エアコンの除湿機能はこう使う!電気代の節約方法や設定温度を解説の画像01

今回は、エアコンの除湿機能の使い方や電気代の節約方法、除湿で設定すべき温度を解説します。
冷房と除湿の使い分けについても説明するので、エアコンを最大限に活用したい人は、ぜひ最後までご覧ください。

「エアコンの除湿は意味ない」と感じるときの原因と対処法も紹介します!
じめじめした季節でも快適に過ごしたい人は、要チェックですよ!



エアコンの除湿(ドライ)機能とは?

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エアコンの除湿(ドライ)機能は、室内の余分な水分を取り除き、湿度を下げる役割を果たします

気温がそれほど高くなくても湿度が高ければ、じめじめとして不快に感じる場合がありますよね。
除湿機能を使うと湿度による不快感が軽減され、より快適な空間を作り出せるでしょう。

なお、湿度と温度の関係については、この記事の中盤で紹介する「エアコンで除湿する仕組み」を参考にしてみてください。

冷房と「弱冷房除湿」「再熱除湿」の違い

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エアコンで温度を下げるための機能は、以下の3つです。

・冷房
・弱冷房除湿
・再熱除湿

冷房に加えて、除湿は2種類にわかれます。それぞれの違いを表にまとめました。

冷房 弱冷房除湿 再熱除湿
目的 温度を下げる 湿度を下げる 湿度を下げる
室温 設定温度に合わせて下がる 少し下がる ほとんど下がらない

まず、冷房は室内の熱を外に排出して室温を下げます。
「温度を下げること」を目的とする機能のため、湿度を下げる効果は副次的。湿度を下げたい際には室温が下がりすぎる可能性もあります。

また、弱冷房除湿は、冷房運転を弱めた状態で除湿する機能のこと
室温と湿度を適度に下げたい場合に適しています。

一方で、再熱除湿は室内の空気を冷やして水分を取り除いた後、再びあたためて室内に戻す仕組みです
室温をほとんど下げないまま、湿度を下げられる点がメリットといえます。

基本的に、リモコンに「除湿」ボタンしかないならば「弱冷房除湿」タイプのエアコンです。
弱冷房除湿と再熱除湿のどちらも使用できる場合、リモコンで切り替えられます。
メーカーによって名称は異なりますが、再熱除湿機能を使う場合は「カラッと除湿(日立)」や「さらら除湿(ダイキン)」といったボタンを探してください。

自身の状況や目的に合わせて、これらの機能を適切に使い分けましょう。

エアコンで除湿する仕組み

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「どうやって空気を除湿するの?」「除湿で温度が下がるのはなぜ?」と思っている人に向けて、エアコンで除湿する仕組みを解説します。

まずは、エアコン内部に室内の空気を取り込みます。
そして、熱交換器という装置を使って取り込んだ空気を冷却すると、空気中に含みきれなくなった水分が水滴となって現れるのです

集められた水滴は、ホースを通じて室外へ排出されます。
空気を室内に戻す方法は、エアコンの除湿設定によって異なります。

・弱冷房除湿の場合:冷却された空気をそのまま室内に戻す
・再熱除湿の場合:空気を再度あたためてから室内に戻す

そして、除湿機能で室温が下がるのは、空気中の水分を奪う際に熱も奪われるからです。
温度に変化はなくても湿度が下がると、体感温度も下がるといわれていますよ。

エアコンの除湿機能は何度に設定する?

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エアコンの除湿は、26~28度に設定するのがおすすめ

なぜなら、環境庁は「夏を快適に過ごす湿度・温度の目安」を
・室温:28度
・湿度:55~65%
と発表しているためです。

「エアコンの温度=28度」ではなく「室温=28度」という点に注意しましょう
室温を28度にするには、除湿を適宜28度以下にして調整するとよいですね。

状況や個人によって適温は異なるため、室温の28度はあくまで目安としてください。

なお、除湿は湿度を下げる目的のため、除湿では温度設定できないエアコンもあります。

環境庁|COOL CHOICE|ポイントは○○!?夏を快適に過ごすには…?

「エアコンの除湿は意味ない」と感じるときの原因と対処法

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「エアコンの除湿は意味ない」と感じるときの原因と対処法を5つ紹介します。

・エアコンの設定温度が適切でない
・エアコンのフィルターが汚れている
・室外機の周りに物を置いている
・部屋の窓や扉が開いている
・エアコンの寿命が近づいている

ひとつずつ見ていきましょう。

エアコンの設定温度が適切でない

除湿は効果がない、と感じる原因として「エアコンの設定温度が適切でない」ことが挙げられます
湿度がなかなか下がらないときは、エアコンについて以下を確認しましょう。

・「除湿」または「ドライ」運転になっているか
・除湿運転の温度は26~28度に設定しているか

エアコンの除湿機能は何度に設定する?」で説明したように、夏場の室温は28度にすると快適に過ごせます。
除湿を28度に設定して効果を感じられない場合、26度まで下げると体感温度が変わるかもしれません。

エアコンのフィルターが汚れている

フィルターは、室内の空気に含まれるホコリやチリなどを吸い込み、エアコンの故障を防ぎます。
しかし、長期間使用するとフィルターに汚れが蓄積し、空気の通り道を塞いでしまうのです
結果として、空気の循環が悪くなり、除湿能力が低下します。

エアコンを掃除するペースは
・毎日使うときは2週間に1度
・使用頻度が低いときは月に1度
これらを目安にしましょう。

掃除機でホコリを吸い取り、水洗いすることで、フィルターの汚れを取り除けますよ。
洗う際は日陰でしっかりと乾燥させて、カビの発生を防止することが大切です。

室外機の周りに物を置いている

エアコンの室外機は、空気に含まれる熱をコントロールしています。
そのため、室温調節に不可欠な存在といえますね。

室外機の周りに物を置いていると、熱をうまく放出・吸熱できず、期待するような除湿効果が得られません

室外機の周りには、物を置かないように心がけましょう。
空気を出し入れする吹き出し口・吸い込み口付近は、特にスペースを作る必要があります。

部屋の窓や扉が開いている

部屋の窓や扉が開いていないかは、エアコンの除湿効果を感じられないときにチェックすべきポイントのひとつ

窓や扉が開いていると、外の湿った空気がどんどん室内に入り込みます。
すると、除湿運転をしても室内の湿度を十分に下げられなくなります。

外部からの湿った空気が侵入しないように、エアコンの除湿運転を行う際は部屋の窓や扉を閉めておきましょう。

エアコンの寿命が近づいている

これまで紹介した4つの方法で機能が改善しない場合は、エアコンの寿命が原因かもしれません

エアコンを長年使用すると内部の部品が劣化し、本来の性能を発揮できなくなります。
使用頻度や環境などにより変動しますが、エアコンの寿命は10年程度といわれています。

除湿効果が明らかに低下しているならば、専門業者に点検してもらうのがおすすめです。

除湿と冷房どちらのほうが電気代がかかる?

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エアコンの除湿と冷房の電気代は、一概に「こちらが高い」とはいえません
外の気温や設定温度、部品の劣化など……、さまざまな要因によって電気代の金額は異なります。

大切なのは状況に応じて除湿と冷房、どちらが適しているのかを見極めて、効率よく使用することです。

エアコンにかかる電気代を節約するためのアイデア

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エアコンにかかる電気代を節約するためのアイデアは、主に4つあります。

・風向きを調節する
・サーキュレーターや扇風機と組み合わせる
・短時間の外出ではエアコンをつけっぱなしにする
・部屋の広さに合ったエアコンを選ぶ

すぐに実践できる方法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。

風向きを調節する

エアコンの除湿運転では、風向きを「上向き」または「水平」にすると効果的です

冷たい空気は下にたまりやすいため、上向きに風を送ると空気が循環しやすくなり、部屋全体を冷やせます。
同様の理由で、冷房運転でも風向きは上向き・水平がおすすめです。

電気代を節約したいときは、設定温度を下げる前に風向きを調節することが重要です。

サーキュレーターや扇風機と組み合わせる

エアコンとサーキュレーター・扇風機を組み合わせることが、電気代を節約するアイデアのひとつ
設定温度を必要以上に下げなくても、室内の空気を効率的に循環できて涼しさを感じられます。

たとえば、エアコンと向かい合う位置に扇風機を置いて、天井側に風を送ります。
エアコンと扇風機の風により空気の流れができて、部屋が均等に冷えるでしょう。

短時間の外出ではエアコンをつけっぱなしにする

「エアコンはこまめに消したほうがよい」と思う人もいるかもしれませんが、実際は短時間の外出ではつけっぱなしにするほうが電気代を節約できます

エアコンは運転開始時の「室温を一気に設定温度まで下げるタイミング」で、多くの電力を消費します。
つまり、短時間であればつけっぱなしにするほうが、再起動時の電力消費を抑えられ、結果的に電気代が安くなるでしょう。

注意点として、1時間以上外出する際は、消したほうが節電になるケースが多いです。

部屋の広さに合ったエアコンを選ぶ

部屋の広さに合っていないエアコンを使用すると、必要以上に電力を消費する可能性があります
「エアコンの性能が足りずに、なかなか設定温度に達しない」または「性能が大きすぎて、細やかな温度調整が難しい」といった事態になりかねません。

エアコンを購入するときは、部屋の広さに適した性能のエアコンを選ぶことがポイントです。

エアコンの除湿が向いている場面

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エアコンの除湿が向いている場面は、次のとおりです。

・梅雨時期
・雨が続いて湿度が高い日
・洗濯物を部屋干しする日
・カビやダニの発生を抑えたい日
・気温は高くないものの、湿度が高くて寝苦しい夜

エアコンの除湿機能は室内の不快な湿気を取り除き、これらのような場面で活躍します。

エアコンの除湿が向いていない場面

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エアコンの除湿が向いていない場面を、いくつか紹介します。

・真夏の暑い日
・乾燥している日
・冬の寒い時期

室温を大幅に下げたい場合には、除湿よりも冷房のほうが適しているでしょう。
また、冬は空気が乾燥しやすいため、除湿機能を使うと室内の湿度が下がり過ぎる可能性があります。

エアコンの除湿にまつわるQ&A

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エアコンの除湿にまつわるQ&Aを、3つピックアップしました。

・冬でもエアコンで除湿してもよい?
・除湿機能は洗濯物を乾かす効果がある?
・除湿機能を使うとエアコンにカビが生える?

それぞれ説明していきます。

冬でもエアコンで除湿してもよい?

基本的に、冬場にエアコンで除湿することは向いていません

冬場は空気が乾燥しやすく、除湿を行うと室内が乾燥し過ぎる場合があります。
湿度が極端に下がると肌の乾燥やかゆみ、喉の痛みなどを引き起こすので気を付けましょう。

ただ、冬場でも結露が発生しやすい部屋などでは、除湿運転が効果を発揮します。

除湿機能は洗濯物を乾かす効果がある?

エアコンの除湿機能は、部屋干しの洗濯物を乾かすのに役立ちますよ
除湿運転で空気中の水分を減らせれば、洗濯物から水分が蒸発しやすくなるんです。

より洗濯物が乾きやすい環境を作るには、サーキュレーターや扇風機を併用します。
洗濯物に風を当てることで、さらに乾燥時間を短縮できるでしょう。

除湿機能を使うとエアコンにカビが生える?

除湿運転はエアコン内部に水分がたまりやすい仕様のため、手入れを怠るとカビが生える恐れがあります
特に、梅雨時期のような高温多湿な環境下で、頻繁に除湿する場合は気を付けてください。

カビ対策としては、除湿運転後の「送風運転」が効果的です
30分から1時間ほど送風運転をすると、エアコン内部に残った水分が蒸発し、カビの繁殖を抑制できます。

そのほか、エアコンの掃除も大切です。
定期的なフィルター清掃はもちろん、年に1回程度は専門業者による内部クリーニングを行うのが理想的ですね。
専門業者のクリーニングでは、自分では掃除できないエアコンの奥深くにあるカビ・汚れを取り除けます。

ムシムシするときはエアコンの除湿機能を使いましょう

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今回は、エアコンの除湿機能の使い方や電気代の節約方法、除湿の設定温度を解説しました。

エアコンの除湿機能は、梅雨時期や夏のじめじめとした不快感を軽減するために不可欠です。
フィルターを定期的に掃除したり、扇風機と組み合わせたりすると、除湿効果が高まるでしょう。

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