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購入に伴う費用を比較する

住宅を購入する際に発生する費用としては、不動産の購入金額があります。また、以下の費用はマンションでも一戸建てでも共通して発生します。

共通して発生する費用

  • ・購入金額の頭金
  • ・契約書に貼る印紙代
  • ・仲介手数料(新築のマンションを除く)
  • ・登記費用
  • ・住宅ローンを組む場合の融資手数料、担保設定費用、保証料
  • ・火災保険料
  • ・不動産取得税(新築・築年数が浅い不動産はかからないことが多い)
  • ・固定資産税等や管理費等の精算金

最初に支払う大きな出費は頭金です。その後、多くは住宅ローンを組んで残りの購入代金を支払うことになります。また、物件購入後には、固定資産税、都市計画税、不動産取得税といった税金がかかります。マンションのほうが所有する土地面積が狭いため、税金や保険料については安く済む傾向があります。

それでは、これよりマンションと一戸建てではどのような違いがあるか、具体的にご説明していきます。

マンションの購入に発生する費用

マンションを購入する場合にかかる費用の代表的なものは、「修繕積立一時金」です。

修繕積立金とは、建物の大規模な修繕が必要な場合や、共用部分の工事、特別な事情で発生する高額の修繕が必要になったときなどに備える準備金のことです。新築の場合は、その積立金が当然のごとくありませんので、数十万円を一時金として購入時に支払います。

なお、修繕積立金は毎月かかります。継続的に支払うものですから負担ではありますが、積立金があまりに安すぎるといざというときに必要な修繕がでません。実際に、適切な積立金を徴収していなかったマンションでは、大規模工事が発生した際に1世帯あたり数十万円にのぼる臨時徴収が実施されたそうです。

そのほか、管理費が必要となる物件もありますし、自動車を持っている場合は駐車場代が発生します。駐車場代無料の物件もあるようですが、多くの物件ではその地域の相場か少し安いくらいの駐車場代を支払うことになります。

一戸建ての購入に発生する費用

購入した土地に新たに水道を引く場合、「水道加入負担金」と呼ばれる費用が発生することがあります。これは、安定した水の供給を行うためという名目で徴収されるものです。

この費用は地域によって呼び名や金額が異なります。徴収が発生するかしないかも含めて、その地域の自治体に確認することをおすすめします。

また、徴収が発生する場合でも、物件価格にあらかじめ含まれている場合と、物件価格とは別途支払うことになる場合があります。契約する前に、売り主に確認しましょう。

マンションと一戸建てを購入する場合の総額を比較する

購入時に支払う費用は、マンションのほうが安く収まることが多いようです。

一戸建ては、土地の購入を伴うことが多く、不動産売買の費用自体も高額になります。また、マンションに比べて所有土地面積が広くなる一戸建ては、税金や保険料などもかさみます。

しかし、入居後の費用も含めて見てみると、マンションの場合は管理費や修繕積立金が徴収されるため、長く住めば住むだけコストが増えることになります。条件にもよりますが、たとえば30年住む場合では、マンションより一戸建てのほうが総額は安くなるといった試算もあるようです。

資産価値を比較する

物件の購入にあたっては、資産価値という点も重要なポイントです。では、マンションと一戸建てでは、将来の資産価値にどのような差があるのでしょうか。

マンションの場合

マンションの場合、将来の資産価値は一戸建てに比べてあまり期待できない傾向にあります。マンションは1戸あたりの所有土地面積がわずかであり、資産価値の大半は建物が占めることになります。その建物が老朽化してしまうと、価値がどんどん下がってしまうというわけです。

立地次第では、地域の再開発などによってマンションの価値が上がるケースもありますが、何十年単位で考えると、残念ながら資産価値は落ちていくと考えたほうがいいでしょう。

将来的に売却まで見込んでいるのであれば、一戸建てのほうがリスクは低いといえます。

一戸建ての場合

一戸建ての場合、家が建っているその土地の所有者になるため、土地自体の資産価値を見込むことができます。

木造の家であれば、建物部分の資産価値の下落は鉄筋・鉄骨のマンションに比べて、より大きくなるでしょう。しかし、土地部分の資産価値は残りますから、資産全体としての価値の下落幅はマンションより低いと考えて問題ありません。また、建物が古くなったら建て替えの検討もできます。

なお、マンションに比べて高額での売却が期待できる分、買い手を見つけて引き渡すまでにある程度時間がかかる傾向にあります。もし売却を検討されている場合は、この点に注意してください。

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メリット・デメリットを比較する

マンションの場合

マンションのメリットは、何といっても立地のよさと利便性です。

広い面積を必要とする一戸建てに比べて、駅周辺のような密集地にも複数世帯分の住宅を確保しやすいマンションは、利便性が高い傾向にあります。日常の通勤・通学や買い物がしやすいため、生活の満足度も自然と大きくなります。

他にも、周辺の環境や部屋の階層によっては、日当たりや眺望のよさも期待できます。利便性のよさや立地、生活環境を優先する人は、マンションが有力な候補になるでしょう。

また、セキュリティの面でも、マンションは有利です。とくに上層階では周囲から覗かれる心配も少なく、オートロックや監視カメラなどの防犯設備も充実しています。管理人が常駐している物件であれば人の目による効果も期待できます。

長く住み続けることを考えるなら、エレベーターがあることも利点です。年齢を重ねても移動しやすく、生活しやすいからです。ただし、エレベーターの基数によっては朝の通勤・通学の時間帯は混雑が予想されます。上層階の場合、早めに家を出るなど対策を考える必要があるでしょう。

また、マンションは隣や上下の世帯と密接しているため、騒音が気になることがあります。もちろん、自分たちが騒音を出さないように気を配ることも必要です。さらに、管理組合などへの参加義務や役員の分担などが負担になることもあります。

一戸建ての場合

一戸建ての最大のメリットは、他の世帯を気にせずのびのび生活できることです。

2階建てや地下室のある家であれば、上下階を使って便利に暮らすこともできますし、庭付きの家に住んで子供と遊んだり家庭菜園を楽しむことも可能になります。

ただ、広い面積を必要とする分、駅の近くや都市部の中心などに物件を求めることが難しく、マンションに比べると利便性の面で多少劣ります。それでも、敷地内に駐車場があれば、車の移動でカバーできますし、コスト面でも有利になります。

デメリットは、草刈りなどの手入れや設備のメンテナンスをすべて自分たちで行う必要があることです。家が広いと、光熱費が予想以上にかかることもあります。

さらに、建物が独立しているため、場所によっては死角や足場などができてしまうので、空き巣や放火の心配が少しだけ増すかもしれません。家の前が道路や人通りの多いところであれば、外からの視線を気にする必要もあるでしょう。

専門家からのアドバイス

マンションと一戸建ては一般的な考え方として、それぞれ求められるものが違うと思います。
マンションは利便性であり、一戸建ては居住性のようです。そのためマンションは交通の利便性が良い立地に、一戸建ては住環境が良い立地にないと資産価値が保てないことが往々にあるようです。

同様にマンションと一戸建てどちらが良いか?という質問には交通の利便性を重視するならマンション、住環境を重視するなら一戸建てと言えそうです。

まとめ

マンションも一戸建ても、細かく比べるとさまざまな違いがあり、さらに物件によって異なる点も多くあります。向き不向きは購入する人によって変わってきます。

まずは、自分のライフスタイルを考えて、検討を重ねてみるのがいいでしょう。最初のうちは、マンションか一戸建てかのどちらかと限定せずに、いろいろな物件を見てみると、だんだん自分にとって良い条件の感覚をつかむことができます。

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監修:

畑中 学(はたなか おさむ)

Profile
不動産コンサルタント・武蔵野不動産相談室株式会社 代表 1974年東京都生まれ。設計事務所にて一戸建てや公団分譲地を手掛けた後、不動産会社へ移り最年少で店長になる等、7年間にわたり不動産の販売・企画・仲介を責任者として携わる。2008年に創業。家に関する相談を約800組受け、お金の面から多くの方に満足のいく家づくりと家の買い方をサポートしている。 「不動産の基本を学ぶ(かんき出版)」「不動産の落とし穴にハマるな(同)」「マンション・戸建 中古の選び方(日経ビジネス)」「お金持ち入門(実業之日本社 不動産編)」など著書は多数。