
本記事では、重陽の節句に込められた意味や由来、飾りや食べ物について解説します。重陽の節句にぴったりなレシピも紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
- 重陽の節句の読み方は?どんな日?別名は?
- 重陽の節句の由来
- 重陽の節句の飾りは?なぜ菊の花?
- 重陽の節句にまつわる食べ物・お菓子とおすすめレシピを紹介
- 重陽の節句にまつわる行事
- 重陽の節句は不吉?込められた意味を解説!
- 重陽の節句には健康と長寿を祈願しよう!
重陽の節句の読み方は?どんな日?別名は?
重陽の節句は、「ちょうようのせっく」と読みます。
「菊の節句」「栗の節句」「お九日(おくんち)」という別名で呼ばれる場合もあり、五節句の最後を締めくくる重要な行事です。
重陽の節句は、不老長寿や無病息災、子孫繁栄を願う日。秋らしい食べ物や行事を楽しみながら、命を尊びます。
重陽の節句はもともと中国の行事で、日本に伝わったのは平安時代。最初は宮中だけの行事でしたが、江戸時代頃になると、五節句の一つとして庶民にも親しまれるようになりました。
ちなみに、江戸時代に定められた五節句とは、以下の5つです。
・1月7日…人日の節句
・3月3日…上巳の節句
・5月5日…端午の節句
・7月7日…七夕の節句
・9月9日…重陽の節句
端午の節句や七夕は、現在でも広く親しまれている行事ですよね。
重陽の節句の由来

古来の中国には、「奇数は縁起が良い=陽数」「偶数は縁起が悪い=陰数」という考え方がありました。
そこで、陽数の中で1番大きな数字の9が重なる9月9日を「重陽=陽が重なる日」と呼び、節句の一つに設定。幸福や健康を祈願するようになりました。
旧暦から新暦に変わっても、重陽の節句は9月9日のままです。
重陽の節句の飾りは?なぜ菊の花?

重陽の節句の飾りとして親しまれているのが、菊の花です。
旧暦の9月9日は、新暦でいうと10月の中頃。菊が満開を迎える時期です。
古代の中国では、「菊には邪気を払う力がある」と信じられていました。そこで、重陽の節句にも飾りとして用いられるようになり、菊を鑑賞したり、菊を用いた厄払いが行われたりするようになります。
その風習が日本にも伝わり、「重陽の節句といえば菊の花」というイメージが根付きました。
重陽の節句にまつわる食べ物・お菓子とおすすめレシピを紹介
端午の節句に柏餅を食べるように、重陽の節句にも行事食があります。代表的なものは、以下の4つです。
1.栗ご飯
2.秋茄子
3.菊酒
4.栗のお菓子
秋らしい食べ物やお菓子を食べながら、重陽の節句をお祝いしましょう。
1.栗ご飯

江戸時代、重陽の節句には「収穫祭」の意味も込められていました。
そのため、重陽の節句には、秋の味覚である栗を使った料理を食べていたようです。
栗を使った料理の代表といえば、栗ごはん。ほくほくの栗と白米の組み合わせは絶品です。
現在でも、重陽の節句に栗ごはんを食べる家庭は多く見られます。
おすすめの栗ごはんのレシピをインスタグラムの投稿から紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【栗ごはんのレシピ】
栄養士の佳奈子さんがインスタグラムで紹介していた、栗ご飯のレシピを紹介します。
シンプルな味付けで、栗のおいしさが生かされた栗ご飯は、お米を30分間浸水させることで、ふっくらとした仕上がりになるそう。
むき栗を使えば、皮むきの大変な作業がないので手軽に作れますよ。
2.秋茄子

夏野菜のイメージが強い茄子ですが、実は旧暦でいう秋は、茄子が最もおいしい季節。お祝いの席では、よく茄子の煮びたしや焼き茄子が出されていました。
「お九日(おくんち)に茄子を食べると中風(病気)にならない」ともいわれていたようです。
3.菊酒

重陽の節句に飲むお酒として古来から親しまれてきたのが菊酒です。菊酒とは、日本酒に菊の花を漬け込んだお酒のことを指します。
菊の花特有の風味や香りが楽しめる、上品な味わいが特徴。しかし、漬け込むのには時間や手間がかかるので、日本酒に食用の菊の花を浮かべたもので代用しても大丈夫です。
家族の健康と幸福を祈願して、お酒を酌み交わすのも良いかもしれませんね。
4.栗のお菓子

重陽の節句に、栗を使ったお菓子を楽しむ家庭も多く見られます。栗あんで和菓子を作ったり、モンブランなどの洋菓子を楽しんだりするのも良いでしょう。
おすすめの手作りレシピをインスタグラムから紹介するので、ぜひ挑戦してみてください。
【栗のお菓子のレシピ】
ひまママさんがインスタグラムで紹介していた、食べやすいミニサイズの甘栗モンブラン。
お子さんのおやつにもぴったりですね。
ブレンダーを使用すれば、あっという間に甘栗のモンブランクリームができあがり!
土台にはビスケットやクッキーをそのまま使っても大丈夫なので、ささっとお菓子作りしたいときにも最適です。
重陽の節句にまつわる行事

重陽の節句ならではの行事を4つ紹介します。
1.菊合わせ
2.菊の着せ綿
3.九州地方の「くんち」
4.後の雛(のちのひな)
全国的に行われているものもあれば、地方限定の行事もあります。興味のある行事があれば、今年はぜひ参加してみてください。
1.菊合わせ
大切に育ててきた菊の美しさを競い合う行事が「菊合わせ」。江戸時代から行われてきた歴史のある催しです。
現代でも、全国各地で菊の品評会や鑑賞会が行われています。
2.菊の着せ綿
菊の着せ綿とは、重陽の節句に行われていた宮中の習慣です。
その内容を紹介します。
まず、重陽の節句の前日に、菊の花に綿を被せて香りや露を吸わせます。そして、次の日にその綿で体を拭うと、邪気払いができると信じられていました。
現代では、菊の花にカラフルな綿を被せて、フラワーアレンジメントとして楽しむ方もいるようです。
3.九州地方の「くんち」
九州地方では、9月9日に収穫を感謝するお祭り「くんち」が開かれます。
昔は、重陽の節句には全国各地で収穫祭が行われていました。9日9日のことを方言で「くんち」と呼んでいた九州では、「くんち」が祭りの名前として定着していったそうです。
中でも「長崎くんち」「唐津くんち」「博多おくんち」は日本三大くんちと呼ばれており、現代でも沢山の人が集まります。華やかな神輿や龍踊りが見られるので、近くに住んでいる方は、ぜひ参加してみてください。
4.後の雛(のちのひな)
重陽の節句には、「後の雛(のちのひな)」という風習があります。3月3日に飾った雛人形を9月9日に再び飾り、長寿を願うというものです。
「雛祭り」が女の子の成長を願う行事であるのに対して、「後の雛」は大人の女性に向けた行事であるのが特徴。そのため、「大人の雛祭り」とも呼ばれています。
また、「後の雛」には雛人形を長持ちさせるという目的もあります。雛人形を1年中しまい続けると、虫に食われたりして傷んでしまうので、9月に再び飾って風通しを良くしているのです。
重陽の節句は不吉?込められた意味を解説!

縁起が良いとされている重陽の節句ですが、実は不吉なイメージも持ち合わせています。
古来中国には、「縁起が良いとされている陽数が重なると、逆に災いが起こりやすくなる」という考え方もあったようです。
良くないことが起きないようにするために、菊の花などを用いて邪気払いを行った、ともいわれていますよ。
現在の日本の9月は、台風が多い時期でもあります。災厄に巻き込まれないように、日頃から備えておくことが大切ですね。
重陽の節句には健康と長寿を祈願しよう!

重陽の節句の意味や由来、飾りや食べ物について解説し、おすすめのレシピを紹介しました。
端午の節句や七夕に比べると、名前を聞く機会が少ない「重陽の節句」。しかし、そこにはさまざまな意味が込められているので、日本人にとって欠かせない節句の一つです。
今年の9月9日は、菊の花を飾ったり秋らしい食べ物を楽しんだりしながら、健康と長寿を祈願してみてはいかがでしょうか。
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