
「有料老人ホームってどのようなところ?」
「種類があるらしいけれど、それぞれの特徴がわからない」
「入居条件や費用相場を知りたい」
このようにお考えではないでしょうか。
今回の記事では、有料老人ホームとは何かをはじめとし、種類による違い・入居条件・費用相場などを紹介します。有料老人ホームについて理解して、ニーズや予算に合った施設を見つけましょう。
- 有料老人ホームとは
- 有料老人ホームの入居条件
- 有料老人ホームの費用相場
- 有料老人ホームの契約形態
- 有料老人ホームで受けられるサービス
- 有料老人ホームの基準
- 有料老人ホームのメリット
- 有料老人ホームのデメリット
- 有料老人ホームの選び方
- 有料老人ホームへ入居までの流れ
- 有料老人ホームに関するよくある質問
- 有料老人ホームの基本を知り、適した施設に入居しよう!
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有料老人ホームとは

有料老人ホームとは、高齢者が心身ともに健康に暮らすための施設です。有料老人ホームの種類は、以下の3つです。
有料老人ホームの種類
●介護付き有料老人ホーム
●住宅型有料老人ホーム
●健康型有料老人ホーム
それぞれ詳しく解説します。特徴が異なるため、ニーズに適した種類の有料老人ホームを選びましょう。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、充実した介護サービスを受けられる施設です。厚生労働省により認定を受けており、「特定施設入居者生活介護」を提供しています。
介護スタッフは、24時間常駐しています。介護付き有料老人ホームは、24時間介護を必要としている方におすすめです。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、レクリエーション・食事・洗濯などの生活支援サービスを受けられる施設です。介護付き有料老人ホームのように、在籍しているスタッフによる介護サービスは、受けられません。介護サービスを受けたい場合は、外部と別途契約する必要があります。
住宅型有料老人ホームは、必要な介護サービスのみ外部に依頼しつつ、生活支援サービスを受けて安心して暮らしたい方に適しています。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立した生活を送れる方が対象の施設です。介護付きや住宅型に比べて施設数が非常に少なく、有料老人ホーム全体の1%未満ほどです。
健康型有料老人ホームでは、生活支援サービスを受けられます。仲間と楽しめるイベントの開催や健康を維持できるトレーニングルームの併設などさまざまな娯楽や設備が充実しているケースが多いです。
健康型有料老人ホームは、介護サービスが必要になった場合は、退去しなければならない可能性があります。介護を必要としておらず、充実した老後を過ごしたい方におすすめします。
有料老人ホームの入居条件

有料老人ホームの入居条件は、施設により異なります。有料老人ホームは、医療法人や企業などが運営母体の民間施設であるためです。種類別による一般的な入居条件を表にまとめました。
種類 | 年齢 | 区分 |
---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 65歳以上 | 要介護1以上 |
住宅型有料老人ホーム | 60歳以上 | 自立〜要介護 |
健康型有料老人ホーム | 60歳以上 | 自立の方のみ |
年齢や要介護度のほか、認知症の有無や収入・資産、必要な医療ケアなども入居条件として設けているケースがあります。詳しい入居条件は、施設に確認しましょう。
有料老人ホームの費用相場

有料老人ホームへの入居にかかる費用は、以下のとおりです。
有料老人ホームへの入居にかかる費用
●入居一時金
●月額利用料金
それぞれの費用相場について詳しく解説します。経済的負担にならないために、事前に費用相場を知り、計画を立てておきましょう。
入居一時金
有料老人ホームの入居一時金の費用相場は、0〜数百万円と幅が広い傾向です。入居一時金とは、有料老人ホームを利用する権利を得るために支払う料金です。入居一時金は施設により異なり、健康型有料老人ホームのなかには、1億円以上かかるところもあります。
入居一時金は、月額利用料金に一定額ずつ充てて償却されることが一般的です。償却中に退去した場合は、返却されます。入居一時金が不要の有料老人ホームは、月額利用料金が高く設定されているケースが多いことを念頭に置いておきましょう。
月額利用料金
有料老人ホームの月額利用料金の相場は、12〜60万円ほどです。入居一時金と同様、施設により異なります。月額利用料金の内訳の例は、以下のとおりです。
月額利用料金の内訳の例
家賃・管理費・水道光熱費・食費・日用品代・介護用品代・介護サービス費・医療費
介護付き有料老人ホームの場合は、月額利用料金に定額の介護サービス費が含まれていますが、住宅型・健康型有料老人ホームの場合は、利用した分を別途支払わなければなりません。
日用品や介護用品なども必要になればなるほど、月額利用料金が高くなります。毎月の支払いが負担にならないように多めに予算を立てておくことをおすすめします。
有料老人ホームの契約形態

有料老人ホームの契約形態は、利用権方式・建物賃貸借方式・終身建物賃貸借方式の3種類あります。それぞれの契約形態について表にまとめました。
契約形態 | 説明 |
---|---|
利用権方式 | ・多くの有料老人ホームで採用 ・生活支援や介護サービスを受ける権利と居室や共有スペースを利用する権利を一体化した契約形態 ・居室の所有権はないため入居者が亡くなっても相続できない |
建物賃貸借方式 | ・賃貸住宅のように居室を借りる契約形態 ・生活支援や介護サービスを受ける権利は、別途契約が必要 ・入居者が亡くなった場合、賃貸借の権利は相続人が引き継ぐ |
終身建物賃貸借方式 | ・賃貸住宅のように居室を借りる契約形態 ・契約期間は入居者が亡くなるまでという特約が設けられている ・入居者が亡くなった場合、相続人は賃貸借の権利を引き継げない |
一般的に有料老人ホームでは、利用権方式を採用していますが、施設により異なる可能性があります。表からわかるように、契約形態により権利の内容が変わります。事前に契約形態による権利の内容を理解しておきましょう。
有料老人ホームで受けられるサービス

有料老人ホームでは、生活支援サービスや介護サービスを受けられます。
有料老人ホームで受けられるサービスの例
食事・洗濯・清掃・リハビリ・レクリエーション・イベント・介護・医療
有料老人ホームでは、食事や洗濯などのサービスを受けられるため、高齢者が生活しやすい環境が整っています。入居者が楽しみにしている食事に注力している有料老人ホームも多い傾向です。栄養を考慮しつつ、豪華な食事を提供しているところもあります。
また、レクリエーションやイベントを定期的に開催しています。演奏会・趣味教室・お誕生日会などさまざまな楽しみがあり、充実した生活を送れる点が魅力です。
さらに、介護付き有料老人ホームでは、常駐しているスタッフによる介護サービスを24時間受けられます。住宅型や健康型の有料老人ホームでは、別途契約により外部の介護サービスを受けられます。
有料老人ホームは、さまざまな生活支援サービスや介護サービスを提供しており、日々を楽しみつつ、安心して暮らせる施設です。
有料老人ホームの基準

有料老人ホームは、高齢者の方が安全かつ安心な生活を送るために基準が設けられています。
有料老人ホームの基準
●人員基準
●設備基準
●運営基準
今回は、介護や医療体制にかかわる人員基準と生活しやすさにかかわる設備基準について解説します。施設を選ぶ際の目安にしましょう。
人員基準
有料老人ホームの人員基準は、以下のとおりです。
介護付き | 住宅型・健康型 | |
---|---|---|
管理者 | 1名 | 1名 |
生活相談員 | 1名以上 | 必要数 |
医師 | なし | なし |
介護職員 | 入居している要介護者3名に対して1名以上(看護職員と併せて) | 必要数 |
看護職員 | ・入居者が50名以下の場合 1名以上 ・入居者が50名を超える場合 入居者50名に対して1名以上 |
必要数 |
ケアマネージャー | 1名以上 | なし |
栄養士 | なし | なし |
機能訓練指導員 | 1名以上 | なし |
介護付き有料老人ホームは、介護サービスを提供しているため、介護職員や看護職員などの人員基準が設けられています。介護付き有料老人ホームのなかには、人員基準よりも多い数の介護職員や看護職員などが在籍しているところがあります。
介護職員や看護職員などスタッフの数が多ければ、より充実した介護サービスや医療ケアを受けられる可能性が高いため、有料老人ホーム選びの際の目安になるでしょう。
設備基準
有料老人ホームの設置基準は、以下のとおりです。
有料老人ホームの設置基準
●一般居室または介護居室を設ける
●廊下の幅は1.8m以上(車椅子同士がすれ違えるスペースがあれば1.4m以上)
●事務室・洗面設備・浴室・脱衣室・便所・洗濯室・食堂・談話室・機能訓練質・医務室または健康管理室・介護職員室・看護職員室・汚物処理室・そのほか(ナースコールなど緊急通報装置やスプリンクラー)を設ける
以下の場合は、介護居室を設ける必要がありません。
●個室/1人当たりの床面積は13平方メートル以上
●地下階には部屋を設けない
●一般居室で介護サービスを提供
なお、地階とは、地盤面より下に床があり、床から地盤面までの高さがその階の高さの3分の1以上ある階をいいます。
有料老人ホームは、入居者が安全かつ安心な生活を送るために設置基準が設けられています。自宅での生活に不安がある方は、有料老人ホームへの入居を検討するのも1つの手です。
有料老人ホームのメリット

有料老人ホームへ入居するメリットは、以下のとおりです。
有料老人ホームへ入居するメリット
●サービスや設備が充実している
●イベントやレクリエーションが定期的に開催されている
●生活の自由度が高い
有料老人ホームは、サービスや設備が充実している傾向です。トレーニングルーム・売店・温泉が併設されているところもあります。イベントやレクリエーションも定期的に開催されており、仲間と楽しく過ごせる点も魅力です。生活の自由度も高く、老後に充実した日々を過ごせます。
また、介護付き有料老人ホームでは、以下のメリットもあります。
介護付き有料老人ホームのメリット
●24時間介護サービスを受けられる
●医療体制が整っている
●看取りの対応をしているところがある
介護付き有料老人ホームは、スタッフが24時間常駐しており、必要なときに介護サービスを受けられます。医療体制が整っているケースも多く、介護付き有料老人ホームに入居すれば自宅よりも安心して暮らせることでしょう。老後に充実した日々を送りたい方や安心して暮らしたい方は、有料老人ホームへの入居を検討しましょう。
有料老人ホームのデメリット

有料老人ホームへ入居するデメリットは、以下のとおりです。
有料老人ホームへ入居するデメリット
●ほかの介護施設に比べて費用が高額
●施設によってサービスの質が異なる
有料老人ホームは、サービスや設備が充実している分、ほかの介護施設と比べて、入居一時金や月額利用料金が高い傾向にあります。予算を立てずに入居を決めると、経済的負担になる可能性が考えられます。事前に入居一時金や月額利用料金を確認して、必要な費用のシミュレーションを行うことが大切です。
また、有料老人ホームは、施設によってサービスが異なるため、質にばらつきがあります。口コミ・見学・体験入居などを参考に入居者に適した施設を見つけてください。
有料老人ホームは、メリットだけではなく、デメリットもあるため、両者を考慮して入居を検討しましょう。
有料老人ホームの選び方

有料老人ホームの選び方は、以下のとおりです。
ポイント | 解説 |
---|---|
費用 | ・継続的な支払いが可能であることが大切 |
立地 | ・駅チカや自宅から近い立地であれば面会しやすい |
介護体制・医療体制 | ・スタッフが多ければ充実した医療や介護を受けやすい傾向にある |
見学・体験入居 | ・実際にスタッフや入居者の様子を確認 ・1日の流れや雰囲気が入居者に適しているか確認 |
有料老人ホームは、入居者にとって今後の住まいとなるため、快適に暮らせる施設を選ぶ必要があります。有料老人ホームを選ぶ際のポイントを押さえて、入居者に適した施設を見つけましょう。
なお、有料老人ホーム選びに迷った場合は、ケアマネージャー・最寄りの地域包括支援センター・老人ホーム紹介センターなどに相談するのも1つの手です。
有料老人ホームへ入居までの流れ

有料老人ホームへ入居までの流れは、以下のとおりです。
有料老人ホームへ入居までの流れ
1.資料請求
2.見学
3.体験入居
4.契約
5.入居開始
有料老人ホームの資料請求や見学は、1件だけではなく、複数行いましょう。有料老人ホームのサービスや設備は、さまざまです。複数のなかから比較検討することにより、各有料老人ホームの特徴や費用相場などを知ることができます。
見学後に入居したい有料老人ホームがあれば、体験入居を申し込むことをおすすめします。実際に入居してみることにより、雰囲気や1日の流れがわかるためです。入居者に合っているか判断材料になります。
入居を希望する場合は、説明を受けたうえで、契約を交わします。契約の際に入居日を決めて、有料老人ホームでの生活が開始です。
有料老人ホームに関するよくある質問

有料老人ホームに関するよくある質問は、以下のとおりです。
有料老人ホームに関するよくある質問
●有料老人ホームの負担額を軽減する方法は?
●有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の違いは?
●有料老人ホームと特別養護老人ホーム(特養)の違いは?
それぞれ詳しく解説します。疑問に感じていることがあれば、参考にしてください。
有料老人ホームの負担額を軽減する方法は?
有料老人ホームの負担額を軽減する方法として、高額介護サービス費制度や高額介護合算療養費制度の利用が挙げられます。
制度名 | 概要 |
---|---|
高額介護サービス費制度 | ・1か月間の介護サービス費の自己負担上限額を超えた場合に利用可能 ・自己負担上限額を超えた分が返還される ・自己負担額は世帯で合算可能 ・自己負担上限額は所得により異なる |
高額介護合算療養費制度 | ・1年間(毎年8月1日~翌年7月31日)の介護サービス費と医療費が自己負担上限額を超えた場合に利用可能 ・自己負担上限額を超えた分が返還される ・自己負担額は世帯で合算可能 ・自己負担上限額は年齢や所得により異なる |
介護サービスにより、有料老人ホームの負担額が高くなった場合は、高額介護サービス費制度や高額介護合算療養費制度を利用しましょう。
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の違いは?
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の大きな違いは、契約形態です。一般的に、有料老人ホームは利用権方式、サ高住は建物賃貸借方式です。
利用権方式である有料老人ホームは、住まいとともに生活支援や介護のサービスを提供します。建物賃貸借契約方式であるサ高住は、賃貸借の権利が得られ、生活支援や介護サービスは必要であれば別途契約できます。
このように、有料老人ホームとサ高住は、契約形態に違いがあり、権利の内容も異なるため、ニーズに合わせて選びましょう。
有料老人ホームと特別養護老人ホーム(特養)の違いは?
有料老人ホームと特別養護老人ホーム(特養)の大きな違いとして、運営母体が挙げられます。有料老人ホームは、企業や医療法人が運営母体の民間施設です。特養は、国・自治体・社会福祉法人などが運営母体の公的施設です。
民間施設である有料老人ホームは、サービスや設備が施設によってさまざまであり、充実している傾向にあります。その分、入居一時金や月額利用料金が高いです。
一方、公的施設である特養は、サービスが統一されています。入居一時金も不要であり、有料老人ホームと比べて、月額利用料金が安いことが特徴です。経済的に余裕がない方でも入居しやすい傾向です。
初期費用や月額利用料金を抑えつつ、介護サービスを受けたい場合は、特養も候補に入れましょう。
有料老人ホームの基本を知り、適した施設に入居しよう!

今回の記事では、有料老人ホームとは何かをはじめとし、種類による違い・入居条件・費用相場などを紹介しました。有料老人ホームとは、高齢者が心身ともに健康に暮らすための民間施設で、3種類あります。サービスや設備のほか、入居条件や費用は、施設により異なります。有料老人ホームについて理解したうえで、入居者に適した施設を見つけましょう。
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