
今回は、空室対策の重要性やアイデア、手順を解説します。
空室が埋まらない理由・原因ごとに、具体的な対処法をご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
オーナーの体験談から学ぶコツや注意点もご紹介します!
空室率をよくしたい方は、要チェックですよ!
空室対策の重要性

空室対策とは、賃貸のアパート・マンションにて空室が生じないように、オーナーが行う対策のこと。
空室が埋まらなければ家賃収入が減少し、ローンの返済に支障をきたします。
家賃収入を安定させ、経営状況を良好にするには空室対策が重要です。
また、空室期間が長引くと設備が長期間稼働しなくなり、エアコンや水回りが劣化または故障するリスクが高まります。
空室が多い物件は不審者侵入の危険性があるので、空室対策はトラブル防止にもなるでしょう。
空室が埋まらない理由・原因

空室が埋まらない理由・原因は、主に5つあります。
・原因①:家賃が相場よりも高い
・原因②:エリアのニーズと物件の設備・条件が一致していない
・原因③:内装や外装に問題がある
・原因④:効果的な広告を実施できていない
・原因⑤:入居者の要望を満たせておらず、すぐ退去になってしまう
空室でお困りの方は、自分の物件がどの状態に当てはまるかを考えてみてください。
原因①:家賃が相場よりも高い
家賃が相場よりも高い物件は、入居者が集まりにくいです。
ただし「家賃の減額=収入額の減少」となるので、実施する前に慎重に検討する必要があります。
大切なのは、競合物件を分析してエリアの相場を知ることです。
周辺エリアを調査した上で、家賃・更新料・管理費の価格や、敷金・礼金の有無を適切に設定しましょう。
原因②:エリアのニーズと物件の設備・条件が一致していない
「家賃をエリアの相場価格に設定しているのに空室が埋まらない……」とお悩みの場合、エリアのニーズと物件の設備・条件が一致していないことが原因かもしれません。
たとえば、学生の入居者が多いエリアでは、3LDKのファミリー向け物件よりも、一人暮らし向けの1LDKのほうが入居者を集められます。
どれだけ物件の魅力を高めてもエリアとのニーズが一致していなければ、うまく入居者を集められないのです。
ファミリー層をターゲットにするなら、キッチン設備を充実させたり、大容量の収納スペースを設けたりするのが効果的ですね。
原因③:内装や外装に問題がある
ほとんどの方は、内見時に「内装・外装がきれいか」をチェックします。
物件の見た目に関して以下のような状態は、内見者にマイナスな印象を与えてしまうことに。
・外壁が古びている
・塗装に色あせや剥げが見られる
・庭の雑草が伸びっぱなしになっている
・シャッターが破損している
・室内の壁紙に汚れがある
見た目に問題があると入居意欲が減少するだけでなく、「メンテナンスが行き届いていない物件」として信頼を損ねる恐れがあります。
原因④:効果的な広告を実施できていない
空室を減らす前段階として、内見予約を増やす工夫は欠かせません。
内見が増えるにつれ、入居が決定する確率が高くなります。
広告媒体やSNSを活用しなければ、物件を探している方にアピールする機会が減ってしまいます。
加えて、広告に掲載されている多数の物件の中から、自分の物件を内見先として選んでもらうためには、物件の魅力が伝わるような写真・動画を用意することがポイントですよ。
原因⑤:入居者の要望を満たせておらず、すぐ退去になってしまう
新しい入居者を集めることはもちろん、すでに入居している方に長く住んでもらうことも空室対策につながります。
入居者から信頼を得ているオーナーの物件は、退去が少ない傾向にあります。
退去を予防するために、入居者と積極的にコミュニケーションを取り、設備の改修などの要望に可能な限り応え、物件の満足度を高くするよう心がけましょう。
原因別!空室対策のアイデア11選

ここからは、原因別に空室対策のアイデアを11個ご紹介します。
空室が埋まらない原因 | 空室対策のアイデア |
---|---|
家賃が相場よりも高い | ・敷金・礼金や家賃、管理費を減額する ・フリーレントを導入する |
ニーズの不一致 | ・そのエリアで人気の設備を導入する ・セキュリティシステムを導入して安全性を高める ・ペット可などの入居条件を見直す |
内装や外装に問題がある | ・リノベーションやリフォームを行う ・掃除して第一印象をアップさせる |
効果的な広告を実施できていない | ・募集広告を改善して内見を増やす ・管理会社・仲介会社を変更する |
入居者の要望を満たせておらず、すぐ退去になってしまう | ・入居者とコミュニケーションを取る ・意見箱を設置し入居者の希望を知る |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
空室対策アイデア:原因①「家賃が相場よりも高い」の場合
■敷金・礼金や家賃、管理費を減額する
敷金・礼金や家賃、管理費は、入居者が物件選びで重視するポイントのひとつ。
ただし、安易な値下げは経営悪化を引き起こす恐れがあります。
市場相場を調査した上で適正価格を設定し、どれだけ利益を得られるかを計算してから変更しましょう。
なお、期間限定や条件付きで家賃を割り引きする方法もあります。
初期費用のみを減額すれば、継続的な家賃収入額を変化させずに、入居者の経済的な負担を減らせますよ。
■フリーレントを導入する
フリーレントとは、入居から一定期間のみ家賃が無料になる契約形態です。
家具の新調や引っ越し業者の手配など、入居のタイミングでは多額の初期費用がかかります。
「少しでも初期費用をおさえたい」と考えている方にとって、フリーレントは魅力的な条件です。
物件を探す際に「フリーレントあり」を条件とするケースも多いですね。
家賃の減額よりも低コストで実施できる空室対策であり、収益への影響が少ない点がメリットといえます。
空室対策として敷金と礼金を0円にしました。地域的に過疎で入居希望者が少ないので、初期費用を無料にしたところ、学生などの若者や単身者の入居希望者が多くなり、空室対策としては成功しました。
空室を減らすには、その立地や地域に合わせてプランを練るべきだと思います。市内に大学などがあれば、多少遠くても安いという条件次第で入居者は増えやすいです。 あっちゃん・会社員・千葉県・40代
一度入居して貰ったらなるべく長く住んで貰いたいという狙いから、2年ごとの更新料を無料するという空室対策をしました。更新料無料の効果は大きく、空室は直ぐに埋まりました。
下手に賃料を下げるより、長期的な収入は大きくなるので、お金にある程度余裕のあるオーナーにはお勧めできる方法だと思います。
dat32・会社員・東京都・男性・40代
空室対策アイデア:原因②「ニーズの不一致」の場合
■そのエリアで人気の設備を導入する
ニーズの不一致により、空室対策が求められるケースは「そのエリアで人気の物件にどのような設備があるのか」をチェックしましょう。
参考として、全体的に人気の設備をいくつかご紹介します。
・エアコン
・モニター付きインターホン
・室内洗濯機置き場
・無料インターネット回線やWi-Fi
・独立洗面台
・宅配ボックス
・温水洗浄便座
なお、ターゲット層が単身者か・ファミリー層かによって、人気の設備は異なりますよ。
■セキュリティシステムを導入して安全性を高める
不動産情報サービスの調査において「家賃以外で、現在の部屋探しの際に、最初から最後まで変わらずに重視したことは何ですか?」という問いに対し、約40%の学生女性・社会人女性が「セキュリティ」を重視していると回答しました。
具体的なセキュリティシステムの例としては、以下の設備が挙げられます。
・モニター付きインターフォン
・センサーライト
・オートロック
セキュリティシステムが充実するほど不審者や犯罪者を抑止でき、入居者に安心感を与えられますね。
参考URL:ユーザー動向調査 UNDER30 2023 賃貸編~多様化するUNDER30を8タイプに分類し、それぞれの傾向を分析~
■ペット可などの入居条件を見直す
入居条件を見直して競合物件との差別化をはかるのも、有効な空室対策といえるでしょう。
たとえば、次のような入居条件は少ない傾向にあります。
・ペット可
・外国人可
・単身高齢者可
注意点として、集合住宅の場合は、管理規約に沿った内容で条件を付加しなければいけません。
空室対策アイデア:原因③「内装や外装に問題がある」の場合
■リノベーションやリフォームを行う
築古の物件でもリノベーションやリフォームを行えば、若年層の入居者を集められます。
物件の印象を大きく変えられる空室対策ですが、コストがかかる点には注意が必要。
改修内容によっては建築基準法や火災予防法に抵触する恐れがあるため、専門家と相談しながらリノベーション内容を考えましょう。
「モダン」や「ナチュラル」など、テーマを決めてリノベーションを行い、競合物件と差別化するのもオススメです。
■掃除して第一印象をアップさせる
「内装や外装をきれいにしたいけれどコストは最小限におさえたい」という方は多いですよね。
そんな方は、低予算で効果が望める空室対策として「こまめな掃除」を取り入れてみては。
手入れが行き届いた物件だと内見者に伝われば、第一印象がアップしますよ。
物件の周りにゴミが散乱していないか、共用部の設備に不備はないか、雑草が生えっぱなしではないか……などがチェックポイントとして挙げられます。
定期的に物件を見に行き、室内・共用部の掃除を徹底しましょう。
空室対策として、不動産屋になぜうちの物件を嫌がられてるのか理由を教えてもらい、その箇所をリフォームしました。
入居者さんがリフォーム箇所を気に入ってくれて、多少の汚れや傷は見逃してくれたこともあり、すぐに空室は埋まりました。リフォームすると評価が上がる箇所はだいたい決まっているようなので、入居者像に近い身近な人に聞いたり、直接不動産屋に「何が悪かったのか」を質問したりして、効率的なリフォームを行うと良いと思います。 つぐみ・アルバイト・兵庫県・女性・40代
古くなった壁紙や床、畳などの部屋のリフォームを行うことで、内見での印象が良くなるように新しくきれいな感じにしました。その結果、これまでよりも若めの借り手が見つかり、いくつかあった空室も埋まったので空室対策に成功できたと思う。
家賃を下げると内見に来る人はいますが、他の借り手も家賃下げて欲しいなどで困ることもあるので、なるべく他の工夫をした方が良いと思います。
ミント・パート・福島県・女性・40代
空室対策アイデア:原因④「効果的な広告を実施できていない」の場合
■募集広告を改善して内見を増やす
物件を探している方は、募集広告を見て内見に行くかどうかを判断します。
物件が魅力的でも、資料から特徴が伝わらなければ内見に結びつきません。
募集広告で意識したい点は、次の通りです。
・物件写真は美しいか(明るさ、角度、見やすさ等)
・写真の数は十分か
・周辺施設の情報を掲載しているか
・最新情報を提供しているか
・「フリーレント導入」や「ペット可」など、物件の魅力をアピールしているか
物件を探している方の目線に立って「求めている情報は何か」を考えながら広告を見直してみてください。
■管理会社・仲介会社を変更する
「問い合わせ時の対応が遅い」や「仲介会社の営業力がない」などが原因となり、空室率が改善されないケースがあります。
そもそも仲介会社に訪れる方が少なければ、物件が人の目に触れる機会も少なくなってしまいますね。
実績豊富な管理会社・仲介会社に、業務を依頼するのも空室対策のアイデアのひとつです。
空室対策として生活支援をするNPO法人や居住支援法人との提携をしました。
私は築年数が古い物件を持っていて空室率が高かったのですが、生活支援をするNPO法人や居住支援法人との提携することで空室率が低くなりました。今すぐ入居できる物件がなかなか見つからず困っていて、確実に入居できる物件を探している可能性の強い人と接点がある法人を見つけられたのがよかったです。
高い家賃にこだわるのか、それとも、空室率にこだわるのかによりますが、高い家賃を狙って空室を続けていてもお金は入ってこないので、自分は手持ちの物件に合った対策を取れたと考えています。RC・会社員・大阪府・男性・50代
「一部屋空室になっただけで家賃収入が減ってしまう」「早く部屋を埋めないと日々の生活の為の資金が減ってしまって困る」という思いから、兎に角、管理してもらっている不動産会社にプッシュしました。新しい入居者のためのクリーニングや修繕には時間がかかりますが、不動産屋さんに「入居者の募集状況はどうですか?」と声をかけることは定期的にできるので、並行して行いました。 ピカリン・自営業・福岡県・女性・60代以上
空室対策アイデア:原因⑤「入居者の要望を満たせておらず、すぐ退去になってしまう」の場合
■入居者とコミュニケーションを取る
入居者と積極的にコミュニケーションを取ることで、入居者が抱えている物件への不満に早い段階で気づけます。
要望を正確に把握して対処すれば、入居者の満足度が向上するでしょう。
入居者が相談しやすい関係を構築し、物件を居心地のよい場所に感じてもらう工夫が大切です。
■意見箱を設置し入居者の希望を知る
入居者の希望を知る方法としては、意見箱の設置がおすすめ。
現在入居している方の意見を知れるだけでなく、物件の魅力や改善点を見つけるきっかけになります。
紙やウェブでのアンケートや、電話・メールでのヒアリングにて意見を集めるのが一般的です。
意見を集めた後は分析をして、今後の空室対策の方針を練りましょう。
空室対策を進める手順

空室対策を進める手順は、次の通りです。
・空室が多い原因を探る
・競合物件を調査する
・物件エリアのニーズを把握する
・予算を考慮しつつ空室対策を行う
ステップごとに解説していきます。
空室が多い原因を探る
空室対策で大事なのは、物件の問題点を把握して適切な対応を取ること。
具体的な空室対策を始める前に、空室が多い原因を探る必要があります。
たとえば、募集広告に問題がある状態で家賃を減額しても、入居者を集めるのは難しいです。
「空室が埋まらない理由・原因」を参考にしながら、物件の改善点を見極めましょう。
競合物件を調査する
競合物件を調査することで、実践すべき空室対策の方向性が定まります。
人気の物件と不人気の物件をいくつか比較すれば、「人気の物件は写真を〇枚以上掲載している」または「不人気の物件は外装に問題がある」などの共通点が見えてくるでしょう。
ただし、単に競合物件の真似をするだけでは逆効果となる恐れも。
自分の物件のターゲット層やコストを考慮した上で、参考とするアイデアを探してみてください。
物件エリアのニーズを把握する
物件エリアのニーズを把握しなければ、適切な空室対策を行えません。
基本的なニーズの調べ方を3つご紹介します。
・ネットで検索する
・管理会社や仲介会社へヒアリングをする
・物件の周辺エリアに足を運び情報を得る
物件が遠方にある場合は、ネットで検索したり不動産会社に問い合わせたりして調査をします。
近場に物件があるなら、実際に現地を訪れて「周辺施設は何があるのか」や「どんな方が住んでいるのか」を知るのも有効な手段です。
予算を考慮しつつ空室対策を行う
実践すべき空室対策の方向性が分かれば、予算的に可能かどうかを検討します。
予算を計算する際は、次の点を考慮しましょう。
・空室対策にかかる費用
・固定費やローンの返済額
・何年で費用を回収できるのか
「空室対策にお金をかけすぎて、固定費やローンを支払えない」という事態は避けなければいけません。
「現時点でコストがかかっても、長期目線で見ると利益が生まれる」というパターンもあるので、費用と効果を計算することが重要です。
オーナーから学ぶコツや注意点!空室対策の体験談

最後に、オーナーによる空室対策の体験談をご紹介します。
空室対策のコツや注意点をまとめているので、参考にしてみてください。
実際のエピソードはこちらです。
空室対策として、外観の清潔感を保つように心がけました。
対策を行うことで空室が減り、住民のマナーもよくなりました。
施設の老朽化や放置自転車は、入居がためらわれる要因となってしまいます。
私はこまめに物件を見に行って、建物に不備がないかを観察しています。
大事に手入れされていることがわかれば、多少不便な場所でも空室を防ぎやすいです。 ももこ・自営業・北海道・50代・女性
魅力的な物件写真の提供と迅速な内覧対応を徹底し、早期成約を実現しました。
これらの対策によって、空室率は常に5%以下を維持できるようになり、安定した収益を得られるようになりましたよ。
物件写真が魅力的でないと、内覧につながらない可能性があります。
加えて、競合物件との差別化をはかることも大切です。 スー・会社員・京都府・30代・男性
私が管理する物件では次のような空室対策を行っているので、長期間の空室は出ていません。
まず、シンクやバス、洗面所は内覧時の印象を大きく左右するので、水回り設備は短いスパンで入れ替えています。
さらに、1ルームが飽和しているエリアならば1LDK・2LDKのファミリー向けにする……、など周辺物件との差別化を意識していますね。 ななっしー・会社員・兵庫県・40代・男性
退去時期が中途半端なタイミングだったので、「期間内の入居で家賃を割り引く」という空室対策を行いました。
繁忙期まで家賃収入が入らないリスクを考慮すれば、家賃を1ヶ月分割り引いてでも入居を促すほうが利益につながると判断したからです。
早く入居するメリットを打ち出すことで、空室期間を最低限に抑えられました。 なつき・主婦・神奈川県・30代・女性
物件の近辺に国立大学があるため学生の入居者が多く、部屋内での楽器演奏を希望する方々が多数いました。
そのため、楽器演奏を可能にした上で家賃や敷金、礼金、更新料などの諸費用を見直すことに。
有効な空室対策をするには、入居者様の潜在的な需要を見つけ出すことが重要だと思います。 Leonard・会社役員・静岡県・30代・男性
適切な空室対策を施せれば空室率を改善できる

今回は、空室対策の重要性やアイデア、手順をご紹介しました。
空室期間が長引くと、経営状況が悪化したり設備が故障したりしますよ。
空室が埋まらない原因としては「家賃が相場よりも高額」や「内容・外装に問題がある」などが挙げられます。
外観の問題によって空室が生じているならば、リノベーションやリフォームを検討しましょう。
物件エリアの家賃相場やニーズを調査したい方は、ニフティ不動産を活用してみてください。
ニフティ不動産は大手不動産サイトをまとめて検索できるので、手際よくさまざまな物件を探せます。
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