない・抜けないなどの不具合が生じるおそれがあります。普通の鍵でもそうなる可能性はありますが、複雑な構造のディンプルキーなら、なおさら注意しなければなりません！

また複雑で高価なディンプルキーは簡単に複製できない（純正キーの合鍵を取り寄せなければならない）場合が多いため、防犯性と複製しやすさとのバランスを考えて、家族の多い方は複製できる安価なディンプルキーを導入するのも一つの方法です。

 

ディンプルキーを無くした・壊れたらシリンダーごと交換 解錠の値段も高め

ディンプルキーに限らず、鍵を無くしたら基本的にはシリンダーごと鍵を取り替えるのが一番安全です。
ただし賃貸マンションで鍵を紛失した場合、勝手に鍵の交換をしてはいけません！鍵開けや鍵の交換が必要な場面では、まずは大家さんや不動産会社に報告して許可を得ることがトラブル回避のポイントです。

ディンプルキーやシリンダー交換の価格は？

ディンプルキーの交換を業者に依頼すると、先に紹介したディンプルキー本体（シリンダー含む）の値段に加えて、工事費・出張費がかかるのが一般的です。
多くの業者はディンプルキー本体と工事費を合わせたものを鍵の交換費用として、そこに距離によって出張費が別途かかる仕組みになっています。
各費用の詳細は、業者に電話やメール等で見積もりをとる際に必ず確認しましょう！
鍵の交換にかかる費用を下記にまとめたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

項目	費用
鍵の交換費用（ディンプルキー本体代・工事費）	12,000～25,000円程度
出張費	0～5,000円程度
総額	12,000～30,000円程度

ディンプルキーを無くしたら解錠（開錠）できないの？料金は？

ディンプルキーをなくした場合でも解錠することは可能ですが、対応できる業者が限られていたり、特殊工具で開けられないケースでは破壊開錠になる可能性もあったりするので注意が必要です。
ディンプルキーの解錠料金は10,000～13,000円が相場。
夜間・早朝は大家さんや不動産会社に連絡が取りにくいため、その時間帯に対応できる業者を見つけ、工事費・出張費の割り増し料金がいくらになるかも合わせて確認しておくとよいでしょう。

ディンプルキーの交換をDIYすると費用を節約！

「合鍵をいくつも無くしていて防犯面が心配」「マイホームにディンプルキーを安く導入したい！」という人には、自分でディンプルキーを交換するのがおすすめ！
ディンプルキーでも基本的なシリンダー鍵の交換と手順は変わりません。15分程で簡単にできる鍵の交換DIYについてまとめました。

①今ついている鍵のメーカーと型番をチェックする

まずはドア側面のプレートの刻印を見て、今ついている鍵のメーカーと型番を確認しましょう。
刻印の種類によっては、シリンダーを外して実際にその形状や長さを見ないと、適合する鍵の型番が分からない場合があります。
新しい鍵を購入する前には、③の方法で一度シリンダーを外して形状を確認するのが大切です！

②適合する型番のディンプルキーを購入する

刻印されたメーカーと型番（シリンダーの形状）を元に、それに適合する型番のディンプルキーをネットやホームセンター等で購入します。
一度開封したら鍵は返品できないので、欲しい型番と合っているかを開封前にしっかり確認しましょう。

③シリンダーを取り出す

ドア側面のプレートのビスをプラスドライバーで外します。
そしてシリンダーをとめている室外側の2本のピンをマイナスドライバー等で抜き取り、シリンダーを取り外します。

④購入したディンプルキーのシリンダーに付け替える

③と逆の手順で、購入したシリンダーを取り付けます。
取付穴に合わせて、シリンダーが室外側にとび出さないかたちで押し込むことがポイント。そのまま押さえつつ、シリンダーをピンで固定します。

⑤鍵が正常に使えるか試す

シリンダーに鍵を入れて、鍵をかける動作によってカンヌキがスムーズに動くことを確認したあと、鍵を抜きます。
ここで動作に問題がある場合には、再度シリンダー位置を調整してみましょう。

⑥ドア側面のプレートを元に戻す

⑤の確認が終わったら、ドア側面のプレートを取り付けて鍵の交換は完了です！
手順のイメージがつかみにくい人は、YouTubeで「鍵交換DIY」と検索すると作業動画がたくさんあるので参考にしてみてはいかがでしょうか？

このように鍵の交換作業は意外と簡単にできてしまいます。
ただし先にお伝えした通り、賃貸の場合は大家さんや不動産会社の許可がないと、鍵の交換はできません。必ず事前に確認してくださいね！

 

ディンプルキーが回らない・抜けない・ささらない？！トラブル回避策は？

ディンプルキーは、複雑な構造でできているため、わずか0.03ミリズレるだけでも、かみ合わなくなって回らなくなる可能性があります。
また、キーのくぼみにゴミが溜まってシリンダー内部に入り込み、鍵が抜けないことも…。
ディンプルキーの持ち運びやお手入れで、注意すべきポイントをまとめました。

ディンプルキーのトラブルを避けるための具体的な対策は、いくつかあります。
・キーケースに入れて摩耗やゴミの詰まりを防ぐ
・雨に濡らしたまま放置せず、必ず水分を拭き取る
・定期的にキーとシリンダーのお手入れをする
などが有効と言えるでしょう。

定期的に行うよいお手入れとしては、①掃除機やエアダスターをシリンダーの鍵穴にあてて、中のほこりを吸い取る、 ②キーのくぼみを歯ブラシなどで掃除する、③メーカー指定の潤滑剤を使って、鍵穴の滑りをよくする、などが挙げられます。ディンプルキーのトラブルを未然に防ぎたい方は、ぜひ意識をしてみてはいかがでしょうか？

賃貸契約時ディンプルキーに交換するべき？それとも気にしなくてOK？

これからマイホームを購入するなら、防犯性の高いディンプルキーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
キーの値段が高くてもセキュリティ対策が万全な方が安心ですし、マスターキーを大切に保管して家族の誰かがスペアキーを持っていれば、最悪自分がキーをなくしてしまった場合でも解錠できます。

賃貸物件なら、多くの場合、契約時に鍵の交換をどうするか決めることになります。
この時大家さんから特に指定がなければ、費用に合わせて鍵の種類を選択できるケースも。
長く住んだり誰かと一緒に住んだりする予定ならディンプルキーがおすすめですが、短期間しか住まない予定なら、コスパや複製のしやすさを重視してノーマルタイプの鍵にするのもアリです。

マンションの入り口にオートロックシステムが付いていれば、それだけでもセキュリティが高くなるので、あえてディンプルキーだけにこだわる必要はないかもしれません。
それぞれのライフスタイルに合わせて、鍵選びやセキュリティ対策をしていきましょう。

ニフティ不動産ではこだわり条件で、セキュリティ設備を細かく指定して物件を絞り込めます！
詳細条件の中から「ディンプルキー」を選択して絞り込んでみましょう◎