100坪の広さはどれくらい?平米数や建てられる家のイメージを解説

この記事では、100坪の広さやその中に建てることができる家の大きさ、また家を建てる以外の活用方法や固定資産税を安くする方法をご紹介します。土地の活用を考えている人や、使わずにただ持っている土地がある人は、ぜひ参考にしてみてください。



100坪は何平米か

100坪の広さはどれくらい?平米数や建てられる家のイメージを解説

100坪の広さを理解するために、まずは1坪がどれくらいの広さなのか知っておきましょう。1坪は約3.30579平米(㎡)で、これは畳2枚分くらいの広さです。また逆に1平米(㎡)は、約0.3025坪です。こちらも不動産を扱う際によく出てくる数字なので、覚えておくと便利です。

このことから、100坪は約200畳の広さ、つまり約330平米(㎡)となります。330平米(㎡)と言われてもしっくりこないかと思いますが、例えば学校にある25mプールが大体これくらいの大きさです。またバレーボールのコートは約50坪なので、「バレーボールのコートを2面並べた大きさ」がイメージしやすいかもしれません。こう考えると、100坪はとても広い土地ということがよくわかりますね。

100坪の土地に建てられる家の面積

100坪の広さはどれくらい?平米数や建てられる家のイメージを解説

100坪の具体的な広さがイメージできました。ではその土地に家を建てることを考えてみましょう。一口に家と言っても、庭を広く使いたいという人もいれば、とにかく家自体を大きくしたいという人もいるかと思います。

さて、ここで気を付けたいのが、地域ごとの「建ぺい率」と「容積率」。実は「土地面積の全面を使って建物を建てることはできない」と、法律で定められているのです。では100坪の土地にはどのくらいの広さの家を建てることができるのでしょうか。

建ぺい率

あまり聞きなれない言葉かと思いますが、建ぺい率とは「敷地面積に対する建築面積の割合」であり、つまりその土地を真上から見たときに建物がどのくらいの割合を占めているかということです。

建ぺい率については建築基準法第53条で定められていて、行政が定めた区域ごとに建物を建てられる面積の割合が違います。市区町村の都市計画課や建築指導課などに問い合わせて確認しましょう。また地域によっては、建ぺい率などの記載された「都市計画図」がインターネットで公開されていることもあります。

建ぺい率から、建てられる建物の面積を割り出すには「土地の敷地面積×建ぺい率(%)÷100=建築面積」という式を使います。100坪の土地の建ぺい率が50%だとすると、「100×50÷100=50」となり、50坪までの建物なら建てられることがわかります。

「自分の土地なのにどうして自由に建物を建てられないのか」と考えてしまう人もいるかと思いますが、建ぺい率は火災が起きた際の延焼の防止や、建物同士の通風や日当たりの確保、地域の景観の確保ができるように定められたものです。必ずしっかり確認をしましょう。

容積率

続いて容積率というのは「敷地面積に対する延床面積の割合」のことです。延床面積とは各階の床面積の合計の広さです。

容積率から、その場所に建てられる建物の延床面積がどこまで大きくできるのか割り出すことができます。このときの計算は「土地の敷地面積×容積率(%)÷100=延床面積」。仮に容積率70%で広さが100坪の土地を持っていたとすると「100×70÷100=70」となり、建てられる建物の延床面積は70坪までとなるわけです。

容積率は建築基準法第52条で定められています。また建ぺい率と同様に地域によって異なるので、市区町村の都市計画課や建築指導課などに問い合わせたり、インターネットで都市計画図を検索してみてください。

容積率は景観や住み心地の確保、防火などに限らず、人口をコントロールするという役割も持っています。狭い土地でも高層の建物を建てればたくさんの人が住めます。だからといって無計画に高層の建物を増やしてしまうと人口が過密になって交通渋滞が起こったり、上下水道や電力供給が間に合わなかったりなどの問題が起こってしまうかもしれません。「建ぺい率」と「容積率」はどちらも住みよい街を維持するために定められているのです。

100坪の土地に建てられる家の間取り

100坪の広さはどれくらい?平米数や建てられる家のイメージを解説

土地の中に建てられる家の面積には、地域ごとに定められた制限があることがわかりました。では実際に100坪の土地に家を建てるとしたら、どのような家を建てることができるのでしょうか。建ぺい率と容積率から、建築面積と延床面積を割り出して、間取りを検討する必要があります。ここでは平屋、2階建て、3階建てに分けて、一般的な部屋の大きさを元にどのような間取りにすることができるかを考えていきます。

平屋

まず平屋の場合ですが、1階のみの建物なので延床面積は気にする必要がありません。100坪の土地で建ぺい率が50%だとすると、100(坪)×50(%)÷100=50(坪)となり、家に使える面積は50坪となります。一般的な平屋の面積は大体30〜40坪くらいなので、それと比べるととても広々とした家が建てられます。

では50坪の平屋を建てる場合、どのような間取りにすることができるでしょうか。これだけの広さがあればキッチンやトイレ、玄関、そして収納スペースなど必ずなくてはならない設備を十分確保したうえで、3LDK〜6LDKくらいの家を建てることができます。3LDKであれば、リビング、ダイニングやその他の部屋はゆったりとした作りで、6LDKになると少しこぢんまりした印象になります。

平屋の良いところは階段のスペースが不要なほか、段差のない作りにすることができます。部屋の配置を工夫して2世帯で暮らす場合などを含めて、家族が多くても50坪の広さがあれば十分ゆったりと暮らせそうですね。

2階建て

続いて2階建ての家を建てる場合はどうでしょう。平屋は建築面積だけ計算すれば大丈夫でしたが、ここからは延床面積も関係してきます。しっかり計算して、各階の床面積を決めていかなければなりません。

建ぺい率が50%、容積率が70%の土地に家を建てるとします。建築面積は平屋のときと同じ計算で50坪となり、延床面積は100(坪)×70(%)÷100=70(坪)です。1階と2階の床面積はあわせて70坪まで、また建物の構造上2階を1階よりも広くすることはできません。そして1階はどんなに広くても50坪までと決まっています。

この中で各階の床面積を考えていくと、1階が50坪で2階が20坪、または1階が40坪で2階が30坪という家が建てられます。そして一般的な部屋の広さを元にこの家の間取りを考えていくと、6〜7LDKくらいになりそうです。1階はキッチンやお風呂、玄関、リビング、ダイニングなどを配置して、さらに2〜3部屋作れる程度の余裕があり、2階にも寝室や子ども部屋など2〜4部屋が作れます。

3階建て

最後に3階建ての場合の間取りです。建ぺい率と容積率は2階建ての場合と同じ考えなので、建築面積は50坪、延床面積は70坪。そして上の階の床面積が下の階よりも大きくなってはいけません。

この場合の各階の床面積は、1階が50坪なら2階と3階は10坪、そして1階が40坪だとすると2階が20坪で3階が10坪、または1階が30坪で2階と3階が20坪という3つのパターンが考えられます。

そして間取りですが、8〜9LDK程度までは部屋を増やすことができそうです。当たり前ですが階段分のスペースが必要になり、家庭用のエレベーターなどを設置する場合はその分の場所を確保しなければいけないので、それも含めて部屋数や広さを調整する必要があります。

ちなみに今回は延床面積をギリギリまで使う間取りを考えてきましたが、建築面積や延床面積はその土地に建てることができる最大値なので、それより狭い分には問題ありません。庭を広くして家庭菜園をしたり、駐車スペースや子供の遊べる空間を作ったりと、建物を小さくして土地を広く使うこともできます。また1階の面積をできるだけ小さくできるよう2階・3階を広めにするなど、何を優先するかによってちょうどいい家の形や間取りを探していただければと思います。

100坪の土地にかかる固定資産税

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土地を持っていると「固定資産税」がかかります。固定資産税とは毎年1月1日の時点で土地などの固定資産を持っている人が支払わなければならない税金のことで、固定資産の価格を元に算出され、各市町村が課税します。

固定資産税は「固定資産税=固定資産税評価額×標準税率(1.4%)」という計算から割り出されます。つまり土地を買ったときの価格などとは関係なく、行政が定めた固定資産税評価額で決まるのです。この評価額は土地のある地域や道路との接し方、土地の形状や面積から細かく判断されています。

土地を持っている限り毎年必ずかかってくる固定資産税。なくすことはできませんが、この税額を減らすことはできます。実は建物を建てることで「住宅用地の特例」の対象になり、土地にかかる固定資産税が減額されるのです。土地の区分によって軽減される割合は変わりますが、小規模住宅用地では200㎡を超える分の面積の土地にかかる税額は6分の1に軽減され、一般住宅用地でも200㎡以下の面積の土地にかかる税額が3分の1に軽減されます。

100坪の土地は約330㎡なのでこの特例を当てはめると、まず200㎡の土地にかかる税額を6分の1に、さらに残りの130㎡にかかる税額も3分の1になります。同じ土地なのに、ただ放置しておくのと建物を建てて利用するのではかかる税金にここまで違いがあるのですね。

もしご自身のお住まいを建てる予定はなかったとしても、活用していない土地は税金ばかりかかってしまいます。それは少しもったいないと思いませんか?

100坪に家を建てる以外の土地活用

100坪の広さはどれくらい?平米数や建てられる家のイメージを解説

ここまで「100坪の土地に家を建てるとしたら」ということを考えてきました。しかしそれだけでなく、賃貸住宅を建てたり事業を起こしたりして活用する方法もあります。何もせず土地を遊ばせておくほうが高い固定資産税がかかるため、活用して収益につなげられれば嬉しいですよね。

今回はマンション・アパート経営、コインランドリー経営、駐車場経営という3つの土地活用方法をご紹介します。それぞれ開業に必要な資金や労力、収入の安定性が違います。また経営していく際のデメリットもありますので、ご自身に合っているかをよく見極めて検討して下さい。

マンション・アパート経営

土地活用と言われて最初に思い浮かぶのは、賃貸経営ではないでしょうか。100坪の土地があればマンションやアパートを建てて家賃収入を得ることができます。ちなみに100坪の土地に建てられる間取りは、1フロアに4人家族向けの2〜3LDKが2〜4部屋、または単身者向けの部屋だと6〜8部屋程度。階数を高くできれば収容人数が増え収益も上がりますが、容積率が低い地域の場合は注意が必要です。

お持ちの土地が便利な場所にある場合、マンション・アパート経営はしやすくなります。駅に近い物件、スーパーやお子さんの学校が近い物件など、実際にご自身で家を探したときに条件に入れた経験はないでしょうか。また、家賃の相場が高い地域に建てることができれば収益を得やすいと言えるでしょう。

マンション・アパート経営は、一度入居者が埋まってしまえば継続的に収入が入ります。建物の維持管理を管理会社に任せてしまえば、自分ですることはほとんどありません。また固定資産税だけでなく相続税や所得税などの節税効果も高く、あまりエリアも選ばないので、最初の建築費さえあれば効果的に土地を活用できます。

デメリットとしては、築年数が経つにつれて空室を埋めるのが難しくなってくること。同時に修繕が必要になるなど建物を管理するための支出が増えて赤字になる可能性もゼロではありません。また、入居者同士のトラブルや地域の治安の悪化によって、入居者が減ったり家賃を下げたりしなくてはならなくなる可能性も出てくるでしょう。

コインランドリー経営

最近はコインランドリーの種類も増えてきました。単身者向けや観光客向けに10坪程度で営業しているところもありますが、100坪あれば十分に駐車スペースを確保し布団など大物の洗濯もできる、郊外型の大きなコインランドリーを経営することができます。

運営の仕方には3つのパターンがあります。ご自身で運営を行うか、フランチャイズに加盟、またはコインランドリー専門の企業に土地を貸すという方法です。時間に余裕があり自由にお店作りを楽しみたい人にはご自身での運営が、手間をかけずに開店や運営をしたい人にはフランチャイズ加盟が向いています。土地を貸す方法は、手間もリスクもない代わりに収益があまり見込めないので、収入はなくても節税対策できれば、という人に適しています。

コインランドリーは基本的にセルフサービスなので人を雇う必要がなく、また商品を扱うわけではないので在庫のリスクもありません。お金を入れないと洗濯できないため利用料は必ず現金収入として継続的に入ってきます。未経験の人や初心者の人でも始めやすいこともメリットと言えるでしょう。

もしコインランドリーを経営するとなると、最初の設備投資はかなり高額になります。建築費に洗濯機や乾燥機などを合わせると少なくとも5,000〜6,000万円ほど。また開業後も固定客がつくまでは収入が安定せず、赤字が出る可能性もあります。無人経営で人件費が抑えられる反面、若者やホームレスの溜まり場になったり、盗難などの犯罪が起こりやすい環境ともいえます。なにかトラブルが起きれば一気に客足が遠のくこともあるので、防犯カメラなどでの対策が不可欠でしょう。

駐車場経営

紹介した3つの方法のうち最も手軽に始めることができるのが、駐車場経営です。100坪の土地があれば、およそ14〜25台ほど停められる駐車場を作ることができます。駐車場には月極駐車場とコインパーキングの2つのタイプがあるので、立地によって適している方を選んでください。郊外や住宅地に土地をお持ちであれば月極駐車場がおすすめ。駅や都心部、大型商業施設などが近くにある場合はコインパーキングにするなど、周辺のリサーチが大切です。

駐車場経営の良いところは、建物を建てる必要がないところ。地面の整備や車止め、駐車する区画の目印となるポールなどは必要ですが、大きな設備はコインパーキングの場合に精算機を用意する程度なので、前の2つの土地活用方法に比べて初期投資をとても安く抑えることができます。また工事に長期間かかることもなく、たとえば駐車場経営をやめて家を建てたいという場合にも建物の取り壊しがないので、比較的手軽に土地の活用方法を変更できます。

管理についても管理会社に委託してしまえば、自分ですることはほとんどありません。手軽にストレスなく土地を活用したい人には、駐車場経営は適しているでしょう。

ただ、駐車場は土地を平面でしか使うことができないため、建物を建てるよりも運用効率は低く、大きな収益にはなりにくいと言えます。また、建物を建てないため固定資産税の「住宅用地の特例」が適用されず、節税効果は低いことから、収益が出ても税金を払ったらほとんど残らなかったということにもなりかねません。

これ以外にも土地を活用する方法はいろいろありますが、メリットがあれば必ずデメリットもあるものです。土地活用を考える際には、お持ちの土地の立地や初期費用、どれくらい経営に手間や時間をかけられるかなどをよく検討して始めてみてください。

まとめ

今回は100坪の土地はどのように利用できるのかを考えてきました。とにかく言えるのは、建物を建てることもなくただ置いてある土地が一番もったいないということ。せっかくの資産である土地が税金だけを生んでしまいます。

土地はいろいろな方法で活用することができます。のびのび暮らせる大きな家を建てたり、事業を起こして収益を上げ固定資産税分以上を稼いだりと、ぜひプラスになるよう使ってみてください。

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