
今回の記事では、マンションの種類別の特徴や板状型マンションとタワーマンションとの違い、マンションの選び方などを紹介します。板状型マンションについて理解したうえで、快適な住まいを見つけましょう。
- 板状型マンションとは?
- タワーマンションとは?
- 大規模マンションとは?
- 板状型マンションとタワーマンションの違いは?
- マンションを選ぶときのポイントは?
- 板状型マンションについて理解して快適な住まいを探そう
板状型マンションとは?

板状型マンションとは、形状により分類したもの。形状による分類は他に住戸をずらして配置した雁行(がんこう)型やロの字型、L字型、コの字型などがあります。
板状型マンションは、略して板マンと呼ばれることがあります。外観は横に長く、建物の一面に住戸が並んでおり、玄関側は外廊下になっています。外廊下とは建物の外側、つまり、外気に触れる面にある廊下のことで、開放廊下と呼ばれることも。
外廊下側の窓や玄関とベランダ側の窓を開けることにより、換気ができるため、通気性に優れている点が魅力です。また、外廊下側から部屋のなかに自然光を取り入れることができ、部屋が明るくなります。
ただし、外廊下があることはメリットのみではありません。天候の影響を受けやすい傾向にあり、雨や雪などが入ってくる可能性も考えられます。ほかには、風の影響により、ほこりや砂が入ってくることもあります。
タワーマンションとは?

タワーマンションとは、高さによって分類したものです。高さや階数などの明確な定義はありませんが、一般的に20階以上あるマンションを示します。
建物の構造にもよりますが、20階以上あれば、高さは地上から60m以上にも及びます。ちなみに、2〜3階建ては低層マンション、4〜5階建ては中層マンション、6〜19階建ては高層マンションと分類される傾向にあります。
タワーマンションのなかには、板状型のものもありますが、基本的には縦に長く、内廊下となっています。タワーマンションは、眺望が良い点が魅力です。再開発エリアに建てられることが多く、都心の街並みや夜景などを部屋から一望できます。また、外の騒音を気にする必要がないことや虫が出にくいこともポイントです。
大規模マンションとは?

大規模マンションとは、戸数によって分類したものであり、タワーマンションと同様に明確な定義はありません。一般的に総戸数が100戸以上のマンションを指します。100戸以下の場合は、小規模マンションに分類される傾向にあります。
大規模マンションは、タワーマンションと多棟型マンションに分けられます。多棟型マンションの特徴として、郊外に多く、タワーマンションほどではないにしても、高層であることが挙げられます。
大規模マンションは居住者も多いため、コミュニティを形成しやすいことが魅力です。さまざまなイベントが開催されていることも多く、居住者同士の交流を深めることにより、何か問題が起きたときに助け合うことも可能です。
とくに、新築マンションであれば、入居するタイミングが近いため、コミュニティを形成しやすいでしょう。しかし、コミュニティ形成が苦手な方にとってはデメリットでもあります。近所付き合いが負担になる可能性も考えられます。
板状型マンションとタワーマンションの違いは?

板状型マンションとタワーマンションの違いはなんでしょうか。
形状の分類と高さの分類で比較するのは難しいですが、セキュリティや共用施設、管理費・修繕積立費、災害時のリスクなどを軸に傾向を比較してみます。
板状型マンション | タワーマンション | |
---|---|---|
セキュリティ性 | 低い | 高い |
共用施設の充実度 | 低い | 高い |
管理費・修繕積立費 | 安い | 高い |
災害時のリスク | 低い | 高い |
利便性 | 低い | 高い |
上記の表は、板状型マンションとタワーマンションを比較したものです。それぞれ詳しく解説します。
セキュリティ性
板状型マンションは、セキュリティ面が劣る傾向にあります。玄関が外廊下に面しており、出入りが分かりやすいためです。外や隣のマンションなどから見えるため、生活のパターンや居住者などを把握される可能性もあります。
一方で、タワーマンションは、セキュリティ面で優れている傾向に。タワーマンションのなかには、外廊下のものもありますが、基本的には内廊下です。内廊下とは、建物の内側、つまり、外気に触れていない面にある廊下のことです。ホテルの客室が並ぶ廊下をイメージすると分かりやすいでしょう。玄関側が内廊下になっていることにより、マンションの住人以外からは、出入りが分かりにくくなっています。
また、超高層であり、窓からの侵入が難しいため、空き巣に入られるリスクを減らせます。防犯カメラを複数設置していたり、24時間有人監視を導入していたりとセキュリティ性の向上に力を入れていることも多い傾向です。
さらに、エントランスだけではなく、エレベーターホールにもオートロックを採用していたり、当該階のみ止まるように設定されていたりとさまざまな対策が行われています。
共用施設の充実度
共用施設は、板状型マンションに比べて、タワーマンションの方が充実しています。宅配ボックスや24時間ゴミステーションなどは板状型マンションにもタワーマンションにも備わっていることが多いですが、タワーマンションは、さまざまな共用部分のグレードが高い場合がほとんどです。例えば、外観やエントランスなどが挙げられます。豪華な仕様であるうえ、快適さも備わっています。
また、タワーマンションのなかには、ジムやキッズルーム、ゲストルームなどを設けているところも。有効活用することで、生活の質を向上させられます。
管理費・修繕積立費
板状型マンションは、管理費・修繕積立費が安い傾向にあります。理由の1つに、外廊下であるため、内廊下のマンションのように空調の調節が不要な点が挙げられます。
また、共用施設の充実度は劣りますが、その分、管理費・修繕積立費を抑えられる点が魅力です。ジムやゲストルームのような共用施設は充実していないことが多いですが、宅配ボックスや24時間ゴミステーションなどあると便利なものが備えられている板状型マンションもあります。豪華な共用施設の必要性を感じない方にとっては、無駄な管理費・修繕積立費を払う必要がないため、うれしいポイントです。
一方、タワーマンションの管理費・修繕積立費は、高いことが特徴。内廊下であることが多く、空調の調節が必要であったり、共用施設が充実している分、管理費がかかったりするためです。共用施設の必要性は人によってさまざまであり、自分のニーズに合っていない場合は、管理費が無駄だと感じる可能性も。
また、管理費・修繕積立費は、築年数が増えるにつれて、高くなる場合があります。購入当初は予算内であっても、次第に経済的負担になることも考えられます。マンションを購入する際は、管理費・修繕積立費が増える可能性があることも考慮しましょう。
災害時のリスク
板状型マンションは、タワーマンションと比べると災害時のリスクが低いといえます。ベランダだけではなく、外廊下からも避難しやすいことが理由です。避難経路が増える分、災害時のリスクを減らせます。
タワーマンションは、災害時のリスクが高くなる恐れがあります。内廊下であることが多く、避難経路が確保しにくいためです。
また、地震が起きた場合、エレベーターは止まります。超高層であるにも関わらず、エレベーターが使用できなくなるため、避難に時間がかかることが予想されます。電気の供給が止まった場合もエレベーターが使用できないため、不便です。
さらに、高層であればあるほど、揺れも大きいうえ、長くなります。地震による被害をできるだけ抑えるためには、耐震グッズを活用しましょう。
利便性
利便性に関しては、板状型マンションもタワーマンションもメリットとデメリットがありますが、タワーマンションの方が優れている傾向にあります。
例えば、タワーマンションは、立地が好条件であることが多い点が特徴です。先述したとおり、再開発エリアに建設されることが多く、周辺施設が充実しています。駅直結や近くに立地している物件も多く、通勤や通学などに非常に便利です。もちろん、板状型マンションでも好立地の物件はあります。
また、タワーマンションは、ゴミ捨て場が各階に設置されていることが多い印象。ゴミ袋を持ってエレベーターに乗る必要もなく、気軽に捨てられるため、快適です。さらに、横移動が少ないため、エレベーターまでの距離も近い点も魅力です。
ただし、超高層である分、板状型マンションと比較してエレベーターの乗車時間が長かったり、混雑しやすかったりとデメリットもあります。風の影響を強く受けるため、洗濯物を外に干せない場合も。買い物した荷物を運ぶことが大変であることも難点です。反対に、板状型マンションであれば、エレベーターや洗濯物、荷物の点においては、利便性が高いといえるでしょう。
マンションを選ぶときのポイントは?

マンションを選ぶ際に注目するポイントとして、物件価格・周辺環境・住環境・災害リスクが挙げられます。それぞれ詳しく解説するので、マンションの購入を検討している方は参考にしてください。
物件価格は妥当であるか
マンションを選ぶ際は、妥当な価格の物件にしましょう。決して安い価格ではないため、マネープランを考えていなければ、負担になる可能性があるためです。収入や将来設計などを考慮して、予算を決めてください。物件が気に入ったからといって、大幅に予算を越えてしまう場合は、おすすめしません。
また、マンションを購入する際は、頭金と諸費用がかかります。諸費用の例として、マンション購入時に不動産会社に支払う手数料や契約成立時に売主に支払う手数料などがあります。頭金は購入価格の1〜2割が一般的です。諸費用は中古物件で3〜5%、新築物件で6〜8%といわれています。マンションを購入する場合は、頭金・諸費用・ローンなどを考慮して、無理のないように収入に見合った価格のものを選ぶことが大切です。
周辺環境が良いか
マンション選びは、周辺環境が良いか確認することも必要です。周辺環境は、生活の快適さに影響します。周辺環境を確認する際の項目の例として、駅までの所要時間や銀行・郵便局・病院のような公共施設のほか、コンビニ・スーパー・ドラッグストアなどの有無が挙げられます。実際の生活をイメージするだけではなく、現地に足を運び、自分の目で確認してみましょう。また、昼と夜では雰囲気が違うこともあるため、時間帯を変えて確認することをおすすめします。
周辺環境が良いに越したことはありませんが、好条件であればあるほど、物件価格も高くなります。実際に確認してみて、優先度を考えながら、予算内で自分のニーズに近いマンションを見つけましょう。
住環境が良いか
周辺環境だけではなく、住環境にも注目してください。住環境は、住み心地を左右します。住環境を確認する際の項目は、騒音・臭い・近隣の建設計画・マンションの管理状況などが挙げられます。周辺環境と同様、実際に自分の目で確認してみましょう。
ほかには、部屋の広さや間取りも重視する必要があります。理想の部屋の広さや間取りは、ライフスタイルや家族構成などによりさまざまです。物件を確認する前に、ニーズに合った条件について整理しておくことをおすすめします。
板状型マンションについて理解して快適な住まいを探そう

今回の記事では、マンションの種類別の特徴や板状型マンションとタワーマンションとの違い、マンションの選び方などを紹介しました。板状型マンションは、横に長い外観で、建物の一面に住戸が並んでおり、玄関側は外廊下になっているものを指します。板状型マンションとタワーマンションで比較されることがありますが、両者にメリットとデメリットがあります。それぞれ詳しく理解したうえで、自分のニーズに合った快適な住まいを探しましょう。
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