
ここでは、
「路線価とは一体どういったものなのか?」
「路線価の調べ方や路線価図の見方を知りたい!」
「路線価図をもとにした計算式のシミュレーションをしてみたい!」
という方に向けて、路線価をわかりやすく解説します。
計算シミュレーションも掲載しているので、計算式を参考に土地の価格を調べてみてくださいね。
- 路線価とは?公示価格や実勢価格との違いをわかりやすく解説
- 路線価の調べ方~国税局ホームページを活用する方法~
- 路線価図の記号・数字・アルファベットの意味を解説
- 路線価図を元に計算式をシミュレーションしてみよう
- 路線価と路線価図の調べ方まとめ
「路線価」は相続税や贈与税、固定資産税などの基準になるよ。
路線価の調べ方をチェックして、いざという時に困らないようにしよう!
路線価とは?公示価格や実勢価格との違いをわかりやすく解説

まず、路線価とは何かについて、わかりやすく解説します。
路線価は、道路に面した土地の価格のことを言います。
土地を譲り受けた時にどのくらい相続税・贈与税がかかるかは、路線価をもとに計算します。
路線価には2種類あり、それぞれ「相続税路線価」「固定資産税路線価」と呼ばれています。
相続税路線価とは
相続税・贈与税の計算で使われる路線価
固定資産税路線価とは
固定資産税の計算で使われる路線価
路線価は、毎年7月1日に国税局や各地税務署で発表されます。
相続や贈与により土地の評価額を計算するときは、相続や贈与が発生した年の路線価を使います。
例えば1月に相続があった場合は、その年の路線価が発表される7月まで計算を待たなければなりません。
誤って前年の路線価を使わないように注意しましょう。
路線価と公示価格や実績価格との違い
不動産の価格に関する言葉は、路線価以外にもいくつかあります。
ここでは路線価と公示価格、実勢価格の違いを解説します。
路線価・・・道路に面した土地の評価額で、国税局が定める
公示価格・・・土地取引の目安として、国土交通省が毎年発表する価格
実勢価格・・・実際に市場で売買される価格で、日々変動する
多くの場合、実際の取引では路線価や公示価格よりも、時勢価格が重視されています。
路線価の調べ方~国税局ホームページを活用する方法~

続いて、路線価の調べ方を見ていきましょう。
ここでは、路線価を調べる際によく使われる「国税庁ホームページの路線価の調べ方」を解説します。
国税庁のホームページは、常に最新の路線価が確認できるようになっています。
過去の路線価を調べたい場合は、年度を最初に選択してください。
最新の路線価は令和元年分のものです。
今年(令和2年)の路線価を調べたい場合には、7月1日まで待ちましょう。
まずは、こちらにアクセスします。
>>国税庁公式HP「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」

①地図または左の表示から、都道府県を選択します。

②目次から「路線価図」を選択します。

③検索したい市区町村を選択します。

③町名(番地)から路線価図ページ番号を選択します。
ここで路線価図ページ番号が複数ある場合には、調べたい場所の該当ページをさらに探します。

④該当するページが見つかったら操作は完了です!
これで、路線価図を確認することができます。
ただし、国税庁ホームページの路線価の調べ方は、
・操作手順が多く、わずらわしい
・路線価図が同じ町内にいくつもある場合は、1枚ずつ確認しなければならない
・若干見づらい
などで、挫折してしまう方も少なくありません。
そこで次に、もっと簡単に路線価を調べる方法を紹介します。
路線価を簡単に調べる方法もある
一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」は、先ほど紹介した方法よりも簡単に、かつ見やすく路線価を調べることができます。
>>全国地価マップ(PC版)
>>全国地価マップ(スマホ版)
全国地価マップでは、
・住所を入力する
・目標施設を入力する
これらの方法で検索できますよ。
この他にも、国税局や国税事務所、税務署に足を運べば、現地で路線価図を確認することも可能です。
路線価図の記号・数字・アルファベットの意味を解説

国税庁のホームページにある路線価図には、それぞれの道路に
・記号
・数字
・アルファベット
が記載されていますが、初見ではなかなか理解しづらいものです。
一例を挙げると、下記のように表示されます。

これを見て、「???」と不安に思われた方、でも大丈夫です!
ここからは、路線価図に記載されている記号や数字、アルファベットの見方を解説します。
路線価図の記号は「地区」を表す

路線価図にある、二重線の上に四角や丸などが書かれた図形は、ビル街や繁華街などの「地区」を表しています。
場所によっては、図形の一部を網掛けや塗りつぶしにすることで、道路沿いの地区をさらに細かく区分する場合もあります。
そして、このような地区を表す図形がない場所は、通常の住宅地区と考えます。
路線価図の数字は「路線価」を表す
路線価図に書かれている数字は、「路線価」そのものの価格を表します。
この数字は千円単位の表記なので、例えば330と書かれている場合は330千円、つまり33万円を意味しています。
路線価図の末のアルファベットは「借地権の割合」を表す
路線価図の末に書かれているアルファベットは、「借地権の割合」を表します。
借地権の割合とは、その土地に対する借主の権利を意味していて、アルファベットの順番が早いものほど、借地権の割合が高い(=借主の権利部分が大きい)と言えます。
アルファベット | 借地権の割合 |
---|---|
A | 90% |
B | 80% |
C | 70% |
D | 60% |
E | 50% |
F | 40% |
G | 30% |
路線価図を元に計算式をシミュレーションしてみよう

それでは最後に、路線価図を元に計算式でシミュレーションしてみましょう!
自用地(自分で使用している土地)の価格の計算式
補正を行った路線価 × 土地の面積㎡
※必ず「補正」をかけた数値で計算する
補正とは、土地の形状や周囲の条件に応じて路線価を減額したり、増額したりすることを言います。
減額の補正は以下の5種類で、組み合わせて使う場合もあります。
補正の種類 | 内容 |
---|---|
奥行価格補正 | 宅地の奥行が短い・長い |
不整形地補正 | 宅地がいびつな形状をしている |
間口狭小補正 | 用途に対しての間口が狭い |
奥行長大補正 | 間口に対しての奥行が長い |
がけ地補正 | 宅地にがけがある |
土地はキレイな四角形であるほど価値が高くなりますが、間口が狭すぎる場合や、住宅を建てづらいいびつな形である場合などは価値が下がり、路線価が減額されます。
また、今回は自用地(自分で使用している土地)の価格について解説していますが、
・賃貸の敷地
・貸宅地
の場合は、借主の権利に当たる部分を減額して、価格の計算を行います。
一方で、複数の道路に面している土地など、利用価値が高い場合には、路線価を増額する補正をおこなうケースもあります。
路線価図の計算式をシミュレーション

では実際に、上の路線価図(Aさんの自用地)で、奥行価格補正をかけた場合のシミュレーションをしてみましょう。
計算方法はこちら。
■路線価の計算方法
(補正の計算式) 34万円×1.00(※1)=34万円(※2)
※1 奥行に不具合がないため、路線価の減額はなし
※2 奥行価格補正をした1㎡あたりの価格
(自用地の価額) 34万円×100㎡=3,400万円
(借地権の価額) 3400万円×60%=2,040万円
路線価と路線価図の調べ方まとめ

ここまで路線価について解説してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?
「マイホームを建てたいから土地を探そう」という場合には、土地の広さや立地、販売価格にばかり目が行きがちですが、後々のことまで考えるなら、路線価もきちんと踏まえて判断材料の一つにすべきです。
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