
定期的な管理を怠るとトタン屋根の耐久年数が短くなるので、メンテナンス方法を理解しておくことが重要です。
今回は、トタン屋根の特徴や種類、長持ちさせるコツについてご紹介します。
トタン屋根のメリット・デメリットから耐久年数まで、詳しく解説するのでぜひ、最後までご覧ください。
トタン屋根のDIY実例にまつわる動画もご紹介します!
トタン屋根をおしゃれに変身させたい方は、要チェックですよ!
- トタン屋根とは
- トタン屋根の種類
- トタン屋根のメリット
- トタン屋根のデメリット
- トタン屋根の寿命・耐久年数
- トタン屋根を長持ちさせるコツ
- トタン屋根で起こりやすいトラブル
- トタン屋根の修理方法・メンテナンス価格の目安
- トタン屋根の塗装で注意すべきポイント
- 動画でチェック!トタン屋根のおしゃれなDIY実例
- トタン屋根の耐久年数は10~20年程度
トタン屋根とは

トタン屋根とは、トタン板(亜鉛メッキが施された鉄板)を使用した屋根のこと。
施工費が安く軽量なため、倉庫や工場などに多く用いられてきました。
雪がすべり落ちやすい、耐震性が高い……などの魅力もあります。
しかし、より耐久性が高くサビにくい屋根材の登場によって、一般的にはトタン屋根の建物は減少傾向にあります。
なお、豪雪エリアでは雪下ろし作業を軽減するため、現在でもトタン屋根が多く見られますよ。
トタン屋根の種類

トタン屋根の種類は次の通りです。
・瓦棒(かわらぼう)
・波型トタン
・折板(せっぱん)
ひとつずつ説明していきます。
瓦棒(かわらぼう)
瓦棒(かわらぼう)は、瓦棒と呼ばれる細い角材を一定間隔に取り付け、それを土台に金属の屋根材を施工する方法です。
屋根の傾きに沿って仕上げるため、棟に対して屋根材が直角になる点が特徴。
棟から軒先まで一枚の板を使うので、排水性に優れています。
波型トタン
トタンを波型の形状に加工して使用する方法を、波型トタン屋根と呼びます。
断面を波状にすることで、薄い屋根材でも高い強度を保てるのです。
倉庫やカーポート、体育館などの大型施設でよく見られます。
折板(せっぱん)
折板(せっぱん)とは、金属板を折り曲げて台形状に加工した屋根材のこと。
一枚板を折り曲げているので接合部分がなく、高い強度を実現しています。
金属製のため耐火性が高く、工場において多く用いられていますよ。
トタン屋根のメリット

トタン屋根のメリットは、主に4つあります。
・凍害に強い
・コストが安い
・耐震性が高い
・雨漏りしにくい
以下で詳しく解説しましょう。
凍害に強い
金属板を加工して用いるトタン屋根は、他の屋根材と比較して凍害に強いです。
そのため、東北や北海道などの寒いエリアで多く使用されています。
たとえば、粘土瓦やセメント瓦の原料は土であり、材料の中に水分が含まれています。
原料に含まれる水が凍ると、凍害被害を受ける恐れも。
屋根の種類は、お住まいの地域の特性に合わせて選ぶことが大切ですね。
コストが安い
コストが安いことがトタン屋根を選ぶメリットのひとつです。
目安となる価格を、屋根材ごとにご紹介しましょう。
屋根材 | 価格(1平方メートル当たり) |
---|---|
トタン屋根 | 4,000~6,000円 |
ガルバリウム鋼板 | 6,000~9,000円 |
粘土瓦 | 8,000~15,000円 |
銅板屋根 | 18,000~20.000円 |
屋根材を選ぶ際は、設置費用はもちろんメンテナンスにかかる費用も考慮しなければいけません。
トタン屋根は素材が安価で手に入るので、設置費用・修理費用をおさえられます。
「できるだけ工事費用をおさえたい」という方に、トタン屋根はおすすめです。
耐震性が高い
トタン屋根は軽量な素材のため、耐震性が高いです。
同じ面積の屋根瓦と比べると、トタン屋根は10分の1以下の重量といわれています。
屋根が軽いほど重心が下がり、建物への負担が軽減され、地震時の揺れは少なくなります。
雨漏りしにくい
一般的に、屋根の傾斜がゆるやかだと、雨水が流れづらく雨漏りのリスクが高まります。
しかし、トタン屋根は、屋根の傾きが小さい場合でも雨漏りしにくいです。
トタン屋根は大きな鉄板を張り合わせているため継ぎ目が少なく、雨水がたまりにくい構造だからです。
トタン屋根のデメリット

トタン屋根のデメリットを3つご紹介します。
・耐熱性・耐風性が低い
・雨音がうるさい
・サビが発生しやすい
メリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。
耐熱性・耐風性が低い
薄く軽量な点はトタン屋根のメリットではありますが、耐熱性・耐風性が低いという側面もあります。
トタン屋根は薄い金属で構成されており、断熱効果はほとんどありません。
夏場は屋根の表面温度が室内に伝わり、冬場は温かい空気が屋根から逃げてしまいます。
つまり「夏は暑く・冬は寒い」状態になる可能性があります。
加えて、素材が軽量な分だけ、強風の影響で屋根がはがれるリスクも。
トタン屋根が風で飛ばされないようにするには、定期的なメンテナンスが必要です。
雨音がうるさい
トタン屋根は防音性が低いので「雨音がうるさい」や「車の音が気になる」などの不便を感じるケースがあります。
音が気になるときは下記のような対策をしましょう。
・遮音シートを貼る
・吸音シートを貼る
・遮音性のある塗料を塗る
上記のような方法で、防音性の向上が期待できます。
サビが発生しやすい
トタン屋根はサビが発生しやすい素材です。
サビを放置していると穴が開き、雨漏りにつながります。
そもそもサビが生じるのは、経年劣化により表面の塗料がはがれることが原因。
サビの発生を防止するために、サビ止めを塗ったり、数年ごとに塗料を塗り替えたりする必要があります。
具体的な方法は「トタン屋根を長持ちさせるコツ」や「トタン屋根の修理方法・メンテナンス価格の目安」を参考にしてみてください。
トタン屋根の寿命・耐久年数

トタン屋根の耐久年数は、約10〜20年といわれています。
ただし、日頃のメンテナンスや気候環境、使用する資材によって耐久年数は前後します。
簡単なメンテナンスは5年ごとに行い、次のポイントを点検しましょう。
・目立った塗料のはがれ、サビはないか
・雨漏りはないか
・トタン屋根がゆがんでいないか
点検結果にもとづいて、トタン屋根の塗り直しや修繕を行うとよいですね。
これらの定期的な確認を怠ると、経年劣化が顕著になり、屋根の張り替えが必要となります。
メンテナンスは面倒に感じるかもしれませんが、耐久年数を長くしてコストを最小限におさえるためには欠かせない作業です。
トタン屋根を長持ちさせるコツ

トタン屋根を長持ちさせるコツを、4つピックアップしました。
・サビ止めの入った塗料を使用する
・定期的に塗装を塗り直す
・汚れやサビ、コケはこまめに落とす
・強風や台風の後は点検を行う
トタン屋根の劣化を防ぐには、塗装にこだわることがポイントです。
塗装が不十分な場合、そこからサビが発生し、屋根が劣化していきます。
汚れやサビ、コケはできるだけ早く落とすことで腐食を防止できます。
トタン屋根は耐風性が低いので、強風や台風の後は「穴がないか」や「大きなへこみがないか」などをチェックしましょう。
トタン屋根で起こりやすいトラブル

トタン屋根で起こりやすいトラブルは、以下の通りです。
・雨漏り
・色あせ
・穴あき
・腐食
・チョーキング
・塗装のはがれ
・苔やカビの発生
チョーキングとは、塗料に含まれる成分が劣化し、表面に白っぽい粉が付着する現象です。
塗料の効果が切れ始めたサインなので、チョーキングが見られた場合、再塗装を検討するとよいですね。
トタン屋根の修理方法・メンテナンス価格の目安

ここからは、トタン屋根の修理方法ごとに、メンテナンス価格の目安をご紹介します。
修理方法 | 修理費用の目安 | 工期の目安 |
---|---|---|
塗装 | 20~80万円 | 2~10日 |
葺き替え | 60~250万円 | 10~14日 |
カバー工法 | 60~200万円 | 3~5日 |
部分修理 | 3~10万円 | 1~2日 |
それぞれ詳しく見ていきます。
塗装
塗装は色あせやチョーキング、塗装のはがれ、軽度なサビなどに有効な方法です。
【塗装】
修理費用の目安:20~80万円
工期の目安:2~10日
塗装にかかる費用は、使用する塗料によって大きく差があるので、あくまで参考程度にしてください。
葺き替えやカバー工法よりも、塗装のほうがメンテナンス価格は安価です。
サビや色あせがひどくなる前に、再塗装で対応するのが理想的ですね。
葺き替え
すでにあるトタン屋根を撤去し、新しいものに替えることを「葺き替え(ふきかえ)」といいます。
ボロボロと崩れるようなサビが発生していたり、穴があいていたりする場合は葺き替えを行いましょう。
【葺き替え】
修理費用の目安:60~250万円
工期の目安:10~14日
コストがかかる方法ではありますが、トタン屋根を新しく作り変えるので、劣化問題を根本的に解決できます。
カバー工法
カバー工法とは、すでにあるトタン屋根の上に下地を設置し、その上に新しい屋根を敷く方法です。
塗装だけでは解決できない痛みがあるときや、下地の腐食が進行していないときに向いているメンテナンス方法といえます。
【カバー工法】
修理費用の目安:60~200万円
工期の目安:3~5日
ただし、内部の傷みに気付きにくい点が、カバー工法の注意点です。
カバー工法よりも葺き替えのほうが問題解決につながるケースも多いので、迷ったときは修理業者に相談してみましょう。
部分修理
トタン屋根が部分的に破損した際は、部分修理を行います。
【部分修理】
修理費用の目安:3~10万円
工期の目安:1~2日
部分的な修理なので、他の修理方法よりもコストがかかりません。
こまめに部分修理をしておくと、全体的な劣化を遅らせることが可能です。
トタン屋根の塗装で注意すべきポイント

トタン屋根の塗装で注意すべきポイントは、主に4つあります。
・DIYするときは高所作業に気を付ける
・塗装作業の相場を確認しておく
・複数の業者に見積もりを依頼する
・見積もり内容を見て業者に質問する
慣れない作業を高所で行うのは危険です。
DIYする場合は、落下防止の安全ベルトや安全靴、ヘルメットなどを装着してください。
業者に塗装作業を依頼するならば、即決は避けて複数業者から見積もりをとりましょう。
工事費用は高すぎないか、工事内容は適切か……などを比較した上で検討することが重要です。
動画でチェック!トタン屋根のおしゃれなDIY実例
最後に、「トタン屋根をDIYしたい!」と考えている方に向けて、おしゃれなDIYを動画でご紹介します。
DIYに興味のある方は、チェックしてみてくださいね。
トタン屋根のDIY実例①
中古物件DIYから100均簡単DIYまで、さまざまな情報を発信している「DIY-FUFU まな | DIYのある暮らし」さんの実例です。
もともとの屋根はサビがあったため、サビの上から塗れる塗料を使用したんだそう。
塗る前と後では、トタン屋根の印象が全然違いますね!
トタン屋根のDIY実例②
ご夫婦で瀬戸内海の島に移住し、築約65年・空き家歴35年の古民家をセルフリノベーションする様子を発信している「島暮らし夫婦の古民家リノベ」さん。
使用した道具や塗料を塗る様子などを、わかりやすく説明しています。
カウンターやウッドデッキ、本棚のDIYに関する動画も投稿しているので、DIYやリノベが気になる方は要チェックです。
トタン屋根の耐久年数は10~20年程度

今回は、トタン屋根の特徴や種類、長持ちさせるコツを解説しました。
トタン屋根は他の屋根材と比較して軽量なため、地震に強い性質がありますよ。
一方で、耐熱性が低く、サビが発生しやすい点がデメリットとして挙げられます。
トタン屋根を長持ちさせるには、汚れやサビ、コケはこまめに落とすことが大切。
強風や台風の後は点検を行い、定期的に塗装を塗り直しましょう。
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