
「内覧会」は「展示会」とは全然違う
購入した建売住宅や新築の注文住宅のお披露目ともいうべきものが「内覧会」です。楽しみに待っていた家が完成し、初めて足を踏み入れることができるワクワクの時間を想像することでしょう。しかし、モデルルームを見に行くわけではなく、その性質はまったく異なります。
内覧会とは「竣工検査」とも言われ、文字どおり「検査」の場です。契約した設計のとおりに建築されているかどうか、欠陥や汚れがないかどうか、その仕上がりを確認し、何かあれば修繕を求めなければならない重要な機会です。
注文住宅の場合でも建売住宅の場合でも、内覧会の段階で完璧な状態になっているかといえば、意外にそうではないことが多くあります。万一住み始めてから欠陥に気づいても、時すでに遅しです。
そうした事態を避け、万全の状態で引き渡しを受けるためも、内覧会では限られた時間のなかで隅々まで目を配る必要があります。
新築戸建ての内覧会の前に必ずやっておきたい下準備
内覧会にあたっては、どのような備えが必要でしょうか。
図面を確認しておく
内覧会の前日までに、図面や資料などにひと通り目を通しておきましょう。そのうえで、「ここは見ておこう」「ここは質問して確認が必要だ」と思うところを挙げておくと、漏れなくチェックできます。
一般的に、内覧会は1時間から2時間程度で行われます。そこでは、売り主や施工会社からさまざまな説明がなされ、外回りの確認、室内に入って部屋や設備の説明……と進みます。
うかうかしていると、ただ説明を聞きながら漠然と眺めているだけになってしまい、気がついたら引き渡しの手続きが始まっていたといったことになりかねません。
また、気になるところがあればどんどん質問しましょう。必要なところは入居前に補修を求めるなど、要望は飲み込まずに伝えるようにします。遠慮せず、不安が残らないようにすることが大切です。
当日の持ち物を揃える
内覧会で細かく確認するために、持っていくと便利なものがあります。
懐中電灯
暗いところを確認するときに使います。新築住宅ではまだ照明器具がないことも多く、さらに床下や天井裏などの暗い場所を見る必要もあります。懐中電灯で角度を変えて照らしてみることで、思わぬ傷や汚れが見つかることもあります。メジャー
家や設備のサイズの確認に使います。合わせて、大きい家具を置こうとしているスペースやカーテンレールのサイズも測っておくと、引っ越しの準備に役立ちます。水平器
傾斜を確認する器具で、床などがきちんと水平になっているかをチェックできます。代替としてビー玉やゴルフボールなどの球体を転がしてもよいでしょう。スマートフォンの水平器アプリも便利です。マスキングテープや付箋紙、ペン
傷や汚れのある箇所、気になるところに貼り付けて、そこに内容をメモしておきます。合わせてデジタルカメラで記録しておくのも有効です。そのほか、ドライヤー(通電の確認)、ウェットティッシュ(傷か汚れかを判別する)、厚手の靴下や使い捨てカイロ(冬の冷え対策)などもあると便利でしょう。

新築一戸建ての内覧会のチェックリスト・注意点
新築一戸建ての内覧会当日に確認しておきたい、基本的なチェックリストは以下のとおりです。
室内
- ・契約時の図面と相違がないか
- ・ドアが開く方向、収納や壁や窓の大きさや位置などに違いがないか
- ・床や階段は水平になっているか、きしみはないか、歩いて変な音がしないか
- ・床と壁は垂直になっているか
- ・壁のクロスに汚れや目立つ継ぎ目がないか
- ・ドアや窓、収納扉などの開閉はスムーズにできるか
- ・キッチンや洗面所、トイレ・浴室の水が出るか、きちんと流れるか
- ・水漏れが起こっていないか
- ・床下内部にごみがちらかっていたり、おかしなところがないか
- ・コンセントが機能するか(通電しているかどうか)
など
屋外
- ・外壁や基礎の表面にひび割れや欠損がないか
- ・外構の工事に終わっていないところがないか
- ・土地の境界が明らかに示されているか
- ・隣の土地の所有者と共有になっているものがあるか
など
傷や汚れが見つかったり、設備の不具合、気になるところがあれば、遠慮せずに施工会社の担当者に尋ねましょう。
補修してもらうことになったら、いつまでに対応してもらえるかを確認します。補修後は、指摘したところがきちんと直ったかどうかを確認するための再内覧会が行われることもありますし、引き渡し後に確認することもあります。もし引き渡しまでに補修が間に合わなければ入居後に対応してもらうケースもあります。
そうしたスケジュールや決め事も漏れなく確認しておき、すべて書面で残しておくことが重要です。
事前に準備をして、後悔のない内覧会を!
内覧会でOKを出したら、それで納得したものとして引き渡され、残金を支払うことになります。長く住む家ですから、徹底的に確認して、納得できるまで説明を受けましょう。
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