画数の多い漢字一覧!常用漢字や1024画の漢字も紹介【たいと・しんぞ・びゃん】の画像01

画数の多い漢字といえば、「ビャンビャン麺」の漢字を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、世界にはその「びゃん」すらも序の口と思えるような、圧倒的な画数を持つ漢字が存在します。

この記事では、日本の文献に残る最高画数の漢字から1000画を超える規格外の文字まで、その成り立ちや読み方を解説します。

「話のネタになる雑学を知りたい」「漢字の世界を覗いてみたい」という人は、ぜひ最後までご覧ください。



日本に実在した画数の多い漢字3選

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まずは、日本の文献や歴史の中で確認されている、実在する高画数の漢字を紹介します。

これらは、かつて苗字や屋号、あるいは書物の中での表現として使われていた記録が残る文字です。それぞれの文字が持つ読み方や意味について見ていきましょう。

日本一画数が多い「たいと・おとど」|84画

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日本で作られた国字(和製漢字)の中で、最も画数が多いとされるのがこの文字です。読み方は「たいと」または「おとど」で、総画数は84画です。

この漢字は、雲を3つと龍を3つ、それぞれ三角形に配置して構成されています。雲と龍という、天変地異や自然の猛威を司る要素を重ねている点が特徴です。

もともとは苗字や屋号として使われていたとされ、一説には雷除けや魔除けの意味合いも持っていたのではないかと言われています。

「たいと」は長らく書くことも入力することもできない幻の文字とされてきました。しかし、2020年に国際的な文字コード規格であるUnicodeに正式に収録されたことにより、現在は対応するパソコンやスマートフォンでも表示が可能な文字となっています(コード:U+3106C)。

複数の漢字が組み合わさっている「おおいちざ」|79画

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「たいと」に次いで画数の多い漢字として上げられるのが、「おおいちざ」と読む漢字です。79画を持つこの漢字は、複数の異なる文字をひとつの漢字の中に閉じ込めたような特殊な形状をしています。「おおいちざ」は厳密な漢字というよりは、江戸文化が生んだ文字遊びの一種です。

「おおいちざ」の中には、以下の漢字が含まれています。

・客
・吐
・敵

これらを組み合わせることで、「大勢の団体客(大一座)が遊びに来ているが、その中の誰かが悪酔いして吐いてしまっている」という、遊郭での困った状況を表現しています。中に含まれる「敵」という字は、喧嘩相手のことではなく、敵娼(あいかた)つまり接待をする遊女を指したものです。

たった一文字でその場の状況や空気感まで表現している、江戸時代の人々のユーモアが垣間見える文字と言えるでしょう。

龍を4つ重ねる「てつ」|64画

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64画を持つ「てつ」は、「龍」を田の字型に4つ配置した漢字です。「龍」自体が16画あり、それを4つ重ねることで64画となります。

読み方は「てつ」または「てち」で、多弁(おしゃべり)を意味する漢字です。

一見すると龍が4匹も集まっているため、強大な力を想起させますが、由来は「龍の鳴き声が重なり合う轟音」から転じたとされるものです。龍は一匹でも雷のような轟音を響かせるとされ、それが4匹も集まることで、互いの鳴き声がかき消し合うほどうるさく、にぎやかになる様子を表しています。

なお、この文字は日本最大の漢和辞典である「大漢和辞典」にも収録されています。江戸時代の遊び心から生まれた「おおいちざ」や、和製漢字である「たいと」とは異なり、正式な文字として中国から渡ってきた由緒正しい漢字です。その点でも、漢字としての格を感じさせる存在と言えます。

世界一画数の多い中国の漢字3選

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続いては、漢字発祥の地である中国に目を向けてみましょう。

中国四千年の歴史の中で生まれた漢字には、広大な宇宙観や哲学、あるいは自然現象への根源的な畏怖が込められており、文字としてのスケール感が違います。

ここでは日本の常識を超える世界最高峰の画数を誇る漢字たちをご紹介します。

宇宙のすべてを表現した古字「huáng」|172画

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現在確認されている中で、最大級の画数を持つとされる漢字が古字の「huáng(ホアン)」です。その画数は172画とされ、日本の「たいと(84画)」の2倍以上の画数があります。

この漢字は、世界や宇宙、あるいは万物のすべてを表現しようとした文字だと言われています。その壮大な意味を裏付けるように、漢字の中には以下のような世界を構成する要素が詰め込まれているのです。

・自然要素:雨、田、土、山、風
・神獣・動物:鹿、鳳(鳳凰)、龍

これら自然界の森羅万象や神獣たちがぎっしりと配置され、最後にそれらすべてを「しんにょう」が支える構成になっています。

注目すべきは、これほど多くの要素がありながら、中に人が含まれていないという点です。神獣(鳳凰や龍)や自然(雨や山)のみで構成されたこの文字は、人間が立ち入る前の原始的な世界や、神々の領域そのものを視覚化しています。

雷鳴の轟きを視覚化した「雷の漢字」|128画〜160画

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「雷」を意味する古代文字には、その凄まじい音の響きをそのまま文字に閉じ込めたような漢字が残されています。画数は文献によって異なりますが、主に以下の2つのパターンが知られています。

・160画のパターン:「雨」を4つ配置し、それぞれの雨の下に「田」を4つ、さらに「回」を2つずつ配置した集合体。
・128画のパターン:「雨」を含まず、「田」と「回」を層のように積み重ねた形。

読み方は「lãi(ライ)」または「hou(ホウ)」とされ、意味は「雷の音」「雷鳴」です。

「田」と「回」が幾重にも重なる形状は、ゴロゴロと鳴り響く雷の残響音や、空気が振動する様子を視覚化しています。

古代の人々にとって、雷は神の怒りであり、畏怖の対象でした。文字の画数の多さは、そのまま雷鳴の轟きの大きさや、人々が抱いた恐怖の大きさを物語っています。

現代で最も有名な高画数漢字「びゃん」|57画

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数ある画数の多い漢字の中でも、現代で日常的に実用されているという点で有名なのが「びゃん」です。

これは中国陝西省の名物料理「ビャンビャン麺」の名称にのみ使用される漢字です。57画という複雑な見た目がSNSなどで話題を呼び、陝西省ではこの漢字自体が観光資源となっています。

ちなみに「びゃん」という音は、麺職人が生地を台に叩きつけるときの「Biang」という音が由来と言われています。雷の漢字と同じく、音を文字で表現しようとした結果、これほど複雑な形になったのかもしれません。

陝西省のレストランでは、「びゃんの字を何も見ずに書けたら割引」といったキャンペーンを実施することもあるそうです。「びゃん」は単なる文字としての機能を通り越し、コミュニケーションを生むツールとして、現代の人々に愛されている珍しい漢字です。

【日常で見かける】画数の多い常用漢字一覧

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ここからは、法令や公用文書などで日常的に使われる常用漢字2136字の中での画数の多い文字を見ていきましょう。

普段見慣れている文字ばかりですが、画数順に並べてみると、改めてその密度の高さに驚かされるかもしれません。

それでは、常用漢字界の画数トップ3をご紹介します。

鬱(うつ)|29画

常用漢字の中で最も画数が多いのは、29画の鬱です。これほどまでに画数が多い理由は、この文字が成り立った当初の状況をそのまま閉じ込めている点にあります。

この漢字を分解すると、林・缶(入れ物)・冖(フタ)・鬯(におい酒)・彡(模様)といった多くのパーツで構成されています。もともとは、木々が茂る林の中で、容器に入れた香り高いお酒(鬯)を醸造し、蓋をして香りを閉じ込めている様子を表していました。

そこから、草木がこんもりと茂る(鬱蒼)、さらに香りがこもるように気がふさがる・停滞するという意味へと変化していったのです。ぎっしりとパーツが詰まったこの文字の形状自体が、現代語の憂鬱に通じる、出口のない閉塞感や心の重たさを視覚的にも体現していると言えるでしょう。

鑑(かん)|23画

「鬱」に次いで、日常で直面する難関文字となりやすいのが23画の「鑑」です。画数がこれほど多くなった要因は、「金(かねへん)」と「監(かん)」という、それぞれ独立した文字をひとつの枠に収めている点にあります。

右側の「監」だけでも15画あり、これは水を張った皿(盆)を、人が上から覗き込んでいる様子を表しています。そこに材質を示す「金(8画)」が加わることで、合計23画の高密度な文字となりました。

図鑑や鑑賞など書く機会も多い文字ですが、限られたスペースに収めようとすると、線が密集して黒く潰れやすく、左右のバランスを取るのが難しい漢字です。

襲(しゅう)・驚(きょう)・籠(ろう)|22画

同率3位の22画には、動物に関する部首や要素を含む以下の3つが並びます。

漢字 画数 構成要素 イメージ
22画 龍+衣 「龍」は重ねあわせるという意味を持つ。
そこから「(服を)受け継ぐ=世襲」や、
「(服を重ねるように)おおう・おそう」という意味に変化。
22画 敬+馬 「敬」には気を引き締めるという意味がある。
馬が危険を感じてビクッと身を引き締める、
またはパニックで騒ぐ様子から「おどろく」が生まれた。
22画 竹+龍 「龍」は詰め込むという意味で使われる。
竹で編んだ、土などを運搬するためのものが本来の意味。

いずれも「龍」や「馬」といった画数の多い生き物の漢字が使われているのが特徴です。

とくに「襲」や「籠」に含まれる「龍」は、単体でも16画もあります。複雑な形状をした生き物の姿をそのまま文字に取り込んでいるため、これらが部首やパーツとして組み込まれると、画数が多くなる傾向があります。

【創作】まるでアート!画数の多い漢字2選

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これまで紹介してきたのは、辞書や歴史の中に実在する漢字たちでした。しかし、人間の想像力には限界がありません。

最後に紹介するのは、実用性を度外視し、圧倒的な画数と概念を詰め込んだ創作漢字の世界です。これらは読むための文字という枠を超え、見る者を圧倒するアートとして存在しています。

ここでは文字の限界に挑んだ2つの漢字を見てみましょう。

しんぞ|786画

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まず紹介するのは、786画という桁外れの画数を持つ創作漢字「しんぞ」です。

アーティストの飯山太陽氏が制作したこの作品は、文字としての機能よりも、線の密度や形の美しさを追求して描かれました。

制作当初は特定の読み方や意味を持っていませんでしたが、完成した作品から「神様のような厳かさ」を感じ取ったことで、後から名前が付けられました。

「しんぞ」とは、かつて遊女が手紙などで「神に誓って」という誓いの意味を込めて使っていたとされる言葉です。

実用性はありませんが、786回もの筆の運びが重なり合ったこの文字は、見る人を圧倒する不思議な迫力を持っています。

だいだんえんでひとをむかえる|1024画または1025画

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最後に紹介するのは、画数1025画の創作漢字「だいだんえんでひとをむかえる」です。

「人」という文字を512個書き連ね、それら全体を大きな円で囲ったものとされています。「人(2画)」が512個で1024画。そこに外枠の円(1画)を足して、合計1025画です。円を画数に数えるか数えないかによって画数が異なります。

「人」の数が2の10乗(1024)というコンピュータ的にキリの良い数字に基づいていることから、手書きを想定せず、現代的な発想で作られたコンセプトアートです。

円の中に無数の人がびっしりと詰まっている様子は、多くの人々が円満に集う平和な光景を視覚化したものとも解釈できます。もはや漢字の概念を超越し、見る人の想像力を掻き立てる不思議な作品です。

画数の多い漢字に関するよくある質問

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ここからは、画数の多い漢字に関するよくある質問にお答えしていきます。

小学生で習う漢字の中で最も画数が多いのは?

小学校で習う教育漢字1026文字の中で、最も画数が多いのは20画の漢字です。

これに該当するのは以下の3文字で、小学4・5年生で学習します。

・競(小学4年生)
・議(小学4年生)
・護(小学5年生)

画数の多い漢字は構成要素も多いため、バランスが取りにくいものです。書き取りを苦手とする児童も多くいる要注意漢字としても知られています。

低学年で習う漢字と比較するとその線の密度は圧倒的で、ここが小学校6年間における「画数の頂点」となります。

日本人の苗字で一番画数が多いものは何ですか?

実在する苗字の中で、最も画数が多いとされるのは「躑躅森(つつじもり)」で、総画数は54画です。

・躑(21画)
・躅(21画)
・森(12画)

躑躅森さんは全国でもおよそ70名ほどしかいないと言われる希少な苗字で、その多くが岩手県在住と言われています。

画数が多い上にこれほど珍しい苗字となると、とくに困るのが印鑑(認印)です。直径1センチ程度の小さな円に54画もの線を潰さずに収めるのは技術的にも難しく、既製品として店頭で探すのは至難の業でしょう。

ちなみに、2位は「雲類鷲(うるわし)」さんで53画。わずか1画差で続いています。

複雑な画数の多い漢字の世界を楽しもう

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画数の多い漢字を並べてみると、そこには作り手のこだわりや世界観が凝縮されていることがわかります。

パソコンやスマートフォンで簡単に変換できる現代だからこそ、たまにはこうした複雑な文字の構造に思いを馳せてみるのも、良い気分転換になるのではないでしょうか。

画数の多い漢字たちが日々の会話や思考に彩りを与えてくれるように、毎日の暮らしの拠点となる住まいも、自分なりのこだわりを持って選びたいものです。

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